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71話 - 待望の冒険者登録!
しおりを挟む港町に到着した。ポポさんとのんびり話しながら帰ってきたので今は明け方だ。
港町には朝早くから魚市場のようなものがたくさん出ている。
色んな魚や貝を販売しているようだ。
そして……
『うわぁ……たくさん獣人がいる……』
≪人いっぱいだね~≫
「エルフ以外の種族を初めてこんなにたくさんみました……」
目の前には獣人が100人程はいるだろうか。
ポポさんが言っていたように本当に様々。
頭からケモミミが生えている女性や男性、ほとんど動物にみえる2足歩行をしている猫や犬のような姿の獣人、トカゲのような姿のものいる。地球の分類でいうと爬虫類や哺乳類等本当に様々だ……。
テンション上がるなー!待望の光景だ!
YESファンタジー!!
「はっはっは。驚いているようだがこの町は全然ちっちぇーんだぞ?町というより村に近いくらいだ。嬢ちゃん他の町もみてきただろうに……あ、町にできるだけはいらないように隠れて逃げてきてたのか?」
「そ、そうなんです!旅の行商人から必要な資材をかったりできるだけ目立たない小さな農村に入ったりして……」
「そうかそうか。この町で長旅の疲れを癒すとええよ。とはいえ路銀は必要だわな。ほれ、あそこの角を曲がった先に冒険者ギルドの看板がでているからそこにいってくるとええ。わしは漁で疲れたから今から帰って寝るぞ~。またなんか困ったら普段はこの時間ここで店だしとるでな。気軽に訪ねてきたらええぞ」
「はい!とても助かりました!またお魚買いにに伺いますね!」
「お~!気をつけてなぁ~」
気のいいおっちゃんだった。いろいろ教えてもらえたし。
初めて会えた獣人があの人でよかったなぁ。
『じゃあこれからどうする?』
「身分証や路銀を手に入れる為にも冒険者ギルドにいってみましょうか」
≪クラムわかんないからまかせる~≫
ご飯になる肉なんかはたんまりアイテムボックスにはいってるけどな。
レベルは上がってないが毎日MPを使い果たすようにはしていた。
ずっとMPは伸びていていま30m区画までアイテムボックスの容量を増やしている。
やっと集落からぬけて町と呼べるところに来たし、ずっと野宿だったし……
僕とクラムは魔物だしそれで普通だけどエステルは久々にゆっくり休みたいよな。
出来れば宿に泊まったり服や防具とかも新調したい。
武器はいいや。なんかファンタジー級とかかいてるし。
むしろバレないようにしたほうがいいんじゃないかこれ……
生活の基盤をとりあえず作っていくことを目標にするか。
先のことは基盤ができてからでいいだろう。
『よし、じゃあ冒険者ギルドに行くか。』
・
・
・
「ここですね、入りましょう」
冒険者ギルドの看板を見つけた。
やっぱり文字は読めない。クラムと一緒に勉強しないとな。
’(ガチャ。カランカラーン)
冒険者ギルドは木造作りで掲示板のようなものが左手にある。
目の前には受付があって奥のほうに魔物を解体するような施設があるみたいだ。
かなり小さめだな。もっと賑やかなのかと思った。
ポポさんもこの町は特にギルドは栄えていないって言ってたしね。
数人の獣人や人っぽい冒険者が掲示板の辺りを物色している。
すごい、鎧着てるじゃん……あれ動きにくくないのかな……
『とりあえず受付嬢さんに冒険者カードの発行をお願いしてみるか』
特にお決まりの……
よう嬢ちゃん、お前みたいなやつが冒険者として……
みたいなテンプレはなさそうだ。
というよりそんなに冒険者がいないから。
他の冒険者も入ってきた僕たちをチラ見して掲示板に目線を戻した。
まぁそうだよね。
初見でムキムキマッチョの小悪党に絡まれるようなテンプレが現実世界であってたまるか。
「すみません。冒険者登録をお願いしたいのですが」
「はいはーい、新規登録?再発行?新規登録なら銅貨50枚。再発行なら銀貨5枚かかるわよ」
なかなか砕けた獣人の受付嬢さんだ。にゃ?とか言わないんだね。
茶色のまだら模様の猫耳より少し小さい耳が頭の上から生えている。他はほぼ人と変わらない。
何系の獣人さんなんだろうか……
「新規登録でおねがいします……。あの……荷物をなくしてしまって初期費用をもってないんですけど……」
「あ、そうなの?大丈夫よ。子供もくるから。そういう場合は一度仮登録して簡単な依頼をうけてもらっているわ。費用が溜まったら本登録すればいいわよ」
お、なるほど。よかった。立往生しなくて済んだな。
「じゃあここに必要な情報を記入してね。文字は書けるかしら?代筆いる?」
「大丈夫です!」
エステルは文字書いてたもんな。これ何って書いてあるんだろう……
「名前と職業を書く欄みたいですね。特に他の情報は必要ないみたいです」
エステルが念話で僕たちに説明をしてくれた。
『名前はエステルだけにしとこう。あと……職業……』
「すみません受付のお姉さん。職業って何を記入すれば…」
「一般的に剣士とか弓術師とか魔導士とかいろいろあるけどしっかり決まったものはないわよ?誰かに認められてその職業についている、とかではないからね。宮廷魔導士、騎士、鑑定師とか専用の職を持っているなら書いてくれてもいいけどそんな人冒険者登録はしないですから。あなたは……双剣に弓に……スライム?色々使うのね……まぁ好きでいいわよ?戦いのメインにしているものを書いておけばいいんじゃないかしら?双剣士か弓術師かテイマー?調教師?あまりスライムを率いて戦う調教師はみないけど……スライムに戦闘能力ないですし……」
「テイマーじゃない人がスライムを連れて歩くと問題があったりしますか?」
「ないわよ?剣士でも調教された魔物と協力して戦闘をする冒険者はいるもの。ただ、ちゃんと調教されているなら怖い魔物とかは飼い主がわかるように魔物用のプレートを付けておく方がいいわね。騒ぎになって討伐されちゃっても嫌でしょ?スライムじゃ騒ぎにはならないと思うけど子供にいたずらされちゃうかしら?発行しておく?」
「はい!じゃあそれもお願いします!」
「じゃあ魔物のプレート2枚追加で銀貨1枚と銅貨50枚ね」
タダじゃなかった~!まぁそりゃそうか……。
でもスライムボディーのどこにネームプレートつけよう……
クラムは殻につけれるからいいよな……
「はい!記入できました!」
『双剣士にするのね。これは目安でしかないからあまり気にしなくていいわ。変更もできますし。』
じゃあ簡単に説明するわね。えっと……
受付のお姉さん曰く
---------------
・冒険者の階級はGFEDCBASの順で上がっていく。その上にSSやSSSもあるがこれはもう伝説になるような人の階級だから気にしなくていい。
・Gは新人、FEは駆け出し、DCで中堅冒険者、Bでベテラン、Aは国から依頼を受けたりする一流の冒険者だそうだ。Bランクで各ギルドに数人。Aランクなんか国に数人いる程度という話。Sランクはいま世界に3人しかいないとのこと。
・それぞれの目安は5人パーティーでそのランクに応じた魔物を討伐できるかどうかだそうだ。
なのでB級魔物とB級冒険者が戦うと魔物の方がつよいとのこと。え……あのボア5人がかりで倒せるのがベテランなの?マジ?じゃああのクソエルフはB級くらいだったってことか?そりゃ威張るな……
・基本的にギルドが依頼の達成数や達成した依頼の難しさ等でランクの計算しているが、Dランク以上は護衛依頼など人が関係する依頼を受けて信用をあげていかなければなれない。
・依頼には常設依頼、討伐依頼、採取依頼、指名依頼、緊急依頼がある。指名依頼はDランク以上じゃないと入らない。また、町の危機などがあった場合にDランク以上の難易度に対応した冒険者に依頼の強制招集がかかる。それを緊急依頼という。断ればランクを落とされるそうだ。メンドクサイ……
・無理な依頼を受けて依頼を失敗したり決められた期間以内に達成できなかったり破棄したりするとギルドからの信頼が落ちる。もちろん罰金もあるし何度もやるとランクを落とされる。そりゃそうだ。
・各国にはダンジョンと呼ばれる魔物の巣窟があるそう。制限はないがダンジョンの魔物はつよいのでそこに入るにはDランク以上じゃないと入らない方がいいと。近くだと獣人国の王都に大きなダンジョンがあるそうだ。たまに管理されていない野良ダンジョンが見つかることもあるが調査に行くからギルドに報告してと。もし偶然見つけても危ないから無断で入らない方がいいとのことだ。
魔の森にもあったのかなぁ。全然知らなかったな。
---------------
まとめるとこんな感じだ。
冒険者になると市民税などが免除されるらしい。その他税金は売却した魔物の素材や依頼の達成報酬から勝手にひかれている。国の庇護下ではなくなる、といった感じだ。だから税金が払えない市民等が率先して冒険者になっている。その代わりになにか危険が迫った時には働け、と。まぁわかりやすいな。
ギルドはギルドという国で動いているイメージ。冒険者になると貴族等の地位もあってないような物になるそうだ。命の危険にさらされたときに貴族が地位を振りかざして市民が命を落とす事故が相次いだらしい。なので貴族はよほどのモノ好きしか冒険者になったりはしないそう。
高い冒険者ランク、具体的にはBランク以上の冒険者には貴族と同じような扱いがなされる。
Bランクで男爵とか子爵程度。Aランクで伯爵程度、それ以上は侯爵や公爵といった扱いがされるとのこと。貴族ではないが、戦力は丁重にもてなすと。そのおかげで一般市民が夢を見て冒険者になるものが多いとのこと。
でもBランクでも全体の1%もいないそうだ。というよりそのランクになれる実力があるとわかっているなら最初から騎士とか護衛とか兵士などの国に雇ってもらえる固い職業につくそうだ。
なるほどねぇ。
「こんな感じね。冒険者って危ないから採取依頼をメインに受けるのでもゴブリンくらいは倒せるようになってたほうがいいわよ?あまり強そうにはみえないんだけど……武器もたくさん背負ってるし見た目通りじゃないのかしら?その武器なんかすごそうね……。冒険者の仮登録しちゃっていい?」
「はい!大丈夫です!おねがいします!」
この子ゴブリンなんか片手でのしちゃうので大丈夫ですよおねえさん。
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