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6.いざ…

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「倍以上のペースだ」
最初に20層のボスに挑んだ時は、朝9時に16層からスタートしてここに付いたのが16時くらいだった
今日は同じくらいの時間にスタートしたけど12時半を回ったところ

「先に昼飯にしてちょっと休憩してから挑もう」
「さんせ~」
シャノンは早速地面に座り昼ご飯を取り出した
ボス部屋の前はボス部屋程ではないけど比較的安全な場所だ
だからってここで寝るとか嫌だけどな
「今日はおにぎりだ♪」
ルークは嬉しそうにおにぎりにかぶりつく
「この塩加減が最高なんだよな」
母さんのおにぎりは普段食べるのと依頼の途中に食べるので塩加減が違う
区別がつくようにオイルペーパーの色で分けてある

「前に気にせず食べたら味が変だったんだよな」
「ん?」
「いや、普段の小腹がすいたとき用のを依頼中に食べたら味が全然しなくてな」
「それ私もやったよ。依頼中用のをおやつがわりに食べたらしょっぱかったんだよね。その食べかけを依頼中に食べたら普通においしかった」
「いつも思うけど母さんってどれだけの知識もってんのかな?」
ルークの言葉に俺もシャノンも考え込んでしまった

「本読む量で言ったら父さんの方が上だよな?」
「多分」
父さんは母さんが他の事してる間も本を読んでるしな

「母さんのスキルってどんだけあるんだろ?」
「お母さんスキルを創れるんじゃなかったっけ?」
「父さんがそんなこと言ってた気がするな」
「…ってことはやっぱり規格外は母さんのせいってことだよな?」
ルークは何故かそう結論付けた

「飯と知識の話からそう結論付ける意味が分かんねーけどな」
そう言いながらも納得はしている

「1回でいいからお父さんとお母さんのステータス見てみたい」
「シャノン鑑定はどうした?」
「それが見れないんだよね」
「は?」
「ちなみにシアのも一部見れないよ。多分ランクとかの差だと思う」
「へぇ…」
「実際メリッサさんとかは見れても弾丸の他の3人もナターシャさんのも見れないの。昨日片っ端から試してたらお母さんに怒られたし」
「あぁ、無闇に人を鑑定するなって昔から言われてたな?」
ルークに言われてショボンとするシャノンに苦笑する

「頼んだら見せてくれっかなぁ?」
「ねぇ、出発までに一回頼んでみよっか」
「ダメもとで頼んでみるのは有りかもしれないな」
2人は嬉々として計画を練っていく
こういう悪だくみに近いことでは2人の意見が分かれることが無いから不思議だ

「そろそろ行くか?」
俺は話を変えるべく2人に尋ねた
2人は一瞬で纏う気を変えて立ち上がった

「シア勝負だ」
「は?」
「どっちが先に倒せるか勝負」
「…わかったよ」
何事にも発揮される負けず嫌いの気質
あれだけ子供がいれば当然なのかもしれないけど…
でもこの勝負、正直俺も楽しみだ
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