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MMM(トリプルエム)の見守り計画
いちっ!
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5月まであと数日となったある日、過ごしやすい季節だというのに今だ俺は花粉症とかいう地獄のような病に脅かされてスギとヒノキの全滅を国連に直訴でもそろそろしてやろうかと試行錯誤を重ねまくっていた。
モクモクマンとの一件以来、望月はどこから持ってきたか知らんが、毎日のように早瀬を家に招いて4人で人生ゲームに興じるのだった。まぁ何度やっても結果はほとんど変わらず、望月が俺に大量の負債を押付けて人生の栄華を極めまくるというパターンなのだが。
石油王となった望月は見つけ出したお宝が全て高額な金に変わり、人生ゲームのなかにあった十万円札を全て使い切るという暴挙を達成していた。俺はというと、職業はフリーター(良くてビジネスマン)にしかなれずあらゆるアクシデントのせいで無職になり、結婚して子どもができたがいつの間にか妻に夜逃げされギャンブルで負けまくったせいで大量の負債を抱えて破産するというろくな人生を送れなかった。人生観が変わりそうだ。
さて、少し長くなったがこれはいわゆる前置きというやつだ。別になくてもよかったんだが、まぁあったってそこまで問題ではないだろう。
話はゴールデンウィークを控えた5月の初めから始まる。クラスの皆はゴールデンウィークが近づくにつれて徐々にテンションが上がっていることが手に取るようにわかる。皆それぞれの予定でも有るのだろうか。担任の山下が呆れるほどクラス内のテンションは上がりきっており、例えばテンションを温度だとすれば氷なんて一瞬で空気になるだろう。
神性のアホ西田は1時間おきにテンションを上げている。
「おいマスター! ゴールデンウィークまであと何時間だと思う? 」
「さあな。あと何時間なんだ? 」
「なんとあと14時間16分だ! どうだ? もうすぐって感じだろ? 」
ふーん。全然そんな気がしない。それに全然興味がない。
西田よ。焦ったってゴールデンウィークは予定をはやめて来てくれるわけでもないし、遠ざかることもないんだ。焦ることもないだろう。時間の流れがどうにでもしてくれるさ。俺たちはじっくりと静かにその時を待てばいい。
「バーカっ! 俺はじっくりと待ってる暇はないんだ。なにせ、この俺様はゴールデンウィークにデーートゥッ! するのだからな」
「なに? あの西田に彼女がいたというのか? 」
「おうよ! 1年生旅行の時に告ったら見事OKを頂いたのさ! 」
「ってことは、この学年の中に彼女がいるのか? 」
「まぁな。あーゆー時はトイレから出てきたところが狙い目よ。班のメンバーはその時いないだろうし、1番油断している時だ。この俺様の知恵と魅力にコロッと魅了されちまったようだな。ワハハハハ! 」
完全に調子に乗っている。こんなヤツと付き合おうと思った女子がいたとは。
「で? その彼女ってのは誰なんだ? 」
「他のクラスのやつなんだけどよ。立花咲夜さんっていう人なんだ。いい名前だよなぁ」
驚天動地だ。俺もさすがにその名前を聞いて驚いた。思わず声を出しそうになったがなんとか踏みとどまったほどだ。
「立花って……あの髪の短い人か? 」
「なんだ? マスター知ってんのか。まさか狙ってたとか? フフン。残念ながらあいつは俺の彼女になったんだ。お前より俺のほうがいいってことさ。しっかし立花さんっていい人だよな。マスターにしては目のつけ所がいいと思うぜ」
これほどリア充のことをうざったく思えた事はない。
おのれリア充(西田)め。五臓六腑巻き散らせて爆発しやがれ!
西田の立花語りはまだ続いた。
「立花さんってホントいい人だよな。クールで物静かで賢そうで、なにより超絶めちゃんこ美人だし! 」
確かにその意見には賛成する。しかし立花はなんでこんなアホと付き合おうという気になったのだろうか。脅されたりしたのだろうか。帰り道と家で事情聴取をするしかあるまい。
こうして学校が終わるまで一日中西田の立花語りは止まることを知らなかった。帰り道も西田はあろうことか俺の家までついて来た。というより立花の家までついていった。
「じゃあ。私はここで」
「え? 立花さんってマスターと同じマンションに住んでるんですか? 」
「そう」
「へ……へぇ。そうなんだ。じゃあ、明日駅前で! 」
「了解した」
変に緊張しすぎてガチガチな西田は来た道を引き返してやっとこさ自分の家に向かって行った。
俺と同じマンションに住んでいると分かった時の西田の表情は額縁に飾って置きたいくらいのもんだった。心底驚いているが、それを相手に悟られないようになんとか隠しているような感じだ。
家に着くなり俺は立花に事情聴取を開始した。
「立花さんよ。ちょっといいか? 」
「なに」
「1年生旅行の時、西田に告られたって本当か? 」
「本当」
「なんて言われたんだ? 」
「明日、デートして付き合って欲しいと」
「その時の言葉を覚えているか? 」
「覚えている」
「なんて言われたか言ってみてくれ」
「今度のゴールデンウィークにデートしたい。付き合ってくれ」
「OKしたのか? 」
「そう」
なんてこった。西田の嘘であると思っていた節もあったが、これで嘘ではないと確信せざるを得なかった。立花が俺に嘘をつくとは思えない。西田と立花は本当に付き合っていたのか……。
俺が心底ショックを受けていた時、掃除当番の望月が家に帰ってきた。
「たっだいまーっ! あれ? どうしたのマスター。そんなシリアスな顔をして」
とりあえず望月を俺の部屋まで連れていき、事情を説明した。
「え? じゃあ立花さんって……付き合ってるのっ? 」
「そういうことだ」
「じゃあ私たちはトリプルエムのメンバーの1人を見守らないわけないないよねっ! 」
「見守るだと? 」
「うん! トリプルエムのメンバーの1人の恋路を見守ることも私たちトリプルエムの仕事の1つだからね! 」
そんなこと初めて聴いた。望月はてきぱきと早瀬にも事情を説明し、あっという間に早瀬の家で作戦会議が始まった。途中立花が無表情のまま俺たちを不思議そうに見つめていたのでなんとなく罪悪感もあったのだが。
作戦会議といってもやはり望月が考えた作戦を実行するにはどうすればいいかみたいなことしか議論されなかった。
作戦はこうだ。3人が別々の場所からそれぞれ立花を尾行するという至って単純かつわかりやすい無計画な計画だ。
「決行は立花さんがデートを始める明日の朝9時5分前! 念のために軽く変装していってね。連絡は携帯で取り合うこと。もちろんバイブレーション設定ね。コール2回で電話に出てね。万が一見失った場合コール1回で切ること。オーケー? 」
望月の計画は変なところできっちりしようとしている。いや、カッコつけようとしているな。
というわけで次の日。駅前の公園でパチンコ屋の開店を待つおっさんどもの列に紛れて立花の到着を待った。
西田は、俺が来た8時45分の時にはもうソワソワとして集合場所に立っていた。ふと何を俺はしているのだろうと不安になって来るのだが、ここで逃げたら俺の立場がなくなりそうだ。
比喩ではなく1秒の狂いもなしに9時ちょうどに立花が姿を表した。長袖のシャツにスキニージーンズを履いて、白い薄手の上着を羽織っている。いつも家で着ている服と対して変わりなかった。
一言二言西田と言葉を交わし、駅に向かった。どこに行くのか分からないので、俺はとりあえず『春得! 1日乗りパス切符』とかいうあまり得した気分にならない値段の切符を買っておいた。
目標の2人はどうやら上り列車に乗るようだ。ということは行き先はおよそ2つに絞られる。市内の港街か、隣の県の中心街だろう。
2人が電車に乗ろうとしたところで、俺の携帯がブーッと鳴った。と思ったらブチっと切れた。この『トリプルエムの恋の行方を見守る大作戦』の発案者望月が、立花たちを見失ったようだ。
『ごめーん! 道に迷っちゃったよーっ! 』
今の道筋に迷う要素がどこにあったのだろうか。
立花たちのことは早瀬に任せて、望月を助けに行くことにした。この作戦の行く末を案じながら。
モクモクマンとの一件以来、望月はどこから持ってきたか知らんが、毎日のように早瀬を家に招いて4人で人生ゲームに興じるのだった。まぁ何度やっても結果はほとんど変わらず、望月が俺に大量の負債を押付けて人生の栄華を極めまくるというパターンなのだが。
石油王となった望月は見つけ出したお宝が全て高額な金に変わり、人生ゲームのなかにあった十万円札を全て使い切るという暴挙を達成していた。俺はというと、職業はフリーター(良くてビジネスマン)にしかなれずあらゆるアクシデントのせいで無職になり、結婚して子どもができたがいつの間にか妻に夜逃げされギャンブルで負けまくったせいで大量の負債を抱えて破産するというろくな人生を送れなかった。人生観が変わりそうだ。
さて、少し長くなったがこれはいわゆる前置きというやつだ。別になくてもよかったんだが、まぁあったってそこまで問題ではないだろう。
話はゴールデンウィークを控えた5月の初めから始まる。クラスの皆はゴールデンウィークが近づくにつれて徐々にテンションが上がっていることが手に取るようにわかる。皆それぞれの予定でも有るのだろうか。担任の山下が呆れるほどクラス内のテンションは上がりきっており、例えばテンションを温度だとすれば氷なんて一瞬で空気になるだろう。
神性のアホ西田は1時間おきにテンションを上げている。
「おいマスター! ゴールデンウィークまであと何時間だと思う? 」
「さあな。あと何時間なんだ? 」
「なんとあと14時間16分だ! どうだ? もうすぐって感じだろ? 」
ふーん。全然そんな気がしない。それに全然興味がない。
西田よ。焦ったってゴールデンウィークは予定をはやめて来てくれるわけでもないし、遠ざかることもないんだ。焦ることもないだろう。時間の流れがどうにでもしてくれるさ。俺たちはじっくりと静かにその時を待てばいい。
「バーカっ! 俺はじっくりと待ってる暇はないんだ。なにせ、この俺様はゴールデンウィークにデーートゥッ! するのだからな」
「なに? あの西田に彼女がいたというのか? 」
「おうよ! 1年生旅行の時に告ったら見事OKを頂いたのさ! 」
「ってことは、この学年の中に彼女がいるのか? 」
「まぁな。あーゆー時はトイレから出てきたところが狙い目よ。班のメンバーはその時いないだろうし、1番油断している時だ。この俺様の知恵と魅力にコロッと魅了されちまったようだな。ワハハハハ! 」
完全に調子に乗っている。こんなヤツと付き合おうと思った女子がいたとは。
「で? その彼女ってのは誰なんだ? 」
「他のクラスのやつなんだけどよ。立花咲夜さんっていう人なんだ。いい名前だよなぁ」
驚天動地だ。俺もさすがにその名前を聞いて驚いた。思わず声を出しそうになったがなんとか踏みとどまったほどだ。
「立花って……あの髪の短い人か? 」
「なんだ? マスター知ってんのか。まさか狙ってたとか? フフン。残念ながらあいつは俺の彼女になったんだ。お前より俺のほうがいいってことさ。しっかし立花さんっていい人だよな。マスターにしては目のつけ所がいいと思うぜ」
これほどリア充のことをうざったく思えた事はない。
おのれリア充(西田)め。五臓六腑巻き散らせて爆発しやがれ!
西田の立花語りはまだ続いた。
「立花さんってホントいい人だよな。クールで物静かで賢そうで、なにより超絶めちゃんこ美人だし! 」
確かにその意見には賛成する。しかし立花はなんでこんなアホと付き合おうという気になったのだろうか。脅されたりしたのだろうか。帰り道と家で事情聴取をするしかあるまい。
こうして学校が終わるまで一日中西田の立花語りは止まることを知らなかった。帰り道も西田はあろうことか俺の家までついて来た。というより立花の家までついていった。
「じゃあ。私はここで」
「え? 立花さんってマスターと同じマンションに住んでるんですか? 」
「そう」
「へ……へぇ。そうなんだ。じゃあ、明日駅前で! 」
「了解した」
変に緊張しすぎてガチガチな西田は来た道を引き返してやっとこさ自分の家に向かって行った。
俺と同じマンションに住んでいると分かった時の西田の表情は額縁に飾って置きたいくらいのもんだった。心底驚いているが、それを相手に悟られないようになんとか隠しているような感じだ。
家に着くなり俺は立花に事情聴取を開始した。
「立花さんよ。ちょっといいか? 」
「なに」
「1年生旅行の時、西田に告られたって本当か? 」
「本当」
「なんて言われたんだ? 」
「明日、デートして付き合って欲しいと」
「その時の言葉を覚えているか? 」
「覚えている」
「なんて言われたか言ってみてくれ」
「今度のゴールデンウィークにデートしたい。付き合ってくれ」
「OKしたのか? 」
「そう」
なんてこった。西田の嘘であると思っていた節もあったが、これで嘘ではないと確信せざるを得なかった。立花が俺に嘘をつくとは思えない。西田と立花は本当に付き合っていたのか……。
俺が心底ショックを受けていた時、掃除当番の望月が家に帰ってきた。
「たっだいまーっ! あれ? どうしたのマスター。そんなシリアスな顔をして」
とりあえず望月を俺の部屋まで連れていき、事情を説明した。
「え? じゃあ立花さんって……付き合ってるのっ? 」
「そういうことだ」
「じゃあ私たちはトリプルエムのメンバーの1人を見守らないわけないないよねっ! 」
「見守るだと? 」
「うん! トリプルエムのメンバーの1人の恋路を見守ることも私たちトリプルエムの仕事の1つだからね! 」
そんなこと初めて聴いた。望月はてきぱきと早瀬にも事情を説明し、あっという間に早瀬の家で作戦会議が始まった。途中立花が無表情のまま俺たちを不思議そうに見つめていたのでなんとなく罪悪感もあったのだが。
作戦会議といってもやはり望月が考えた作戦を実行するにはどうすればいいかみたいなことしか議論されなかった。
作戦はこうだ。3人が別々の場所からそれぞれ立花を尾行するという至って単純かつわかりやすい無計画な計画だ。
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望月の計画は変なところできっちりしようとしている。いや、カッコつけようとしているな。
というわけで次の日。駅前の公園でパチンコ屋の開店を待つおっさんどもの列に紛れて立花の到着を待った。
西田は、俺が来た8時45分の時にはもうソワソワとして集合場所に立っていた。ふと何を俺はしているのだろうと不安になって来るのだが、ここで逃げたら俺の立場がなくなりそうだ。
比喩ではなく1秒の狂いもなしに9時ちょうどに立花が姿を表した。長袖のシャツにスキニージーンズを履いて、白い薄手の上着を羽織っている。いつも家で着ている服と対して変わりなかった。
一言二言西田と言葉を交わし、駅に向かった。どこに行くのか分からないので、俺はとりあえず『春得! 1日乗りパス切符』とかいうあまり得した気分にならない値段の切符を買っておいた。
目標の2人はどうやら上り列車に乗るようだ。ということは行き先はおよそ2つに絞られる。市内の港街か、隣の県の中心街だろう。
2人が電車に乗ろうとしたところで、俺の携帯がブーッと鳴った。と思ったらブチっと切れた。この『トリプルエムの恋の行方を見守る大作戦』の発案者望月が、立花たちを見失ったようだ。
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