最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

文字の大きさ
209 / 270

205話 - 聖国

しおりを挟む
「お前らのやばくないって所があんなら教えて欲しいくらいだわ……」

 まぁ、全部やばいって言われたら何とも否定は出来ないんだけれども……
 何故にこんな事になったのか……

 いや!それでも僕は普通を手に入れる!
 絶対に!!

 ちょっと間違えて終末兵器みたいになったけどスイッチ押さなければ問題なはずだ!
 それにまだどんな怖い相手がでてくるかわかんないから全然不安はぬぐえない……。

 なんだかんだダンジョン行って結構危ない目には合ってるじゃん?
 100%安心安全な生活を手に入れるまで僕は訓練をやめない!!

「よく考えればクロムくん達って実質使徒様とその家族とか神様ご一行パーティーじゃない!エデンって神の楽園って意味なんでしょ?昨日エルンさんから聞いたわ!神の楽園の民なんでしょ?エセ創造神崇めてる所の聖女が聖属性使えるのに君達が上位魔法使えない方が違和感あるわ!納得!考えるの馬鹿らしくなってきたわ!」

「おう!そうだな!要らん事考えずに流されとくか!俺はお前のそういうところが好きだぞ!」

「私も大好きよ!」

「ふふ♪お二人の関係はとても素敵です!」

 ……なんだこいつら。

 ゴホンッ。

『ねぇねぇ、相談あるんだけどさ』

「お?なんだ?」

『ここに孤児院のみんな連れてきたいんだけど。前言ったじゃん。俺は知らんふりするぞって言ってたじゃんか?』

 ハイエルフさん助けるって言った時にここに孤児院のみんなも連れてくるつもりだって伝えたんだよね。
 その時は王様は知らんふりするって言ったんだよ。

 王様も色々考えてたんだけど最終的に僕らが何かしようと獣人国として教会に手を出しているわけではないから責任が問われるわけではないって。

 一応王都に土地を分け与えているけど教会を管理する義務が王様にあるわけではないみたい。
 あの教会はあの教会として国から独立している。

『僕等の状況しっかり知った上でちょっと意見変わったりしてないの?』

「う~ん……。いや、クロムがなんかしようが獣人国に何かあるわけじゃねぇ。それは変わんねぇな。お前らは国民じゃねぇからよ」

「それはそうね!もし教会が魔物に襲われても私達はそこを助ける義務はないわ。助けて欲しいならきちんと依頼して欲しいわね。拒否も出来るし!不干渉だって言っているのに獣人国に守れって言うのは都合がよすぎるわよ」

 そりゃそうだよな。
 冒険者に依頼するのが国の兵士に依頼する形になるだけだね。

「孤児たちを保護してもらった件や私達が孤児にお金を出しているのも、孤児たちの為にお金を出すから使ってくれって言っただけよ。寄付みたいなものだわ?この前のクルードの件もお金は出すから預かって欲しいとお願いしただけ。ちゃんと対価払ったわよ。と言うより絶対に必要ない金額を詰んだわ!喜んで引き受けてくれたもの!そこを引き合いに出される筋合いもないわね!」

『あ、そうなんだ。ごめん。僕のお願いだしお金払う。いくら?』

「出すな!唯一スッキリ金払えたところなんだぞ!」

 ……それなら……まぁいいけど。

『ちなみにあの子たちは光とか聖属性大丈夫なの?』

「既に鑑定されてるな。光や聖属性を持ってるやつはいない。居たら俺がクロムに報告してる。確認はしたからな。誰も減ってないし皆無事だ。あそこにいない子供達は皆引き取り手が見つかっただけの話だからな。クロムに頼まれたからちゃんとしてるぞ」

「よかったです……先程の話聞いてとても不安になりました……」

 よかった。
 誰か付け狙われないかとおもったよ……。

『ってかなんで孤児院あんなボロボロなの。そんなお金払ったんでしょ?というかさっき聞いた話では家族保証サービスちゃんとするんじゃないの?』

「そりゃ、皆を鑑定に来させる為のもんなんだろ?孤児はこんな世の中なら増えていくじゃねぇか。そうならないように俺が頑張っているわけだが。勝手に入ってくるものまで手厚く保護してねぇって話じゃないのか?細かくは分かんねぇけど俺はそう睨んでるけどな」

「うん、それに私達が払ったお金の件はいいわよ。何かあった時にそこを指摘できるもの」

 それはそうかも。
 なるほどね。逆に好きに泳がせている方が都合のいいこともあるか。

『ってかそれどころか稼いできた子からお布施取ろうとしてるらしいけど?それは?』

「その辺りが俺らには手を出せんところなんだ……。任意って言われりゃどうしようもねぇ。さすがに国民から脅し取ったりしてりゃ俺らも動くぞ」

 ……なるほど。
 任意って言葉都合よく使うやつ嫌いだわ……。

『う~ん、言ってることは理解できるんだけどそれにしても怪しすぎない?なんであんな集団がのうのうとのさばってるのか理解できないんだよな……』

「それはクロムが簡単に回復魔法使っちまえるからそう思うんだ。1000人に1人や10000人に1人の属性だぞ?神に愛されてるって言われりゃそう思う。俺もクロムと会うまで、いやここに来て神のこと知ったりクロムの話聞くまでその部分に関しては疑ってなかった。回復魔法はもともとそれくらい希少で高いものだしなんの違和感もない」

「……それはそうですね。1万人に1人しか使えない魔法と言われれば私もそう思います」

「教会で行ってる社会奉仕活もきっと市民に顔をうってより多くの人に鑑定や治療を受けに来てもらうものだと思っているわ。その辺りで信用を作っているの。それに本当にもうずいぶん昔からだから私達も詳細はわからないのよ。こんなに疑わしい目を向けているのは私達くらい。市民にはそれが普通なんだもの」

 ブラックペパロンみたいなもんか。
 僕等はその辺に生えてるの見てるから希少価値わかんないんだよな。

 国の人としては珍しくてそれくらい高いのは当たり前の話なのか……
 むしろ無料で鑑定したり社会奉仕したりしている教会は善人に見えるのか。

 本当に神の奇跡だと思ってんだろうなぁ……。
 僕がカニの時に覚えたレベルの魔法以下なのに。

『教会が怪しい話広めたりはしないの?』

「出来ねぇよ……。不利益なことすると教会は動くぞ。不干渉っていう決まりだ」

『なんでこうなるまで放っておいたんだ……』

「はぁ……。それは本当にそうなの。自分のこと以外に興味がある王が今までいなかったからよ。勝手にすればいいって放置してたからこんなに市政に入り込んでしまったんだわ。私達も王座につくまで全く違和感がなかったもの……」

 うう……

『あー!もう八方ふさがりだっ!どうすることもできん!2人が悪いわけじゃないし!僕にも教会本部のことわからんし手を出したときの被害が想像出来ない!……確か教会本部って人間国にあるんだよね?』

「あぁ……細かく言えば人間”大陸”にある。規模は都ほどだが、人間国ですらねぇ。聖国って謳ってるぞ。独立してるって話したろ?」

 国クラス……嘘だろ……
 絶対行きたくねぇわ……

 お国事情とか僕にはでかすぎる。
 もうわからん……。

 僕世界救うヒーロー活動とかやってない!
 気の小さい一般人なのよ僕は……

『……グダグダ色々聞いてごめん。理解したよ。僕にはどうすることも出来ないな。まぁとりあえずあの子らは保護していいのね?王様に迷惑かからんのね?』

「あぁ、構わねぇよ。クロムの立場ならそう思うだろ。それに保護してくれんのは俺としても嬉しい。ただ、獣人国でうまい事やってる子もいるはずだ。その子らに関してはその子らの意見聞いてやればいいさ」

 まぁそこは僕等じゃなくてマリアさんに聞いてもらうか。
 いきなり僕らがどうする?って聞くよりいいよね。
 マリアさんとは僕が直接話すしかないね。

『ここ来た子には僕らが話せること言うよ?まぁ……子供には王都行くときは話さないでって言うけど……大丈夫かな……』

「大丈夫よ。小さい子は孤児院からも殆ど外に出ないのよ?こことっても安全じゃない!ハイエルフさん達も皆親切。外で好き放題遊べて活動範囲広がるくらいよ!それに別の街に行こうなんて思わないわ。それくらい大きい子になったら分別してるわよ。と言うより魔の森に住んでいます!って言われても誰も信じないわ」

「あぁ、お前らみたいに街転々としてるやつなんかいねぇよ。行動範囲広すぎだ。市民の生活範囲ってお前らが思うより全然狭いぞ。それ気にするならエデン充実させてやりゃいいんじゃねぇか?……あ、いや、既に充分すぎるくらいか」

 僕らみたいに街単位で動きまくるわけないか。
 最近大陸間移動しすぎてて訳わかんなくなってた。

 それならいいけど……

『わかった、ありがとう。じゃあ今月中に話してくるよ。最近ドタバタしてていつものお小遣い稼ぎ活動以外にゆっくり話したりはできてないからね』

 さすがにね……
 ハイエルフ救出と孤児院のみんな救出同時にはできなかった。
 頭パンクしちゃうもん。

 とりあえず孤児院は緊急的なことはなさそうだからね。
 実はぷちクロム孤児院に忍ばせてちらほら見てるし。

 特になにもないよ。
 なんかあればクラマから報告してもらうように言ってるしね。

『そろそろ夕方だなぁ。家に帰るかぁ……』

「そうだな!有意義な話が出来た。じゃあまた帰る時お前ん家行くわ」

「そうね!これからは少しずつ休みに来るわ!」

 あ、そうか……この2人は帰るのか……


 ………



『じゃあ温泉行こう!』

「おんせん?」
「なんだそれ?」

 あれ?温泉とか露天風呂とかこの世界にないの?

『外にあるでっかい風呂だけど……』
「あ!初めてですね!いいですね♪」

「外で風呂入んのか?水浴びみたいなもんか?慣れてるからいいが……」
「そうね!水浴びは久しぶりかも!帰る前にいいわね!」

 水浴びとはちょっと違うけど……
 まぁ似たようなもんか。

『まぁじゃあ食事取ったらスチュワードさんのとこ集合ね!住宅地の端っこの方の海が見える見晴らしのいい場所にあるから』

「お、わかった!じゃあ飯くってくるわ」
「スチュワードの店で食事するからそのまま待ってればいいわね!」



 3日前にやっとできたんだよね~。
 外装がなかなか大変だったんだよね。
 中はそんなこともなかったんだけど。



 楽しみだなぁ~
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学4巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜

Yokoちー
ファンタジー
もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか? (長編になります。閑話ですと登場人物が少なくて読みやすいかもしれません)  地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。  小さな身体に何でも吸収する大きな器。だが、運命の日を迎え、両親との幸せな日々はたった三年で終わりを告げる。  辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。  「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。  

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...