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その5
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蒸し蒸しと暑い季節の中くらいの時期となった今日、死体の噂の情報になることがなくなり、
今日は気分転換として秋人はカナとハルを誘ってこの町の公園で
バトミントンをやる事になった、秋人は人数分のラケットやシャトルを二人に手渡した
「先に俺と相手するか?」と聞いたら、
カナがハイっと手を上げて相手になったが、
元々バトミントン部の秋人だったので、相手の事を考えて緩く打っても、
スポーツの苦手なカナにとっては、通り抜ける電車の窓を見るように早かった。
「アッキー!、もうちょっと手を抜いてよ!」
「ああ、少し手抜いているけど早かったか?」
でもいくらやってもカナのラケットには一つもかすれることもなく
ついにはカナは拗ねてハルと交代した。
交代したところでも彼女もまた運動オンチ、ゆるく打ったシャトルをかすることもなく
ただゆったりと外すだけ。
「強く打ってないよな、全然当たんねーぞ」
「だから言ってるだろ、少し手を抜いているって」
結局はアキの完封ばかりで二人はかなり膨れっ面になり
「全然面白くねーぞ」
「もっと別の遊びしよーよー」とブーイングの如く言葉を飛ばしてきた。
「文句言うなよ!なら走るか⁉︎」
「それもヤーダ、映画でも観に行こうよー」
「金がねえよ」
軽くいい争っていると、空からポツポツっと生ぬるい水の粒が降ってきた。
「はあ、雨かよ、熱くなった季節だからしばらくは降らないと思っていたのに」
ゆっくりと降りそして一気に激しくなり、三人はこの公園の近くだった
秋人の家まで走って行った。
「しばらくは雨宿りかなー、」と窓を眺めながらハルは言った。
「うちはアレなとこもあるけど、しばらくは雨が止むまではいてても大丈夫だぞ」
と言って秋人はドアを閉めて飲み物を取りに行った。
「なんかゲームとかないかな?、ずっといてても退屈だし」
「ハルちゃん、ちょっと失礼すぎない」と注意するカナ、でもやっぱり本人もふうーっと
息をついた、ここにある漫画もウチにもあるものなので、しのぎにはならないしハルもあまり
興味を示さない様子、ただ黙っているのもアレな感じなので少し話した。
「あのねハルちゃん…」
「ん?何か?」
その反応にちょっと顔を赤ながら
「頭痛いのは最近はどう?」と言った
「うん、時々起こる、前みたいに痛すぎるってことはないけどね」
と後ろに腕を回して足を組み話すハル。
「カナの言ってたその死体の噂が解けたら、この頭痛は止むのかなー?」
と言うハルの様子を見てカナは言った。
「うん!きっと治るよ!、他のクラスメイトや先生もきっとそうだよ!」
と励ました、するとハルは何も言わずカナを見つめ始めた。
「カナ…」ただただめを合わせて見つめるハルに対して、いつも以上に顔を赤らめるカナは
「ど…どうしたのハルちゃん…」と少したじろぎながら言うと。
「メガネに汚れあるぞ」
えっとなり直ぐにメガネをシャツで拭きながら「何考えてんだろ…」と恥ずかしく思っている所
秋人がドアを開けて入ってきた。
「ハル カナ、すまん今日姉貴が帰ってくるって電話があって直ぐに帰って欲しい、
傘は貸すから」
しかし、ハルは窓を指さしてこう言った
「雨止んでるよ」と外を見ると真っ赤な空に影で暗くなった町が見えた、それからは二人は
秋人に挨拶をしてそのまま自分の家へと帰って行った。水たまりをぱちゃぱちゃと蹴りながらも
靴の中に水が入らないように気をつけて歩いていたらハルがこう言った。
「以前さ、アキと帰っている時にアキにこんな事言われたんだ、学校でどう思われているのかって?」
「うん、どう答えたの」と言う質問にハルは赤い空に顔を向けてこう言った。
「別に興味ないなって…けどね」
「けど?」と言うとハルは答えた
「すごい気になっていたんだ、元々あたしって変だと思っていたし、以前も変人なんて言われていたのわかってたし」と少しだけ寂しそうな顔をして話したハルに対してカナは言った。
「ううん、ハルちゃんはハルちゃんだよ、確かに変な所あるけどそういう所を含めてあたしは
好きだよ」それに対して、表情は変えずにハルは
「そっかありがとよカナ…やっぱりカナやアキが友達でよかったと改めて思ったよ」
その言葉に少し嬉しくて心が温かくなったカナはハルの腕に手を回して肩に顔を寄せて歩いた
「カナ…これじゃ恋人みたいだよ」と少し困った顔をハルはした。
一方その頃、秋人は大学へ通うために家を出てた姉と家族で食事をしていた、いつもよりは手の込んだ夕食を食べてると横の姉に話しかけられた。
「アキは彼女いるの?」
一体何回目の言葉なのか、そろそろ聞き飽きた言葉だけど身内なので少しイラついてこう言った
「いやいねーよ!変なこと聞くなよオイ‼︎」
「えー、もったいないよ?今時の高校生だから、異性の付き合いはしてて当然だろうしー」
もう一つ隣の親父は爆笑して、その大きな笑い声に「うるさいよ」と母親が咎める。
そろそろ退席しないとこの姉や父親にさらに絡まれると思った秋人は、
「ごちそうさま」と食器をすぐに台所に返して、自室へと戻った。
食べた後は横になるとダメとよく言われているが、そんなのお構いなしに
寝ながら漫画を読んでいた、しかし、下の階から姉と両親の話し声が聞こえてくるので、
少し気が散り読書をやめて、親に「外に出るよ」と言ってそのまま自販機の所へ向かった。秋人はその前で少し考え事をした。
「俺は本当にあいつの事に責任とか持てるのかな…、でも他にあいつを理解できるとしたらカナくらいだけど…」呆然と立ちすくむようにただ立っていたら、電灯の灯りが届かない路地に見慣れた姿がいた。
「あれは…ハル?…」、その後ろ姿はそのまま闇の中へ深く入ろうとした、なぜここに
こんな時間にいるのかの疑問を感じつつ秋人は呼びかけた。
「ハル!こんな時間に何を…⁉︎」しかしよく見ると彼女は学生服を着ていた、しかもその学生服はかなり昔の服だった。
その服装を見て春子とは違うと直ぐにわかった、そのハルらしき人物は立ち止まり、何も言わず
振り向こうとした…その時
「おい‼︎、君‼︎」という声に秋人はビクッとなりその方向へ振り向いたら、巡回中のお巡りさんが彼に呼びかけていた。
「君、ここで何している?、身分証は持ってる?」
「え?、ああハイ…」とふと横を見てみると、あの学生服の人物はいなかった。
今のはなんだったのか?幻か何かを見ていたのかと思いながらも、学生証をお巡りさんに見せてからそのまま家へ戻った。
今日は気分転換として秋人はカナとハルを誘ってこの町の公園で
バトミントンをやる事になった、秋人は人数分のラケットやシャトルを二人に手渡した
「先に俺と相手するか?」と聞いたら、
カナがハイっと手を上げて相手になったが、
元々バトミントン部の秋人だったので、相手の事を考えて緩く打っても、
スポーツの苦手なカナにとっては、通り抜ける電車の窓を見るように早かった。
「アッキー!、もうちょっと手を抜いてよ!」
「ああ、少し手抜いているけど早かったか?」
でもいくらやってもカナのラケットには一つもかすれることもなく
ついにはカナは拗ねてハルと交代した。
交代したところでも彼女もまた運動オンチ、ゆるく打ったシャトルをかすることもなく
ただゆったりと外すだけ。
「強く打ってないよな、全然当たんねーぞ」
「だから言ってるだろ、少し手を抜いているって」
結局はアキの完封ばかりで二人はかなり膨れっ面になり
「全然面白くねーぞ」
「もっと別の遊びしよーよー」とブーイングの如く言葉を飛ばしてきた。
「文句言うなよ!なら走るか⁉︎」
「それもヤーダ、映画でも観に行こうよー」
「金がねえよ」
軽くいい争っていると、空からポツポツっと生ぬるい水の粒が降ってきた。
「はあ、雨かよ、熱くなった季節だからしばらくは降らないと思っていたのに」
ゆっくりと降りそして一気に激しくなり、三人はこの公園の近くだった
秋人の家まで走って行った。
「しばらくは雨宿りかなー、」と窓を眺めながらハルは言った。
「うちはアレなとこもあるけど、しばらくは雨が止むまではいてても大丈夫だぞ」
と言って秋人はドアを閉めて飲み物を取りに行った。
「なんかゲームとかないかな?、ずっといてても退屈だし」
「ハルちゃん、ちょっと失礼すぎない」と注意するカナ、でもやっぱり本人もふうーっと
息をついた、ここにある漫画もウチにもあるものなので、しのぎにはならないしハルもあまり
興味を示さない様子、ただ黙っているのもアレな感じなので少し話した。
「あのねハルちゃん…」
「ん?何か?」
その反応にちょっと顔を赤ながら
「頭痛いのは最近はどう?」と言った
「うん、時々起こる、前みたいに痛すぎるってことはないけどね」
と後ろに腕を回して足を組み話すハル。
「カナの言ってたその死体の噂が解けたら、この頭痛は止むのかなー?」
と言うハルの様子を見てカナは言った。
「うん!きっと治るよ!、他のクラスメイトや先生もきっとそうだよ!」
と励ました、するとハルは何も言わずカナを見つめ始めた。
「カナ…」ただただめを合わせて見つめるハルに対して、いつも以上に顔を赤らめるカナは
「ど…どうしたのハルちゃん…」と少したじろぎながら言うと。
「メガネに汚れあるぞ」
えっとなり直ぐにメガネをシャツで拭きながら「何考えてんだろ…」と恥ずかしく思っている所
秋人がドアを開けて入ってきた。
「ハル カナ、すまん今日姉貴が帰ってくるって電話があって直ぐに帰って欲しい、
傘は貸すから」
しかし、ハルは窓を指さしてこう言った
「雨止んでるよ」と外を見ると真っ赤な空に影で暗くなった町が見えた、それからは二人は
秋人に挨拶をしてそのまま自分の家へと帰って行った。水たまりをぱちゃぱちゃと蹴りながらも
靴の中に水が入らないように気をつけて歩いていたらハルがこう言った。
「以前さ、アキと帰っている時にアキにこんな事言われたんだ、学校でどう思われているのかって?」
「うん、どう答えたの」と言う質問にハルは赤い空に顔を向けてこう言った。
「別に興味ないなって…けどね」
「けど?」と言うとハルは答えた
「すごい気になっていたんだ、元々あたしって変だと思っていたし、以前も変人なんて言われていたのわかってたし」と少しだけ寂しそうな顔をして話したハルに対してカナは言った。
「ううん、ハルちゃんはハルちゃんだよ、確かに変な所あるけどそういう所を含めてあたしは
好きだよ」それに対して、表情は変えずにハルは
「そっかありがとよカナ…やっぱりカナやアキが友達でよかったと改めて思ったよ」
その言葉に少し嬉しくて心が温かくなったカナはハルの腕に手を回して肩に顔を寄せて歩いた
「カナ…これじゃ恋人みたいだよ」と少し困った顔をハルはした。
一方その頃、秋人は大学へ通うために家を出てた姉と家族で食事をしていた、いつもよりは手の込んだ夕食を食べてると横の姉に話しかけられた。
「アキは彼女いるの?」
一体何回目の言葉なのか、そろそろ聞き飽きた言葉だけど身内なので少しイラついてこう言った
「いやいねーよ!変なこと聞くなよオイ‼︎」
「えー、もったいないよ?今時の高校生だから、異性の付き合いはしてて当然だろうしー」
もう一つ隣の親父は爆笑して、その大きな笑い声に「うるさいよ」と母親が咎める。
そろそろ退席しないとこの姉や父親にさらに絡まれると思った秋人は、
「ごちそうさま」と食器をすぐに台所に返して、自室へと戻った。
食べた後は横になるとダメとよく言われているが、そんなのお構いなしに
寝ながら漫画を読んでいた、しかし、下の階から姉と両親の話し声が聞こえてくるので、
少し気が散り読書をやめて、親に「外に出るよ」と言ってそのまま自販機の所へ向かった。秋人はその前で少し考え事をした。
「俺は本当にあいつの事に責任とか持てるのかな…、でも他にあいつを理解できるとしたらカナくらいだけど…」呆然と立ちすくむようにただ立っていたら、電灯の灯りが届かない路地に見慣れた姿がいた。
「あれは…ハル?…」、その後ろ姿はそのまま闇の中へ深く入ろうとした、なぜここに
こんな時間にいるのかの疑問を感じつつ秋人は呼びかけた。
「ハル!こんな時間に何を…⁉︎」しかしよく見ると彼女は学生服を着ていた、しかもその学生服はかなり昔の服だった。
その服装を見て春子とは違うと直ぐにわかった、そのハルらしき人物は立ち止まり、何も言わず
振り向こうとした…その時
「おい‼︎、君‼︎」という声に秋人はビクッとなりその方向へ振り向いたら、巡回中のお巡りさんが彼に呼びかけていた。
「君、ここで何している?、身分証は持ってる?」
「え?、ああハイ…」とふと横を見てみると、あの学生服の人物はいなかった。
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