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竜殱滅
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テントにいた人たちと朝を迎え、日が地上を照らし始めてすぐにテントを出た。軍用の車に乗せられて、街へ向かった。
車だ。後ろが荷台になっている。荷台に乗せられて運ばれている。荷台には銃を持った軍人が二人いる。運転席にも二人。そのうち竜の殱滅が始まる。それまでの短い間に街まで送ってくれている。
街で下されて、地下への道を教えてくれた。先に避難していた者が出迎えている。そこにも銃を持った軍人がいる。
カレンとミコトは並ぶ列を離れて海辺へ向かった。すでに街に潮の香りがある。街が海に近いことがわかる。
家の影を通り、波の音が聞こえて来る方角へ向かう。
「獣人がいた」
ミコトが呟く。少し高揚している。
「異世界だ」
カレンも見た。街を守る軍人の中に、毛皮を持つ人型が数人いた。
「獣人は許されるのに竜は殺されるって、良く分からねえ」
ミコトは呆れている。
「ここの竜は人や家畜を襲うからな。体が大きいし、力も強い。恐れるのは仕方がないのだろう」
「そうだけど」
「仕方がない。歴史だ。これが起こらなければ竜人は生まれない」
シアが生まれない。カレンはそう考えた。シアに会いたい。強く思う。
「そういえばミコトは、相手の竜人に捨てられたって言っていたが、捨てられたっていうことは、好きだったってことか?」
カレンはそうだったら良いなと思っている。そうだったら一緒に竜の渓谷を目指せる。ミコトもカレンも現代にいい思い出がないように思うから。
「どうかな? 勝手に捨てやがったから、文句言いに行こうと思ってたよ、あの時。体作り変えられて、すげえ面倒なのに当人が逃げるってありえねえだろ?」
「ああ、そうか。そうだな」
月に一度の頻度で体が竜を求める。数日耐えれば波は引くが、竜の性を受けなければ長引くし、簡単なきっかけで準備を始めてしまう。ぐっしょり濡れてしまうアソコの処理は、メスになったと思わせられるからけっこうキツい。カレンと同じ思いをミコトもしていた。
「ミコトの相手は誰? 愛のあるセックスをした?」
カレンがそう言うと、ミコトがわかりやすくテレる。顔を赤くして距離を置いた。
「だから! カレン、前みたいにオッサンじゃねえんだって! その可愛い顔で言うセリフじゃねえよ!」
「ああ、そうか。自分じゃわからん」
ミコトの反応を見て、これは相当だなと思う。もしかしたら、今のカレンの姿がシアの好みなのかもしれないと思った。今のカレンなら、シアに愛のあるセックスをしてもらえたのかもしれない。
「黒竜だよ。白銀の竜の護衛をしてたらしいよ。竜人の姿しか見たことねえけど」
「ああ、俺は竜の姿しか見たことないな」
白銀の竜の側にいつもいた黒竜。シアよりも体格が大きくて、強そうな姿。
「愛のあるセックスってなに?」
ミコトに聞き返される。カレンは用意していたように答えた。
「キスしながら正常位で抱き合って、奥に吐き出されて、良かったって言って、もう一回って言うセックス?」
「具体的だな」
ミコトはもう諦めたようだ。見た目が可愛らしくても、中身は35歳のオッサンだ。そのオッサンが言うセリフじゃないことも、カレンの常識は施設内だけだと知っているから見逃した。
「俺に意思はないからな。好きにしてっていう状態だから、セックスに愛はねえだろ。竜人の考えなんか、俺にはわかんねえけど」
カレンもミコトも同じだ。身を投げ出すだけ。子を宿す道具だから、外身などどうでもいいのだろうか。カレンは少し落ち込んだ。愛のあるセックスなど一生無理なんだろう。
「でも俺は好きだった。一人の奴と長く付き合うのはいいなって。いつか分かり合える日が来たら良いのにって思ってたけど、捨てられた。一方的に、もう来なくて良いって言われた、ムカつく」
「竜人は見た目がもう綺麗なんだよ。あんなの見せられて拒むの無理だ。体が求めるだろ? そうすると気持ちも持って行かれる。同じか?」
「そうなんだよな。アイツは俺の理想の姿だった。あんな強そうな見た目だったら、良いようにされたりしねえんだろ。最初は完璧すぎてムカついたけど、結局無理だよな。カレンの言うこと、わかる」
結局、抱かれるうちに絆される。メスであることを覚えさせられる。唯一無二なのは人の方だけなのだろう。好きになった。もう観念するしかない。
車だ。後ろが荷台になっている。荷台に乗せられて運ばれている。荷台には銃を持った軍人が二人いる。運転席にも二人。そのうち竜の殱滅が始まる。それまでの短い間に街まで送ってくれている。
街で下されて、地下への道を教えてくれた。先に避難していた者が出迎えている。そこにも銃を持った軍人がいる。
カレンとミコトは並ぶ列を離れて海辺へ向かった。すでに街に潮の香りがある。街が海に近いことがわかる。
家の影を通り、波の音が聞こえて来る方角へ向かう。
「獣人がいた」
ミコトが呟く。少し高揚している。
「異世界だ」
カレンも見た。街を守る軍人の中に、毛皮を持つ人型が数人いた。
「獣人は許されるのに竜は殺されるって、良く分からねえ」
ミコトは呆れている。
「ここの竜は人や家畜を襲うからな。体が大きいし、力も強い。恐れるのは仕方がないのだろう」
「そうだけど」
「仕方がない。歴史だ。これが起こらなければ竜人は生まれない」
シアが生まれない。カレンはそう考えた。シアに会いたい。強く思う。
「そういえばミコトは、相手の竜人に捨てられたって言っていたが、捨てられたっていうことは、好きだったってことか?」
カレンはそうだったら良いなと思っている。そうだったら一緒に竜の渓谷を目指せる。ミコトもカレンも現代にいい思い出がないように思うから。
「どうかな? 勝手に捨てやがったから、文句言いに行こうと思ってたよ、あの時。体作り変えられて、すげえ面倒なのに当人が逃げるってありえねえだろ?」
「ああ、そうか。そうだな」
月に一度の頻度で体が竜を求める。数日耐えれば波は引くが、竜の性を受けなければ長引くし、簡単なきっかけで準備を始めてしまう。ぐっしょり濡れてしまうアソコの処理は、メスになったと思わせられるからけっこうキツい。カレンと同じ思いをミコトもしていた。
「ミコトの相手は誰? 愛のあるセックスをした?」
カレンがそう言うと、ミコトがわかりやすくテレる。顔を赤くして距離を置いた。
「だから! カレン、前みたいにオッサンじゃねえんだって! その可愛い顔で言うセリフじゃねえよ!」
「ああ、そうか。自分じゃわからん」
ミコトの反応を見て、これは相当だなと思う。もしかしたら、今のカレンの姿がシアの好みなのかもしれないと思った。今のカレンなら、シアに愛のあるセックスをしてもらえたのかもしれない。
「黒竜だよ。白銀の竜の護衛をしてたらしいよ。竜人の姿しか見たことねえけど」
「ああ、俺は竜の姿しか見たことないな」
白銀の竜の側にいつもいた黒竜。シアよりも体格が大きくて、強そうな姿。
「愛のあるセックスってなに?」
ミコトに聞き返される。カレンは用意していたように答えた。
「キスしながら正常位で抱き合って、奥に吐き出されて、良かったって言って、もう一回って言うセックス?」
「具体的だな」
ミコトはもう諦めたようだ。見た目が可愛らしくても、中身は35歳のオッサンだ。そのオッサンが言うセリフじゃないことも、カレンの常識は施設内だけだと知っているから見逃した。
「俺に意思はないからな。好きにしてっていう状態だから、セックスに愛はねえだろ。竜人の考えなんか、俺にはわかんねえけど」
カレンもミコトも同じだ。身を投げ出すだけ。子を宿す道具だから、外身などどうでもいいのだろうか。カレンは少し落ち込んだ。愛のあるセックスなど一生無理なんだろう。
「でも俺は好きだった。一人の奴と長く付き合うのはいいなって。いつか分かり合える日が来たら良いのにって思ってたけど、捨てられた。一方的に、もう来なくて良いって言われた、ムカつく」
「竜人は見た目がもう綺麗なんだよ。あんなの見せられて拒むの無理だ。体が求めるだろ? そうすると気持ちも持って行かれる。同じか?」
「そうなんだよな。アイツは俺の理想の姿だった。あんな強そうな見た目だったら、良いようにされたりしねえんだろ。最初は完璧すぎてムカついたけど、結局無理だよな。カレンの言うこと、わかる」
結局、抱かれるうちに絆される。メスであることを覚えさせられる。唯一無二なのは人の方だけなのだろう。好きになった。もう観念するしかない。
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