166 / 270
162話 - 弾幕ゲーム
しおりを挟む
71階層、溶岩エリアへ僕達は出発した。
まさかダンジョンでに命がけのシューティングゲームをする羽目になるとは……
まずはこの階層でこの溶岩エリアが1階層どれくらいの時間がかかるのかを確認したい。
練習では71階層の真ん中までしか行っていない。
1発がヤバいフロアだから……。
マズいときは引き返してくるのすら危ない。
練習には練習を重ねたが本番1発勝負だ……
ダンジョンは下の階層に降りるごとに少しずつ広がっていく傾向にあるのだが僕ら的には誤差だ。
だいたい毎回10分もかわらない。
『エステル、クラマ。何度も言ったけど可能な限り2人で避けてくれ。僕がシールドを出すとトカゲメテオがシールドにぶつかって音が出てその後の連鎖がかなり僕らに寄ってくる』
『……了解』
『大丈夫です!』
『あと5分くらいだよ~』
『おっけー!』
話も全て念話だ。
もう可能な限り音は出さないようにする。
可能な限り2人で。
どうしようもなくなれば僕が手を出す。
風精霊は飛行に使っている。
オーブ外にいるのは火と雷と闇と光の精霊だ。
物質攻撃が必要な精霊は今回は出てきてない。
何かの精霊術の拍子に音を立ててしまう可能性が高いからだ。
2か月トレーニングを行いステータス的にもかなり速度が上がった。
エステルの速度は2万を超えている。
クラマも同じくらい。
クラマは元々エステルよりステータスが低かったからそのおかげもありレベルが上がりやすかった。
ステータスはエステルにはほぼほぼ追いついた。
誰か1人だけが危ない状況からは脱することができた。
エステルの飛行は精霊依存になるが、
ある程度精霊を扱える力も比例して大きくなっていくようだ。
かなり速い。
その代わり、前にも話したかもしれないが、
エステルは速度が乗ると急に止まれない。
最近は足場を作って反転したりしている。
だけどこのフロアだとそれができない……
基本エステルに道を探りながら進んでもらう。
進路はエステル任せだ。
あと5分というのは……
それでどうしても避けられないポイントがあるんだ。
基本溶岩の上を飛んでいれば音はならない。
でもたまに大きな島が存在していて急には躱せない場所があるんだ。
それが今言ってるポイントのこと。
敢えて僕等はそこを往復して練習した。
だから最初のポイントはわかっているんだ。
見えてきた。
3、2、1……
『左……大丈夫』
『了解です!このまま行きます!』
『うん、あの角度なら当たらない』
『お~!』
GOAAAAA…
うん、置き去りにできた。
クラマの耳と反応速度はすごい。
頭を出す前にどこかわかるみたい。
エステルが急に進路変更できない分進行はエステルに任せクラマには進路をずらしてもらう感じだ。
さすがにバックしたり急停止は出来ないけど左右へ急ハンドルを切る事なら可能だ。
エステルが滑らかに動作する分、クラマには急角度の方向転換をしてもらう。
僕は感知を広く張って感知からの目視を最初にするよう努めている。
溶岩の中はもうあきらめている。
そこに集中すると感知範囲が狭まってしまうからだ。
トカゲがかなり進行方向から横にずれてでてくるとこっちにメテオが飛んでこないんだ。
そのメテオがどこかに衝突した第2陣が始まる時にはもうはるか後方。
問題は僕らと角度があまりつかないとき。
近いか前後にトカゲが出た時だね。
そうすると飛び去った後、
僕らの真後ろに近くになるんだよ。
もしこっちを見て打ってきたら外れても射撃角度的に僕等より前方にメテオがヒットする。
第2陣のことまで考えないとダメになるんだ。
第1陣の1発目はこの布陣なら恐らくほぼ躱せる。
第2陣からが危ないんだ。
想像がつかない。
さて、ここからはわからない。
とりあえずこの階層がどれくらいの距離があるか、だな。
71階層に入ってから45分くらい経った。
『すみません!前の島上空、かわせません!』
『わかった!見る!……3、2、1』
『右……左』
『左!曲がります!』
GOAAAAA…
『うん、ちょっと近い。でも第2陣は離れれば来ないな』
『りょ~か~い』
AAAAAA!(ドンッ)
おお、正確だ……すごい。
後方で連鎖が起き出してる。
でもすでにそこからは離れた。
クラマが最初に発言する方向が敵の位置。
次にいうのはエステルへの旋回指示だ。
クラマは沢山喋っている時間はない。
僕がその後詳細を伝える係だ。
さっきのままのエステルの位置だとメテオが当たりはしなかった。
でも第2陣に巻き込まれてる可能性のある近さに着弾していた。
あらかじめもう離れておくんだ。
だいたいの角度が把握できるようにこの1か月かなり飛行訓練をした。
クラムの防御が問題ないってわかってクリーンや色々準備が整ってからの期間ね。
エステルの飛行とクラマの天駆の組み合わせは割と早く思いついたんだ。
だからずっと合体の練習をしていた。
1階層の最初のポイントでは事故はゼロだった。
なかなかいい布陣だ。
その後は特に問題なく1時間少しくらいで次の階層への階段に辿りついた……
・
・
・
『”ウォーターエイド”ッ!”クリーン”ッ!』
『ありがと~!』「助かります!」「…ありがと」
『この距離だとみんな手こずらない限り魔石使わなくていい。ウォーターエイドも僕が受け持つよ。途中いいところで1,2回使うくらいでよさそうだ』
今は一旦階段で休憩。
クラムと僕のMPがフルに回復するまでの時間だ。
装飾品のおかげで熱さの問題はないからね。
僕はクリーン。
クラムは常オーブシールドでかなりMPを消費するからね。
ただずっと使いまくってるから自動回復がかなり早い。
これくらいなら1時間で回復できる。
休憩にちょうどいいくらいだ。
そういえば……
この世界にはMPポーションとかはないのだろうか……
「次の階層が近くてよかったですね!」
『と、いうよりエステルとクラマの速度が上がってるんだと思うぞ』
「……実感ない」
『はやくなったよ~?グリフォンぜんぜんおいつけないもん~』
この階層ではずっと高速で飛び回る練習をしてた。
それもあって2人は努力値もプラスアルファで速度がかなり上昇している。
クラムはずっと全力オーブしてたから防御力また上がったし。
僕は……基本感知や空間魔法系統に一番気を張ってるからまた知能特化に伸びてるけど……
「この先どうしますか?」
『そうだな。問題ある階層まではこのまま頑張ろうか。ただボス階層までは2分割しよう。僕が起きてる。飛びっぱなしは疲れるよ』
「……うん……ずっと集中……疲れる」
「そうですね。敵とは完全に戦わず一直線に進んでいるので早いとはいえ疲労は結構たまりますね……」
何も問題がない場合エステルに1番精神的な疲労がたまるはずだ。
みんなの行動をゆだねているのだ。
プレッシャーもすごいだろう……
『だよね。僕に気を遣わず休憩中は休んで、いいとこまで来たら寝るといいよ。しっかり回復して欲しい。この階層は階段の中まで敵来ないから階段は熱さだけ何とかなればゆっくり出来る。直線状に居ないとトカゲメテオ当たんないしね。換気とか浄化とかしながら僕も休むから心配しないで』
『なんかあったらおこしてね~?』
『うん、もちろん!クラムが必要になったら起こすよ!ありがと。ってかまだ寝ないよ?できれば……75階層までは進みたいな……』
疲労もたまるし無理してトラブルに合うと対処できなくなる。
1日で進んでボスが強かったら大変だ。
だけど長く滞在できる環境でもない……
2日……が目安かな………
休憩終わって72階層を飛んでいる。
風景は特に変わらない。前階層と同じだ。
『右……右……天駆』(シュッ)
おわッ!
天駆は結構揺さぶられるな!?
エステルと絶対離れないように服の底をずっと掴んでるんだけどね。
やっぱビックリするな……
GOAAAAA
GOAAAAAAA
GOAAAA
『エステル!まだ右!ちょっと近い!』
『ハイッ!』
AAAAA!(ドンッ)
AAA!(ドンッ)
AAAAAA!(ドンッ)
………ドカアァドカアァドカアァァァアン!!
GOAAAAA……
GO………
『ナイス判断クラマ!』
『ないす~ッ!』
『……ん、大丈夫』
『ありがとうございます!』
少し近くに出たから2陣の影響がある場所だった……
クラマの天駆はもう個人の判断に任せている。
僕等じゃ反応が間に合わない。
出てくる前に天駆使ったな今……
凄い……
ギリギリに躱すときに使うときもあれば距離を稼ぐために使ってもらうときもある。
今のはナイスだった。
エステルの飛行だと2陣が結構危なかった……
まだ大丈夫。
2人のおかげでシールドを使うような場面はない……
72階層を終え73階層も特に変わらなかった。
何度か打たれはしたが危ない場面はなかった……ふぅ……
74階層……
岩がかなり乱雑にあるな……
浅瀬みたいな感じか?
おおきい島は少ない……
その代わり陸地の量がおおい……。
結構マズいなこのフロア……
『このフロア結構意識強めていこう!気付かない所で音鳴っちゃうかもしれない!』
『……うん』『わかりました!』
『お~ぶにちからいれる~!』
『たのんだ!』
これじゃかなりの範囲の石を巻き上げるかもしれないぞ……
エステルにそれでも可能な限り岩が少ないところを選んでもらい飛行してもらっている。
何回かトカゲが姿を現したが何とか躱せている。
1度クラマが天駆を使う事態になったがそれでもその一発で躱せた。
それからもしばらく飛行し……50分程経過した……
もうすぐ見えてくると思うんだが……
『前、一面に岩礁があります!躱せません!』
『あれやばい!もう止まれないか……シールド使うこと覚悟で行く!!』
そろそろ上空通るぞ!?どうなる!?
『たくさん……真っすぐ……天駆』(シュッ)
『はいっ!!』
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAA……
GOAAAAAAAAA……
めっちゃ出てきたッ!!
エステルじゃ躱せないッ!!
『お~ぶッ!ぜんりょく~!!』
どっちとは言えない……
かなり広範囲で音が鳴ったためトカゲが左右から現れた。
これではどちらかに寄る事が出来ない。
クラマが弾丸の間を縫って天駆で躱した。
エステルはクラマを信じて飛行を続けている……
クラムは万が一に備えオーブシールドに力を入れたようだ。
数発の弾丸は左右に安全圏に消えて行った……
『まだ2匹打ってないッ!』
『後ろ……パパ』
1匹は躱すの無理か……
『”リバース”ッ!!』
……AAAAAA!(ドンッ)
……シュッ……ドンッ!!
はぁ……はぁ……あぶねぇ………
シールドじゃなくて咄嗟にゲートでメテオを反転して後方遠くへ飛ばした……
クラマがパパと言ったら躱せないか……
または躱せても被害がデカい判定だ。
危なかった……咄嗟だった……
あと1匹の分の弾丸は大幅に外れて行った。
そしてなんとか74階層階段に到着。
「すごいです!あんなことできたんですね」
「……助かった……ありがと」
『パパすご~い!はねかえした~!』
『いや、あれダメなんだ……。ゲート系は同時に複数出せないの。だから誤差で同時に来たりすると対処できない。だからあれ宛てにできないんだ。はぁ……心臓とまるかと思った……。スライム……心臓どこなんだろ……』
あくまでゲートだからさ……MP消費も激しいしね。
あまり多用すると咄嗟の時に困るし。
あれを前提に動くのは無理だ……
そこまでの信頼感はまだない。
まだ思うように扱えない……
でもまぁ今回は……これでよかったか……ふぅ……
「なるほど……。あれがあると思って行動してはいけないということですね」
『そう、あれ前提に動いちゃうと対処できなくなるの』
「わかった……全部……躱す」
『クラムのお~ぶにもまかせて~!』
『クラムのオーブには当てないようにしないとダメなのよ……。でもずっと力張ってるだろクラムも……。力はぬけないからな。ごめんな。早くセーフティー見つけて休も』
『うん~!だいじょうぶ~!あめちょーだい~?』
『好きに食べな?』
クラムは何もしていないように見えるがずっと力を張り続けている状態だ。
クラムにも実はかなり疲労が溜まる。
この階層疲労が溜まらない人はいない……。
みんなずっと力んでいる感じだ……
「次の階層も岩礁地帯なのでしょうか……」
「……速度……落とす?」
『落とすと落とすで当たりやすくなるんだよな……うーん……』
『あぶないところはみんなでみよ~?』
『ゆっくりならそれもできるか……。じゃあ次の階層は岩礁地帯きたら遮音はって感知と目視で進んでみようか』
「……わかった」
「そうですね。試してみましょうか」
『うん、今日はこれで終わりだからセーフティーまでに僕のMP使い果たしてもいいし。クラム、最悪僕囮するから僕置いてエステルとクラマとセーフティー行って。そうなったら囮引き受けてめちゃくちゃするからみんなはぶっ飛ばして逃げてね』
『パパは~?だいじょうぶなの~?』
『パパ1人なら……まぁそうだね。なんとかなるよきっと』
……というしかない。
正直なところ一番生存率が高いのはクラムだ。
それもダントツで。ただそんなことは絶対にさせない。
最悪1人なら大きな音立てまくってゲート連発でそこから避難すれば何とか射程圏内からは外れられるかな。たぶん。
少し地形が変わってきたな。
今から引き返せる……うーん……
微妙なところだ……。
それならセーフティー狙いの方が確率は高い。
かなりステータスを上げて来たけれども戦闘とはちょっと話が違う……。
判断に困るところだ……。
「クロムさん1人の方が生存率高いのはわかってます……。まさか溶岩地帯が引いてくるとは……。嫌ですが……わかりました。でも最悪ですよ!?」
「……うん」
『わかってるよ!みんなでセーフティーに行こう!それにしてもセーフティーにはごり押しでいくとして……。この先どうしようか……。これひょっとして溶岩地帯浅くなっていくのか?そうするとまた作戦練りなおしになるぞ……』
岩礁地帯が見えてきてるってことは浅くなってきてるわけでしょ?
トカゲって陸地行動も出来るもんな……
どうなるんだこれ……
急に倒す方面で話考えた方がいいのか?
そうなると……飛ぶ作戦は使えないぞ……
うーん……
トカゲの特性は変わらない。
だから近場にいるやつは戦闘音できっと一斉に襲ってくる。
マグマドボンもきついけど
トカゲ自体は陸地にいるほうがややこしいな……
75階層も同じような地形だった。
敵をほとんど出さないようにスローペース……
ただ……3倍くらいは遅く進んでいる……
エステルが止まれるようにね。
岩礁近くに来た時にだけさらにスローペースに落として遮音エリアを張った。
その岩礁の中に広めの岩の孤島があり、そこがセーフティーエリアになっていた。
特に囮をすることはなかった。
とりあえず作戦は成功した。
ここも別に空気がいいわけではない。
敵の心配がないだけ。
要するに階段と変わらん。
このエリアあまりセーフティーの恩恵はないな。
起きて空気清浄機やらないとな……
ちなみにクリーン道具は作れないんだ。
創造魔法レベルの道具は作れない。
チートは付与出来ないって感じ。
付与しようとしても反応しないんだ……。
そもそもクリーンどころか翠風の時点で無理。
次の階層からちょっとスピード制限したほうがいいのかなぁ。
でもスピード制限すると敵は出にくくなるけど万が一の時に避けづらくなるんだよ。
というより……
陸地になるなら空飛んでスピード出す戦法は使えなくなる……
この階層あまり長くいるとみんなも僕も体力もたないと思う。
みんなは精神力の問題。
僕は起きっぱなし魔法使いっぱなしが確定しているから集中力がどんどんおちていくだろうなぁ。
次の階層からどうなるんだろうか……
まさかダンジョンでに命がけのシューティングゲームをする羽目になるとは……
まずはこの階層でこの溶岩エリアが1階層どれくらいの時間がかかるのかを確認したい。
練習では71階層の真ん中までしか行っていない。
1発がヤバいフロアだから……。
マズいときは引き返してくるのすら危ない。
練習には練習を重ねたが本番1発勝負だ……
ダンジョンは下の階層に降りるごとに少しずつ広がっていく傾向にあるのだが僕ら的には誤差だ。
だいたい毎回10分もかわらない。
『エステル、クラマ。何度も言ったけど可能な限り2人で避けてくれ。僕がシールドを出すとトカゲメテオがシールドにぶつかって音が出てその後の連鎖がかなり僕らに寄ってくる』
『……了解』
『大丈夫です!』
『あと5分くらいだよ~』
『おっけー!』
話も全て念話だ。
もう可能な限り音は出さないようにする。
可能な限り2人で。
どうしようもなくなれば僕が手を出す。
風精霊は飛行に使っている。
オーブ外にいるのは火と雷と闇と光の精霊だ。
物質攻撃が必要な精霊は今回は出てきてない。
何かの精霊術の拍子に音を立ててしまう可能性が高いからだ。
2か月トレーニングを行いステータス的にもかなり速度が上がった。
エステルの速度は2万を超えている。
クラマも同じくらい。
クラマは元々エステルよりステータスが低かったからそのおかげもありレベルが上がりやすかった。
ステータスはエステルにはほぼほぼ追いついた。
誰か1人だけが危ない状況からは脱することができた。
エステルの飛行は精霊依存になるが、
ある程度精霊を扱える力も比例して大きくなっていくようだ。
かなり速い。
その代わり、前にも話したかもしれないが、
エステルは速度が乗ると急に止まれない。
最近は足場を作って反転したりしている。
だけどこのフロアだとそれができない……
基本エステルに道を探りながら進んでもらう。
進路はエステル任せだ。
あと5分というのは……
それでどうしても避けられないポイントがあるんだ。
基本溶岩の上を飛んでいれば音はならない。
でもたまに大きな島が存在していて急には躱せない場所があるんだ。
それが今言ってるポイントのこと。
敢えて僕等はそこを往復して練習した。
だから最初のポイントはわかっているんだ。
見えてきた。
3、2、1……
『左……大丈夫』
『了解です!このまま行きます!』
『うん、あの角度なら当たらない』
『お~!』
GOAAAAA…
うん、置き去りにできた。
クラマの耳と反応速度はすごい。
頭を出す前にどこかわかるみたい。
エステルが急に進路変更できない分進行はエステルに任せクラマには進路をずらしてもらう感じだ。
さすがにバックしたり急停止は出来ないけど左右へ急ハンドルを切る事なら可能だ。
エステルが滑らかに動作する分、クラマには急角度の方向転換をしてもらう。
僕は感知を広く張って感知からの目視を最初にするよう努めている。
溶岩の中はもうあきらめている。
そこに集中すると感知範囲が狭まってしまうからだ。
トカゲがかなり進行方向から横にずれてでてくるとこっちにメテオが飛んでこないんだ。
そのメテオがどこかに衝突した第2陣が始まる時にはもうはるか後方。
問題は僕らと角度があまりつかないとき。
近いか前後にトカゲが出た時だね。
そうすると飛び去った後、
僕らの真後ろに近くになるんだよ。
もしこっちを見て打ってきたら外れても射撃角度的に僕等より前方にメテオがヒットする。
第2陣のことまで考えないとダメになるんだ。
第1陣の1発目はこの布陣なら恐らくほぼ躱せる。
第2陣からが危ないんだ。
想像がつかない。
さて、ここからはわからない。
とりあえずこの階層がどれくらいの距離があるか、だな。
71階層に入ってから45分くらい経った。
『すみません!前の島上空、かわせません!』
『わかった!見る!……3、2、1』
『右……左』
『左!曲がります!』
GOAAAAA…
『うん、ちょっと近い。でも第2陣は離れれば来ないな』
『りょ~か~い』
AAAAAA!(ドンッ)
おお、正確だ……すごい。
後方で連鎖が起き出してる。
でもすでにそこからは離れた。
クラマが最初に発言する方向が敵の位置。
次にいうのはエステルへの旋回指示だ。
クラマは沢山喋っている時間はない。
僕がその後詳細を伝える係だ。
さっきのままのエステルの位置だとメテオが当たりはしなかった。
でも第2陣に巻き込まれてる可能性のある近さに着弾していた。
あらかじめもう離れておくんだ。
だいたいの角度が把握できるようにこの1か月かなり飛行訓練をした。
クラムの防御が問題ないってわかってクリーンや色々準備が整ってからの期間ね。
エステルの飛行とクラマの天駆の組み合わせは割と早く思いついたんだ。
だからずっと合体の練習をしていた。
1階層の最初のポイントでは事故はゼロだった。
なかなかいい布陣だ。
その後は特に問題なく1時間少しくらいで次の階層への階段に辿りついた……
・
・
・
『”ウォーターエイド”ッ!”クリーン”ッ!』
『ありがと~!』「助かります!」「…ありがと」
『この距離だとみんな手こずらない限り魔石使わなくていい。ウォーターエイドも僕が受け持つよ。途中いいところで1,2回使うくらいでよさそうだ』
今は一旦階段で休憩。
クラムと僕のMPがフルに回復するまでの時間だ。
装飾品のおかげで熱さの問題はないからね。
僕はクリーン。
クラムは常オーブシールドでかなりMPを消費するからね。
ただずっと使いまくってるから自動回復がかなり早い。
これくらいなら1時間で回復できる。
休憩にちょうどいいくらいだ。
そういえば……
この世界にはMPポーションとかはないのだろうか……
「次の階層が近くてよかったですね!」
『と、いうよりエステルとクラマの速度が上がってるんだと思うぞ』
「……実感ない」
『はやくなったよ~?グリフォンぜんぜんおいつけないもん~』
この階層ではずっと高速で飛び回る練習をしてた。
それもあって2人は努力値もプラスアルファで速度がかなり上昇している。
クラムはずっと全力オーブしてたから防御力また上がったし。
僕は……基本感知や空間魔法系統に一番気を張ってるからまた知能特化に伸びてるけど……
「この先どうしますか?」
『そうだな。問題ある階層まではこのまま頑張ろうか。ただボス階層までは2分割しよう。僕が起きてる。飛びっぱなしは疲れるよ』
「……うん……ずっと集中……疲れる」
「そうですね。敵とは完全に戦わず一直線に進んでいるので早いとはいえ疲労は結構たまりますね……」
何も問題がない場合エステルに1番精神的な疲労がたまるはずだ。
みんなの行動をゆだねているのだ。
プレッシャーもすごいだろう……
『だよね。僕に気を遣わず休憩中は休んで、いいとこまで来たら寝るといいよ。しっかり回復して欲しい。この階層は階段の中まで敵来ないから階段は熱さだけ何とかなればゆっくり出来る。直線状に居ないとトカゲメテオ当たんないしね。換気とか浄化とかしながら僕も休むから心配しないで』
『なんかあったらおこしてね~?』
『うん、もちろん!クラムが必要になったら起こすよ!ありがと。ってかまだ寝ないよ?できれば……75階層までは進みたいな……』
疲労もたまるし無理してトラブルに合うと対処できなくなる。
1日で進んでボスが強かったら大変だ。
だけど長く滞在できる環境でもない……
2日……が目安かな………
休憩終わって72階層を飛んでいる。
風景は特に変わらない。前階層と同じだ。
『右……右……天駆』(シュッ)
おわッ!
天駆は結構揺さぶられるな!?
エステルと絶対離れないように服の底をずっと掴んでるんだけどね。
やっぱビックリするな……
GOAAAAA
GOAAAAAAA
GOAAAA
『エステル!まだ右!ちょっと近い!』
『ハイッ!』
AAAAA!(ドンッ)
AAA!(ドンッ)
AAAAAA!(ドンッ)
………ドカアァドカアァドカアァァァアン!!
GOAAAAA……
GO………
『ナイス判断クラマ!』
『ないす~ッ!』
『……ん、大丈夫』
『ありがとうございます!』
少し近くに出たから2陣の影響がある場所だった……
クラマの天駆はもう個人の判断に任せている。
僕等じゃ反応が間に合わない。
出てくる前に天駆使ったな今……
凄い……
ギリギリに躱すときに使うときもあれば距離を稼ぐために使ってもらうときもある。
今のはナイスだった。
エステルの飛行だと2陣が結構危なかった……
まだ大丈夫。
2人のおかげでシールドを使うような場面はない……
72階層を終え73階層も特に変わらなかった。
何度か打たれはしたが危ない場面はなかった……ふぅ……
74階層……
岩がかなり乱雑にあるな……
浅瀬みたいな感じか?
おおきい島は少ない……
その代わり陸地の量がおおい……。
結構マズいなこのフロア……
『このフロア結構意識強めていこう!気付かない所で音鳴っちゃうかもしれない!』
『……うん』『わかりました!』
『お~ぶにちからいれる~!』
『たのんだ!』
これじゃかなりの範囲の石を巻き上げるかもしれないぞ……
エステルにそれでも可能な限り岩が少ないところを選んでもらい飛行してもらっている。
何回かトカゲが姿を現したが何とか躱せている。
1度クラマが天駆を使う事態になったがそれでもその一発で躱せた。
それからもしばらく飛行し……50分程経過した……
もうすぐ見えてくると思うんだが……
『前、一面に岩礁があります!躱せません!』
『あれやばい!もう止まれないか……シールド使うこと覚悟で行く!!』
そろそろ上空通るぞ!?どうなる!?
『たくさん……真っすぐ……天駆』(シュッ)
『はいっ!!』
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAAAAAA!(ドンッ)
GOAAAAAA……
GOAAAAAAAAA……
めっちゃ出てきたッ!!
エステルじゃ躱せないッ!!
『お~ぶッ!ぜんりょく~!!』
どっちとは言えない……
かなり広範囲で音が鳴ったためトカゲが左右から現れた。
これではどちらかに寄る事が出来ない。
クラマが弾丸の間を縫って天駆で躱した。
エステルはクラマを信じて飛行を続けている……
クラムは万が一に備えオーブシールドに力を入れたようだ。
数発の弾丸は左右に安全圏に消えて行った……
『まだ2匹打ってないッ!』
『後ろ……パパ』
1匹は躱すの無理か……
『”リバース”ッ!!』
……AAAAAA!(ドンッ)
……シュッ……ドンッ!!
はぁ……はぁ……あぶねぇ………
シールドじゃなくて咄嗟にゲートでメテオを反転して後方遠くへ飛ばした……
クラマがパパと言ったら躱せないか……
または躱せても被害がデカい判定だ。
危なかった……咄嗟だった……
あと1匹の分の弾丸は大幅に外れて行った。
そしてなんとか74階層階段に到着。
「すごいです!あんなことできたんですね」
「……助かった……ありがと」
『パパすご~い!はねかえした~!』
『いや、あれダメなんだ……。ゲート系は同時に複数出せないの。だから誤差で同時に来たりすると対処できない。だからあれ宛てにできないんだ。はぁ……心臓とまるかと思った……。スライム……心臓どこなんだろ……』
あくまでゲートだからさ……MP消費も激しいしね。
あまり多用すると咄嗟の時に困るし。
あれを前提に動くのは無理だ……
そこまでの信頼感はまだない。
まだ思うように扱えない……
でもまぁ今回は……これでよかったか……ふぅ……
「なるほど……。あれがあると思って行動してはいけないということですね」
『そう、あれ前提に動いちゃうと対処できなくなるの』
「わかった……全部……躱す」
『クラムのお~ぶにもまかせて~!』
『クラムのオーブには当てないようにしないとダメなのよ……。でもずっと力張ってるだろクラムも……。力はぬけないからな。ごめんな。早くセーフティー見つけて休も』
『うん~!だいじょうぶ~!あめちょーだい~?』
『好きに食べな?』
クラムは何もしていないように見えるがずっと力を張り続けている状態だ。
クラムにも実はかなり疲労が溜まる。
この階層疲労が溜まらない人はいない……。
みんなずっと力んでいる感じだ……
「次の階層も岩礁地帯なのでしょうか……」
「……速度……落とす?」
『落とすと落とすで当たりやすくなるんだよな……うーん……』
『あぶないところはみんなでみよ~?』
『ゆっくりならそれもできるか……。じゃあ次の階層は岩礁地帯きたら遮音はって感知と目視で進んでみようか』
「……わかった」
「そうですね。試してみましょうか」
『うん、今日はこれで終わりだからセーフティーまでに僕のMP使い果たしてもいいし。クラム、最悪僕囮するから僕置いてエステルとクラマとセーフティー行って。そうなったら囮引き受けてめちゃくちゃするからみんなはぶっ飛ばして逃げてね』
『パパは~?だいじょうぶなの~?』
『パパ1人なら……まぁそうだね。なんとかなるよきっと』
……というしかない。
正直なところ一番生存率が高いのはクラムだ。
それもダントツで。ただそんなことは絶対にさせない。
最悪1人なら大きな音立てまくってゲート連発でそこから避難すれば何とか射程圏内からは外れられるかな。たぶん。
少し地形が変わってきたな。
今から引き返せる……うーん……
微妙なところだ……。
それならセーフティー狙いの方が確率は高い。
かなりステータスを上げて来たけれども戦闘とはちょっと話が違う……。
判断に困るところだ……。
「クロムさん1人の方が生存率高いのはわかってます……。まさか溶岩地帯が引いてくるとは……。嫌ですが……わかりました。でも最悪ですよ!?」
「……うん」
『わかってるよ!みんなでセーフティーに行こう!それにしてもセーフティーにはごり押しでいくとして……。この先どうしようか……。これひょっとして溶岩地帯浅くなっていくのか?そうするとまた作戦練りなおしになるぞ……』
岩礁地帯が見えてきてるってことは浅くなってきてるわけでしょ?
トカゲって陸地行動も出来るもんな……
どうなるんだこれ……
急に倒す方面で話考えた方がいいのか?
そうなると……飛ぶ作戦は使えないぞ……
うーん……
トカゲの特性は変わらない。
だから近場にいるやつは戦闘音できっと一斉に襲ってくる。
マグマドボンもきついけど
トカゲ自体は陸地にいるほうがややこしいな……
75階層も同じような地形だった。
敵をほとんど出さないようにスローペース……
ただ……3倍くらいは遅く進んでいる……
エステルが止まれるようにね。
岩礁近くに来た時にだけさらにスローペースに落として遮音エリアを張った。
その岩礁の中に広めの岩の孤島があり、そこがセーフティーエリアになっていた。
特に囮をすることはなかった。
とりあえず作戦は成功した。
ここも別に空気がいいわけではない。
敵の心配がないだけ。
要するに階段と変わらん。
このエリアあまりセーフティーの恩恵はないな。
起きて空気清浄機やらないとな……
ちなみにクリーン道具は作れないんだ。
創造魔法レベルの道具は作れない。
チートは付与出来ないって感じ。
付与しようとしても反応しないんだ……。
そもそもクリーンどころか翠風の時点で無理。
次の階層からちょっとスピード制限したほうがいいのかなぁ。
でもスピード制限すると敵は出にくくなるけど万が一の時に避けづらくなるんだよ。
というより……
陸地になるなら空飛んでスピード出す戦法は使えなくなる……
この階層あまり長くいるとみんなも僕も体力もたないと思う。
みんなは精神力の問題。
僕は起きっぱなし魔法使いっぱなしが確定しているから集中力がどんどんおちていくだろうなぁ。
次の階層からどうなるんだろうか……
40
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる