転生した瞬間初夜の最中だった私は場を引き延ばし若き王と愛を語らう

藤 ゆみ子

文字の大きさ
1 / 1

転生した瞬間初夜の最中だった私は場を引き延ばし若き王と愛を語らう

しおりを挟む
 
 ステラ姫は無言でルーカス王を見上げている。

「ステラ、ステラ……」
「……」

 金髪碧眼の美しい若き王に組敷かれ名前呼ばれても、黙ったままただその行為を受け入れていた。


 私は今、ベッドに仰向けに寝転び、スマホで電子漫画を読んでいる。

『囚われの星姫』

 田舎の小国アトリアが隣の大国クライモアとの争いに敗れ、アトリアの姫が実質人質としてクライモア王に嫁入りするお話。
 というあらすじが気になりこの漫画を読み始めたが、現在アトリアの第一王女ステラがクライモアの国王ルーカスと初夜を迎えているシーンだ。

 この「……」ステラは何を考えてるんだろう。
 優しくしてください、とか? もしかして気持ちい――ではないか。
 この三点リーダーが、私の妄そ、想像を膨らませる。

「助けて」

 んっ? どこからか声が聞こえる。

「お願い助けて」

 そう聞こえた瞬間、手に持っていたスマホが目を開けていられないほど強く光り出す。
 私は咄嗟に目を閉じた。

 目を閉じていても感じるほどだった強い光が収まっていくのを感じる。
 私はゆっくりと目を開く。

 すると目の前には金髪碧眼の美しい、裸の男性がいた。
 そんな彼に組敷かれている私も裸だ。彼の右手は私の顔の横にあり、左手は内腿を撫でている。
 そのリアルで生々しい感覚に体が跳ねる。

 ひぃっ!!!!

 声にならない声をあげ、私は急いで彼の腕の中から抜け出しシーツを掴むと体を隠す。

「ステラ?」
 
 彼が私のことをそう呼ぶ。
 ステラ……? ステラ……。そうだ、私はさっきまで『囚われの星姫』を読んでいた。そして今目の前にいる金髪碧眼はのクライモアの王ルーカス様だ。
 どういうこと? 何が起こった? もしかしてこれが、物語によくある転生というやつなの?!
 ということは私はステラに転生したということ?!

 いやそれよりもこの状況。いくらちょうど読んでいたとはいえ、いきなり初夜の最中に転生するなんて!

 挙動不審な私にルーカス様は手を伸ばしてくる。

「ステラ、さっきまで何も言わずに僕を受け入れてくれていたのに」

 私はその強い力に抗うことができず、またルーカス様に組敷かれてしまった。
 シーツを剥ぎ取られ温かな手が柔らかな膨らみに触れる。

 ひっ!!!!

 思わず声が出そうになる。本当のステラはこんなことをされて無表情で黙っていたなんて信じられない。
 そう言えばあの時「助けて」という声が聞こえた。あれはステラの声だったのだろうか。
 確かに、自国を滅ぼされ人質として連れて来られた国の王と、だなんて受け入れがたいものがある。
 何も言わずに受け入れていたのではない、声をあげることもできず、苦しんでいたんだ。
 彼女の心の叫びが、私が転生した理由なのかもしれない。
 だとしたらやるべきことは――。

「あのっ! ちょっと待ってください!」

 なんとかして行為を中断しないと。
 私はルーカス様の腕を掴みそっと体から離す。

「どうしたの?!」
「その……少し、お話しませんか?」
「お話?」

 ルーカス様はひどく驚いている様子だ。それもそう、ステラはクライモア王国に来てから一度も言葉を発していない。

「だめ、でしょうか?」
「いや、そんなわけないよ。話をしよう」

 ルーカス様はあっさり提案を受け入れてくれた。
 そして意外だったのはルーカス様が穏やかで優しい顔を向けてくるということ。
 ここまでの話はアトリアとクライモアの争いを描いていて、ルーカス様はアトリアの王を冷徹非道に断罪する。
 まるで恐ろしい人物のように描かれていたが、今目の前にいる彼は嬉しそうに敵国の姫である私に笑いかけている。

「さて、なんの話をしようか?」

 服を着ることはせずベッドに並んで横になり、ルーカス様はこちらを向いている。

「えっと……なにを話しましょうか?」

 話をしようと言ったものの話すことは特にない。
 とにかく行為を中断しなければと思っただけだ。

「僕はステラの可愛い声が聞けて嬉しいよ」

 ルーカス様は甘い言葉をかけてくる。こんなキャラだったなんて聞いてない。
 私は思わず聞いてしまった。

「ルーカス様は私なんかを妻に迎えてよろしかったのですか?」
「ステラ……」

 ルーカス様は悲しそうな表情になる。そして話をしようと横になっていたのにまた私に覆い被さってきた。

「えっ、いやルーカス様!」
「何もしない。抱きしめるだけ」

 そう言って私をぎゅっと抱きしめる。その後は抱きしめられるだけで本当に何もなかった。
 私はその素肌の温かさに包まれ、経験したのことのない安らぎを感じながら気が付くと眠っていた。


 目を覚ますと、ふかふかのベッドに高い天井、服を着ていない自分に昨日のことが夢ではなかったのだと告げている。
 ベッドにルーカス様はいない。私は起き上がると姿見の前に立つ。
 シルバーブルーの長い髪、赤い瞳はアトリア国特有の色で漫画で見たステラそのものだ。

「私、これからステラとしてどうしていけばいいのだろう」

 『囚われの星姫』は生粋の少女漫画である。主人公ステラがルーカス様と結婚してからの物語がメインだが、この先のお話は読んでいないので知らない。
 けど、物語の主人公なのだから悪いようにはならないだろう。何よりルーカス様がすごく優しかった。
 
 しばらく鏡の前で自分の姿を眺めていると、部屋のドアをノックする音が聞こえる。すると返事をする間もなくドアが開いた。

「ステラ様、失礼いたします。身支度のお手伝いに参りました。」

 メイド服を着た中年の女性が頭を下げて入ってくる。

「はい。よろしくお願いします」

 私が返事をするとメイドは驚いた顔をする。そうだ、ステラは話さないんだった。だからノックの返事を待たずに入ってきたのか。
 でも、これから私がステラとして過ごす上で話さない訳にはいかない。ちゃんと話せるキャラに軌道修正しなければ。

「すみません、一度聞いたかもしれませんがお名前を伺ってもよろしいですか?」
「わたくし、マーサと申します」
「マーサさん、改めてよろしくお願いします」

 マーサさんは嬉しそうに微笑むと私にドレスを着せてくれる。

「ステラ様、ここに来てから随分気を張っていたご様子でしたが、昨晩ルーカス様と打ち解けられたようでマーサはとても嬉しいです」

 その言葉に私とルーカス様が昨日初夜を迎えたと勘違いしているだろうと思ったが、あえて訂正はしない。
 
 強く締められたドレスに窮屈さを感じながらも着替えを終え、朝食に行くように促される。
 
 マーサさんとダイニングへ行くとルーカス様はもう席に着いていた。

「ステラ、おはよう」
「おはようございます」

 席に着きながら返事をした私に、周りに控えていた使用人たちが驚いてる。
 マーサさんが使用人たちに何か耳打ちをしたあと、みんな微笑ましくこちらを見るのでなんだか恥ずかしくなったが、気にしないことにした。

 朝食は、朝食と思えないほど豪勢なメニューだった。
 並べられたカトラリーに、外側から使うことくらいしかわからないと一瞬戸惑ったが、持ってしまえばステラの体が覚えていたのか、手が勝手に動いてスムーズに食事を終えることができた。

 朝食の後、ルーカス様に庭を散歩しようと誘われた。断る理由もなく私は快諾した。

「ステラは僕と結婚するのは嫌だった?」
 
 庭を歩きながら唐突に聞いてくるルーカス様は不安そうな顔をしている。
 正直、今の私に嫌かどうかの判断なんてつかない。けれど、本当のステラは嫌だったのかもしれない。だから私がここにいるのだろう。

「わかりません。でも、私はここにいるべくしているのだと思います」
「ずっと、ここにいてくれるの?」
「私が他に行くところがありますか?」
「ないよ。ステラの居場所はここだけだ」

 そう言うルーカス様の顔はやっぱり優しい。人質に向けるような表情ではなかった。

 その日の夜、昨晩とはうってかわってルーカス様は私に触れてこようとはしない。
 
「話、しようか」

 そっと頭を撫でられ、ゆっくりと二人でベッドに寝転ぶ。

「昨日はちょっと焦っていたかもしれない。ステラがどこか消えていきそうで。早く僕のものにしたかった。怖い思いさせてごめんね」

 ルーカス様は私の頭を何度も優しく撫でる。まるでひどく愛されているような気がして、私が彼に溺れてしまいそうになる。
 ステラはなぜ、こんなに優しくて素敵な人から逃げ出したいと思ったのだろう。
 
「私は、ルーカス様のことを好きになると思います」
 
 気付けばそんなことを口にしていた。
 ルーカス様は撫でていた手を止め目を見開く。その瞳からは涙が滲んでくる。
 泣き顔を見られたくなかったのか私を胸の中に閉じ込めると、苦しいほどに抱きしめ震える肩を誤魔化していた。

 涙もろいところも可愛いなと思いながら、その日もルーカス様の腕の中で眠りについた。


 それから毎晩私たちはベッドの中で話をした。
 といっても私がステラとして話せることはほとんどない。
 ルーカス様の学園での話やマーサさんは乳母だったこと、乳兄弟だった親友は結婚して家庭があること、そんな話をたくさん聞いた。

「僕の話ばかりしてごめんね」と言うルーカス様に「ルーカス様のことを知れて嬉しいです」と言うと少し顔を赤らめぎゅっと抱きしめてくれる。

 そんな時間が楽しくて、心地よくて私は自然にルーカス様のことを好きになっていた――。


 ◇ ◇ ◇


「ステラ様、とてもお綺麗ですよ」

 私は今、マーサさんの手によってとんでもなく豪勢に着飾られている。純白のドレスにダイヤがふんだんにあしらわれたネックレスとティアラ。さすが国王の妻、という感じだ。
 今日、ルーカス様と私の結婚披露パレードが行われる。国王が結婚したのだからお披露目するのは当たり前だが、かなり不安だ。
 なにせ私は数ヶ月前までこの国と戦っていた敗戦国の姫なのだから。国民からよく思われていないかもしれない。この王宮にいる人たちは皆よくしてくれているが、それは仕事としてだろう。

 この国に来てから初めて公の場に出る私はかなり緊張していた。



 アトリア国とクライモア王国はクライモアの前王の時代までは友好的な関係を築いていた。
 だが前王が亡くなりルーカス様が王になると、アトリアとの長年に渡る違法貿易、不当廉売、人身売買など様々な問題が明るみになり、アトリア国へ改善命令を出した。そしてそれをはねのけたアトリア国はあろうことかクライモア王国へ戦をしかけた。
 アトリアがクライモアに勝てるはずもなく、国王であった父は処刑され、私はルーカス様と結婚したのだ。


 私はルーカス様と一際大きな儀装馬車に乗り、周りを騎士たちに囲まれながら城を出発した。視界の先には既にたくさんの人だかりが出来ている。

「緊張してる?」
「はい」
「大丈夫だよ。ステラの心配することはなにもないよ」

 大丈夫だと言いきるルーカス様に、どこからそんな自信が湧いてくるのか疑問に思いながらも馬車はどんどん進んで行き、あっという間に街のメインストリートに出た。

 沿道に溢れかえる人たちは皆笑顔でこちらに手を振っている。

「ステラ、笑って」

 ルーカス様に言われ、にこりと微笑む。そして胸元で控え目に手を振ると大きな歓声が上がった。

「ルーカス様、ステラ様、ご結婚おめでとうございます!」
「お幸せに!」
 
 口々に聞こえる声に国民全員が私のことを歓迎してくれているようだ。
 思ってもみなかった待遇に自然と頬が緩んでいくのを感じた。

 その日の夜も、私とルーカス様はベッドの上で語り合っていた。

「私、あんなに歓迎されているとは思っていませんでした」
「この国の人たちは皆僕が幼い頃からステラを好きなことを知っているからね。やっと想いが実ったのだと喜んでくれているんだよ」
「幼い頃から好き?」

 それは初耳だ。『囚われの星姫』で私が読んだところまでに二人の幼少期のことは描かれていなかった。
 
「ステラは僕たちが出会った時のことを忘れてるんだね」

 忘れているというか、私は知らない。ルーカス様の寂しそうな顔になんだか申し訳なくなる。

「すみません」
「ううん。僕たちが出会ったのは僕が父について初めてアトリアに行った時だよ」

 ルーカス様はその時のことを話してくれた。

 ◇ ◇ ◇

 ルーカスが十歳、ステラが五歳の時、クライモアとアトリアの国家交流として当時のクライモア国王と王子のルーカスがアトリアの王宮を訪問していた。

 ルーカスとステラは互いに紹介された後、子どもは子ども同士何処かで遊んでいなさいと言う父たちの言葉通り二人で王宮内を歩いた。

「王族ってほんとめんどくさいと思いません?」

 さっきまで大人しかったステラが急にそんな悪態をつく。

「まあ確かに大変だとは思うけど」
「この国では王族は王宮で教育を受けることになっていて学園へ通うことも出来ないのです。ここから出ることも出来ないしお友達だってできない。私はもっと自由に生きたいのです」

 ルーカスは自由に生きたいと言う五歳の少女に、その強い眼差しに見惚れていた。

「どうせろくに恋も出来ずにお父様に言われた人と政略結婚して好きでもない人と一生を過ごすのです」

 自由に生きたいって恋がしたいってことか。可愛いな。
 拗ねたように口を尖らせるステラに、ルーカスはそんなことを思った。

「僕がいつか君を自由にするよ」
「え、どうやって?」
「僕が迎えに来るよ。ここから、この国から連れ出してあげる」
「それは凄く楽しみですわ! 待っています」

 それが幼い頃ルーカスとステラが交わした会話だった。

 ◇ ◇ ◇

「僕はステラをお嫁さんにしてあの国から連れ出すつもりだった」

 そんな頃から妻にするつもりだったとは驚いたが、きっとステラはそうは思っていなかったのだろう。国から連れ出してくれることと結婚することはイコールではない。

「十二歳になって学園に入学する時、代表挨拶で『アトリアのステラ姫を妻に迎え立派な国王になります』て言ったんだ。父は呆れていたけどそれで国民には僕がステラに想いを寄せているって周知されたんだよね」
「そうだったのですね」
「こんな形だけど、ステラと結婚できて僕は幸せなんだ。ただ、君の父上を殺めてしまったことは申し訳ないと思ってる。でも、そうしないと君の命が危なかったんだ」
「私の命が?」

 父はルーカス様が私に想いを寄せていることを知っていた。戦には勝てないとわかっていた父は私の命と引き換えに降参することを要求していたのだ。
 降参しなければ私を殺すと。それでルーカス様は父を捕らえ直ぐに処刑したのだそうだ。

「これが本当にステラのためだったかはわからない。でも、僕は今こうして僕の側にいてくれる君をこれから幸せにしたいと思ってる。君を、愛してるんだ」
「あ、りがとうございます……」

 ルーカス様の一途な想いが嬉しかった。でも、それ以上に虚しくなった。ルーカス様はステラのことが好きなんだ。私じゃなくて本当のステラのことが。
 目頭が熱くなるのを感じぎゅっと目を瞑る。

 ねぇステラ、どこにいるの? 戻っておいでよ。ルーカス様はあなたのことを愛しているし、必ず幸せにしてくれる。だから、戻っておいで。
 
 心の中で呼び掛けても返事はない。

 そうしているうちに涙が次々と溢れ出す。

「ステラ? どうしたの?」
「ルーカス様、私はあなたの好きなステラではありません。あなたに愛される資格などないのです」

 ルーカス様は声を震わせる私の頬にそっと親指を這わせ涙を拭う。
 それでも次々溢れる涙で滲んだ先のルーカス様は、どんな表情をしているかわからない。

「確かに君は以前のステラではないのかもしれない。でも君は僕の好きなステラだよ。今、僕が愛しているステラだ」
「ルーカス様……」
「今のステラは僕のことどう思ってる?」

 私は、私の気持ちを告げてもいいのだろうか。
 ねぇステラ、私があなたの代わりに幸せになってもいいのかな。私が愛されてもいいかな。

 窓の外の木々がそよいだ。私の中にいるステラが笑った気がした。

「っ私も、ルーカス様を愛しています」

 ルーカス様は嬉しそうに微笑む。
 そして私の頬を優しく包みこみ、そっとキスをした。


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています

腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。 「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」 そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった! 今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。 冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。 彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜

咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。 もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。 一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…? ※これはかなり人を選ぶ作品です。 感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。 それでも大丈夫って方は、ぜひ。

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました

ラム猫
恋愛
 セシリアは、政略結婚でアシュレイ・ハンベルク侯爵に嫁いで三年になる。しかし夫であるアシュレイは稀代の軍略家として戦争で前線に立ち続けており、二人は一度も顔を合わせたことがなかった。セシリアは孤独な日々を送り、周囲からは「忘れられた花嫁」として扱われていた。  ある日、セシリアは親友宛てに夫への不満と愚痴を書き連ねた手紙を、誤ってアシュレイ侯爵本人宛てで送ってしまう。とんでもない過ちを犯したと震えるセシリアの元へ、数週間後、夫から返信が届いた。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。 ※全部で四話になります。

ドレスが似合わないと言われて婚約解消したら、いつの間にか殿下に囲われていた件

ぽぽよ
恋愛
似合わないドレスばかりを送りつけてくる婚約者に嫌気がさした令嬢シンシアは、婚約を解消し、ドレスを捨てて男装の道を選んだ。 スラックス姿で生きる彼女は、以前よりも自然体で、王宮でも次第に評価を上げていく。 しかしその裏で、爽やかな笑顔を張り付けた王太子が、密かにシンシアへの執着を深めていた。 一方のシンシアは極度の鈍感で、王太子の好意をすべて「親切」「仕事」と受け取ってしまう。 「一生お仕えします」という言葉の意味を、まったく違う方向で受け取った二人。 これは、男装令嬢と爽やか策士王太子による、勘違いから始まる婚約(包囲)物語。

処理中です...