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第一章 高等学院編 第一編 魔法化学の夜明け(一年次・秋)
EP.X 王都の魔法屋
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されど我、貴兄に言いし如く、かかる不運に対し手を拱きしにあらず、最期を迎えし後帰還する道をば長期に渉り整え来たり。
昨夜 YOGGE-SOTHOTHE を呼びいだす呪文に思いつき、Ibn Schacabao の〓〓〓〓〓〓に於いて語りし顔を初めて見つ。
其が言うに、「断罪の書」が鍵なり、と。
太陽を第五室に、
土星を三分一対座に置きて、
火の五芒星を描き、
第九節を三度唱えよ。
この節を十字架祭および万聖節の夜毎に繰り返すべし。
さすれば彼のもの、異界に生まれん。
而して古き種より、己が何を尋ねんとせんか知らぬままに回顧する者生まるるべし。
然れども、此は世継ぎなき場合、およびその者の手に塩ないしは塩の作製法なき場合は無駄とならん。これまで必要な階梯を欠きしが故多くを得ざりしこと、我はここに認む。手法の開発は疫病の如き難物なりて、かくも多数の試料を必要とす。
我、Borellus の云う所に従い、Abdool Al-Hazred 第七巻に助けを求めたり。我が知り得し全てを貴兄に知らせん。さしあたり、ここに我が記せし呪文をば忘れず唱え給え。其は正しき書法なれども、もし貴兄にして主を見んと欲すならば、同梱せし〓〓〓〓〓〓の紙片の文章を利用されたい。
十字架祭および万聖節の夜には必ずかの節を唱えよ。
貴兄の呪文途絶えざる時は、回顧する者数年の内に生まれ、貴兄が彼のため用意せる塩とその他の材料を用いることにならん。
無限回廊書架 DDC. 810
――H・P・ラヴクラフト『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』ジョセフ・カーウィンからシモン・オーンへの手紙 A.D. 1927
『アダムズ魔法堂』
店名だけが書かれた質素な木の看板が軒先に掲げられている。魔法の真髄を学ぶために参考となる書物や魔道具が売っているお店はあるかと、商人組合所で尋ねたところ、真っ先にその名前が挙がった。
商人組合所の人の話によると、店主は商人ではなく魔法士なので、商売に対しては偏屈だと言っていた。偏屈ってどういうことだろう?
外観には特に変わった点はなく、よくある二階建ての木造店舗だ。たいていは一階が店舗で二階が住居となっている。さて、鬼が出るか蛇が出るか。
意を決してドアに手をかける。木製の扉を押し開けて入った店内で、まず目についたのは、カウンターのある場所だけ吹き抜けになっており、その後ろに壁の幅いっぱいまで設けられた二階分の高さまである本棚だった。一瞥しただけでも優に千冊以上はある。おそらくどれもが魔法関係の書籍だろうと思うと、テンションが上がらずにはいられない!
「コーダさん、どうかしました? さきほどからお店の入り口から動かずにいますが、何かありましたか?」
「えっ? ごめん、ちょっとあの本棚に圧倒されてたんだ…」
そう言って店内に入り、続く三人も通れるように入り口を空けた。
「本棚ですか? ふわぁ、これは確かに壮観ですね」
「コーダ、本好き?」
「あぁ、本が好きというより、勉強するのが好きなんだ。新しい知識が身につくなら何でもやっていきたいんだよ」
「まじかぁ。俺には考えられないな。体動かしてる方がいいや」
マリーに続き、リズベツとイェスペルも本棚を見て驚いているようだった。肝心の店内はと言うと、これまたよく分からない試料や素材が詰められた瓶と、巻物、魔道具などが売られているようだった。
「ひぃぃ!」
「きゃっ!」
僕が店内を物色していると、イェスペルとマリーが突然後ろから悲鳴を上げた。
「二人ともどうしたの?」
「マリっちが変な人形に掴まれた!」
マリっち? あ、いや、いま気にするべきところはそこじゃないな。変な人形?
「こここ、コーダさん、これ取ってくださいぃぃ…」
いつの間にかマリーの肩に怪しげな人形のぬいぐるみが乗っていた。取ろうと手を伸ばすと、その人形はこちらを向いて口を開けてきた。
「えっ? あぶねっ!」
手を引くのが一瞬遅かったら噛みつかれていたところだった。マリーも同じように自分の肩に乗っている人形を取ろうと手を伸ばしたが、今度は噛みつかれることはなかったものの、体の上を器用に移動してマリーの手から逃げている。
「マリー、動かないで」
「は、はいっ!」
「コーダ、もう一度手を噛みつかせてみて」
「えっ? う、うん」
人形は今はマリーの腰の上に移動している。マリーの後ろにまわり、リズベツの言うとおり、おそるおそる手を伸ばしてみる。案の定、人形はこちらに振り向き噛み付こうと口を開けてきた。
あれ? これって噛みつかせようとするだけでいいんだよね? 噛みつかせてみてって、実際に噛まれてみろってことじゃないよね? ね? 噛ませ犬はイェスペルだけで充分だよね?
なんてリズベツに目配せするとリズベツは静かに頷いた。
――だからそれはどっちの意味なんだ!
人形に噛まれるか噛まれないかの瀬戸際、ふっと人形が消えた。
「ひゃん!」
マリーが変な声を上げたと思えば、見れば人形はリズベツの手に握られて、くったりとして動かなくなっていた。何かの魔法の効果が切れたのか、リズベツが無力化したのか、とにかく人形の注意が僕に向いている間に、リズベツが素早い動きでマリーから人形を取り去ったのだ。
一瞬の早業に驚いて僕は手を伸ばしたまま固まっていた。
「コーダさん! いまお尻触りましたね!」
「えっ?」
人形を取ろうと伸ばしていた手はマリーの腰の方に向いていて、そう言えばそのすぐ下にはマリーのお尻があった。
「もう! そんな見ないでください! 触るならちゃんと触ると言って――」
「いや、ちょっと待って、誤解だって! あ、ほら、リズベツが人形を取ってくれたんだよ!」
「え? あら、本当だわ」
マリーが自分の体を確認して、ようやく人形が離れたことに気付いたようだった。というかマリーは何か変なことを言いかけていなかっただろうか。
「コーダじゃなくて残念」
「リ、リズ! そういうこと言わないで! んもぅ…取ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
すると店のカウンターから声が聞こえてきた。
「ふぁっふぁっふぁ。その人形から逃れるとは面白いやつらじゃの」
あれ? このおばあさん、いつからそこに居たんだ?
カウンターの奥から来た様子もなければ、どうも最初からカウンターに座っていたようだが、どうして気づかなかったんだろう。
「ほぉ、そこの小僧もいい勘をしているようじゃな」
「え? どうして僕の考えていることが分かるんですか?」
「んん? いやお前さん声に出とるでな」
またしてもか…。この癖なかなか直らないなぁ…。
もしかして今までにもみんなが指摘していないだけで声に出ていたことは沢山あったのだろうか…。
「あるな」
「ありますね」
「わりと」
異口同音にみんなが賛同する。満場一致の賛成をもらってもこれだけ嬉しくないとは、なかなかに切ないものだった。っていうかまた聞こえてたのか…。
「それはそうと、この人形は一体なんなんですか?」
メインの被害者(?)であるマリーがおばあさんに尋ねる。
「んん? あぁ、こやつは『命運を握る運命』という魔道具でな、人の運命から行き過ぎた幸運や不運を少しだけ吸い取って、運命の波を抑えるための呪いの人形じゃ」
「どうしてそれがマリーに取り付いたんですか?」
「その娘が幸運の女神なぞという稀代の加護を持っているようさね。強すぎる幸運は諍いや不幸の火種とならんや」
「へぇマリっちにそんな能力があったとは」
「その運気が実に美味かったゆえ、食餌の邪魔をされるのが気に障ったんじゃろうて」
おばあさんの言葉遣いが微妙に古めかしかったり訛っていたりして聞き取りにくいけど…。
物理の世界に質量保存の法則があるように、魔法の世界にも等価交換の原則がある。魔法を使うにも魔力などの資源が必要だし、魔法で生まれたものが勝手に消えたりはしない、ということらしい。それは幸運や不運のように、目に見えない資源でも同じことだ。
それでは、吸い取った幸運や不運はどこに行ってしまうんだろうか。
「この人形は人から幸運や不運を吸い取った後はどうなるんですか?」
「人間には得てしてどうにも手に負えぬ運命に抗えずに身を滅ぼす者も居るでな。こいつなら、じょんならん運命さえ変えられようぞ。幸運が溜まっちょるなら己に、不運が溜まっちょるなら敵に、それを好きに使やええて」
このおばあさんは何でもないことのようにいうが、運命を操作するというのが一体どういう仕組みになっているのか、全く見当も付かない。
けれども、例えば賭け事に滅法強い人間というのは、昔から一定以上存在する。ただ単に戦術や戦略だけでは説明のつかない勝率を勝ち取る彼らが、魔法かあるいは何らかの鍛錬によって運気を上げているとすれば一応の説明はつく。
「こういった運気を上げられる魔道具ってありますか?」
戦士科、弓科、魔法科、隠密科、どの課程においても、運気に関する授業というのは無かった。けれども開拓者であればこそ、ここぞというときに運気の有無が命運を分けるかもしれない。
学院の教授がそんな重要な要素を知らない筈はない。大方、それを教えると運気に頼って鍛錬を疎かにする生徒が後を絶たないとか、そんな理由で敢えて教えていないのだろう。
「小僧、其許は魔導を志すのであろう? なればこそ、己が研鑽を以て実現すべきでありゃせんか?」
「うっ、まぁ…それができるならそうしたい所ですが、けれど、運気や運命を操作するためには何を勉強すればいいでしょうか」
「『因果律』」
「えっ? コーダ…リティ?」
「全ての現象には必ず原因があり、何が起きて、何故そうなるかの説明が、必ずできるという原理なり。お主、この世界に魔法は何種類あるぞや知っておるか?」
魔法の種類。
元素魔法として『エリヒトオの魔導書』に書かれていた魔法は十二種類だった。
他の職業にも、身体強化や、弱体化など様々な技能がある。あれも魔力を使い経絡を使って詠唱をする。魔法陣は用いないが、それらも魔法の一種だろう。
職業の数は六十三。開拓者課程で一つの職業ごとに四つの技能習得が定められている。そうすると最大でも 252 種類ということになる。そして魔法士以外の職業においては魔法よりも、戦闘技術としての技能の方が主流のはずだ。
「そうすると…、百五十種類ぐらいでしょうか」
「ふむ、そんなものじゃろうな。開拓者の常識ではな」
「本当は違うってことですか?」
「薄々気付いておろう? 本来魔法は自在であると」
「……やはりそうだったんですね」
「コーダさん、何かご存知なんですか?」
「いや、まだ理解しているわけじゃないけれど…何となくそんな気はしてた」
二重魔法ができたのも偶然ではなかった。
魔法の詠唱は決められたもののように思われがちだが、詠唱には全てきちんとした意味があり、それぞれの節は発動までの工程を表している。いわば料理のレシピのようなものであり、決められた手順に従えば大抵同じ結果が得られる。
学校で配られる教科書には、現在一般的に使われている魔法の詠唱は、ここ数百年の間に効率や成功率を重視するために詠唱が短縮化・簡略化されていると書かれている。つまり、現在の魔法は古代の魔法に比べて詠唱時間が短く簡単になっている。原理としては簡単で、経絡回路にあらかじめ術式を組み込んでおき、必要に応じて発動させるという手法が開発されたからだ。
けれどもそれは、リモコンのスイッチを押すようなものだ。スイッチを押せばどうなるかは分かっていても、内部でどんなことが行われているのかについては全く理解していない。経絡回路に組み込む術式は教科書で教えられる通りに組み込むだけだ。学校で勉強するのは、その魔法の使い方や魔物に関する知識、開拓者の心得などがほとんどであり、魔法の内部については理解する必要もないし、理解させようと思う教師もいない。なぜならユングヴィア高等学院は開拓者の養成学校であって、魔法の研究機関ではないからだ。
内部を詳らかに理解しようとすると、今となってはほとんど知られていない古代言語に行き当たる。それを改変することは、コンピュータの内部を開いて、0 と 1 だけで書かれた文字の羅列の中から、特定の箇所を書き換えて、希望する動作を得ようとする難解さに近い。
今のユングヴィアランドでは、もう古代言語のルーン文字自体が使われていないし、文字の発音も伝わっていない。コーダがそれをある程度読めて発音できるのは、フーギャとムーニャの使う魔法が同じく古代言語で紡がれており、権限を与えられたことでその知識の一部を継承したからである。そしてたまたま家にあった『エリヒトオの魔導書』に載せられている詠唱は古代言語で書かれていたため、コーダもそれで勉強をしてしまった。
さて、因果律の話に戻ろう。
現在の簡略化された魔法は、決められたリモコンのスイッチを押すだけなので、幾つかの決まった動作の中から戦術を組み立てる必要がある。けれども古代言語による魔法は、魔法の発現する因果そのものを定義する。『炎よ燃え上がれ』ではなく、『火のマナを集め、燃焼可能な触媒を生成し、点火し、炎を大きくせよ』というような因果自体を詠唱として行うため、古代魔法には全て因果律が礎となっている。
ただ、この方法で魔法を発現させるには、炎や風をはじめとする現象の原理を理解していなければならない。科学的あるいは化学的な知識が必要となるのだ。
「そうすると、運気の良し悪しってのはどういった原理で決まっているんだろう…」
「なぁコーダ、俺は思うんだけどさ、戦士の試合の時に、たまに剣が折れて負けるやつがいるんだけど、それって運が悪かったなんて言い訳は通じないんだ。自分の剣の受け方が悪かったり、普段の手入れを怠っていたり、酷使し過ぎた剣だったり、何かしら原因があるって教わった」
「…なるほど。つまるところ、相手の動きに対する注意力や場の流れを読む洞察力なんかが、運気を左右する要素になってるわけだな」
「左様。この世に偶然など有りはしない。全ては必然、必定なりて、それこそ因果律の理に他ならぬ」
マリーに与えられている幸運の女神の加護というのも、生まれつきマリーが特別幸運ばかり起きる運命にあるわけではなく、巫女という職業柄ではあるが、沢山の村人を助け続けてきたことで、多くの徳を積んできたからこそ、マリー自身が幸運の訪れやすい状態にあるという。
「それで? 主ら運気の指環を買うていくかえ? 四人分なら少し勉強してやらんこともないぞな」
あ、このおばあさん、魔導を志すなら自分で研鑽せよ、とか言ってたのに、結局売ってくれるんだ。確かに偏屈かもしれない。
「いいんですか? みんなはどうする?」
「リズは買う」
「うーん、俺も買っておこうかな。もちろんこれに頼るつもりはないけど」
「私は…、いえ、そうですね、みんなでお揃いというのもいいですね」
それでは四人分ください、と、そう店主に告げようとしたところでイェスペルが小声で話しかけてくる。
(おい、コーダ! マリっちがお前に買って欲しそうにしてるぞ)
(えぇっ! そうなの? よく分かるね…)
(こういうのは当事者にはなかなか分からんかもしれないが、傍から見てると明らかに分かるぞ)
(しかし…みんなの分を出すとなるとちょっと厳しいなぁ…)
(何言ってんだよ。俺のとリズっちのは割り勘でいいから)
(リズも買って欲しい)
(うわっ!)
(うわっ!)
イェスペルとの密談にリズベツが突然参加してきた。この話をどこから聞いていたのだろう…。むしろ、マリーにまで聞こえていないか心配になってくる。あまり密談ばかりしていても怪しまれるし…。
「と、とりあえず僕がまとめて払っておくね」
「おぅ、俺の分はあとでお金渡すよ」
「むぅ。しかたない。ここはマリーにお鉢を回しておく」
しかし、盗賊七つ道具について教えてもらうお礼もしなきゃならないが、ここでリズベツの分まで払うとマリーが拗ねそうだ…。リズベツへのお礼はまた何か考えておくとしよう。
「コーダさん、ありがとうございます。私も後でお金をお渡し致しますね」
マリーもみんなに倣ってそう言っているが、その時にプレゼントだと伝えてあげればいいだろう。イェスペルとリズベツは手に武器を持つことが多いので指に着けるのではなく、チェーンを通してネックレスにするそうだ。
「これでみなさんお揃いになりましたね。私、マジックアクセサリーのお店行ってみたかったのですが、ここで買えちゃったのでこのあとは食事にしませんか?」
「そうだね、俺っちもうお腹ペコペコで辛抱たまらんよ」
「リズも賛成」
ここで、食事なんていいから早く帰って魔法の勉強がしたいなんて言ったら、相当な顰蹙を買うだろうな、などと考えつつ――
「よし、そしたら何か美味しそうなお店を探しにいこう!」
――と、食事のできるお店に向かうのだった。
昨夜 YOGGE-SOTHOTHE を呼びいだす呪文に思いつき、Ibn Schacabao の〓〓〓〓〓〓に於いて語りし顔を初めて見つ。
其が言うに、「断罪の書」が鍵なり、と。
太陽を第五室に、
土星を三分一対座に置きて、
火の五芒星を描き、
第九節を三度唱えよ。
この節を十字架祭および万聖節の夜毎に繰り返すべし。
さすれば彼のもの、異界に生まれん。
而して古き種より、己が何を尋ねんとせんか知らぬままに回顧する者生まるるべし。
然れども、此は世継ぎなき場合、およびその者の手に塩ないしは塩の作製法なき場合は無駄とならん。これまで必要な階梯を欠きしが故多くを得ざりしこと、我はここに認む。手法の開発は疫病の如き難物なりて、かくも多数の試料を必要とす。
我、Borellus の云う所に従い、Abdool Al-Hazred 第七巻に助けを求めたり。我が知り得し全てを貴兄に知らせん。さしあたり、ここに我が記せし呪文をば忘れず唱え給え。其は正しき書法なれども、もし貴兄にして主を見んと欲すならば、同梱せし〓〓〓〓〓〓の紙片の文章を利用されたい。
十字架祭および万聖節の夜には必ずかの節を唱えよ。
貴兄の呪文途絶えざる時は、回顧する者数年の内に生まれ、貴兄が彼のため用意せる塩とその他の材料を用いることにならん。
無限回廊書架 DDC. 810
――H・P・ラヴクラフト『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』ジョセフ・カーウィンからシモン・オーンへの手紙 A.D. 1927
『アダムズ魔法堂』
店名だけが書かれた質素な木の看板が軒先に掲げられている。魔法の真髄を学ぶために参考となる書物や魔道具が売っているお店はあるかと、商人組合所で尋ねたところ、真っ先にその名前が挙がった。
商人組合所の人の話によると、店主は商人ではなく魔法士なので、商売に対しては偏屈だと言っていた。偏屈ってどういうことだろう?
外観には特に変わった点はなく、よくある二階建ての木造店舗だ。たいていは一階が店舗で二階が住居となっている。さて、鬼が出るか蛇が出るか。
意を決してドアに手をかける。木製の扉を押し開けて入った店内で、まず目についたのは、カウンターのある場所だけ吹き抜けになっており、その後ろに壁の幅いっぱいまで設けられた二階分の高さまである本棚だった。一瞥しただけでも優に千冊以上はある。おそらくどれもが魔法関係の書籍だろうと思うと、テンションが上がらずにはいられない!
「コーダさん、どうかしました? さきほどからお店の入り口から動かずにいますが、何かありましたか?」
「えっ? ごめん、ちょっとあの本棚に圧倒されてたんだ…」
そう言って店内に入り、続く三人も通れるように入り口を空けた。
「本棚ですか? ふわぁ、これは確かに壮観ですね」
「コーダ、本好き?」
「あぁ、本が好きというより、勉強するのが好きなんだ。新しい知識が身につくなら何でもやっていきたいんだよ」
「まじかぁ。俺には考えられないな。体動かしてる方がいいや」
マリーに続き、リズベツとイェスペルも本棚を見て驚いているようだった。肝心の店内はと言うと、これまたよく分からない試料や素材が詰められた瓶と、巻物、魔道具などが売られているようだった。
「ひぃぃ!」
「きゃっ!」
僕が店内を物色していると、イェスペルとマリーが突然後ろから悲鳴を上げた。
「二人ともどうしたの?」
「マリっちが変な人形に掴まれた!」
マリっち? あ、いや、いま気にするべきところはそこじゃないな。変な人形?
「こここ、コーダさん、これ取ってくださいぃぃ…」
いつの間にかマリーの肩に怪しげな人形のぬいぐるみが乗っていた。取ろうと手を伸ばすと、その人形はこちらを向いて口を開けてきた。
「えっ? あぶねっ!」
手を引くのが一瞬遅かったら噛みつかれていたところだった。マリーも同じように自分の肩に乗っている人形を取ろうと手を伸ばしたが、今度は噛みつかれることはなかったものの、体の上を器用に移動してマリーの手から逃げている。
「マリー、動かないで」
「は、はいっ!」
「コーダ、もう一度手を噛みつかせてみて」
「えっ? う、うん」
人形は今はマリーの腰の上に移動している。マリーの後ろにまわり、リズベツの言うとおり、おそるおそる手を伸ばしてみる。案の定、人形はこちらに振り向き噛み付こうと口を開けてきた。
あれ? これって噛みつかせようとするだけでいいんだよね? 噛みつかせてみてって、実際に噛まれてみろってことじゃないよね? ね? 噛ませ犬はイェスペルだけで充分だよね?
なんてリズベツに目配せするとリズベツは静かに頷いた。
――だからそれはどっちの意味なんだ!
人形に噛まれるか噛まれないかの瀬戸際、ふっと人形が消えた。
「ひゃん!」
マリーが変な声を上げたと思えば、見れば人形はリズベツの手に握られて、くったりとして動かなくなっていた。何かの魔法の効果が切れたのか、リズベツが無力化したのか、とにかく人形の注意が僕に向いている間に、リズベツが素早い動きでマリーから人形を取り去ったのだ。
一瞬の早業に驚いて僕は手を伸ばしたまま固まっていた。
「コーダさん! いまお尻触りましたね!」
「えっ?」
人形を取ろうと伸ばしていた手はマリーの腰の方に向いていて、そう言えばそのすぐ下にはマリーのお尻があった。
「もう! そんな見ないでください! 触るならちゃんと触ると言って――」
「いや、ちょっと待って、誤解だって! あ、ほら、リズベツが人形を取ってくれたんだよ!」
「え? あら、本当だわ」
マリーが自分の体を確認して、ようやく人形が離れたことに気付いたようだった。というかマリーは何か変なことを言いかけていなかっただろうか。
「コーダじゃなくて残念」
「リ、リズ! そういうこと言わないで! んもぅ…取ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
すると店のカウンターから声が聞こえてきた。
「ふぁっふぁっふぁ。その人形から逃れるとは面白いやつらじゃの」
あれ? このおばあさん、いつからそこに居たんだ?
カウンターの奥から来た様子もなければ、どうも最初からカウンターに座っていたようだが、どうして気づかなかったんだろう。
「ほぉ、そこの小僧もいい勘をしているようじゃな」
「え? どうして僕の考えていることが分かるんですか?」
「んん? いやお前さん声に出とるでな」
またしてもか…。この癖なかなか直らないなぁ…。
もしかして今までにもみんなが指摘していないだけで声に出ていたことは沢山あったのだろうか…。
「あるな」
「ありますね」
「わりと」
異口同音にみんなが賛同する。満場一致の賛成をもらってもこれだけ嬉しくないとは、なかなかに切ないものだった。っていうかまた聞こえてたのか…。
「それはそうと、この人形は一体なんなんですか?」
メインの被害者(?)であるマリーがおばあさんに尋ねる。
「んん? あぁ、こやつは『命運を握る運命』という魔道具でな、人の運命から行き過ぎた幸運や不運を少しだけ吸い取って、運命の波を抑えるための呪いの人形じゃ」
「どうしてそれがマリーに取り付いたんですか?」
「その娘が幸運の女神なぞという稀代の加護を持っているようさね。強すぎる幸運は諍いや不幸の火種とならんや」
「へぇマリっちにそんな能力があったとは」
「その運気が実に美味かったゆえ、食餌の邪魔をされるのが気に障ったんじゃろうて」
おばあさんの言葉遣いが微妙に古めかしかったり訛っていたりして聞き取りにくいけど…。
物理の世界に質量保存の法則があるように、魔法の世界にも等価交換の原則がある。魔法を使うにも魔力などの資源が必要だし、魔法で生まれたものが勝手に消えたりはしない、ということらしい。それは幸運や不運のように、目に見えない資源でも同じことだ。
それでは、吸い取った幸運や不運はどこに行ってしまうんだろうか。
「この人形は人から幸運や不運を吸い取った後はどうなるんですか?」
「人間には得てしてどうにも手に負えぬ運命に抗えずに身を滅ぼす者も居るでな。こいつなら、じょんならん運命さえ変えられようぞ。幸運が溜まっちょるなら己に、不運が溜まっちょるなら敵に、それを好きに使やええて」
このおばあさんは何でもないことのようにいうが、運命を操作するというのが一体どういう仕組みになっているのか、全く見当も付かない。
けれども、例えば賭け事に滅法強い人間というのは、昔から一定以上存在する。ただ単に戦術や戦略だけでは説明のつかない勝率を勝ち取る彼らが、魔法かあるいは何らかの鍛錬によって運気を上げているとすれば一応の説明はつく。
「こういった運気を上げられる魔道具ってありますか?」
戦士科、弓科、魔法科、隠密科、どの課程においても、運気に関する授業というのは無かった。けれども開拓者であればこそ、ここぞというときに運気の有無が命運を分けるかもしれない。
学院の教授がそんな重要な要素を知らない筈はない。大方、それを教えると運気に頼って鍛錬を疎かにする生徒が後を絶たないとか、そんな理由で敢えて教えていないのだろう。
「小僧、其許は魔導を志すのであろう? なればこそ、己が研鑽を以て実現すべきでありゃせんか?」
「うっ、まぁ…それができるならそうしたい所ですが、けれど、運気や運命を操作するためには何を勉強すればいいでしょうか」
「『因果律』」
「えっ? コーダ…リティ?」
「全ての現象には必ず原因があり、何が起きて、何故そうなるかの説明が、必ずできるという原理なり。お主、この世界に魔法は何種類あるぞや知っておるか?」
魔法の種類。
元素魔法として『エリヒトオの魔導書』に書かれていた魔法は十二種類だった。
他の職業にも、身体強化や、弱体化など様々な技能がある。あれも魔力を使い経絡を使って詠唱をする。魔法陣は用いないが、それらも魔法の一種だろう。
職業の数は六十三。開拓者課程で一つの職業ごとに四つの技能習得が定められている。そうすると最大でも 252 種類ということになる。そして魔法士以外の職業においては魔法よりも、戦闘技術としての技能の方が主流のはずだ。
「そうすると…、百五十種類ぐらいでしょうか」
「ふむ、そんなものじゃろうな。開拓者の常識ではな」
「本当は違うってことですか?」
「薄々気付いておろう? 本来魔法は自在であると」
「……やはりそうだったんですね」
「コーダさん、何かご存知なんですか?」
「いや、まだ理解しているわけじゃないけれど…何となくそんな気はしてた」
二重魔法ができたのも偶然ではなかった。
魔法の詠唱は決められたもののように思われがちだが、詠唱には全てきちんとした意味があり、それぞれの節は発動までの工程を表している。いわば料理のレシピのようなものであり、決められた手順に従えば大抵同じ結果が得られる。
学校で配られる教科書には、現在一般的に使われている魔法の詠唱は、ここ数百年の間に効率や成功率を重視するために詠唱が短縮化・簡略化されていると書かれている。つまり、現在の魔法は古代の魔法に比べて詠唱時間が短く簡単になっている。原理としては簡単で、経絡回路にあらかじめ術式を組み込んでおき、必要に応じて発動させるという手法が開発されたからだ。
けれどもそれは、リモコンのスイッチを押すようなものだ。スイッチを押せばどうなるかは分かっていても、内部でどんなことが行われているのかについては全く理解していない。経絡回路に組み込む術式は教科書で教えられる通りに組み込むだけだ。学校で勉強するのは、その魔法の使い方や魔物に関する知識、開拓者の心得などがほとんどであり、魔法の内部については理解する必要もないし、理解させようと思う教師もいない。なぜならユングヴィア高等学院は開拓者の養成学校であって、魔法の研究機関ではないからだ。
内部を詳らかに理解しようとすると、今となってはほとんど知られていない古代言語に行き当たる。それを改変することは、コンピュータの内部を開いて、0 と 1 だけで書かれた文字の羅列の中から、特定の箇所を書き換えて、希望する動作を得ようとする難解さに近い。
今のユングヴィアランドでは、もう古代言語のルーン文字自体が使われていないし、文字の発音も伝わっていない。コーダがそれをある程度読めて発音できるのは、フーギャとムーニャの使う魔法が同じく古代言語で紡がれており、権限を与えられたことでその知識の一部を継承したからである。そしてたまたま家にあった『エリヒトオの魔導書』に載せられている詠唱は古代言語で書かれていたため、コーダもそれで勉強をしてしまった。
さて、因果律の話に戻ろう。
現在の簡略化された魔法は、決められたリモコンのスイッチを押すだけなので、幾つかの決まった動作の中から戦術を組み立てる必要がある。けれども古代言語による魔法は、魔法の発現する因果そのものを定義する。『炎よ燃え上がれ』ではなく、『火のマナを集め、燃焼可能な触媒を生成し、点火し、炎を大きくせよ』というような因果自体を詠唱として行うため、古代魔法には全て因果律が礎となっている。
ただ、この方法で魔法を発現させるには、炎や風をはじめとする現象の原理を理解していなければならない。科学的あるいは化学的な知識が必要となるのだ。
「そうすると、運気の良し悪しってのはどういった原理で決まっているんだろう…」
「なぁコーダ、俺は思うんだけどさ、戦士の試合の時に、たまに剣が折れて負けるやつがいるんだけど、それって運が悪かったなんて言い訳は通じないんだ。自分の剣の受け方が悪かったり、普段の手入れを怠っていたり、酷使し過ぎた剣だったり、何かしら原因があるって教わった」
「…なるほど。つまるところ、相手の動きに対する注意力や場の流れを読む洞察力なんかが、運気を左右する要素になってるわけだな」
「左様。この世に偶然など有りはしない。全ては必然、必定なりて、それこそ因果律の理に他ならぬ」
マリーに与えられている幸運の女神の加護というのも、生まれつきマリーが特別幸運ばかり起きる運命にあるわけではなく、巫女という職業柄ではあるが、沢山の村人を助け続けてきたことで、多くの徳を積んできたからこそ、マリー自身が幸運の訪れやすい状態にあるという。
「それで? 主ら運気の指環を買うていくかえ? 四人分なら少し勉強してやらんこともないぞな」
あ、このおばあさん、魔導を志すなら自分で研鑽せよ、とか言ってたのに、結局売ってくれるんだ。確かに偏屈かもしれない。
「いいんですか? みんなはどうする?」
「リズは買う」
「うーん、俺も買っておこうかな。もちろんこれに頼るつもりはないけど」
「私は…、いえ、そうですね、みんなでお揃いというのもいいですね」
それでは四人分ください、と、そう店主に告げようとしたところでイェスペルが小声で話しかけてくる。
(おい、コーダ! マリっちがお前に買って欲しそうにしてるぞ)
(えぇっ! そうなの? よく分かるね…)
(こういうのは当事者にはなかなか分からんかもしれないが、傍から見てると明らかに分かるぞ)
(しかし…みんなの分を出すとなるとちょっと厳しいなぁ…)
(何言ってんだよ。俺のとリズっちのは割り勘でいいから)
(リズも買って欲しい)
(うわっ!)
(うわっ!)
イェスペルとの密談にリズベツが突然参加してきた。この話をどこから聞いていたのだろう…。むしろ、マリーにまで聞こえていないか心配になってくる。あまり密談ばかりしていても怪しまれるし…。
「と、とりあえず僕がまとめて払っておくね」
「おぅ、俺の分はあとでお金渡すよ」
「むぅ。しかたない。ここはマリーにお鉢を回しておく」
しかし、盗賊七つ道具について教えてもらうお礼もしなきゃならないが、ここでリズベツの分まで払うとマリーが拗ねそうだ…。リズベツへのお礼はまた何か考えておくとしよう。
「コーダさん、ありがとうございます。私も後でお金をお渡し致しますね」
マリーもみんなに倣ってそう言っているが、その時にプレゼントだと伝えてあげればいいだろう。イェスペルとリズベツは手に武器を持つことが多いので指に着けるのではなく、チェーンを通してネックレスにするそうだ。
「これでみなさんお揃いになりましたね。私、マジックアクセサリーのお店行ってみたかったのですが、ここで買えちゃったのでこのあとは食事にしませんか?」
「そうだね、俺っちもうお腹ペコペコで辛抱たまらんよ」
「リズも賛成」
ここで、食事なんていいから早く帰って魔法の勉強がしたいなんて言ったら、相当な顰蹙を買うだろうな、などと考えつつ――
「よし、そしたら何か美味しそうなお店を探しにいこう!」
――と、食事のできるお店に向かうのだった。
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