魔法少女の魔法少女による魔法少女のためのご主人様幸せ化計画

円田時雨

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MMM(トリプルエム)のリアルローリングプレイゲームタイム

エピソード3

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『ソード』
『ブレイド』
 突然現れた白鳥が宝の番人だということが分かったので、俺を含めた3人は一斉に戦闘態勢に入った。
「白鳥。お前は武器を召喚しなくてもいいのか? それとも俺たちをなめてかかってるのか? 」
「いいえ。私は武器を召喚する必要がありませんから……。それじゃあ私から攻撃させてもらいますよ! えっと……覚悟なさい! 『身体強制強化第一マイティフォーム』! 」
 赤い長方形の魔法陣が白鳥の頭上から降りてきた。
 そういやここって魔法使ってもいいのか?
『ロック』
 白鳥はカードをスキャンさせると、でかい岩が1つ上から降ってきた。
「やぁ! 」
 降ってきたでかい岩を白鳥は全身の力を込めて(そうっぽく見えただけなのだが)粉々に蹴り砕いた。岩でつぶてを作ったのだ。
「よけれる? マスターっ! 『アクセルレイド・1』! 」
「なんとかする! こっちにはかまうな! 」
『スピード』
 なんとかカードをスキャンして俺はつぶてを避けることが出来た。望月も大丈夫そうだ。
 狭い小部屋なのでこんな感じの範囲攻撃をやられるとちょっとしたプチパニックに陥ってしまう。
 白鳥め。思ったよりも考えてるな?
「反撃するぞ! 」
『バブル』
「きゃっ! わっ? 見えないれす~っ! 」
「終わりだね! 弥生ちゃん! 」
 望月が泡まみれになった白鳥に攻撃を仕掛けた。
 この状況であれば誰でも俺たちの勝利であることを確信するだろう。俺だって確信した。
 今のうちに遺跡のお宝を探す準備をしても問題ないだろう。
『インパクト』
 どおっ!
 白鳥はカードをスキャンして周りに衝撃波の壁を作り出したようだ。望月が弾き飛ばされてしまった。
「今度はこっちが相手だ! 」
『コピー』
 作戦っぽいもんで勝負を仕掛けても勝てないというわけか。そうであればこっちは手数で勝利してやろう。
 俺はカードをスキャンして分身を4体作った。俺
 を含めて5人同時攻撃であればいくら白鳥と言ってもくらっちまうだろう。今度こそ次に行くための準備をさせてくれたって問題ないはずだ。
「とりゃぁ! 」
 白鳥は向かってくる俺の分身全員を正確に蹴り飛ばした。
「フゥ。防衛対象さん、そんな小細工モドキが私に通用なんてしませんよ! 」
「じゃあ何したらお前に通用するのか知りたいもんだね」
 白鳥は戦闘に入ると性格が微妙に変わってしまうらしく、今回の俺の攻撃でそれに火がついてしまったようだ。
「それとも小細工モドキなんて言っておきながら実は辛かったり? 今のは全部マグレだったとか? 」
 念のため言っておくが今の挑発は冗談をかなりブレンドさせたのであんまり本気にしてもらっては困る。
 それでも望月の作戦のためにはこんな感じのクオリティの低い挑発をする必要はあるらしい。
「そそそ……っ! そんなことありましぇーん! 」
 どうやら俺のしょうもない挑発に乗ってくれたらしい。
「もう! 防衛対象さんヒドイれすっ! 」
 俺たちの作戦通り、白鳥は背後から襲ってくる望月の存在に気づいた様子はなかった。
「おりゃあぁあ! 」
 望月は作戦と同じく背後から思いっきり白鳥を襲った。
「ふえぇっ! 」
 望月の攻撃は白鳥の背中に思いっきりヒットした。
 作戦は大成功したのでさっさと宝をくれねえのか……?
「いてててて……」
「隙あり! 」
 ちょっとかわいそうな気もしたが、俺は白鳥に追い打ちを仕掛けた。
「ふにゃぁあっ! 」
 白鳥はまともに俺の攻撃をくらってしまい、地面に仰向けの状態で倒れてしまった。
「うう~……。私の完敗れす~。お宝は棺桶の中に入ってますから好きに持って行ってくらさい~……」
 白鳥の言っていた通り、棺桶を開けてみると小さな青く光る玉が中に入っていた。これが宝なのだろう。
「なあ白鳥。俺たちのパーティに入らないか? これからは宝の番人なんてやめちまって一緒に宝探しをしてみようぜ」
「ふぇ? いいのれすか? じゃあそうさせてもらいます! よろしくお願いしますっ! 」
 俺たちは新たに白鳥をメンバーに加えて宝探しを続けた。
 2つ目の遺跡は番人を含めて楽々クリア出来たし、おんなじような調子で3つ目、4つ目、5つ目の遺跡もなんとかクリアすることが出来た。快進撃とかいうやつだ。
 そして遺跡の宝探しも残り2つとなった俺たちは近くの街で一旦休憩することにした。
「野良モンスターとかけっこう倒したはずだから、そろそろごっちゃになりつつあるカードを整理しないか? 」
「おっけー」
「わかりました~」
「マスターのカードから整理するよ? 」
 というわけで整理されたカードを一覧にしておこう。

 マスターカード一覧
 ソード(剣を召喚する)
 コピー(最大5人まで分身する)
 スピード(数秒間スピードが大幅に上がる)
 ウォール(敵の攻撃を1度だけ完璧に防ぐ)
 スラッジ(対象者1名にドロをぶつけて行動速度を下げる)
 バブル(周囲に泡を発生させて相手の視界を妨げる)
 ボム(相手の頭上に爆弾を落とす)
 トラップ(相手の足元にトラップを仕掛ける。ただしどのようなトラップが仕掛けられるかは不明)
 ストレンジ(自分の所持しているカードの中のどれかの能力が発動する)

 望月カード一覧
 ブレイド(剣を召喚する)
 シールド(盾を召喚する)
 ビート(音波を発して相手を混乱させる)
 フラッシュ(眩い光を発生させて相手の視界を奪う)
 リフレクト(攻撃を受ける時使用可能。相手の攻撃を見えない壁で受け止めて衝撃を発生させる)
スラッジ(対象者1名にドロをぶつけて行動速度を下げる)
 クリアー(相手に自分の姿を見えなくする)
 アイス(相手の頭上に大きな氷塊を落とす)

 白鳥カード一覧
 フルパワーシューズ(魔力を秘めた靴を召喚する)
 ホイールシューズ(タイヤのついた特殊な靴を召喚する)
 インパクト(自分の周囲に衝撃波を発生させる)
 ロック(自分又は相手の頭上に大きな岩石を落とす)
 スティール(相手がカードを保持していた場合のみ使用可能。相手のカードを1枚ランダムに奪う)
 ミラー(相手がカードを保持していた場合のみ使用可能。相手のカードによる攻撃をコピーして1度だけ使える)
 デリート(相手がカードを保持していた場合のみ使用可能。相手のカードによる攻撃を1度だけ無効にする)

「みんな強そうなカードばっかりだねー。これじゃヌマゲーだよヌマゲー」
「ヌマゲーってなんだよ。それ多分ヌルゲーだろ? そうでもない気がするんだよな……。特に最後の遺跡の番人なんてラスボスだろ? 今までの番人とは違う強さを持ってる気がするんだよな……」
「考えすぎですって~」
「だといいんだが……」
 俺が心配していることは白鳥のカードだった。
 ほとんどのカードがカード保持者のみ使用可能っていうカードなので野良モンスターに出くわした時や番人がモンスターだった場合は白鳥はほとんど役に立たないだろう。
 逆に番人がカードを使っているやつだったとしたらこれ程心強いカードはない。
 俺の心配なんて気にしてもいないような2人は俺を連れて次の遺跡に向かった。今度の遺跡はどうやら古墳のようだ。今までの遺跡も全部昔の墓がモチーフだったので、おそらく7つ目の遺跡も墓モチーフの遺跡なのだろう。
 散々中に繋がる入り口を探した挙句ようやく見つかったところから入ってみると、どの遺跡でもあったが殺風景な小部屋に番人がいた。
「やっときた? 随分待ったのよ? 」
「ふ、ふんだ! あなたたちなんか待ってなんかいないわ! ただ雑談しに来ただけよ! 」
 今回の番人はどうやら早瀬と工藤のようだった。
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