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105話 - ハイエルフと古代種の現状
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「よーし、じゃあ俺らの話終わったしクロムの聞きたかったこと聞こうぜ。まぁまとめて聞かなくても気になったら王城訪ねてきてもいいけどよ?仲いい野良スライムとでもたまに遊んでるって言えばなんもねーさ」
『あぁ、またなんか思い出したら行かせてもらうよ』
スライムの体ってこういうところ思いがけなく便利だったな。
『さて、まずその眼のことだ。王様の眼ってどういうものなのか教えて欲しい。』
「おう!俺の眼なぁ。魔眼とか神の眼とか言われてるけどそいつの中身がわかるって感じだ。民には真実の眼とか鑑定眼とか言われてる」
『具体的には?』
「なんつって伝えたらいいのかわかんねぇんだけど、見たやつの強さとか内面とかそういうのがボワっとわかるんだ。クラムちゃんなら……あんま善悪の区別がねぇ子供みたいな性格してただろ?でも今多分クロムと一緒に育って色々勉強してる最中って感じだ。どうだ!?クロムっぽい感じに染まってきてる。優しい色だ。強さはクロムの次にデカい。俺より圧倒的に強いな」
「兄者よりか!?」
「あぁ、俺はエステルちゃんにも敵わねぇぞ。王国内でも1番とは言わなくても結構強い方だと思うんだがな。クラマくんでギリ勝負になるかってところだ」
いや、王様はかなり強い。
今まで会った人の中で一番強……かったんだがキャシーが強すぎてビビった。
師匠だったか……
最近危険な可能性もあるから気軽に鑑定を使うことは控えてるんだが、強いものは鑑定使わなくても感じるからな……
「……む」
あ……クラマがむってした。
『クラマは昨日仲間になったところだからな。こいつの強さは自前だ。出会った段階では群抜いて1番強い。これからすごく伸びる』
「……ん」
照れた。クラマ以外みんな碌に戦えなかったからな。
多分すぐ追いつく。頑張れよ。
「じゃあ勝負になるのは今のうちだけか。はっはっは!……ってあんま笑えねえよ。その年の子がその強さ自前で手に入れてんのは……苦労したんだろうよ。俺の眼にも見えた。俺が言うことでもねぇがその子に優しくしてやってくれ」
『当たり前だ。家族だからな』
「おう!クロムに見つけてもらってよかったな少年!」
「……うん」
そう思ってもらえるように頑張るさ。
『じゃあ数値とかで強さの表示みたいなのが見えてるって訳でもないんだな?』
「ステータスみたいにか?ちげぇな。イメージ伝えるのむずいんだが、形、色、質感、温度。そんな感覚が近いと思う。これ生まれつきでよ?意識しないとずっとこうなんだわ。普通の状態が”見える”状態なんだよ。それもあって王になったんだ。逆に意識しないと止まらねぇ。みんなには気持ち悪い思いさせたな。すまんな」
『なるほど、それで性格とかそういうのも何となくわかるってことか。ステータスより便利な事も不便なこともありそうだ』
「あぁ、そうだな……」
……この王様すごい苦しい人生歩んできただろうな。
人の内面が見えてしまうって碌なことないぞ。
僕ならきっと耐えられない……。すげぇな。こんなデカい人になるわけだ。
「そういやクロムも見えんだろ?俺の眼弾かれたからなぁ……初めてでビビった。あぁ、それで気になってクロムと話したのがきっかけなんだよ。俺の教えたし教えてくれよ?」
『秘密にしてくれよ?俺のは王様とは逆だ。完全にステータス。鑑定って言う”能力”だ。眼で見てるわけじゃない。鑑定の魔道具があるらしいよな?それの精密版だと考えればいいと思うぞ。スキルってわかるか?剣術、とか……料理とかもあるな』
「あぁ、そいつが持ってる才能みたいなもんか」
『そうだな。それがちゃんと形になったと思えばいい。魔道具には映らないみたいだけどな』
「へぇ……また見てもらいてぇなぁ」
『いいぞ?僕も気になってるし話終わったらギルマスもみるか?』
「お!いいのか!頼む!」
ギルマスはもう見たんだが……。
後で鑑定して自分の認識とどれくらいズレているのか参考に聞いてみよう。
『あ、それで2つ目。俺を眼で見るときって抵抗あったか?』
「あぁ、そうなんだよ。普段何も意識しなくても見えるもんがクラムは見えなかったんだ。だから眼に集中して力入れたら弾かれたんだよ」
『すんげぇ気持ち悪くなったからなぁ。思いっきり力入れたら弾けたっぽいな?適当にやったんだが……。でも王様にも俺の鑑定は弾かれたけどな』
やっぱそうなのか。少し神様バリアみたいなのが張ってあったりするのかもしれないなぁ。
「あぁ、俺もそんな感じだ。見られてるって感じるんだよな。だからそれを押し出すようにすりゃ弾けた」
押し出すように……か。僕適当に魔力でぶっ飛ばしたからな。
練習してみるか。みんなも自分でできるかもしれない。
「で、3つ目。他にも特別な眼や能力を持ってるやつがいるのかってこと、あとうちの家族をそういう能力で見られたらマズいかってことが聞きたい。僕とクラムはマズい事なんて言われなくてもわかるからいいとして、クラマとエステルだ」
「まず、能力についてだが……すまん、わからねぇ。そんな能力持っていても隠しているだろうな。あ、一人ドワーフの有名な鍛冶師に鉱石識別できるやつがいるって聞いたことがあるな?また行ってみるといいかもしれないぞ?クロムの言う鑑定能力かもしれねぇ」
……わからないか。いやそれはそうだ。
危険な奴ほど隠していると思う。王という立場でもなければ……
他の国にいたとしても対外的に武器になる能力だから全力で隠すだろう。
『わかった。時間があったらドワーフのところ行ってみるよ。まだ見たことないしな』
「おう!この国にもいるぞ!?また紹介するわ!」
『お!それはありがたいな』
「で……その次の話だが……エステルちゃんは大丈夫だろうがクラマくんの前で言っていいのか?」
「……聞きたい。大丈夫」
『あぁ。狙われてるのはもう今までの人生でわかりきってるだろう。ずっと逃げてきてたんだから。それなら具体的にわかった方が本人も安心だと思う。エステルも事実がよくわかってないんだ。エステル自身ずっと集落で暮らしてきてるからな』
「……はい。話に聞いたことしか……私にはなにも……」
「あぁ、エステルの嬢ちゃんハイエルフっつってたな。で、少年は古代種なのか。ハーフだって聞いてたが、そのままの方がいいと思う。いい判断だ。それにしても、じゃあクラマ以外は魔の森に特訓してたり魔物狩りに行ってたわけじゃなくてそっから来た、ってのが正しいわけだな。世界樹からか?」
『そういうことだ。僕とクラムは単純にその付近で生まれたってだけ。エステルと世界樹の集落で知り合った。……エステルも色々あったんだよな。』
「はい……」 「……ママも?」
『エステルかわいそうだったんだよ~』
「……なるほど。先に2つの種族の共通点から話そう。ハイエルフや古代種が見られたらマズいか……絶対にマズい。もうこれは単純な話だがどう利用してこようとするかわからねぇ。一般人でも売買しようとするバカがいる世の中だ。それに希少価値や取引材料になるって付加価値が入んなら一気に危険性は増大するわな。人質に取られたり他国に売られたり。明確に誰が狙って来ようとするかわからねぇって話だ。誰でも狙ってくる可能性がある。だから2人とも知られないほうがいい」
『そりゃそうだ。聞くまでもなかったな』
「ああ。ただ一点、ハイエルフ、古代種共々”国”として捕えようとしているものじゃない。獣人国家の話な?現に俺は普通だろ?珍しいな、と思うくらいだ。逆に言えば……ハイエルフ、古代種だから保護しなければいけない、という法もない。とはいえそもそも違法奴隷や人身売買は希少種に限らず全て犯罪だけどな」
国単位じゃなくでも狙ってくるやつはどこにでもいる……か。
「古代種の話を先にすると……獣人国だとひょっとすると古代種を神格化しているような少数種族もいるかもしれねぇ。逆に敵対している種族も。俺が今奔走してるんだが種族差別は獣人にもある。特定の獣人が虐げられている農村もあるそうだ。有名どころだと黒猫族……とかな。過去敵国に加担したことがあるそうで不吉な種族だと言われている。こいつらももうほとんど居ねぇ。戦争でやられちまって生き残りがいるかもしれないってくらいだ。こっちの方ではほとんど聞かないんだが、田舎の方ではそういうものが根強く残っているかもしれない。古代種に対してそんな扱いをしている種族がいると狙われるだろうな……」
「……うん」
『いや、絶対いる。クラマの育ての親の反応が物語っているんだ。人に近づくなっていわれてきたんだよな?姿を見せるのが危ないって』
「……そう」
『聞いた感じ、神格化しているのか敵なのかはわからないが狙っている奴がいる反応だった』
「なるほど……それに関しては情報が入ったら伝えるわ。ちょくちょく顔出しにこい」
『あぁ、王の情報力はこの上なく助けになる』
「古代種の情報が少なくて済まねぇ。明確な情報がない、としか答えられない。何かあったら俺んとこ来いよ」
『助かるよ……ありがとう』
「……ありがと」
「おう!で、ハイエルフな。ハイエルフは俺にも実際どういう扱いされてんのか話が届かねぇ。ニヴルヘイムはこの国から世界で一番遠い集落だからな……さっき言ってた色々あったってやつ。それ教えてくれ。エステルちゃんが何でこんなとこにいるのか聞かせてもらえねぇか?」
『助かる。まず、端的にいうと、エステルは死んでる』
「なっ!?」 「どういうこった!?」 「……ママ?」
そこから……
世界樹の集落がエルフによって軟禁状態であること。
碌な暮らしをしていないこと。
エステルが違法奴隷にされそうになったこと。
姿をくらますために僕が殺した体にしたことを伝えた。
「ひでぇ……ふざけんなよエルフ共……」
「そんなことになってんのか……」
「……」
「大丈夫ですよ。私はクロムさんとクラムちゃんに連れてきてもらえて幸せですから♪」
「そうか……よかった……ふぅ……怒りに支配されてても話進まねぇから話すか」
「……はい」
「まず、俺が聞いている話とは全く違う。エルフ国家の内部はしらねぇが多分獣人国家と人間国家には単純にハイエルフは同胞でエルフがハイエルフが滅びねぇように守っている。だから兵を送っているだけ。としか伝わってねぇはずだ。アールヴヘイムは魔の森に隣接されてるからこっちから兵をおくるより現実的なんだよ。こっちとしてはアールヴヘイムを窓口に世界樹の恩恵を取引しているってだけだ」
「アールヴヘイムがニヴルヘイムを守らないと世界樹、魔の森の争奪戦争が起こってハイエルフは滅びるというお話は……」
「俺はそんなことするつもりねぇぞ!なんでハイエルフを滅ぼさなきゃなんねぇ!!……こっちとしても資材はありがてぇ……それで助かる命がある。ただ公平な取引がしたいだけだ。少なくとも俺は。……世界樹の恩恵は法外な金額でごく少量だけしか回ってこねぇ。実際少量しかないのかもしれないが……それにしてはおかしく見えんだよ。あいつらは戦争ですげぇ量の世界樹の恩恵を消費している。だからエルフが窓口になって出し渋っているって他国が睨んでる訳だな。そんな流れだ……すまねぇ……声荒げちまった。」
人間国はわからないが都合のいいように話しを捻じ曲げられてる……
エルフ国家が正義の元ハイエルフを守っているって洗脳しているようなもんだ……
「いえ、それが聞けてとても嬉しいです……狙われてなんていなかったんですね……」
「獣人国からはな。完全に情報操作されてるぞそれ。そもそもハイエルフが弱いからエルフが守らねぇと絶滅しちまうって話にすら信憑性なくなった。俺よりエステルちゃんの方がつえぇのに……」
「それは、ハイエルフ自身そう思っていますよ。クロムさんが違うと教え連れ出してくれなければ私も今もそのままです。いえ、私は違法奴隷になっていましたかね、ふふ」
「それでこの国の違法奴隷達も助けてくれたんだな……。ありがとう」
多分エステルは自分がそうじゃなくても助けに行ったと思うけどな。
ただ自分と姿が重なる部分もあるだろうな……
「……はぁ。なるほど。ただ現実的な話すると、獣人国はあまり豊かな国じゃねぇんだよ。国全体をみれば他国に比べ土地が瘦せている。この辺はマシな方なんだ。端っこの方行くとひどいぞ……。それに交通の便も悪いから食料が行き届かねぇ。ギリギリなんだ。他国と比べて豊かなのは鉱石の産出量くらい。だから世界樹の恩恵を買ってやる金も交易用の資材も足りねぇ。……本当に申し訳ない」
そういって王は深く頭を下げた。
「頭を上げてください。王が悪いわけではありません。お話出来てよかったですよ♪少なくとも獣人国は敵ではないということがわかりましたから」
「それにこの国は世界樹から一番遠い……ここは獣人大陸の端の方だ。ほぼ大陸を3つ横断することになるからな……。軍を送るのもかなりキツイ。魔物にやられたり他国の戦争に巻き込まれたり……辿りつけるものも殆ど残らねぇと思う。にっちもさっちもいかねぇな……文句言うことは出来ても具体的にニヴルヘイムを助ける術が全く思い浮かばねぇんだ……くそっ」
あぁ。そうか。
僕ら海上をぶっちぎるっていうありえないショートカットしてきたからな。
獣人国目線で考えれば軍抱えて魔物が蔓延る中、星一周しろって言われてるようなもんだ。
王がこんなに親身に話を聞いてくれるだけでありがたい話だ。
バカなことを言うなと一掃されるような話だなこれは……
前世ですら不可能だ……
「こんな感じだな。俺も国の中全体を見渡せてるっていうには程遠い。中にはハイエルフや古代種を利用しようとするやつが獣人の中絶対にいる。だからもし何かあったら俺に言ってきてくれ。全力で止める。」
「わかりました。ありがとうございます!」
「……うん。ありがと」
「はぁ……色々話したけどよ……。めんどくせぇなぁ。もうクロムがぶち抜いちまえよ世界樹……なっ!?んで古代種とか連れてどっか行っちまえよ!島作っちまえ!お前いつかやりそうだろ?俺も呼んでくれ!」
「そりゃいいな!そうなったら俺は無視決め込んでやるからよ!国交結ぶか!?いけいけ!あっはっはっは」
………
「おい、マジで考えてるぞこいつ……」
「……?」
「そうなったら素敵ですよね♪」
『やれやれ~♪』
『あぁ、またなんか思い出したら行かせてもらうよ』
スライムの体ってこういうところ思いがけなく便利だったな。
『さて、まずその眼のことだ。王様の眼ってどういうものなのか教えて欲しい。』
「おう!俺の眼なぁ。魔眼とか神の眼とか言われてるけどそいつの中身がわかるって感じだ。民には真実の眼とか鑑定眼とか言われてる」
『具体的には?』
「なんつって伝えたらいいのかわかんねぇんだけど、見たやつの強さとか内面とかそういうのがボワっとわかるんだ。クラムちゃんなら……あんま善悪の区別がねぇ子供みたいな性格してただろ?でも今多分クロムと一緒に育って色々勉強してる最中って感じだ。どうだ!?クロムっぽい感じに染まってきてる。優しい色だ。強さはクロムの次にデカい。俺より圧倒的に強いな」
「兄者よりか!?」
「あぁ、俺はエステルちゃんにも敵わねぇぞ。王国内でも1番とは言わなくても結構強い方だと思うんだがな。クラマくんでギリ勝負になるかってところだ」
いや、王様はかなり強い。
今まで会った人の中で一番強……かったんだがキャシーが強すぎてビビった。
師匠だったか……
最近危険な可能性もあるから気軽に鑑定を使うことは控えてるんだが、強いものは鑑定使わなくても感じるからな……
「……む」
あ……クラマがむってした。
『クラマは昨日仲間になったところだからな。こいつの強さは自前だ。出会った段階では群抜いて1番強い。これからすごく伸びる』
「……ん」
照れた。クラマ以外みんな碌に戦えなかったからな。
多分すぐ追いつく。頑張れよ。
「じゃあ勝負になるのは今のうちだけか。はっはっは!……ってあんま笑えねえよ。その年の子がその強さ自前で手に入れてんのは……苦労したんだろうよ。俺の眼にも見えた。俺が言うことでもねぇがその子に優しくしてやってくれ」
『当たり前だ。家族だからな』
「おう!クロムに見つけてもらってよかったな少年!」
「……うん」
そう思ってもらえるように頑張るさ。
『じゃあ数値とかで強さの表示みたいなのが見えてるって訳でもないんだな?』
「ステータスみたいにか?ちげぇな。イメージ伝えるのむずいんだが、形、色、質感、温度。そんな感覚が近いと思う。これ生まれつきでよ?意識しないとずっとこうなんだわ。普通の状態が”見える”状態なんだよ。それもあって王になったんだ。逆に意識しないと止まらねぇ。みんなには気持ち悪い思いさせたな。すまんな」
『なるほど、それで性格とかそういうのも何となくわかるってことか。ステータスより便利な事も不便なこともありそうだ』
「あぁ、そうだな……」
……この王様すごい苦しい人生歩んできただろうな。
人の内面が見えてしまうって碌なことないぞ。
僕ならきっと耐えられない……。すげぇな。こんなデカい人になるわけだ。
「そういやクロムも見えんだろ?俺の眼弾かれたからなぁ……初めてでビビった。あぁ、それで気になってクロムと話したのがきっかけなんだよ。俺の教えたし教えてくれよ?」
『秘密にしてくれよ?俺のは王様とは逆だ。完全にステータス。鑑定って言う”能力”だ。眼で見てるわけじゃない。鑑定の魔道具があるらしいよな?それの精密版だと考えればいいと思うぞ。スキルってわかるか?剣術、とか……料理とかもあるな』
「あぁ、そいつが持ってる才能みたいなもんか」
『そうだな。それがちゃんと形になったと思えばいい。魔道具には映らないみたいだけどな』
「へぇ……また見てもらいてぇなぁ」
『いいぞ?僕も気になってるし話終わったらギルマスもみるか?』
「お!いいのか!頼む!」
ギルマスはもう見たんだが……。
後で鑑定して自分の認識とどれくらいズレているのか参考に聞いてみよう。
『あ、それで2つ目。俺を眼で見るときって抵抗あったか?』
「あぁ、そうなんだよ。普段何も意識しなくても見えるもんがクラムは見えなかったんだ。だから眼に集中して力入れたら弾かれたんだよ」
『すんげぇ気持ち悪くなったからなぁ。思いっきり力入れたら弾けたっぽいな?適当にやったんだが……。でも王様にも俺の鑑定は弾かれたけどな』
やっぱそうなのか。少し神様バリアみたいなのが張ってあったりするのかもしれないなぁ。
「あぁ、俺もそんな感じだ。見られてるって感じるんだよな。だからそれを押し出すようにすりゃ弾けた」
押し出すように……か。僕適当に魔力でぶっ飛ばしたからな。
練習してみるか。みんなも自分でできるかもしれない。
「で、3つ目。他にも特別な眼や能力を持ってるやつがいるのかってこと、あとうちの家族をそういう能力で見られたらマズいかってことが聞きたい。僕とクラムはマズい事なんて言われなくてもわかるからいいとして、クラマとエステルだ」
「まず、能力についてだが……すまん、わからねぇ。そんな能力持っていても隠しているだろうな。あ、一人ドワーフの有名な鍛冶師に鉱石識別できるやつがいるって聞いたことがあるな?また行ってみるといいかもしれないぞ?クロムの言う鑑定能力かもしれねぇ」
……わからないか。いやそれはそうだ。
危険な奴ほど隠していると思う。王という立場でもなければ……
他の国にいたとしても対外的に武器になる能力だから全力で隠すだろう。
『わかった。時間があったらドワーフのところ行ってみるよ。まだ見たことないしな』
「おう!この国にもいるぞ!?また紹介するわ!」
『お!それはありがたいな』
「で……その次の話だが……エステルちゃんは大丈夫だろうがクラマくんの前で言っていいのか?」
「……聞きたい。大丈夫」
『あぁ。狙われてるのはもう今までの人生でわかりきってるだろう。ずっと逃げてきてたんだから。それなら具体的にわかった方が本人も安心だと思う。エステルも事実がよくわかってないんだ。エステル自身ずっと集落で暮らしてきてるからな』
「……はい。話に聞いたことしか……私にはなにも……」
「あぁ、エステルの嬢ちゃんハイエルフっつってたな。で、少年は古代種なのか。ハーフだって聞いてたが、そのままの方がいいと思う。いい判断だ。それにしても、じゃあクラマ以外は魔の森に特訓してたり魔物狩りに行ってたわけじゃなくてそっから来た、ってのが正しいわけだな。世界樹からか?」
『そういうことだ。僕とクラムは単純にその付近で生まれたってだけ。エステルと世界樹の集落で知り合った。……エステルも色々あったんだよな。』
「はい……」 「……ママも?」
『エステルかわいそうだったんだよ~』
「……なるほど。先に2つの種族の共通点から話そう。ハイエルフや古代種が見られたらマズいか……絶対にマズい。もうこれは単純な話だがどう利用してこようとするかわからねぇ。一般人でも売買しようとするバカがいる世の中だ。それに希少価値や取引材料になるって付加価値が入んなら一気に危険性は増大するわな。人質に取られたり他国に売られたり。明確に誰が狙って来ようとするかわからねぇって話だ。誰でも狙ってくる可能性がある。だから2人とも知られないほうがいい」
『そりゃそうだ。聞くまでもなかったな』
「ああ。ただ一点、ハイエルフ、古代種共々”国”として捕えようとしているものじゃない。獣人国家の話な?現に俺は普通だろ?珍しいな、と思うくらいだ。逆に言えば……ハイエルフ、古代種だから保護しなければいけない、という法もない。とはいえそもそも違法奴隷や人身売買は希少種に限らず全て犯罪だけどな」
国単位じゃなくでも狙ってくるやつはどこにでもいる……か。
「古代種の話を先にすると……獣人国だとひょっとすると古代種を神格化しているような少数種族もいるかもしれねぇ。逆に敵対している種族も。俺が今奔走してるんだが種族差別は獣人にもある。特定の獣人が虐げられている農村もあるそうだ。有名どころだと黒猫族……とかな。過去敵国に加担したことがあるそうで不吉な種族だと言われている。こいつらももうほとんど居ねぇ。戦争でやられちまって生き残りがいるかもしれないってくらいだ。こっちの方ではほとんど聞かないんだが、田舎の方ではそういうものが根強く残っているかもしれない。古代種に対してそんな扱いをしている種族がいると狙われるだろうな……」
「……うん」
『いや、絶対いる。クラマの育ての親の反応が物語っているんだ。人に近づくなっていわれてきたんだよな?姿を見せるのが危ないって』
「……そう」
『聞いた感じ、神格化しているのか敵なのかはわからないが狙っている奴がいる反応だった』
「なるほど……それに関しては情報が入ったら伝えるわ。ちょくちょく顔出しにこい」
『あぁ、王の情報力はこの上なく助けになる』
「古代種の情報が少なくて済まねぇ。明確な情報がない、としか答えられない。何かあったら俺んとこ来いよ」
『助かるよ……ありがとう』
「……ありがと」
「おう!で、ハイエルフな。ハイエルフは俺にも実際どういう扱いされてんのか話が届かねぇ。ニヴルヘイムはこの国から世界で一番遠い集落だからな……さっき言ってた色々あったってやつ。それ教えてくれ。エステルちゃんが何でこんなとこにいるのか聞かせてもらえねぇか?」
『助かる。まず、端的にいうと、エステルは死んでる』
「なっ!?」 「どういうこった!?」 「……ママ?」
そこから……
世界樹の集落がエルフによって軟禁状態であること。
碌な暮らしをしていないこと。
エステルが違法奴隷にされそうになったこと。
姿をくらますために僕が殺した体にしたことを伝えた。
「ひでぇ……ふざけんなよエルフ共……」
「そんなことになってんのか……」
「……」
「大丈夫ですよ。私はクロムさんとクラムちゃんに連れてきてもらえて幸せですから♪」
「そうか……よかった……ふぅ……怒りに支配されてても話進まねぇから話すか」
「……はい」
「まず、俺が聞いている話とは全く違う。エルフ国家の内部はしらねぇが多分獣人国家と人間国家には単純にハイエルフは同胞でエルフがハイエルフが滅びねぇように守っている。だから兵を送っているだけ。としか伝わってねぇはずだ。アールヴヘイムは魔の森に隣接されてるからこっちから兵をおくるより現実的なんだよ。こっちとしてはアールヴヘイムを窓口に世界樹の恩恵を取引しているってだけだ」
「アールヴヘイムがニヴルヘイムを守らないと世界樹、魔の森の争奪戦争が起こってハイエルフは滅びるというお話は……」
「俺はそんなことするつもりねぇぞ!なんでハイエルフを滅ぼさなきゃなんねぇ!!……こっちとしても資材はありがてぇ……それで助かる命がある。ただ公平な取引がしたいだけだ。少なくとも俺は。……世界樹の恩恵は法外な金額でごく少量だけしか回ってこねぇ。実際少量しかないのかもしれないが……それにしてはおかしく見えんだよ。あいつらは戦争ですげぇ量の世界樹の恩恵を消費している。だからエルフが窓口になって出し渋っているって他国が睨んでる訳だな。そんな流れだ……すまねぇ……声荒げちまった。」
人間国はわからないが都合のいいように話しを捻じ曲げられてる……
エルフ国家が正義の元ハイエルフを守っているって洗脳しているようなもんだ……
「いえ、それが聞けてとても嬉しいです……狙われてなんていなかったんですね……」
「獣人国からはな。完全に情報操作されてるぞそれ。そもそもハイエルフが弱いからエルフが守らねぇと絶滅しちまうって話にすら信憑性なくなった。俺よりエステルちゃんの方がつえぇのに……」
「それは、ハイエルフ自身そう思っていますよ。クロムさんが違うと教え連れ出してくれなければ私も今もそのままです。いえ、私は違法奴隷になっていましたかね、ふふ」
「それでこの国の違法奴隷達も助けてくれたんだな……。ありがとう」
多分エステルは自分がそうじゃなくても助けに行ったと思うけどな。
ただ自分と姿が重なる部分もあるだろうな……
「……はぁ。なるほど。ただ現実的な話すると、獣人国はあまり豊かな国じゃねぇんだよ。国全体をみれば他国に比べ土地が瘦せている。この辺はマシな方なんだ。端っこの方行くとひどいぞ……。それに交通の便も悪いから食料が行き届かねぇ。ギリギリなんだ。他国と比べて豊かなのは鉱石の産出量くらい。だから世界樹の恩恵を買ってやる金も交易用の資材も足りねぇ。……本当に申し訳ない」
そういって王は深く頭を下げた。
「頭を上げてください。王が悪いわけではありません。お話出来てよかったですよ♪少なくとも獣人国は敵ではないということがわかりましたから」
「それにこの国は世界樹から一番遠い……ここは獣人大陸の端の方だ。ほぼ大陸を3つ横断することになるからな……。軍を送るのもかなりキツイ。魔物にやられたり他国の戦争に巻き込まれたり……辿りつけるものも殆ど残らねぇと思う。にっちもさっちもいかねぇな……文句言うことは出来ても具体的にニヴルヘイムを助ける術が全く思い浮かばねぇんだ……くそっ」
あぁ。そうか。
僕ら海上をぶっちぎるっていうありえないショートカットしてきたからな。
獣人国目線で考えれば軍抱えて魔物が蔓延る中、星一周しろって言われてるようなもんだ。
王がこんなに親身に話を聞いてくれるだけでありがたい話だ。
バカなことを言うなと一掃されるような話だなこれは……
前世ですら不可能だ……
「こんな感じだな。俺も国の中全体を見渡せてるっていうには程遠い。中にはハイエルフや古代種を利用しようとするやつが獣人の中絶対にいる。だからもし何かあったら俺に言ってきてくれ。全力で止める。」
「わかりました。ありがとうございます!」
「……うん。ありがと」
「はぁ……色々話したけどよ……。めんどくせぇなぁ。もうクロムがぶち抜いちまえよ世界樹……なっ!?んで古代種とか連れてどっか行っちまえよ!島作っちまえ!お前いつかやりそうだろ?俺も呼んでくれ!」
「そりゃいいな!そうなったら俺は無視決め込んでやるからよ!国交結ぶか!?いけいけ!あっはっはっは」
………
「おい、マジで考えてるぞこいつ……」
「……?」
「そうなったら素敵ですよね♪」
『やれやれ~♪』
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しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
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書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
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紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
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ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
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第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
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捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
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―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
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死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
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