異世界でダンジョンと過ごすことになりました

床間信生

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三人の女性

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ゴブリンとの話し合いが終わった後、先程の部屋に戻ってみると女性三人と目があった。

「貴方がリーダーの方ですね。この度は助けていただいて、ありがとうございます。美味しいマジックアイテムで助かりました」
「いえいえ。大丈夫ですよ」

三人いる女性の内で一番右側にいる金髪ロングヘアーで左手首から上腕半分くらいの位置までタトゥーを入れている女性が、頭を下げて礼をいってきた。
とりあえず今の一言を聞いた限りでは、はっきりした感じの言葉なので、先ずは一安心という感じかなと思う。

「あのー…それで、助けていただいていきなりこんなことを聞くのは失礼かもしれませんが…どちらのクランの方でしょうか…」
「えっ…クラン?何ですかそれ…?」

俺の答えが予想外だったのか、金髪ロングヘアーの女性が、その隣の茶色いセミロングの髪の女の子と顔を見合わせた。

クランって何だ?
状況が掴めない俺はコロンとリンの方に視線をやったが、彼女たちも分からないという感じに首を傾ける。

「それと事情お話ししたいんですけど…すいません。ここって安全ですか?」
「ん?あー、ゴブリンたちの驚異はもうないですから安心していいですよ」
「あのホブゴブリンもですか?」
「ホブ…?あー、確かベンケーとかいう通り名があったヤツですよね。アイツは退治したので安心してください」

俺の言葉に心底安心したのか、彼女は一息ついた後涙をこぼした。

「クランというのは、簡単に言うと仕事を行いやすくするためのチームのようなものです」

涙を流す女の子に代わる形で、となりの茶色いセミロングの女の子が口を開く。

あー…そう言えばゲームとかで集団イベントとかやるとき、前もって仲の良い人間とかで集まったりしたことってあったな。
多分、そういうのを常習化させている組織ってことか。
何となくイメージ的には派遣会社という感じがする…

「いえ、私はクランというのは所属していません」
「だべ?うちの旦那様はそだらわけわがんねぇことしてねぇって言ったべ」

恐らく俺がここに来る前に、コロンと何やら話していたのだろう。
生憎そういったことには興味がないというか…
この世界に来たばかりなので知識がないんだ。

「ほんとだったんだ…あっ…いえ…まさか今の時代に人でクランに入っていない方がいるとは思わなくて…って、もしかしたらこれからクランを立ち上げ…あっ…すいません。遅くなりました私、大地の剣というクランに所属しているフローラと申します」

クランというのに所属しているのが、この世界では常識ということなのか…?
心が落ち着いたのかな?
金髪ロングヘアーで、タトゥーが入った貴方はフローラですね。
了解!

「私、ミンネ!」

俺がフローラに挨拶を返すよりも早く、今まで黙っていた金髪ショートの女の子が突然元気よく名前を名乗った。
年は分からないけど、俺の好み的には後5年…
いや後7~8年という感じがする。
ちょっとビックリしたが、なんとか心を落ち着けて声には出さないように我慢した。

「どうも、私、ルカです。助けていただきありがとうございます。クランは所属してません。こんな感じなので…」

最後に茶色いセミロングの女の子が自分の首輪を触りながら、自己紹介をしてくれた。
どうやら彼女もクランに所属していないようだ。
首輪を触りながら「こんな感じ」というのがちょっとよく分からないが、とりあえずクランとやらに所属していない人がいることで、何となく安心した。

「どうも、俺はタカヒロ・イダと言います。そしてこっちからコロンとリンです」
「よろすく」
「…」

コロンも続いて挨拶をするが、リンの方は無反応。
と言うかコイツ、最近やっとカロリーに反応を見せるようになったくらいで、基本的には俺以外には無反応のことが多い。
まー、それも仕方がないのかもしれないが、正直言うともう少しと思わなくもない。

「タカヒロ・イダ様ですね。えーっと、それでお名前が姓持ちの方ということは、騎士爵の方ですね」

おっと…フローラの口からまたしても俺の知らないことが…
名字も一緒に名乗るのは失敗だったか…

「騎士爵はもってないです。後、俺この辺の生まれではなくて、ちょっとそういったこと分からないんです。俺の住んでいた地域では身分と関係なくみんな姓を名乗る決まりになっていたので…できればその…故郷のこととかはあまり話したくないというか…そのお願いで…後、呼び名は姓が騎士爵とかのきまりあるなら、名の方だけで…」
「なるほど。この辺では聞いたことがない風習ですね。恐らく地名を聞いたりしても分からないと思いますし、何より助けていただいた方のお願いということであれば、こちらとしても全く構いません。呼び名の方はタカヒロ様で宜しいでしょうか?」
「あっ…はい。じゃー、それで」

ニッコリと笑うフローラさんの笑顔が眩しい。

「後…と言うか場所が場所なので、このままここで積もるお話を…というわけにもいかないと思いますので、もしそれなりに移動が可能ということであれば、ここを出ませんか?」
「そう…ですね…その方が良いですね」
「うん!」
「はい…」

俺の提案にフローラ、ミンネ、ルカの三人が首を振ってくれた。
別に今さらこのダンジョンに差し迫った危険などがあるとは思えない。
だけど話をしていく上で、先程から少しずつ自分の知らないことを聞かれている。
このまま話を続けているとボロが出てしまいそうと感じた俺は、とりあえず流れや雰囲気を変えるために、このダンジョンから出ることを提案した。
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