異世界でダンジョンと過ごすことになりました

床間信生

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気を付けること

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俺たちが拠点についた頃には、スッカリと日は落ちていた。

フローラやルカとの目ぼしい話が終わったとき、そろそろ移動しようかと全体を見渡すとミンネが気持ち良さそうに寝ていたので、「待っても良いのでは?」という意見もあり、暫く待ってはみたのだが全く起きる様子がない。
ということから仕方ないので背負って帰りましょうという話になった。

ちなみに待つと意見したのは俺だ。
実は今回、三人を連れていくというのは、カロリーやガイアス様には何も伝えていない。
なので一度ホムンクルスから本体に戻って事情を説明するための時間が欲しかったので、待つと言う選択をゴリ押しで認めさせたのだ。

「イダ様、おかえりなさいませ」
「ただいま、カロリー。ただいま戻りました、ガイアス様」
「遅かったのぅ。疲れたじゃろう。とりあえず食事の方は教会の方に準備しているので、先ずはそちらの方へ向かっておくと良い」

どうやら三人と別行動をとれる準備が出来ているようだ。
先程の手間は無駄ではなかったようだ。

「フローラさん、ルカさん。こちらがカロリーで、食事や洗濯などこの拠点の雑事を行っています。そしてコチラが先程軽くお話ししたガイアス様になります」
「こんばんは、夜分遅くに申し訳ございません。訳あってタカヒロ様始めこちらの方々に助けていただいたフローラと申します。宜しくお願いします」
「どうもルカです。宜しくお願いします」
「色々大変じゃったじゃろう!一先ず儂は、コヤツ等からの報告を受けたいので、一緒にアソコの小屋に向かうが、お主等は、こちらのカロリーの案内で教会の方へ向かい、先に食事にしてなさい」

俺はガイアス様の声を聞きながら、背負っていたミンネをルカにあずける。

「それでは皆様こちらへ」

俺とルカのやり取りが終わるや否や、カロリーがうむも言わせぬ様子でみんなを教会へと連れていってくれた。

★☆★☆

小屋には俺とコロン、ガイアス様の三人だけだ。
最初はリンも連れてきた方がいいと思ったのだが、どうやらリンは食欲の方が優先されているようで、カロリーが案内する三人の女の子に続くような形でフラフラと教会の方へと着いていった。

「それでやっぱり、あのアビリティーとか言うのって、こっち側のステータスと一緒なんですか?」
「もうそこまで話を聞いておったのか。そうじゃよ。アビリティーというのは、内容的にはステータスとほとんど変わらんよ。ただ詳しく話すと恐ろしく長くなるぞ。それはそれとしてお主、これからどうするんじゃ?」    

案の定、肯定する返事が来た。
そして人の心が読める神様だからなのだろうか、ガイアス様の表情もいつもの通り余裕の表情のままだ。
というか逆に俺に質問まで投げ掛けてくる余裕。

「どうとは…?」
「いやなぁ、今日助けた三人の女の子たちを今後、お主はどうしていきたいか?ということなのじゃ、例えばあの小さな寝ておった子は親元へ送り返したいとか、他の二人は一緒に暮らしたいとか、そういったことはないのかということじゃ」

ガイアス様は髭を触りながら余裕の表情を一切崩さない。

「そうですね。詳しいことは明日以降にでも彼女たちの話を聞いてからということになりますが、最大限、彼女たちの希望にそった形を考えていこうと思います」
「なるほどなるほど。お主がそう考えるのであれば、それはそれで良かろう。儂もお主に協力できるところは協力するつもりじゃ。じゃがな、これだけは覚えておくがよい!自分の正体や儂らのことなどが世間に必要以上に広まった場合、決まってそれらは争いの種となってきた。と同時にその瞬間からお主は粛清対象となるから気を付けるんじゃぞ」

どうやら今の俺の様子というのが、ガイアス様は不安なのかもしれない。
確かに今回、彼女たちから話を聞いてこの世界の決まりに疑問を覚えたし、力になってあげたいとも考えた。
だが、これらを何故おかしいのか立証した場合、俺が人の世界でモンスター認定されるというのは想像がつく。
とは言っても俺の意図せずということも考えられるので、その辺りはあくまでも慎重に行動しろということなのだろう。

といったことを話しつつ、話が一段落した段階で俺とガイアス様は教会の方へ移動することにした。

★☆★☆

教会へ行くと安心したのだろう。
フローラ、ミンネの二人は机に寄りかかりながら思いっきり寝ていた。
ミンネなんて肉を握りしめ、前髪にスープがついた状態で寝ている。
ルカはどこにいるのかと見回すと、壁の隅の方でこれまた寝ていた。

「お話はお済みですか?イダ様」
「うん。まー、終わったって言うと終わったかな。あー、ごめんね。丸投げして」
「いいえ、構いません」

カロリーが食器を片付けながら答えた。

「リン、どうだった?」

俺はリンの横に座り軽く視線を向けると、声をかけられたこともあり彼女は一瞬向いた後俺にオニギリを差し出す。

「いや…別に料理の感想を聞いているわけじゃなくてな、彼女達どんな感じだった?」

俺の顔をジーっと見つめた後、ふと視線を斜め上にそらして首を振る彼女。

「たべよたべよ」
「あー…、そうだな」

んー…そういうことじゃないんだけど…
リンには、あまり言ってもなぁ…

俺はとりあえず一段落した気持ちだったので、そのまま彼女と一緒に遅めの晩御飯にすることにした。
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