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双子島
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ナギはカレンの言葉に対して首を振った。
「わからない。彼らが竜人として生まれ変わり、まだ数年しか経っていない。ただ彼らには性欲が欠落している。元々竜は繁殖期が決まっていた。まだ繁殖期ではない、それだけの理由かもしれない」
「えーでも俺の知っている竜人は好きな時に呼びつけて何度もシてたぜ? 竜人に繁殖期は関係ないだろ」
ミコトは黒竜を思い出したのか、ため息を吐いた。捨てられたのも思い出したのか、嫌そうな顔だ。
「竜人は人と変らず、好きな時に交尾をすることができます。ただ受け入れる側に問題があり、月に一度、体が受け入れ態勢を取ります。そうするとその匂いに相手の竜人が反応をする。それが俺と竜人との付き合い方でした」
「お腹の卵はその竜人の?」
ナギは知らずにそう言ったが、聞いたミコトは思わずカレンを見たし、カレンはすっと表情を失くした。
「えっと、それはまあ、置いといて良いんじゃないか?」
ミコトが場を繕って笑う。カレンは大丈夫だってミコトに笑って見せた。
「ただの実験結果です。この卵はどの竜の子かわかりません。けどいい面もある。俺の相手は白銀の竜だったから、白銀の竜から、白銀の竜の子は産まれない。そういう理(ことわり)がある。だからこの子は白銀の竜になりえる。いいや、ならなければならない、未来の為に」
カレンは強く言葉を言い切った。
「おまえの相手が白銀の竜だったのか?」
その疑問はアイだ。アイは壁から背を離し、カレンに詰め寄った。
「白銀の竜は、黒髪黒い瞳の人を選ぶ」
カレンはアイを見上げ、にっこり笑った。
アイはカレンの傍に膝を付き、その手を取る。カレンを見上げるアイの目は崇拝という言葉が似合う。
「竜神に選ばれし者」
手の甲にキスされたカレンは驚いて手を引いた。それからナギを見る。アイはナギの伴侶なのではないのか? そういう疑問の視線だ。
カレンの視線に対してナギは首を傾げ、それから気づいたように笑んだ。
「ああ、違うよ、私たちは家族のようなものだ。アイに決まった相手はいない」
「ええ、いいな、カレン。見た目が可愛くなったから、お姫様みたいに見える」
ミコトが羨ましそうだ。でもカレンはシア以外に受け入れる気はない。
「言っておくけど黒竜は黒髪で青い瞳の人が好きなんだ、俺みたいな!」
ミコトはアイに向かってアピールしている。ミコトは黒竜に捨てられている。そういう嫌な記憶が重なったのだろう。相手はアイでミコトの相手とは違うだろうに、同じ黒竜という部分がそう思わせるのか。
「ミコトの相手はシアの傍にいた黒竜だろ? 間違えるなよ」
「わかってるけどさ、せっかく黒髪で青い目してるのに、黒竜に好かれない運命なんだろうか」
「そういう話じゃない。アイさんは何も俺だからこうしているんじゃないだろ? 白銀の竜が神格だからだ。間違えるな」
カレンはミコトを窘める。ミコトは時が経つにつれて甘ったれの表情を見せる。過去にいろんな場面で報われず、辛い思いをして、気を抜けない状況に身を置いて来た。でも今は違う。カレンは見た目と違い、中身はミコトよりも年上だ。周りにミコトを傷つけようとする者もいない。それがミコトを甘ったれにするのなら、カレンは良いと思っている。気安い関係でいられるのなら、それに越したことはない。
「ミコトのせいで話が逸れた。俺の中の卵を取り出す方法について話したかったんだ」
カレンは息を吐き、覚悟を決めた表情でナギを見る。ナギもまた、かしこまるように背筋を伸ばした。
「わからない。彼らが竜人として生まれ変わり、まだ数年しか経っていない。ただ彼らには性欲が欠落している。元々竜は繁殖期が決まっていた。まだ繁殖期ではない、それだけの理由かもしれない」
「えーでも俺の知っている竜人は好きな時に呼びつけて何度もシてたぜ? 竜人に繁殖期は関係ないだろ」
ミコトは黒竜を思い出したのか、ため息を吐いた。捨てられたのも思い出したのか、嫌そうな顔だ。
「竜人は人と変らず、好きな時に交尾をすることができます。ただ受け入れる側に問題があり、月に一度、体が受け入れ態勢を取ります。そうするとその匂いに相手の竜人が反応をする。それが俺と竜人との付き合い方でした」
「お腹の卵はその竜人の?」
ナギは知らずにそう言ったが、聞いたミコトは思わずカレンを見たし、カレンはすっと表情を失くした。
「えっと、それはまあ、置いといて良いんじゃないか?」
ミコトが場を繕って笑う。カレンは大丈夫だってミコトに笑って見せた。
「ただの実験結果です。この卵はどの竜の子かわかりません。けどいい面もある。俺の相手は白銀の竜だったから、白銀の竜から、白銀の竜の子は産まれない。そういう理(ことわり)がある。だからこの子は白銀の竜になりえる。いいや、ならなければならない、未来の為に」
カレンは強く言葉を言い切った。
「おまえの相手が白銀の竜だったのか?」
その疑問はアイだ。アイは壁から背を離し、カレンに詰め寄った。
「白銀の竜は、黒髪黒い瞳の人を選ぶ」
カレンはアイを見上げ、にっこり笑った。
アイはカレンの傍に膝を付き、その手を取る。カレンを見上げるアイの目は崇拝という言葉が似合う。
「竜神に選ばれし者」
手の甲にキスされたカレンは驚いて手を引いた。それからナギを見る。アイはナギの伴侶なのではないのか? そういう疑問の視線だ。
カレンの視線に対してナギは首を傾げ、それから気づいたように笑んだ。
「ああ、違うよ、私たちは家族のようなものだ。アイに決まった相手はいない」
「ええ、いいな、カレン。見た目が可愛くなったから、お姫様みたいに見える」
ミコトが羨ましそうだ。でもカレンはシア以外に受け入れる気はない。
「言っておくけど黒竜は黒髪で青い瞳の人が好きなんだ、俺みたいな!」
ミコトはアイに向かってアピールしている。ミコトは黒竜に捨てられている。そういう嫌な記憶が重なったのだろう。相手はアイでミコトの相手とは違うだろうに、同じ黒竜という部分がそう思わせるのか。
「ミコトの相手はシアの傍にいた黒竜だろ? 間違えるなよ」
「わかってるけどさ、せっかく黒髪で青い目してるのに、黒竜に好かれない運命なんだろうか」
「そういう話じゃない。アイさんは何も俺だからこうしているんじゃないだろ? 白銀の竜が神格だからだ。間違えるな」
カレンはミコトを窘める。ミコトは時が経つにつれて甘ったれの表情を見せる。過去にいろんな場面で報われず、辛い思いをして、気を抜けない状況に身を置いて来た。でも今は違う。カレンは見た目と違い、中身はミコトよりも年上だ。周りにミコトを傷つけようとする者もいない。それがミコトを甘ったれにするのなら、カレンは良いと思っている。気安い関係でいられるのなら、それに越したことはない。
「ミコトのせいで話が逸れた。俺の中の卵を取り出す方法について話したかったんだ」
カレンは息を吐き、覚悟を決めた表情でナギを見る。ナギもまた、かしこまるように背筋を伸ばした。
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