世界のためなら何度でも

つぼっち

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第八章、天へと届く鐘の音と

#101 次の戦略

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「きになる。」

ゼロがそっとお茶を注いでくれる。

女神ともしかして知り合いだったのか?

それとも一方的な片思いか?

うーん気になる。

「あ、マスター。ケーキ焼けましたけど食べますか?」

「食べるー。」

俺の悩みは一瞬で吹き飛んだ。






「二人とも、ケーキ食べてるとこ悪いけどちょっとした会議でもしよう。」

「会議、ですか。」

「そう、次の竜攻略に向けての会議だ。」

俺は本を一冊机の上に出す。

「これは昔お世話になった非人の村の『叡智の書』と呼ばれる本だ。この中に竜の文献がいくつか載っていた。」

そう言って俺はペラペラとページをめくる。

「俺たちが現在倒した竜は《震山竜》と《仙歌竜》。残りの竜は《焔帝竜》、《天鐘竜》のニ体。」

「我が主人よ、古代竜は数千年前に絶滅したのでなかったのですか?」

「ダークに聞いたところどうやら女神に会うためには古代竜を復活させて倒す必要があるらしい。」

「めんどくさいですね。」

そう言ってゼロは二切れ目のケーキを食べようとする。

「こらゼロ、二切れ目は明日しろ!!太るだろ!!」

「私はゴーレムなので太りません。」

「私も骨なので二切れ目食べてもよろしいでしょうか。」

「だめだ!!明日への楽しみにとっておけ。」

俺がそういうとゼロは渋々ケーキをフリーズドライの魔術がかけられたボックスにケーキをしまった。

「それで続きだがここから一番近いところに生息する《天鐘竜》の攻略に明後日向かう。今回は俺とゼロで、ミルドは留守番だ。」

「かしこまりました。」

「じゃあゼロ、準備を済ませておけよ。」

俺はそう言って自室に戻った。




翌日


「今日も俺の国は平和だな。」

俺は明日の竜討伐に向けて城下町に買い物に来ていた。

一度ここに来たことがあるのだがいつもの服装で行ってお祭り騒ぎになったから今日は変装して買い物をする。

「しっかしここの城下町は本当に賑わってるな。しかもいろんな店もいっぱいあるし。」

あたりを見渡すと酒場や武器屋、アイテムショップ、服屋、アクセサリー売り場に出店までありとあらゆるものがある。

「へいおっちゃん、ビールひとつ。」

「あいよ。」

俺は出店でビールを一本買って飲みながら街をぶらつく。

ビールの出店なんて元の世界では考えられなかったよな。

「マスター、昼間からお酒ですか。」

「ブフッ!!ゼロ!?」

後ろからそっと声をかけられた。

声の主は変装したゼロだった。
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