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断末魔の残穢
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ミリアは強気な表情を取り戻して、今度はテナの方を見る
「それで、さっきから静かなその子はどうしちゃったの?」
「テナは恐怖のせいか、上手く喋れないようです」
「かわいそう」
「まったくもって」
さて、俺たちの事情については多少話したから、そろそろ一番気になっていることを聞かなければならないな。
「そういえば、お二人はどうやって討伐対象まで辿り着くつもりですか? 俺なんて――」
俺は首を動かして周囲を見渡す。
「――さっぱり道が分からないのに」
道と呼べる道は、第4領域には存在しないし、出現した龍種の影響なのか深い霧もある。これでは進みようも戻りようもない。
呆れた様子のミリアが「あんたねぇ」と前に立つ。
「あたしたちが何の根拠もなく歩いていると思ってたの?」
「ええ。大勢で迷う方が、気休めになるなと思ってました」
「あっはっは!」ネリスが大いに笑う。
「うるさいッ!」それをミリアが叱った。
「アンデッドが反応するかもしれないでしょ!」
ミリアの声はネリスよりも大きかったが、言い分はもっともだ。
ミリアは「おっきい声、出しちゃったじゃない……」と少しうつむいてから、再び顔を上げる。
「……あたしには幻視の力がある。あんたがアンデッドじゃないって判断できたのも、この目のおかげ」
道理で迷いがないわけだ――
「――それって、商品の本物と偽物も見抜けたりします?」
「いちいち話が脱線するわね……まあ、そういうこともできるけど。一番大事なのは、あたしには進むべき道が見えるってこと!」
ミリアは人差し指で自身の目を指さす。
「そして、もうじきこの領域に現れたボスがお出ましよ」と、その指で霧の向こうの存在を指し示した。
ネリスも「そういうことだ――」と話に入ってくる。
「――言い忘れていたが、今なら君たちだけでもここから脱出させることも可能なんだ」
「なんと」
「先に言わなかったのは申し訳ない。話が楽しくてな、言うのを忘れていたよ」
「いえ、俺も楽しいですよ。なあ、テナ?」
返事がない、まるでしかばねのようだ。
「今から君たちだけでも逃がそうか?」
「もちろん早くここから逃げたいです……と、言いたいところですが――」
俺はテナの意思を確認すべく、彼女と目を合わせた。
「テナはどう思う?」
テナは小刻みに首を振って、俺に何かを訴えている。
なるほど。
「俺たちも、お供させてもらいます」
「よし、いいだろう」
こうして、俺たちは腹をくくることになった。
ミリアが引いた顔をしている気がするが、気のせいだろう。
「それで、さっきから静かなその子はどうしちゃったの?」
「テナは恐怖のせいか、上手く喋れないようです」
「かわいそう」
「まったくもって」
さて、俺たちの事情については多少話したから、そろそろ一番気になっていることを聞かなければならないな。
「そういえば、お二人はどうやって討伐対象まで辿り着くつもりですか? 俺なんて――」
俺は首を動かして周囲を見渡す。
「――さっぱり道が分からないのに」
道と呼べる道は、第4領域には存在しないし、出現した龍種の影響なのか深い霧もある。これでは進みようも戻りようもない。
呆れた様子のミリアが「あんたねぇ」と前に立つ。
「あたしたちが何の根拠もなく歩いていると思ってたの?」
「ええ。大勢で迷う方が、気休めになるなと思ってました」
「あっはっは!」ネリスが大いに笑う。
「うるさいッ!」それをミリアが叱った。
「アンデッドが反応するかもしれないでしょ!」
ミリアの声はネリスよりも大きかったが、言い分はもっともだ。
ミリアは「おっきい声、出しちゃったじゃない……」と少しうつむいてから、再び顔を上げる。
「……あたしには幻視の力がある。あんたがアンデッドじゃないって判断できたのも、この目のおかげ」
道理で迷いがないわけだ――
「――それって、商品の本物と偽物も見抜けたりします?」
「いちいち話が脱線するわね……まあ、そういうこともできるけど。一番大事なのは、あたしには進むべき道が見えるってこと!」
ミリアは人差し指で自身の目を指さす。
「そして、もうじきこの領域に現れたボスがお出ましよ」と、その指で霧の向こうの存在を指し示した。
ネリスも「そういうことだ――」と話に入ってくる。
「――言い忘れていたが、今なら君たちだけでもここから脱出させることも可能なんだ」
「なんと」
「先に言わなかったのは申し訳ない。話が楽しくてな、言うのを忘れていたよ」
「いえ、俺も楽しいですよ。なあ、テナ?」
返事がない、まるでしかばねのようだ。
「今から君たちだけでも逃がそうか?」
「もちろん早くここから逃げたいです……と、言いたいところですが――」
俺はテナの意思を確認すべく、彼女と目を合わせた。
「テナはどう思う?」
テナは小刻みに首を振って、俺に何かを訴えている。
なるほど。
「俺たちも、お供させてもらいます」
「よし、いいだろう」
こうして、俺たちは腹をくくることになった。
ミリアが引いた顔をしている気がするが、気のせいだろう。
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