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第32.5話 俺のヴァスティナ帝国がこんなにイカれてるわけがない
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時間は戻り、場所は医務室へと移り変わる。
ヴァスティナ城内にあるその部屋には、今現在三人の女性の姿があった。一人はメイド長ウルスラで、あとの二人はミカエラとジェーンである。ウルスラは、傷だらけの状態である二人を手当てし終え、後片付けを始めていた。嫌々ながらも手当てを受けた二人はと言えば、未だに喧嘩を続けている。
「ちっ、邪魔さえ入らなければ・・・・・」
「何よ?勝ったのは自分だったって言いたいわけ?」
「そうよ。あんたみたいな傭兵女に私が負けるわけないじゃない」
「嘗めるのも大概にしな。あとで決着つけてやるから逃げんなよ?」
ウルスラがいるため殴り合いこそしていないが、口喧嘩はずっと続けている。仲の悪さは相変わらずで、ウルスラがいなくなれば、いつまた戦闘を始めるかわかったものではない。
「さて、まずは自己紹介をしよう」
「えっ?」
「あん?」
「私の名はウルスラだ。帝国女王ユリーシア・ヴァスティナ陛下に忠誠を誓い、ヴァスティナ帝国のメイド長をしている」
二人の口喧嘩に構わず、いきなり自己紹介を始めたウルスラ。鋭い眼付きで二人を睨み、「お前達も自己紹介をしろ」と眼で命令する。圧倒的実力を持つ彼女には逆らえないため、二人は渋々口を開いた。
「・・・・・私の名前はミカエラ。訳あって旅人をしてる」
「ジェーンよ・・・・。傭兵やってるわ」
「ミカエラとジェーンか。早速だが貴様達は、今日から帝国メイドとして陛下に忠誠を誓って貰う」
「「はあ!?」」
唐突なる強制。ウルスラの言葉は頼みでも提案でもなく、決定事項と言わんばかりの命令であった。当然二人は驚愕し、即座に反対する。
「どういう事よ!なんで私がこの国でメイドなんてやらなきゃいけないの!?」
「この馬鹿力年増女!誰がメイドなん-------」
次の瞬間、メイド長ウルスラの鉄拳制裁がジェーンを殴り飛ばした。ぶっ飛んだ彼女の体は医務室の扉に直撃し、扉を破壊して城の通路に投げ出される。死にはしなかったが、彼女は一発で気絶させられていた。
ジェーンは禁句を口にした。それでウルスラの機嫌を損ね、情け容赦ない制裁を加えられたのである。
彼女を怒らせれば、ジェーンのような目に遭う。それを即座に理解したミカエラは、目の前の絶対強者に超恐怖した。
「貴様達は今日からメイドとなり、私が創設する部隊の一員になって貰う。わかったな?」
「はい・・・・・」
抵抗は無意味である。それを悟ったミカエラは、もう諦めた。目を覚ませば、ジェーンも諦める事だろう。運悪くウルスラと遭遇してしまった時点で、この二人には権利など存在しなかったのである。
ヴァスティナ城内にあるその部屋には、今現在三人の女性の姿があった。一人はメイド長ウルスラで、あとの二人はミカエラとジェーンである。ウルスラは、傷だらけの状態である二人を手当てし終え、後片付けを始めていた。嫌々ながらも手当てを受けた二人はと言えば、未だに喧嘩を続けている。
「ちっ、邪魔さえ入らなければ・・・・・」
「何よ?勝ったのは自分だったって言いたいわけ?」
「そうよ。あんたみたいな傭兵女に私が負けるわけないじゃない」
「嘗めるのも大概にしな。あとで決着つけてやるから逃げんなよ?」
ウルスラがいるため殴り合いこそしていないが、口喧嘩はずっと続けている。仲の悪さは相変わらずで、ウルスラがいなくなれば、いつまた戦闘を始めるかわかったものではない。
「さて、まずは自己紹介をしよう」
「えっ?」
「あん?」
「私の名はウルスラだ。帝国女王ユリーシア・ヴァスティナ陛下に忠誠を誓い、ヴァスティナ帝国のメイド長をしている」
二人の口喧嘩に構わず、いきなり自己紹介を始めたウルスラ。鋭い眼付きで二人を睨み、「お前達も自己紹介をしろ」と眼で命令する。圧倒的実力を持つ彼女には逆らえないため、二人は渋々口を開いた。
「・・・・・私の名前はミカエラ。訳あって旅人をしてる」
「ジェーンよ・・・・。傭兵やってるわ」
「ミカエラとジェーンか。早速だが貴様達は、今日から帝国メイドとして陛下に忠誠を誓って貰う」
「「はあ!?」」
唐突なる強制。ウルスラの言葉は頼みでも提案でもなく、決定事項と言わんばかりの命令であった。当然二人は驚愕し、即座に反対する。
「どういう事よ!なんで私がこの国でメイドなんてやらなきゃいけないの!?」
「この馬鹿力年増女!誰がメイドなん-------」
次の瞬間、メイド長ウルスラの鉄拳制裁がジェーンを殴り飛ばした。ぶっ飛んだ彼女の体は医務室の扉に直撃し、扉を破壊して城の通路に投げ出される。死にはしなかったが、彼女は一発で気絶させられていた。
ジェーンは禁句を口にした。それでウルスラの機嫌を損ね、情け容赦ない制裁を加えられたのである。
彼女を怒らせれば、ジェーンのような目に遭う。それを即座に理解したミカエラは、目の前の絶対強者に超恐怖した。
「貴様達は今日からメイドとなり、私が創設する部隊の一員になって貰う。わかったな?」
「はい・・・・・」
抵抗は無意味である。それを悟ったミカエラは、もう諦めた。目を覚ませば、ジェーンも諦める事だろう。運悪くウルスラと遭遇してしまった時点で、この二人には権利など存在しなかったのである。
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