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社長

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第四章、人の国

#25 清き魔術師

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こんなキモデブが女神の忠実な配下か。

女神も物好きだな。

「……。少年、今失礼なことを考えてなかったか?」

「イヤゼンゼンカンガエテナイケド?」

そもそも女神からどうやって選ばれたんだ?

自称してるだけなんじゃないか?

「ていうかその力羨ましいな。」

「ほう、この力が羨ましいですか。 この力は私の本来の力を女神の加護によってさらにひき出したものです。 生半可な人間が対抗できる力ではありません。」

「女神の加護はどうやって授かったんだ? お前転生者でもないだろう。」

「女神の加護は〈タロット》全員が授かるものなのです。ですが〈タロット〉に選ばれるのは女神様が選んだ罪を犯したことのない人間だけです。その中でも特に強大な力を持つものだけが大アルカナと呼ばれる地位につくことができるのです。」

じゃあこのキモデブは女神に気に入られた➕強大な力を持っているってことか。

「じゃあおまえはどうやってそんな強大な力を得たんだ?」

「知りたいですか? なら特別に教えてあげましょう。 あれは私が30歳の誕生日だった頃……。」

そう言って回想が始まった。







~回想~

わたしには小さい頃からの夢があった。

それは魔道士団に入って美女からチヤホヤされることだった。

32歳の頃、一度魔道士団の面接に行ったことがある。

わたしは30歳の頃から急に魔術の才能に目覚めたらしく、技術面では1位で通過できた。

だが、

「不採用。」

「な、何故ですか!? 実技は1位通過だったはずじゃ……。」

「魔道士団は全員美男美女なの。それなのに君みたいな人が入ったら魔道士団全体のイメージが悪くなるだろう。」

これほど自分の顔と体型を恨んだことはなかったです。

わたしは夢を諦め、家に引きこもり、アイドルのみかりんしか信じれないようになっていた。

金は一ヶ月に一度、ちょっと強い魔獣を倒して売って半分をみかりんに、半分を引きこもり代として生活していたのです。

そして33歳の誕生日。わたしはいつもどおりみかりんのライブ放送を見終わり、暇を持て余していた時、わたしの目の前に女神様が現れのです。

女神様はわたしにさらに魔術の才能を与えてくれ、さらには自分の配下にならないかと言われたのです。

わたしはもちろんOKし、そのまま〈タロット〉に入り、成り上がって大アルカナにまでなったのだったのでした。









俺はこの話を聞いて一つキモデブに聞きたいことができた。

「もしかして童貞?」

「あぁ、生まれてきて一度も女性と交際したことすらないがどうかしたか?」

あー、

どこかで聞いたことがある。

30歳まで童貞だったら魔法が使えるとかなんとか。

「さて、自己紹介も終わりましたしそろそろあなたを殺さなくてはいけません。」

そう言ってキモデブは服の内ポケットから一冊の本を取り出す。

そして何ページかをパラパラとめくり、

「〈断罪の書〉断罪法第15条、『自分の意思で死んだ人間以外の人間を食べることなかれ。破ったものは大罪の刑に処す。』
断罪法第1条、『罪を犯したものはそれに見合った罰を受けさせる。』
断罪法第2条、『〈タロット〉は罪人を見つけた場合、速やかに罰を実行する。
そして〈断罪の書〉裁人リストに君の顔が載っている。
以下の4つの理由から〈暴食の裁人〉グラトニーを死刑に処す。」


キモデブは本を閉じ、攻撃態勢を取った。
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