59 / 100
外国には・・・外国の事情がある物ですよね? 59
しおりを挟む
第一章 五五話
カナタがギルムガンに赴いていた頃・・・時を同じくして、トライセン王国の王都オゥバーシュタインでは、ヒルデガルドの父ブランデル・フォン・ビットナー伯爵が王宮の離門より出立しようとしていた。
必要最低限の供回りだけでの隠密行の為、見送りも最低限だが、その中には望外の大物の姿が見えた。
「致し方ないとは言え・・・慌ただしい事だな、ビットナー卿。」
そこには、王国宰相ゴルディアス・フォン・パウルセン公爵がいた。
「見送りとは恐縮です。事が事でありますれば・・・ここは拙速を貴ぶべきかと・・・」
「確かにな・・・件の小鳥が卿の所にもたらした情報を考えれば・・・な、まったく・・・陛下に具申するのは骨が折れたわい。」
「・・・御尽力痛み入ります。しかし此度の策が成れば、近隣国の緊張も多少は和らぐかと思われます。ならば無理の一つ二つは年嵩者の仕事でしょう。」
「わしからすれば卿に押し付けているわけだが・・・」
「なに、娘は言わずもがな、御仁に至ってもまだまだ若輩なれば・・・それに、パウルセン公には、王都にての仕事もおありでございましょう。現場の事など些事ですわい。」
「まったく・・・お主は変わらんのぉ。まあいい、つまらん事はワシの仕事よ。若輩共を頼むぞ。」
「お任せあれ! それでは参ります! 」
挨拶を済ませた伯爵と供回りが、騎馬を駆って遠ざかって行く。
「まったく、幾つになっても慌ただしい男よな。まこと血は争えん物か・・・」
ーーーーーーーーーーー
ビットナー伯爵が王都を出立した日、その娘であるヒルデガルド伯爵令嬢もカナタからの情報と提案を受け、極秘にある人物と接触するべく、帝都の西方10kmにある地点に赴いていた。供回りは、僅かな護衛とシドーニエのみで、ほぼ同数の供回りのみを連れた、メッテルニヒ子爵が案内を務めている。
生憎の小雨の中・・・しばらく森の中の小道を進むと、小振りながらもしっかりした作りの猟師小屋が現れる。
「此処です、伯爵令嬢。」
初めて会った時から一貫して口数の少ない男だ。帝国も良くこんな男を交渉役にあてた物である。端々に現れる言説には確かな知性は感じられるが・・・それにしても言葉が少な過ぎる。
「案内、感謝致します。」
とりあえずそう答える。無言で頷いた子爵は小屋の入り口をノックし、小さく開いたドアの中へ二言三言小声で何かを告げる。
「中へ・・・供回りは、お一人でお願いします。」
子爵の案内にこちらも無言で頷き、シドーニエだけを伴い入り口に向かう。カナタからの連絡で屋内の人物の事は分かっているが・・・この接触は、事によれば帝国に叛意ありとされても仕方ないものだ。
必然的に緊張が伴う。だが、これから行う会談は周辺各国の今後の未来を占う上で極めて重要だ。
「行こうシドーニエ。カナタ殿が開いてくれた道だ。」
ーーーーーーーーーーー
さほど広くない室内、その奥の窓際に、粗末な椅子に座した人物と、傍らに立つ壮年の男性がいた。シドーニエと共に二人の前に静かに進み、騎士の礼節として膝を折る。
「お初にお目にかかります、マルグリット殿下。トライセン王国ブランデル・フォン・ビットナー伯爵が一子、ヒルデガルドであります。」
「・・・私を殿下と呼んで頂けますのは誠に有り難く存じます。ですが、今の私はその呼び名に能う者ではありません。出来れば、ただのマルグリットとお呼び下さい。」
「それでは・・・マルグリット様、早速ですが“明日からのお話“をさせて頂きましょう。」
「ええ、よろしくお願い致します。伯爵令嬢」
ーーーーーーーーーーーー
もし・・・後生の歴史家が、この数日の間にあった事を遺漏無く知り得たならば・・・たった数日で起こった事の数々に間違い無く狼狽しただろう。それは、“運命を司る神の気まぐれ”とするには余りに偶然が過ぎるタイミングだったからだ・・・だが、当然ながらそれを正確に知り得る者は皆無であった。
こうして、後に大転換と呼ばれる、周辺各国の“政治的大方針転換”を引き起こした人物の存在は・・・結局秘匿される事となる。
ーーーーーーーーーーー
ギルムガン国王セルディック4世からの言質を取り付けた後、アローナを連れてローランドさんの村に転移した僕は、まず従軍していたギルムガン兵を解放し、グラブフットさんの後を追って領都に向かって貰う様に指示した。
勿論アローナやグラブフットには後々“矢面”に立って貰うから、領都では行動を慎む様に厳命した。
「任せなさい! 陛下の事が問題なくなった今、私に枷は無いわ。恩に報いる為にも存分に働かせてもらうわよ!」
・・・やる気満々なのはいいのだが、何故僕の左腕に絡みついているのか? まさかセドリック4世が言っていた事を鵜呑みにしてる訳でもあるまい・・・とりあえず無言で腕から引き剥がし、
「ええ、宜しくお願い致します。引き続き僕はグローブリーズ帝国に向かって皇帝の説得に当たります。問題があればドローンオウルを通して連絡を・・・」
「分かったわ! でも気をつけてねカナタ。私も会った事は無いけど、フリードリヒ皇帝は冷徹な判断をする人物として有名よ。あなたに限って甘く見積もったりはしていないと思うけど・・・用心し過ぎるに越した事はないわ。」
なる程、周辺各国がそう認識しているならば・・・皇帝は随分とキレる人物なのだろう。
「ええ、了解しました。では、僕は行きますので後は頼みます。“ムーヴ!”」
ーーーーーーーーーーー
帝都ベルギリウスにある迎賓館、その控え室に転移した僕は、ヒルデガルドが滞在している筈の私室まで隠蔽を駆使して移動する。迎賓館の職員に見つかるのを防ぐ為だ。
{ミネルヴァ、彼女は部屋に居るかい?}
{はい、在室されています。シドーニエ様も在室されています。}
{ありがとう。}
そうこうしている内に私室の前に到着する。周辺に人影がない事を確認してフルカーテンを解除し、ノックをする。暫くするとシドーニエが・・・
「どなたですか?」
「コウサカです。今戻りました。」
そう答えた途端、凄い勢いでドアが開いたと思うとジャケットの袖を掴まれ、部屋に引き込まれる。シドーニエは凄い形相で僕の体をまさぐり、
「あなたと言う人は! 三首の神獣に手を出すなんて!! 一体何を考えているんです!!! 」
とんでもない勢いで怒られた・・・
「落ち着いて下さい! シドーニエさん。」
とりあえず落ち着いて貰おうと、シドーニエの肩を抱いて引き離そうとしている所へ、
「シドーニエ、来客か? 今日は、特に予定はなかったと思うが・・・ カナタ殿!!! シドーニエの体を引き寄せてなっ、何をしようとしているのだ!? 」
・・・・この後、誤解を解くのに四苦八苦する事になる。まったく・・・勘弁して欲しい。
カナタがギルムガンに赴いていた頃・・・時を同じくして、トライセン王国の王都オゥバーシュタインでは、ヒルデガルドの父ブランデル・フォン・ビットナー伯爵が王宮の離門より出立しようとしていた。
必要最低限の供回りだけでの隠密行の為、見送りも最低限だが、その中には望外の大物の姿が見えた。
「致し方ないとは言え・・・慌ただしい事だな、ビットナー卿。」
そこには、王国宰相ゴルディアス・フォン・パウルセン公爵がいた。
「見送りとは恐縮です。事が事でありますれば・・・ここは拙速を貴ぶべきかと・・・」
「確かにな・・・件の小鳥が卿の所にもたらした情報を考えれば・・・な、まったく・・・陛下に具申するのは骨が折れたわい。」
「・・・御尽力痛み入ります。しかし此度の策が成れば、近隣国の緊張も多少は和らぐかと思われます。ならば無理の一つ二つは年嵩者の仕事でしょう。」
「わしからすれば卿に押し付けているわけだが・・・」
「なに、娘は言わずもがな、御仁に至ってもまだまだ若輩なれば・・・それに、パウルセン公には、王都にての仕事もおありでございましょう。現場の事など些事ですわい。」
「まったく・・・お主は変わらんのぉ。まあいい、つまらん事はワシの仕事よ。若輩共を頼むぞ。」
「お任せあれ! それでは参ります! 」
挨拶を済ませた伯爵と供回りが、騎馬を駆って遠ざかって行く。
「まったく、幾つになっても慌ただしい男よな。まこと血は争えん物か・・・」
ーーーーーーーーーーー
ビットナー伯爵が王都を出立した日、その娘であるヒルデガルド伯爵令嬢もカナタからの情報と提案を受け、極秘にある人物と接触するべく、帝都の西方10kmにある地点に赴いていた。供回りは、僅かな護衛とシドーニエのみで、ほぼ同数の供回りのみを連れた、メッテルニヒ子爵が案内を務めている。
生憎の小雨の中・・・しばらく森の中の小道を進むと、小振りながらもしっかりした作りの猟師小屋が現れる。
「此処です、伯爵令嬢。」
初めて会った時から一貫して口数の少ない男だ。帝国も良くこんな男を交渉役にあてた物である。端々に現れる言説には確かな知性は感じられるが・・・それにしても言葉が少な過ぎる。
「案内、感謝致します。」
とりあえずそう答える。無言で頷いた子爵は小屋の入り口をノックし、小さく開いたドアの中へ二言三言小声で何かを告げる。
「中へ・・・供回りは、お一人でお願いします。」
子爵の案内にこちらも無言で頷き、シドーニエだけを伴い入り口に向かう。カナタからの連絡で屋内の人物の事は分かっているが・・・この接触は、事によれば帝国に叛意ありとされても仕方ないものだ。
必然的に緊張が伴う。だが、これから行う会談は周辺各国の今後の未来を占う上で極めて重要だ。
「行こうシドーニエ。カナタ殿が開いてくれた道だ。」
ーーーーーーーーーーー
さほど広くない室内、その奥の窓際に、粗末な椅子に座した人物と、傍らに立つ壮年の男性がいた。シドーニエと共に二人の前に静かに進み、騎士の礼節として膝を折る。
「お初にお目にかかります、マルグリット殿下。トライセン王国ブランデル・フォン・ビットナー伯爵が一子、ヒルデガルドであります。」
「・・・私を殿下と呼んで頂けますのは誠に有り難く存じます。ですが、今の私はその呼び名に能う者ではありません。出来れば、ただのマルグリットとお呼び下さい。」
「それでは・・・マルグリット様、早速ですが“明日からのお話“をさせて頂きましょう。」
「ええ、よろしくお願い致します。伯爵令嬢」
ーーーーーーーーーーーー
もし・・・後生の歴史家が、この数日の間にあった事を遺漏無く知り得たならば・・・たった数日で起こった事の数々に間違い無く狼狽しただろう。それは、“運命を司る神の気まぐれ”とするには余りに偶然が過ぎるタイミングだったからだ・・・だが、当然ながらそれを正確に知り得る者は皆無であった。
こうして、後に大転換と呼ばれる、周辺各国の“政治的大方針転換”を引き起こした人物の存在は・・・結局秘匿される事となる。
ーーーーーーーーーーー
ギルムガン国王セルディック4世からの言質を取り付けた後、アローナを連れてローランドさんの村に転移した僕は、まず従軍していたギルムガン兵を解放し、グラブフットさんの後を追って領都に向かって貰う様に指示した。
勿論アローナやグラブフットには後々“矢面”に立って貰うから、領都では行動を慎む様に厳命した。
「任せなさい! 陛下の事が問題なくなった今、私に枷は無いわ。恩に報いる為にも存分に働かせてもらうわよ!」
・・・やる気満々なのはいいのだが、何故僕の左腕に絡みついているのか? まさかセドリック4世が言っていた事を鵜呑みにしてる訳でもあるまい・・・とりあえず無言で腕から引き剥がし、
「ええ、宜しくお願い致します。引き続き僕はグローブリーズ帝国に向かって皇帝の説得に当たります。問題があればドローンオウルを通して連絡を・・・」
「分かったわ! でも気をつけてねカナタ。私も会った事は無いけど、フリードリヒ皇帝は冷徹な判断をする人物として有名よ。あなたに限って甘く見積もったりはしていないと思うけど・・・用心し過ぎるに越した事はないわ。」
なる程、周辺各国がそう認識しているならば・・・皇帝は随分とキレる人物なのだろう。
「ええ、了解しました。では、僕は行きますので後は頼みます。“ムーヴ!”」
ーーーーーーーーーーー
帝都ベルギリウスにある迎賓館、その控え室に転移した僕は、ヒルデガルドが滞在している筈の私室まで隠蔽を駆使して移動する。迎賓館の職員に見つかるのを防ぐ為だ。
{ミネルヴァ、彼女は部屋に居るかい?}
{はい、在室されています。シドーニエ様も在室されています。}
{ありがとう。}
そうこうしている内に私室の前に到着する。周辺に人影がない事を確認してフルカーテンを解除し、ノックをする。暫くするとシドーニエが・・・
「どなたですか?」
「コウサカです。今戻りました。」
そう答えた途端、凄い勢いでドアが開いたと思うとジャケットの袖を掴まれ、部屋に引き込まれる。シドーニエは凄い形相で僕の体をまさぐり、
「あなたと言う人は! 三首の神獣に手を出すなんて!! 一体何を考えているんです!!! 」
とんでもない勢いで怒られた・・・
「落ち着いて下さい! シドーニエさん。」
とりあえず落ち着いて貰おうと、シドーニエの肩を抱いて引き離そうとしている所へ、
「シドーニエ、来客か? 今日は、特に予定はなかったと思うが・・・ カナタ殿!!! シドーニエの体を引き寄せてなっ、何をしようとしているのだ!? 」
・・・・この後、誤解を解くのに四苦八苦する事になる。まったく・・・勘弁して欲しい。
0
あなたにおすすめの小説
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる