チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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1-26.続 絡まれた

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何故かさっきと別の冒険者たちに囲まれた
ギルドを出て少し歩いた場所
通りすがりの小さな子供を人質にしてリーダー格の男は言った

「こいつを傷つけたくなかったら大人しく付いてこい」
子供を抱きかかえその首筋にナイフを当てる

「ひっ…」
「おっと…泣き喚けば二度とお母さんに会えないぞ?」
耳元でそう告げられた子供はガタガタと震えながら必死で涙をこらえる
最悪だ
俺だけなら何とでもなる
でもこの子を巻き添えにするわけにはいかない

「分かったから…その子を離せ」
「お前が従うのが先だ」
別の男が2人俺の両脇を抱え込んだ
とりあえず今は黙って従うしかないか…
何とか子供を逃がす方法を考えながら従ったふりをする

「縛り上げとけ」
「ああ」
男の言葉に俺は後ろ手に手を拘束されさらに足まで縛られた
でもそれよりも問題なのは子供の方だ
心が壊れる前に逃がしてやりたい

「もうその子は関係ないだろ」
「てめぇには関係ないだろうが」
「関係ないから言ってんだよ。それとも何か?拘束された俺相手に人質が必要なほど弱い屑なのか?」
「何だと?!」
「いいことを教えてやろう。俺たちはBランクのパーティーだ。この中の3人はAランクの冒険者でもある」
「…」
「てめぇがAランクだろうと敵うと思うか?」
ニヤニヤと笑いながら言う男をただ睨みつける

「まぁ待て…確かにお前が来てくれたから人質は関係ないな」
「ああ、それに泣き叫ばれた方が面倒だ」
路地裏とは言え通りからさほど離れてはいない
そんなことを言いながら男たちは少し話合いした結果、一人が通りの方に子供を置いて戻ってきた
これで手加減は必要ない

「で、俺に何の用?」
「大した用じゃねぇな。ただ、生意気なクソガキに冒険者の世界ってのを教えてやろうと思ってな?」
そう言いながら手足を拘束された俺に殴りかかってきた

『反射』

「ぐぁ…!」
俺が受けるはずだった衝撃は本人に返る
男の顔面が殴られたように見事に歪んでいた
鼻は曲がって鼻血が流れてるし歯も何本か無くなってる
最もはに関しては元の状態をいちいち確認してないから以前からなかった可能性もあるけど…
でも自信ありげに言ってただけあって、確かに攻撃力は有りそうだ
ってかこいつこんな攻撃をガキ相手にするつもりなのかよ?

「てめぇ何しやがる!」
「…頭使おうぜ?俺はあんたたちに手足を拘束されてる。どうやって殴んだよ?」
「それは…んなことどうでもいい!」
理解できないことは相手のせいか?
今度は足が飛んでくる
それもさっきの反射で勝手に男に返る

「うわぁ…」
あの靴は痛そうだなぁ…
装飾に四角錐型の金具がこれでもかって程ついてる
実際男の足は太ももの付近のダメージが酷く流血していた
錆びてる感じだし傷口が化膿したら大変なことになりそうだ
おいおい…あれを抵抗できないガキにくらわそうとしてたのか?
でもそれを見た他の男たちが一斉に俺に向かってきた

『爆発』

“ドンッ…!”

鈍い音と共にちょっとした光が放たれた
おかげで通りから人が集まってくる
それを確認して俺は自分の拘束を解いた

「何だ?シアか?」
人ごみの中から現れたのはギルマスだった

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