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その4
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ハルが目覚めてから三日後、明日高校登校に復帰することになりハルは母親と同伴して職員室で担任の先生と挨拶をした。
母親と先生が話ているところハルが部屋の廊下側の窓を見ると秋人とカナがこっそりのぞいていた。二人はちょっと手を振り、ハルは少し手を上げた。
話を終えて職員室から出て母親と一緒に先生にお辞儀をした、
その時にハルが後ろを振り向くと、秋人とカナがいた。
「ほら挨拶しなさい、秋人くんとカナちゃんはあなたの見舞いに毎日来てくれたんだから」
「おう、ありがとな。」と言うそっけないお礼にコラっと叱る母親とああっいつものあの子っていう安心した表情をする二人でその場の空気は和んでいた。母親がそのままハルに挨拶をして去っていった後、春子はこう秋人とカナに言った。
「アキ カナあんな、あたし思ったんだ。」
「ん?何をだ?」と秋人は聞き返すとハルはさらにくり返した。
「カナの言ってた死体の噂、これ三人で解き明かそう」
それに対して二人は驚いた、そして秋人は。
「な…何言ってんだ!そんなものデタラメだし!…それになんで今更⁉︎」と困惑したような口調で叫んだ、するとハルは。
「んー、なんかね、あたしの頭痛はもしかしただけどそれに関わっているんじゃないかと
思うんだ、それに聞いたけど他にも影響受けてる先生やクラスメイトもいるじゃんだから…」と続ける途中にゴシャっと鈍い音が響き、
続いて外から爆弾が落ちたような悲鳴が聞こえたザワザワとなる窓の辺りから
話し声が聞こえた。
「何?」 「誰かが屋上から飛び降りたみたい…」 「あれ?校長先生じゃない?」
その一部始終を完全に見たわけではないが三人は決心しただろう、一番に秋人は言った。
「ここまで来ると、それが完全に無関係とはいえないかもな」続けてカナも、
「うん、まずはその死体について、後は地下室の事ね」
「明日からはたぶん休校に入るかもしれないしその間、この辺を探してみるか」
彼ら三人はこの死体の噂の真相を探るべく学校に関係するものを探すことにしたそしてその日から明日高校は休校に入った。
受験を控えた上級生や入学したての下級生の都合は考えてるかどうでもいいかはわからない、
この期間を使って三人はこの町の小さな図書館で過去の出来事を調べたりしたけど、しかし旧校舎で起きた出来事は、警察が動くほどの大した事件すらなく、
木造の校舎にガタが来て新校舎に建て替える話ぐらいしかなかった。
「…うん、ろくな情報もないな、図書館のくせにな、」
「今のところは、暑さを避けるために行っているようなところだなー」
とハルはてで仰ぎながら言う、横で一生懸命本を読むカナは
「諦めムードになってるようだけど、だめだよ、根気よく…」
と言う時、カナのスマホがブーブーと鳴り、電話に出るためにカナは早足で図書館をでた。
秋人とハルは浸りっきりになった話した。
「ハル、お前が見た夢の中にいた人物の話ってどんな感じだったか覚えているか?」
ハルはうーんと顔を傾けて答えた。
「覚えてないんだこれが、真っ黒の人型のね…一つ覚えているのはなんだかアタシと体格が似てるってことぐらい」
「へぇ、不思議なこった」
後は何かしらの雑談ばかりだった。
「アキはさあ彼女いないんだよね?なんで作らないのー?」
と言うことにビクッとなり
「そ…それ聞くのかよ…あー」と言うまにカナが戻ってきた。
「アッキー、ハルちゃん今さっきいい情報が入ったよ」と小声で話した
「うちの学校で一番古い先生からの電話で聞いたんだけど、わからない部分が多いので、自分と
同期だった人に聞いたらわかると思うって」
「え?、その人はなんて名前の人だ?、そもそも勝手に言っていいのか?」
「えーと佐伯って人で一応先生が電話してくれたので大丈夫だよ」
と楽観的に言うカナ、その後先生の手書きの地図を見てその場所が目の前にあった
そのひと昔の古い民家に誰かが植木の花に水をやっていた。
「あの人かな佐伯って人は…すみませんー!」と大声でその人を呼んだらそれに気付き振り向き「はい、何かごようですか?」
「◻︎先生から紹介された者です」
その佐伯という男は少し驚いたような顔をした、その視線はハルに向けられていた。
「…冬本…確かあの時…」
「どうしたのですか?」
「あっなんでもないよ、ところでそこの彼女はお姉さんはいるのかい?」
突然こんな事を聞いたので、流石のハルも戸惑いながらこう答えた。
「えー、うちは…弟はいるけど…」
「…そうか…まあいいやウチに上がりなさいお茶を出すから」
と三人は佐伯の家へ上がり畳の居間でお茶をよばれあの事を話した。
「…あの今回私たちが聞きたいことは二十年前のことです、その年に誰か行方不明になった人がいないかを聞きたいのです」というとい佐伯は、曇った表情をして聞いていた
「後はこの学校の地下室の事も…」と続けて言おうとしたら
「ああいいけど…一つお願いがある、そこにいる彼だけにしてくれないか、
くわしい事をその彼に話すから。」
「え?なんでですか?」
「カナ、俺らは聞いている立場だからさ、」
そしてカナはハルを連れて外へ出た、それからだった佐伯の顔には深い皺が一つ二つできた、
彼は声を重くして秋人にこう聞いてきた。
「一体何を目的でここへ来た、言え」
「…いえ、僕らは最近起きているクラスメイトや先生の病気や事故が何か関係あるかと思って
みんな死体の噂を語ってたからそれで…」
「ならば何か、私を警察へ突き出そうというわけでないのか?」
佐伯の表情はさらに鬼のような形相になってさらに問い詰めてきた。
「…一体なんの事を話しているのですか?、僕たちはただ聞きたいだけなのです。」
というと彼は、少し我に帰ったのか落ち着いて、ふうっと球息をついた、そして静かに語った
「今から二十年前に冬本 明日子(フユモト アスコ)という生徒がいた、
両親や家の事については不明だったが、
いつも天真爛漫で時々私にもわからない事を言い出して周りを困惑っさせていたんだ。」
「冬本?、もしかして行方不明の生徒の事知ってたんですか⁉︎、」ちゃぶ台がガタっと揺らし
秋人は驚いた声を出した。だがしかしそれと同時にあることに気づいた、
「…死体の噂…⁉︎、まさかあなた…」
「勘づいたようだが…そうあの時冬本は死んだ…正確には殺した。」
と声色を少し震わせながら、静かに佐伯は答えた。
「ある日些細なことで言い争いになって冬本を階段から落とした、駆けつけた時にはすでに死んでいた、そして彼女の死体を地下室に隠した…」
衝撃の真実に秋人は怒りや恐怖以上に言葉に表すのができない気持ちにになっていたが、少し落ち着いて口を開いてあることを聞いた。
「…もしそれが事実なら、多分警察に言っても、もう動かないと思います…それでも知りたいことはあります…どうしてあの時春子を見て驚いていたのですか?」と彼に聞いてみた、すると
佐伯は答えた
「…そっくりだった…冬本と彼女は、髪型や顔立ち全てが一緒だったんだ‼︎」
「ちょ…ちょっと待ってくださいそれは…」と言おうとした瞬間に。
「すみませーんもう終わりましたか?」というカナの声が聞こえた、
縁側を見ると二人がそこに立ったいた
「アキ、終わったならすぐ帰ろう、もう飽きたから」とハルはそっけなく言うと
佐伯は何かがふっ切れたのかのように狂ったように大声で喚いた。
「は!ハハははは‼︎、私を地獄へ連れていくのか‼︎どうにもできないぞ‼︎お前は土の中で
どうすることも‼︎ふひゃははははハハ‼︎」と笑いながら奥の部屋へ佐伯は入った。
その様子を見た三人は血の気が引いたような目でその方向を見ていた。結局は何も有力な情報は聞けず夕暮れの帰り道を歩いて帰ることにした。するとカナが
「アッキー、あのひと何かあったんだろうかな?」と聞いてきたので
「少しな、体調が悪かったんじゃないのか、そういう人は珍しくないし」と誤魔化すように話す。
秋人に対しハルは。
「で、またいくの?あまり行きたくないなー、あたしああいいうの苦手だし」
自分たちの少し後ろに歩く春子をチラッと眺めてこう秋人は思った。
「二十年前の行方不明の生徒の事が真実だと言う事はわかったけど、でもあの佐伯が言ってた
土の中とは?、まだ何か隠しているのかもしれない、今度は細かく聞く必要があるな…、それに
ハルとその冬本が瓜二つが頭から離れない…」色々心に溜め込みながらも次の日にまた三人で佐伯の家へとやってきた、しかしいつもと様子が違っていた、そこには大勢の人が集まっていたのだった。その人混みの中には警察官らしき人もいた。
「何があったんだろう?」とカナは秋人に尋ねたが、もう二十年前の事だから時効のはず、
なのに今更なぜ?と思いつつ人混みの中の一人に尋ねた「すみません、あの佐伯さんに何かありましたか?」というとその人は答えた。
「あらぁ佐伯さんの知り合い?あのね佐伯さん亡くなったのね、部屋で首を吊って死んでたの」
秋人に衝撃が走った、それに動揺しながらも、そしてそれをグッと我慢してカナと春子の方へ戻った。
「行こうぜ…もう何も聞けないからさ…」そして三人はその場を後にした、死体の噂の証人となる人物は死亡し、もはや何も真実を知ることもできなくなった。そんな失望を胸に抱えながら帰っているとカナが秋人に聞いてきた
「アッキーこれはあたしらのせいではないよね?」
と困ったような表情をして聞いてきたけど秋人は静かに言った
「そんなわけねえだろ…というかもうやめようぜ今はこの話するの」
とお互い静かに帰って行った。
それから秋人は家に帰ってから部屋に閉じ籠り、ベットでゴロンと寝転がって心のモヤモヤを
取り払おうとした、親からの晩御飯の呼びかけに対してもいらないと返してた、
布団にくるまって何もしないまま、深夜の0時となっていた。
「…もうこんな時間、今更腹が減るなんて…なんかあるかな」
と階段を降りて居間に入っていたらテーブルに父親が座っていた。
「親父?、まさかずっと起きていたんか?」
「アキ、やっと降りてきたか、飯はちゃんと置いてあるから食えよ」と言われてテーブルに座って食事をしたらこう父親が来てきた。
「今日は何かあったのか正直にいいなよ」
「…ちょっと先生が紹介してくれた人が自殺してな…それでちょっと気分が良くなかったたんだ」というと静かに笑ってこう言った。
「ハハハ、お前は昔から繊細だったからな」
「そ…そんな事ねえし…」
「…以前お前が顔中あざだらけで帰ってきた時、おめえは喧嘩したというだけで済ましていたけど、おめえの事だからそんな簡単な理由でやっていないんだろ」と真面目な表情の父親を見て
秋人は思わずあの事を話した。
「そうか、それはお前にも一票はあるな、手を出した部分も悪いけど」
「その辺は反省してるよ」と言葉を返した。それから気持ちが緩んだか、今までの事も話した
今まで父とはそんなにがっつりした会話はしてはいなかったが、かなり話し込んだ
「つまり簡単に言えばこうだ、アキお前は春子ちゃんが好きなんだろ。」
「本音を言うと好きなのかも…けど、昔のこともあって、うまく付き合える自信はねえし、」
諦めたような感じで答えると次にカナのことも話した。
「それにカナの事もあるんだ、あいつの事も考えると余計に怖くなる、
関係が複雑になりそうで」
すると父は両手を組みこう答えた。
「俺はな、お前の母ちゃんに告白する時は迷わず付き合えって告白した、好きな相手に何かしら考えることはしなかった」その事は初めてきいたので、ただ返事ができなかった、自分の父と母の出会いはそんな適当だったのかと思った。
「今も母ちゃんのことは好きでいてる、その気持ちを持ち続けさえいればなんとかなるだろう、
まあ犯罪にならない程度にな」と言う言葉に思わずふっと笑ってしまった、ちょっと安心したか
父も笑っていたそしてこう聞いてきた
「アキ、お前は春子ちゃんのどう言うところが好きか言えるか?」
「正直あいつは愛想がなくて変なこと言ったり何考えているかわからない奴なんだ、いいところどころか好きなところは…あ、そうだ…」
と思い出した秋人はこう答えた。
「一年の頃に一回だけだった…あいつさ笑うと可愛いんだ、今も覚えているあの不器用に感情を見せるあの笑顔。」その事を思い出して少しほっこりした空気になった、そして秋人は立ち上がり「親父ありがとよ」と言った、父は少し嬉しそうにニコッと笑った。
その後は洗面台で歯を磨いて就寝についた。
次の朝、夜遅くまで起きてたのか、眠くて起きれなかった、しかしそんな事を構いなく
春子からスマホの着信がなり這いながらもスマホに手をかけて電話に出た。
「おはよーさん、アキ今日は何するんだー」と声にちょっとイラッとしたが
落ち着いてこう言った
「そうだな…噂について探るにしても、もう聞く相手はいないし…、今日は三人で何かするか?」するとハルがこういった。
「今ねカナん家にいるんなだけど、久しぶりになんか歌うってさ」
「あん?カラオケでもいくんか?」とだるい気分で言うと。
「ううん、カナがギターを持ってるらしくてなんか弾いてよって頼んだら
いつもの河原で弾いてみよっかってなった」カナがギター弾けることは初耳だったので、
ちょっと聞いてみたいと思い
服を着替えて早速あの河原へ向かった、もうすでにハルとカナがいた。
「アッキーおはよう、久しぶりなんでうまくいくかわかんないよ」
「カナ、お前ギターとか弾けたんか、そんな事は言ってなかったぞ」
「小学生の時に養護施設の職員さんに教えてもらったんだ」と
ギターのチューニングをして早速座って弾いて歌った、
本人はあまり上手くないよと言ってたけど、よくテレビに出てる、
売れ線を狙ってるような歌よりすごくうまかった。
「次はあたしのリクエストの曲を歌ってもらおうっかな」
「やめとけ、お前の好きなの俺らにはピンッとこねえよ」
と言って横目で春子を眺めた、
一曲終わった後小さく春子は拍手してそして次の曲をカナが歌おうとした瞬間だった。
ほんの少しだけ彼女が透けて見えた、その時秋人は感じた、もうすぐ桜井春子は
いなくなると。
母親と先生が話ているところハルが部屋の廊下側の窓を見ると秋人とカナがこっそりのぞいていた。二人はちょっと手を振り、ハルは少し手を上げた。
話を終えて職員室から出て母親と一緒に先生にお辞儀をした、
その時にハルが後ろを振り向くと、秋人とカナがいた。
「ほら挨拶しなさい、秋人くんとカナちゃんはあなたの見舞いに毎日来てくれたんだから」
「おう、ありがとな。」と言うそっけないお礼にコラっと叱る母親とああっいつものあの子っていう安心した表情をする二人でその場の空気は和んでいた。母親がそのままハルに挨拶をして去っていった後、春子はこう秋人とカナに言った。
「アキ カナあんな、あたし思ったんだ。」
「ん?何をだ?」と秋人は聞き返すとハルはさらにくり返した。
「カナの言ってた死体の噂、これ三人で解き明かそう」
それに対して二人は驚いた、そして秋人は。
「な…何言ってんだ!そんなものデタラメだし!…それになんで今更⁉︎」と困惑したような口調で叫んだ、するとハルは。
「んー、なんかね、あたしの頭痛はもしかしただけどそれに関わっているんじゃないかと
思うんだ、それに聞いたけど他にも影響受けてる先生やクラスメイトもいるじゃんだから…」と続ける途中にゴシャっと鈍い音が響き、
続いて外から爆弾が落ちたような悲鳴が聞こえたザワザワとなる窓の辺りから
話し声が聞こえた。
「何?」 「誰かが屋上から飛び降りたみたい…」 「あれ?校長先生じゃない?」
その一部始終を完全に見たわけではないが三人は決心しただろう、一番に秋人は言った。
「ここまで来ると、それが完全に無関係とはいえないかもな」続けてカナも、
「うん、まずはその死体について、後は地下室の事ね」
「明日からはたぶん休校に入るかもしれないしその間、この辺を探してみるか」
彼ら三人はこの死体の噂の真相を探るべく学校に関係するものを探すことにしたそしてその日から明日高校は休校に入った。
受験を控えた上級生や入学したての下級生の都合は考えてるかどうでもいいかはわからない、
この期間を使って三人はこの町の小さな図書館で過去の出来事を調べたりしたけど、しかし旧校舎で起きた出来事は、警察が動くほどの大した事件すらなく、
木造の校舎にガタが来て新校舎に建て替える話ぐらいしかなかった。
「…うん、ろくな情報もないな、図書館のくせにな、」
「今のところは、暑さを避けるために行っているようなところだなー」
とハルはてで仰ぎながら言う、横で一生懸命本を読むカナは
「諦めムードになってるようだけど、だめだよ、根気よく…」
と言う時、カナのスマホがブーブーと鳴り、電話に出るためにカナは早足で図書館をでた。
秋人とハルは浸りっきりになった話した。
「ハル、お前が見た夢の中にいた人物の話ってどんな感じだったか覚えているか?」
ハルはうーんと顔を傾けて答えた。
「覚えてないんだこれが、真っ黒の人型のね…一つ覚えているのはなんだかアタシと体格が似てるってことぐらい」
「へぇ、不思議なこった」
後は何かしらの雑談ばかりだった。
「アキはさあ彼女いないんだよね?なんで作らないのー?」
と言うことにビクッとなり
「そ…それ聞くのかよ…あー」と言うまにカナが戻ってきた。
「アッキー、ハルちゃん今さっきいい情報が入ったよ」と小声で話した
「うちの学校で一番古い先生からの電話で聞いたんだけど、わからない部分が多いので、自分と
同期だった人に聞いたらわかると思うって」
「え?、その人はなんて名前の人だ?、そもそも勝手に言っていいのか?」
「えーと佐伯って人で一応先生が電話してくれたので大丈夫だよ」
と楽観的に言うカナ、その後先生の手書きの地図を見てその場所が目の前にあった
そのひと昔の古い民家に誰かが植木の花に水をやっていた。
「あの人かな佐伯って人は…すみませんー!」と大声でその人を呼んだらそれに気付き振り向き「はい、何かごようですか?」
「◻︎先生から紹介された者です」
その佐伯という男は少し驚いたような顔をした、その視線はハルに向けられていた。
「…冬本…確かあの時…」
「どうしたのですか?」
「あっなんでもないよ、ところでそこの彼女はお姉さんはいるのかい?」
突然こんな事を聞いたので、流石のハルも戸惑いながらこう答えた。
「えー、うちは…弟はいるけど…」
「…そうか…まあいいやウチに上がりなさいお茶を出すから」
と三人は佐伯の家へ上がり畳の居間でお茶をよばれあの事を話した。
「…あの今回私たちが聞きたいことは二十年前のことです、その年に誰か行方不明になった人がいないかを聞きたいのです」というとい佐伯は、曇った表情をして聞いていた
「後はこの学校の地下室の事も…」と続けて言おうとしたら
「ああいいけど…一つお願いがある、そこにいる彼だけにしてくれないか、
くわしい事をその彼に話すから。」
「え?なんでですか?」
「カナ、俺らは聞いている立場だからさ、」
そしてカナはハルを連れて外へ出た、それからだった佐伯の顔には深い皺が一つ二つできた、
彼は声を重くして秋人にこう聞いてきた。
「一体何を目的でここへ来た、言え」
「…いえ、僕らは最近起きているクラスメイトや先生の病気や事故が何か関係あるかと思って
みんな死体の噂を語ってたからそれで…」
「ならば何か、私を警察へ突き出そうというわけでないのか?」
佐伯の表情はさらに鬼のような形相になってさらに問い詰めてきた。
「…一体なんの事を話しているのですか?、僕たちはただ聞きたいだけなのです。」
というと彼は、少し我に帰ったのか落ち着いて、ふうっと球息をついた、そして静かに語った
「今から二十年前に冬本 明日子(フユモト アスコ)という生徒がいた、
両親や家の事については不明だったが、
いつも天真爛漫で時々私にもわからない事を言い出して周りを困惑っさせていたんだ。」
「冬本?、もしかして行方不明の生徒の事知ってたんですか⁉︎、」ちゃぶ台がガタっと揺らし
秋人は驚いた声を出した。だがしかしそれと同時にあることに気づいた、
「…死体の噂…⁉︎、まさかあなた…」
「勘づいたようだが…そうあの時冬本は死んだ…正確には殺した。」
と声色を少し震わせながら、静かに佐伯は答えた。
「ある日些細なことで言い争いになって冬本を階段から落とした、駆けつけた時にはすでに死んでいた、そして彼女の死体を地下室に隠した…」
衝撃の真実に秋人は怒りや恐怖以上に言葉に表すのができない気持ちにになっていたが、少し落ち着いて口を開いてあることを聞いた。
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「ちょ…ちょっと待ってくださいそれは…」と言おうとした瞬間に。
「すみませーんもう終わりましたか?」というカナの声が聞こえた、
縁側を見ると二人がそこに立ったいた
「アキ、終わったならすぐ帰ろう、もう飽きたから」とハルはそっけなく言うと
佐伯は何かがふっ切れたのかのように狂ったように大声で喚いた。
「は!ハハははは‼︎、私を地獄へ連れていくのか‼︎どうにもできないぞ‼︎お前は土の中で
どうすることも‼︎ふひゃははははハハ‼︎」と笑いながら奥の部屋へ佐伯は入った。
その様子を見た三人は血の気が引いたような目でその方向を見ていた。結局は何も有力な情報は聞けず夕暮れの帰り道を歩いて帰ることにした。するとカナが
「アッキー、あのひと何かあったんだろうかな?」と聞いてきたので
「少しな、体調が悪かったんじゃないのか、そういう人は珍しくないし」と誤魔化すように話す。
秋人に対しハルは。
「で、またいくの?あまり行きたくないなー、あたしああいいうの苦手だし」
自分たちの少し後ろに歩く春子をチラッと眺めてこう秋人は思った。
「二十年前の行方不明の生徒の事が真実だと言う事はわかったけど、でもあの佐伯が言ってた
土の中とは?、まだ何か隠しているのかもしれない、今度は細かく聞く必要があるな…、それに
ハルとその冬本が瓜二つが頭から離れない…」色々心に溜め込みながらも次の日にまた三人で佐伯の家へとやってきた、しかしいつもと様子が違っていた、そこには大勢の人が集まっていたのだった。その人混みの中には警察官らしき人もいた。
「何があったんだろう?」とカナは秋人に尋ねたが、もう二十年前の事だから時効のはず、
なのに今更なぜ?と思いつつ人混みの中の一人に尋ねた「すみません、あの佐伯さんに何かありましたか?」というとその人は答えた。
「あらぁ佐伯さんの知り合い?あのね佐伯さん亡くなったのね、部屋で首を吊って死んでたの」
秋人に衝撃が走った、それに動揺しながらも、そしてそれをグッと我慢してカナと春子の方へ戻った。
「行こうぜ…もう何も聞けないからさ…」そして三人はその場を後にした、死体の噂の証人となる人物は死亡し、もはや何も真実を知ることもできなくなった。そんな失望を胸に抱えながら帰っているとカナが秋人に聞いてきた
「アッキーこれはあたしらのせいではないよね?」
と困ったような表情をして聞いてきたけど秋人は静かに言った
「そんなわけねえだろ…というかもうやめようぜ今はこの話するの」
とお互い静かに帰って行った。
それから秋人は家に帰ってから部屋に閉じ籠り、ベットでゴロンと寝転がって心のモヤモヤを
取り払おうとした、親からの晩御飯の呼びかけに対してもいらないと返してた、
布団にくるまって何もしないまま、深夜の0時となっていた。
「…もうこんな時間、今更腹が減るなんて…なんかあるかな」
と階段を降りて居間に入っていたらテーブルに父親が座っていた。
「親父?、まさかずっと起きていたんか?」
「アキ、やっと降りてきたか、飯はちゃんと置いてあるから食えよ」と言われてテーブルに座って食事をしたらこう父親が来てきた。
「今日は何かあったのか正直にいいなよ」
「…ちょっと先生が紹介してくれた人が自殺してな…それでちょっと気分が良くなかったたんだ」というと静かに笑ってこう言った。
「ハハハ、お前は昔から繊細だったからな」
「そ…そんな事ねえし…」
「…以前お前が顔中あざだらけで帰ってきた時、おめえは喧嘩したというだけで済ましていたけど、おめえの事だからそんな簡単な理由でやっていないんだろ」と真面目な表情の父親を見て
秋人は思わずあの事を話した。
「そうか、それはお前にも一票はあるな、手を出した部分も悪いけど」
「その辺は反省してるよ」と言葉を返した。それから気持ちが緩んだか、今までの事も話した
今まで父とはそんなにがっつりした会話はしてはいなかったが、かなり話し込んだ
「つまり簡単に言えばこうだ、アキお前は春子ちゃんが好きなんだろ。」
「本音を言うと好きなのかも…けど、昔のこともあって、うまく付き合える自信はねえし、」
諦めたような感じで答えると次にカナのことも話した。
「それにカナの事もあるんだ、あいつの事も考えると余計に怖くなる、
関係が複雑になりそうで」
すると父は両手を組みこう答えた。
「俺はな、お前の母ちゃんに告白する時は迷わず付き合えって告白した、好きな相手に何かしら考えることはしなかった」その事は初めてきいたので、ただ返事ができなかった、自分の父と母の出会いはそんな適当だったのかと思った。
「今も母ちゃんのことは好きでいてる、その気持ちを持ち続けさえいればなんとかなるだろう、
まあ犯罪にならない程度にな」と言う言葉に思わずふっと笑ってしまった、ちょっと安心したか
父も笑っていたそしてこう聞いてきた
「アキ、お前は春子ちゃんのどう言うところが好きか言えるか?」
「正直あいつは愛想がなくて変なこと言ったり何考えているかわからない奴なんだ、いいところどころか好きなところは…あ、そうだ…」
と思い出した秋人はこう答えた。
「一年の頃に一回だけだった…あいつさ笑うと可愛いんだ、今も覚えているあの不器用に感情を見せるあの笑顔。」その事を思い出して少しほっこりした空気になった、そして秋人は立ち上がり「親父ありがとよ」と言った、父は少し嬉しそうにニコッと笑った。
その後は洗面台で歯を磨いて就寝についた。
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春子からスマホの着信がなり這いながらもスマホに手をかけて電話に出た。
「おはよーさん、アキ今日は何するんだー」と声にちょっとイラッとしたが
落ち着いてこう言った
「そうだな…噂について探るにしても、もう聞く相手はいないし…、今日は三人で何かするか?」するとハルがこういった。
「今ねカナん家にいるんなだけど、久しぶりになんか歌うってさ」
「あん?カラオケでもいくんか?」とだるい気分で言うと。
「ううん、カナがギターを持ってるらしくてなんか弾いてよって頼んだら
いつもの河原で弾いてみよっかってなった」カナがギター弾けることは初耳だったので、
ちょっと聞いてみたいと思い
服を着替えて早速あの河原へ向かった、もうすでにハルとカナがいた。
「アッキーおはよう、久しぶりなんでうまくいくかわかんないよ」
「カナ、お前ギターとか弾けたんか、そんな事は言ってなかったぞ」
「小学生の時に養護施設の職員さんに教えてもらったんだ」と
ギターのチューニングをして早速座って弾いて歌った、
本人はあまり上手くないよと言ってたけど、よくテレビに出てる、
売れ線を狙ってるような歌よりすごくうまかった。
「次はあたしのリクエストの曲を歌ってもらおうっかな」
「やめとけ、お前の好きなの俺らにはピンッとこねえよ」
と言って横目で春子を眺めた、
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