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1章
20 新たな敵
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敵か味方の判断はどう付けるもの? 大事な守るものがはっきりしていると、自分以外の全てが敵に思える。それが十年来の友人だとしても。
大型船が左右に停泊している。その周りに小型船が待機していて、どっちが纐纈でどっちがそれ以外の誰かなのか分からない。
「シェンエン、おまえはどっちの味方?」
停泊させた横に水上バイクを停めたシェンエンに問う。
「さあ? ヨウだって知ってるだろ? 自分のタブレットに届く情報次第だって」
こんなに人がいて、組織だって行動しているようで、実は個人行動である。志津木のタブレットには何の連絡もない。もしかして纐纈にとっても予想外の出来事なのか?
「志津木! 迎えに来た」
左の船から声が聞こえる。大きく手を振っているのはゴードンだ。って事は左が組織の船で、でも不安になる。完全武装でライフル銃を背負っている。武器も持たない志津木とニアを迎えに来るだけなのに大型船っていうのも変だ。ニアだけ連れ去られる気がする。そのうち大型船同士の撃ち合いが始まる。っていうかやっぱ敵なの? 大型船から距離を取る為に後退する。
「逃げんなよ」
シェンエンが言い残して銃撃に加わって行く。船を銃弾の届かない位置に動かし、あいつらが向かい合っている間に、船底に隠したニアの所へ行った。
「無事か?」
蓋を開けて中を覗いたら、ニアが抱きついて来る。震えて、泣いている。
「ごめんな、良くわからない状況でさ、二手に追われてるんだけど、どっちも敵な気がして動けない」
「引き渡して下さい。ヨウが怪我するの、嫌です」
抱きつかれて、まだ薔薇の匂いするなとか思っている。思っているより豪胆な自分を知り、少し落ち着いた。
「俺だってニアが怪我するの嫌だよ。どうにかするから、中で待ってて」
濡れた頬にチュッと音を立ててキスをしたら、抱擁を外されて、じっと目を見られた。綺麗な金と緑の瞳。彩るまつ毛が長いんだなとどうでも良い事を観察していると唇をぶつけられた。犬歯が口端に当たって痛い。
「もしかしてキス? 強引なんだな」
笑ってニアを引き離して、奥へ押しやった。ついでに武器を手にする。後ろのベルトに押し込んで、銃弾をポケットに捩じ込んだ。蓋を閉める。閉まる瞬間までニアと視線を合わせていた。本気で可愛い。これって映画の撮影だった? あんな可愛い子に怪我を心配されて泣かれてキスされて、人生最高潮なんじゃないだろうか。
「和真! 迎えに来た」
呼ばれた名が過去に殺した自分の名で、振り向いた先の人物を見て、震えが止まらなくなった。
大型船が左右に停泊している。その周りに小型船が待機していて、どっちが纐纈でどっちがそれ以外の誰かなのか分からない。
「シェンエン、おまえはどっちの味方?」
停泊させた横に水上バイクを停めたシェンエンに問う。
「さあ? ヨウだって知ってるだろ? 自分のタブレットに届く情報次第だって」
こんなに人がいて、組織だって行動しているようで、実は個人行動である。志津木のタブレットには何の連絡もない。もしかして纐纈にとっても予想外の出来事なのか?
「志津木! 迎えに来た」
左の船から声が聞こえる。大きく手を振っているのはゴードンだ。って事は左が組織の船で、でも不安になる。完全武装でライフル銃を背負っている。武器も持たない志津木とニアを迎えに来るだけなのに大型船っていうのも変だ。ニアだけ連れ去られる気がする。そのうち大型船同士の撃ち合いが始まる。っていうかやっぱ敵なの? 大型船から距離を取る為に後退する。
「逃げんなよ」
シェンエンが言い残して銃撃に加わって行く。船を銃弾の届かない位置に動かし、あいつらが向かい合っている間に、船底に隠したニアの所へ行った。
「無事か?」
蓋を開けて中を覗いたら、ニアが抱きついて来る。震えて、泣いている。
「ごめんな、良くわからない状況でさ、二手に追われてるんだけど、どっちも敵な気がして動けない」
「引き渡して下さい。ヨウが怪我するの、嫌です」
抱きつかれて、まだ薔薇の匂いするなとか思っている。思っているより豪胆な自分を知り、少し落ち着いた。
「俺だってニアが怪我するの嫌だよ。どうにかするから、中で待ってて」
濡れた頬にチュッと音を立ててキスをしたら、抱擁を外されて、じっと目を見られた。綺麗な金と緑の瞳。彩るまつ毛が長いんだなとどうでも良い事を観察していると唇をぶつけられた。犬歯が口端に当たって痛い。
「もしかしてキス? 強引なんだな」
笑ってニアを引き離して、奥へ押しやった。ついでに武器を手にする。後ろのベルトに押し込んで、銃弾をポケットに捩じ込んだ。蓋を閉める。閉まる瞬間までニアと視線を合わせていた。本気で可愛い。これって映画の撮影だった? あんな可愛い子に怪我を心配されて泣かれてキスされて、人生最高潮なんじゃないだろうか。
「和真! 迎えに来た」
呼ばれた名が過去に殺した自分の名で、振り向いた先の人物を見て、震えが止まらなくなった。
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