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26.続 絡まれた
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「ギルマス、こいつら子供を人質にしたぞ」
「何?」
ギルマスの顔つきが険しくなった
「子どもを人質にして俺を拘束した。これがその縄」
切断された縄をギルマスに投げる
「拘束されてた?ならこいつらの傷は何なんだ?」
「念動力で反射した」
「つまり?」
「拘束して無抵抗なガキ相手にこの傷を負わせようとしたってこと」
「…」
ギルマスと共に駆けつけてきたギルド職員や一部の冒険者が息を飲む
1人分のダメージでも対外なのにそれが複数となれば相手がどうなるか、予想するのは簡単だろう
「俺じゃなかったら死んでたかも」
「最後の爆発音は?」
「空気爆発。衝撃はあるけど外傷はない。そいつらの外傷は反射で返った分」
「こいつらは何か言ってたか?」
「Aランクを3人含めたBランクパーティー。生意気なクソガキに冒険者の世界を教えたかったらしいよ」
「…」
「無関係な子ども人質に取っといてよく言うよな?俺、高ランクの屑これ以上見たくないんだけど?」
目を泳がせたギルマスは俺が何を言いたいかわかったんだろう
「こいつらの冒険者資格ははく奪。犯罪奴隷行き、だな」
「そっか。二度と無関係の子供がこいつらの屑精神に巻き込まれないならいいや。じゃぁ俺帰ってもいい?」
「かまわん。何かあった時は協力してくれ」
「了解。じゃーねー」
俺はもう関係ないその場から立ち去った
「ただいまー」
「シア、無事で良かったわ…」
家に帰ると母さんに抱きしめられた
その後ろには心配そうな顔をした皆がいた
「…なんで?」
「ギルマスとも通信機で連絡が取れるからな」
カルムさんがため息交じりに言った
そう言えば前のスタンピード以来持たされてるんだっけ…
それを使ってギルマスは真っ先に連絡したってことか
「そんなに心配しなくてもちょっと絡まれただけだって」
俺が笑いながらそう言うと皆ホッとしたように息をつく
本当、俺は恵まれてるよな
「本当に大丈夫なのね?」
「大丈夫。それより腹減ったんだけど」
「はは…シアらしいな。ほら、皆飯だ」
トータさんの言葉に笑いが零れて皆がリビングに戻っていく
「…父さん?」
母さんも準備すると張り切って戻って行った後、父さんだけがその場に残って俺を見てた
「子どもが人質になったと聞いた」
父さんはそう言いながら俺を抱きしめる
あぁ、だから母さんもあんなに心配そうにしてたのか…
「大丈夫だよ。あいつらに腹は立ったけど…」
「そうか…」
「ただ…あの子がこの先怯えなきゃいいとは思う」
恐怖は簡単には消えないから
「そうだな。そう思えるお前を誇りに思うよ。きっとその子供には守ってくれる人がいるはずだ。勿論お前にもな」
これは…気付かれてるんだろうな
俺も本当は怖いんだ
あの日の夢を見る気がするから…
でもこうやって気付いてくれる父さんがいるから大丈夫な気がする
「父さん」
「何だ?」
「今日、父さんと一緒に寝ていい?」
「ああ」
父さんはそう言って頭をなでるとようやく体を離してくれた
「何?」
ギルマスの顔つきが険しくなった
「子どもを人質にして俺を拘束した。これがその縄」
切断された縄をギルマスに投げる
「拘束されてた?ならこいつらの傷は何なんだ?」
「念動力で反射した」
「つまり?」
「拘束して無抵抗なガキ相手にこの傷を負わせようとしたってこと」
「…」
ギルマスと共に駆けつけてきたギルド職員や一部の冒険者が息を飲む
1人分のダメージでも対外なのにそれが複数となれば相手がどうなるか、予想するのは簡単だろう
「俺じゃなかったら死んでたかも」
「最後の爆発音は?」
「空気爆発。衝撃はあるけど外傷はない。そいつらの外傷は反射で返った分」
「こいつらは何か言ってたか?」
「Aランクを3人含めたBランクパーティー。生意気なクソガキに冒険者の世界を教えたかったらしいよ」
「…」
「無関係な子ども人質に取っといてよく言うよな?俺、高ランクの屑これ以上見たくないんだけど?」
目を泳がせたギルマスは俺が何を言いたいかわかったんだろう
「こいつらの冒険者資格ははく奪。犯罪奴隷行き、だな」
「そっか。二度と無関係の子供がこいつらの屑精神に巻き込まれないならいいや。じゃぁ俺帰ってもいい?」
「かまわん。何かあった時は協力してくれ」
「了解。じゃーねー」
俺はもう関係ないその場から立ち去った
「ただいまー」
「シア、無事で良かったわ…」
家に帰ると母さんに抱きしめられた
その後ろには心配そうな顔をした皆がいた
「…なんで?」
「ギルマスとも通信機で連絡が取れるからな」
カルムさんがため息交じりに言った
そう言えば前のスタンピード以来持たされてるんだっけ…
それを使ってギルマスは真っ先に連絡したってことか
「そんなに心配しなくてもちょっと絡まれただけだって」
俺が笑いながらそう言うと皆ホッとしたように息をつく
本当、俺は恵まれてるよな
「本当に大丈夫なのね?」
「大丈夫。それより腹減ったんだけど」
「はは…シアらしいな。ほら、皆飯だ」
トータさんの言葉に笑いが零れて皆がリビングに戻っていく
「…父さん?」
母さんも準備すると張り切って戻って行った後、父さんだけがその場に残って俺を見てた
「子どもが人質になったと聞いた」
父さんはそう言いながら俺を抱きしめる
あぁ、だから母さんもあんなに心配そうにしてたのか…
「大丈夫だよ。あいつらに腹は立ったけど…」
「そうか…」
「ただ…あの子がこの先怯えなきゃいいとは思う」
恐怖は簡単には消えないから
「そうだな。そう思えるお前を誇りに思うよ。きっとその子供には守ってくれる人がいるはずだ。勿論お前にもな」
これは…気付かれてるんだろうな
俺も本当は怖いんだ
あの日の夢を見る気がするから…
でもこうやって気付いてくれる父さんがいるから大丈夫な気がする
「父さん」
「何だ?」
「今日、父さんと一緒に寝ていい?」
「ああ」
父さんはそう言って頭をなでるとようやく体を離してくれた
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