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片思いフレンズ 第3章
I can't fly.
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「君も付き合ってくれるだろ? 私主催のダンスパーティに……」
少年マンガじゃそーゆーセリフ吐くヤローがなんて呼ばれてるのか、コイツは理解していないようだな、ロン毛噛ませ犬。
「悪いな、遠慮させてもらうぜ」
「ほう……何故だ? 」
俺もくそロン毛の真似をして、謎の間を作ってみる。
「悪いが俺にはダンス出来る自信が全くない。なんたって、前の体育の成績が2なんだからな! 」
普段なら言いたくもないことを、今ならドヤ顔で言える。こんなくそロン毛とダンスパーティなんかしてられるか!
くそロン毛は呆れたように髪をボリボリ掻き始め、大きな溜め息を2つくらい付いた。
「君は何も分かってないようだね。このパーティの参加に拒否権なんてない」
凍り付くような空気になった。緊迫したような空気がこの辺に流れる。いや、緊迫が空気に貼り付いているようだ。緊箔ってやつか? ……シャレを言ってる場合じゃないな。
黒い風が強い。嵐と台風をかき混ぜたみたいな突風だ。その中心にくそロン毛がいるなんてことは、言うまでもないだろう。
正直言って、この空気が俺には恐怖でしか無かった。くそロン毛だなんて小馬鹿にするんじゃなかった。後悔先に立たずだっけ? 今の俺に、1番似合う言葉だ。
俺の足は、自然と後ろに下がっていった。
「ていにゃ~っ! 」
情けない叫び声が響き渡った。
と同時に、白鳥が飛び蹴りをして、くそロン毛ヤローは大きく吹っ飛び、続々と魔法少女たちが現れた。
「やっと追いついたぁ……」
「お待たせ! マスター! 」
この非常事態に、いつも通りの『日常』が訪れた気がした。休日の昼にリビングでだらけている時と、同じような気持ちになれた。ゆる~い空気が流れ始める。
「ほう……マスター君の代わりに、君たちがダンスパーティに参加するのかね? 」
無視。
「なぁみんな、あのくそロン毛ヤローって、めちゃくちゃ強いのか? 」
思わずいつもの調子で聞いた。
初めてムックルをムクバードまで進化させた時にも、確か同じような質問を母さんにぶつけたと思う。ムクドリが強いわけないとキッパリ言われたのは、懐かしい思い出だ。ムクバードの名前の由来を初めて知ったのもその時だっけ。
話が横道に逸れちまったな。本筋に戻そう。
俺の問に真っ先に反応したのは早瀬だった。
「…………強いなんてもんじゃないわ。私たちとは……強さの次元が違う」
確かに、くそロン毛は今まで会ってきた魔人とは違う、何か異常なものを感じていた。俺でも本能的に感じちまうくらいコイツは強いってことか。
「フフフフフ……よく分かってるじゃないか」
一瞬ピリッとした空気が流れる。
「今回の目的は三好菜々を救出すること。彼を倒すことではない」
ヌッと出てきて、単調的にセリフを吐く立花。その目はまるで、洗ってないザリガニの水槽に沈めてから1週間たったガラス玉のように、僅かな輝きしか含んでおらず、クスんでいた。
「分かってるよ、立花。でもどうやって助け出せばいいんだ? 」
「前にも言ったはず。プラスエネルギーを発生させながら引っ張るだけ」
それのやり方がわからないんだが……。
「カンタンよ、防衛対象さん。テキトーに双方にとってポジティブなことを考えなさい。うんとポジティブなことの方が効果的よ。後は物理的に引っ張ればいいだけね……って、それくらい自分で考えなさいよ! 」
へぇへぇ、さーせんでした工藤さん。
「もう待ちきれんぞ、さぁ、ダンスパーティの始まりだ! 」
その例え気に入ってんのか。
なんて思っていたが、今から約数秒後には、こいつの恐ろしさを改めて実感するハメになった。
ヤローの両手が、いきなり音を立てながら風を出しやがったのだ。その音は、掃除機やバキュームカーとは比べ物にすらならない轟音だった。まるで台風のようだ。
台風に音あるのか知らねぇけど。
「うぐっ! 」
同時に、体全体がヤローに引っ張られていきそうになった。なんとか踏みとどまらなきゃやばかったくらいだ。
風もアイツに吸い込まれているようだ。風を出していると思ってたが、どうやらそれは違うらしい。真逆のことをアイツはしているのだ。
ジリジリとアイツに引っ張られていく。このままじゃヤバイ……!
と思った途端、引っ張られる感覚が収まった。荒ぶってた風も収まり、何事も無かったかのように落ち着いていった。
「な……なんだ……? 」
くそロン毛は肩をすくめ、申し訳なさそうな顔をした。
「すまなかったな、いささか私の気が短すぎたようだ」
くそロン毛が俺たちに向かって、ゆっくりと手をかざした。
「しかしこれで……どんな愚か者でも分かるはずだ。私がどれほど強いか……」
厨二病を患うのは勝手な話だが、周りにまで迷惑をかけるのは止めていただきたい。しかもこいつの場合は思春期のアホと違って、そのセリフを吐けるだけの実力があるのだ。世界でもっともめんどくさい厨二病だろうな、あのロン毛。
「ここは私たちに任せて、マスターははやく三好菜々の所へ行って」
いつも通りの小声で立花にそう制された俺は、オレも絶賛発病中の厨二病をなんとか引っ込めて、勇み足を踏みとどめることになった。
くそロン毛がかざした手は、明らかに俺たちに向けられている。またあの掃除機モドキをされたらひとたまりもなさそうだ。
「『アクセルレイド・2』! 」
望月が超高速でくそロン毛に斬りかかったかと思うと、
「防衛対象さん……ごめんなひゃい! 」
白鳥が俺の襟を掴んで、思いっきり俺を三好のいる所までぶん投げた。
「甘いな……」
轟音が下から聞こえてきた。
まるで体全体を糸で引っ張られるかのように、俺はくそロン毛の所まで吸い込まれていった。
チラッと横を見ると、くそロン毛の拳が俺の目の前いっぱいに広がっていた。
「ぐワッ……! 」
鼻柱を中心に、顔面全体が痛みでビリビリとしていた。殴られた勢いのまま、俺は枝の上に転がり落ちた。
「マスター! 」
早瀬が俺の元へ駆け寄って来る。
くそロン毛は、片腕で望月の攻撃をさばいているようだ。片腕を動かす度に、高速で動いてる望月が、地面に叩きつけられてるのが分かる。
ほかのヤツらは、ずっと隙をうかがっているが、素人でも分かる。アイツに隙なんてのはない。だが、アイツをなんとかしない限り、三好のいる所まで辿り着くなんてのは不可能だ。
「どうする気だ? アイツに隙なんてなさそうだが」
「問題ない。隙がなければ、作ればいいだけ」
立花はくそロン毛に向かって手をかざした。それに気づいた望月が後ろに下がるのを確認すると、くそロン毛の立ってる地面を勢いよく浮き上がらせた。くそロン毛のバランスが崩れ、足元をぐらつかせる。
「隙あり! 」
「勝機! 」
早瀬と工藤が一斉に弾丸と矢を撃ち込んだ。爆煙と轟音がくそロン毛を覆い隠す。
「やった! やりましたね! 」
白鳥……それはフラグなんだよ!
轟音が収まり、浮いてた地面が爆煙から飛び出して崩壊し始めた。くそロン毛の姿は見えない。白鳥がフラグを建てちまったし、実際アイツはやられてなんかいないだろう。
だとしたらどこかに隠れているのか? この辺りを見回しても、隠れる場所なんてなさそうだ。
「上空」
「え? 」
「上空にいる」
立花が俺の肩を叩いてそう教えてくれた。
俺の心を何度察すれば気が済むんだ。立花に促され空を見上げてみる。
俺の目には、天高くから落ちてくるくそロン毛が見えた。
少年マンガじゃそーゆーセリフ吐くヤローがなんて呼ばれてるのか、コイツは理解していないようだな、ロン毛噛ませ犬。
「悪いな、遠慮させてもらうぜ」
「ほう……何故だ? 」
俺もくそロン毛の真似をして、謎の間を作ってみる。
「悪いが俺にはダンス出来る自信が全くない。なんたって、前の体育の成績が2なんだからな! 」
普段なら言いたくもないことを、今ならドヤ顔で言える。こんなくそロン毛とダンスパーティなんかしてられるか!
くそロン毛は呆れたように髪をボリボリ掻き始め、大きな溜め息を2つくらい付いた。
「君は何も分かってないようだね。このパーティの参加に拒否権なんてない」
凍り付くような空気になった。緊迫したような空気がこの辺に流れる。いや、緊迫が空気に貼り付いているようだ。緊箔ってやつか? ……シャレを言ってる場合じゃないな。
黒い風が強い。嵐と台風をかき混ぜたみたいな突風だ。その中心にくそロン毛がいるなんてことは、言うまでもないだろう。
正直言って、この空気が俺には恐怖でしか無かった。くそロン毛だなんて小馬鹿にするんじゃなかった。後悔先に立たずだっけ? 今の俺に、1番似合う言葉だ。
俺の足は、自然と後ろに下がっていった。
「ていにゃ~っ! 」
情けない叫び声が響き渡った。
と同時に、白鳥が飛び蹴りをして、くそロン毛ヤローは大きく吹っ飛び、続々と魔法少女たちが現れた。
「やっと追いついたぁ……」
「お待たせ! マスター! 」
この非常事態に、いつも通りの『日常』が訪れた気がした。休日の昼にリビングでだらけている時と、同じような気持ちになれた。ゆる~い空気が流れ始める。
「ほう……マスター君の代わりに、君たちがダンスパーティに参加するのかね? 」
無視。
「なぁみんな、あのくそロン毛ヤローって、めちゃくちゃ強いのか? 」
思わずいつもの調子で聞いた。
初めてムックルをムクバードまで進化させた時にも、確か同じような質問を母さんにぶつけたと思う。ムクドリが強いわけないとキッパリ言われたのは、懐かしい思い出だ。ムクバードの名前の由来を初めて知ったのもその時だっけ。
話が横道に逸れちまったな。本筋に戻そう。
俺の問に真っ先に反応したのは早瀬だった。
「…………強いなんてもんじゃないわ。私たちとは……強さの次元が違う」
確かに、くそロン毛は今まで会ってきた魔人とは違う、何か異常なものを感じていた。俺でも本能的に感じちまうくらいコイツは強いってことか。
「フフフフフ……よく分かってるじゃないか」
一瞬ピリッとした空気が流れる。
「今回の目的は三好菜々を救出すること。彼を倒すことではない」
ヌッと出てきて、単調的にセリフを吐く立花。その目はまるで、洗ってないザリガニの水槽に沈めてから1週間たったガラス玉のように、僅かな輝きしか含んでおらず、クスんでいた。
「分かってるよ、立花。でもどうやって助け出せばいいんだ? 」
「前にも言ったはず。プラスエネルギーを発生させながら引っ張るだけ」
それのやり方がわからないんだが……。
「カンタンよ、防衛対象さん。テキトーに双方にとってポジティブなことを考えなさい。うんとポジティブなことの方が効果的よ。後は物理的に引っ張ればいいだけね……って、それくらい自分で考えなさいよ! 」
へぇへぇ、さーせんでした工藤さん。
「もう待ちきれんぞ、さぁ、ダンスパーティの始まりだ! 」
その例え気に入ってんのか。
なんて思っていたが、今から約数秒後には、こいつの恐ろしさを改めて実感するハメになった。
ヤローの両手が、いきなり音を立てながら風を出しやがったのだ。その音は、掃除機やバキュームカーとは比べ物にすらならない轟音だった。まるで台風のようだ。
台風に音あるのか知らねぇけど。
「うぐっ! 」
同時に、体全体がヤローに引っ張られていきそうになった。なんとか踏みとどまらなきゃやばかったくらいだ。
風もアイツに吸い込まれているようだ。風を出していると思ってたが、どうやらそれは違うらしい。真逆のことをアイツはしているのだ。
ジリジリとアイツに引っ張られていく。このままじゃヤバイ……!
と思った途端、引っ張られる感覚が収まった。荒ぶってた風も収まり、何事も無かったかのように落ち着いていった。
「な……なんだ……? 」
くそロン毛は肩をすくめ、申し訳なさそうな顔をした。
「すまなかったな、いささか私の気が短すぎたようだ」
くそロン毛が俺たちに向かって、ゆっくりと手をかざした。
「しかしこれで……どんな愚か者でも分かるはずだ。私がどれほど強いか……」
厨二病を患うのは勝手な話だが、周りにまで迷惑をかけるのは止めていただきたい。しかもこいつの場合は思春期のアホと違って、そのセリフを吐けるだけの実力があるのだ。世界でもっともめんどくさい厨二病だろうな、あのロン毛。
「ここは私たちに任せて、マスターははやく三好菜々の所へ行って」
いつも通りの小声で立花にそう制された俺は、オレも絶賛発病中の厨二病をなんとか引っ込めて、勇み足を踏みとどめることになった。
くそロン毛がかざした手は、明らかに俺たちに向けられている。またあの掃除機モドキをされたらひとたまりもなさそうだ。
「『アクセルレイド・2』! 」
望月が超高速でくそロン毛に斬りかかったかと思うと、
「防衛対象さん……ごめんなひゃい! 」
白鳥が俺の襟を掴んで、思いっきり俺を三好のいる所までぶん投げた。
「甘いな……」
轟音が下から聞こえてきた。
まるで体全体を糸で引っ張られるかのように、俺はくそロン毛の所まで吸い込まれていった。
チラッと横を見ると、くそロン毛の拳が俺の目の前いっぱいに広がっていた。
「ぐワッ……! 」
鼻柱を中心に、顔面全体が痛みでビリビリとしていた。殴られた勢いのまま、俺は枝の上に転がり落ちた。
「マスター! 」
早瀬が俺の元へ駆け寄って来る。
くそロン毛は、片腕で望月の攻撃をさばいているようだ。片腕を動かす度に、高速で動いてる望月が、地面に叩きつけられてるのが分かる。
ほかのヤツらは、ずっと隙をうかがっているが、素人でも分かる。アイツに隙なんてのはない。だが、アイツをなんとかしない限り、三好のいる所まで辿り着くなんてのは不可能だ。
「どうする気だ? アイツに隙なんてなさそうだが」
「問題ない。隙がなければ、作ればいいだけ」
立花はくそロン毛に向かって手をかざした。それに気づいた望月が後ろに下がるのを確認すると、くそロン毛の立ってる地面を勢いよく浮き上がらせた。くそロン毛のバランスが崩れ、足元をぐらつかせる。
「隙あり! 」
「勝機! 」
早瀬と工藤が一斉に弾丸と矢を撃ち込んだ。爆煙と轟音がくそロン毛を覆い隠す。
「やった! やりましたね! 」
白鳥……それはフラグなんだよ!
轟音が収まり、浮いてた地面が爆煙から飛び出して崩壊し始めた。くそロン毛の姿は見えない。白鳥がフラグを建てちまったし、実際アイツはやられてなんかいないだろう。
だとしたらどこかに隠れているのか? この辺りを見回しても、隠れる場所なんてなさそうだ。
「上空」
「え? 」
「上空にいる」
立花が俺の肩を叩いてそう教えてくれた。
俺の心を何度察すれば気が済むんだ。立花に促され空を見上げてみる。
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