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3-112.呼びだし
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『…ボクと契約してくれない…かな?』
「契約?」
妖精との契約
確か母さんとバルドさんがシナイとしてるヤツだよな?
契約することで加護が受けれるんだっけ
「確か…離れた場所にいてもお互いの場所に呼ぶことも出来るんだったか?」
さっき闇属性の妖精がくれた祝福は妖精が気に入った人に授けるもので、その属性のスキルや耐性がもらえる…
闇?
俺は思わずステータスを確認した
スキルの欄にしっかり闇魔法が追加されていた
…と、それよりも今は妖精だ
「つまりその貴族に見つかったり捕まった時に俺が呼ばれるってことか」
『…やっぱりだめだよね…』
本来気まぐれな妖精は人間の意思を無視することの方が多い
それでもここまで怯えているのは貴族のせいなんだろうなぁ…
「そういうことなら別にいいんだけど…」
『ほんとう?』
「ああ。ただ、レティとも契約してもらえるか?」
「え?シア?」
妖精よりもレティの方が驚いている
「俺は大抵レティと行動してるからな。俺だけ呼ばれるとレティを残していくことになる。普段は問題ないけどそれがダンジョンの中とかだとちょっとな」
『だからレティシアナとも契約して、呼ぶ時は一緒に?』
「ああ」
『呼んでも…いい?』
「かまわない。お前がこれ以上傷付く方が嫌だからな」
沢山いる中の1人であっても妖精は俺にとって身近な存在だ
何だかんだと助けてもらってることもあるから、出来ることがあるのにこっちが助けないなんてありえない
「そういうことなら私もいいよ」
レティがそう続けた途端、澄んだ空気に包まれたと思ったらステータスに加護が追加されていた
名前はクロムとつけた
「契約も完了したし俺達はそろそろ帰るよ。あ、クロムは一旦一緒に来てくれるか?」
『いいの?』
「ん?来たかったけど遠慮してた感じか?」
『うん…迷惑かなって』
「気にしなくていい。お前らもいつでもくればいいって母さんからも言われてるだろ?」
『サラサいつも中に入っていいって言うよー』
『ずっといても嫌な顔しないよー』
口々に飛んでくるのはそんな言葉
実際物心ついたころから家の中のいたるところに妖精がいたもんな
「そういうこと。クロムは魔法で回復したとはいえ何が起こるかわからない。しばらく俺の側にいた方がいいと思ってな」
『…うん。シアといたい』
すり寄るというよりはしがみ付くような様子に、その貴族に対する怒りがこみ上がる
「クロム飛べるか?」
片足を失った状態で上手く飛べるのだろうかと問いかけてみた
クロムは飛ぼうとしてるみたいだけど浮くところまでは出来てもバランスがとりづらいのかふらふらしていた
「とりあえず慣れるまでは俺に捕まってるか?それともリトスと一緒にポーチに入ってるって手もあるけど」
俺がそう言うと自分の名前が呼ばれたのに気づいたのかリトスがポーチから顔を出す
『ポーチのなか、きもちいーよー。でもシアのかたのうえもすきー』
「はは…そうか」
これは地味に嬉しい
「ま、その時の気分で好きな場所に居ればいい」
『ありがとぉ』
何とか肩の上にたどり着きそこに落ち着いたらしい
「じゃぁ行くな」
『ありがとーシア』
『また遊びに行くねー』
『レティシアナもまた来てねー』
口々にささやく妖精に見送られて俺達は家に戻った
「契約?」
妖精との契約
確か母さんとバルドさんがシナイとしてるヤツだよな?
契約することで加護が受けれるんだっけ
「確か…離れた場所にいてもお互いの場所に呼ぶことも出来るんだったか?」
さっき闇属性の妖精がくれた祝福は妖精が気に入った人に授けるもので、その属性のスキルや耐性がもらえる…
闇?
俺は思わずステータスを確認した
スキルの欄にしっかり闇魔法が追加されていた
…と、それよりも今は妖精だ
「つまりその貴族に見つかったり捕まった時に俺が呼ばれるってことか」
『…やっぱりだめだよね…』
本来気まぐれな妖精は人間の意思を無視することの方が多い
それでもここまで怯えているのは貴族のせいなんだろうなぁ…
「そういうことなら別にいいんだけど…」
『ほんとう?』
「ああ。ただ、レティとも契約してもらえるか?」
「え?シア?」
妖精よりもレティの方が驚いている
「俺は大抵レティと行動してるからな。俺だけ呼ばれるとレティを残していくことになる。普段は問題ないけどそれがダンジョンの中とかだとちょっとな」
『だからレティシアナとも契約して、呼ぶ時は一緒に?』
「ああ」
『呼んでも…いい?』
「かまわない。お前がこれ以上傷付く方が嫌だからな」
沢山いる中の1人であっても妖精は俺にとって身近な存在だ
何だかんだと助けてもらってることもあるから、出来ることがあるのにこっちが助けないなんてありえない
「そういうことなら私もいいよ」
レティがそう続けた途端、澄んだ空気に包まれたと思ったらステータスに加護が追加されていた
名前はクロムとつけた
「契約も完了したし俺達はそろそろ帰るよ。あ、クロムは一旦一緒に来てくれるか?」
『いいの?』
「ん?来たかったけど遠慮してた感じか?」
『うん…迷惑かなって』
「気にしなくていい。お前らもいつでもくればいいって母さんからも言われてるだろ?」
『サラサいつも中に入っていいって言うよー』
『ずっといても嫌な顔しないよー』
口々に飛んでくるのはそんな言葉
実際物心ついたころから家の中のいたるところに妖精がいたもんな
「そういうこと。クロムは魔法で回復したとはいえ何が起こるかわからない。しばらく俺の側にいた方がいいと思ってな」
『…うん。シアといたい』
すり寄るというよりはしがみ付くような様子に、その貴族に対する怒りがこみ上がる
「クロム飛べるか?」
片足を失った状態で上手く飛べるのだろうかと問いかけてみた
クロムは飛ぼうとしてるみたいだけど浮くところまでは出来てもバランスがとりづらいのかふらふらしていた
「とりあえず慣れるまでは俺に捕まってるか?それともリトスと一緒にポーチに入ってるって手もあるけど」
俺がそう言うと自分の名前が呼ばれたのに気づいたのかリトスがポーチから顔を出す
『ポーチのなか、きもちいーよー。でもシアのかたのうえもすきー』
「はは…そうか」
これは地味に嬉しい
「ま、その時の気分で好きな場所に居ればいい」
『ありがとぉ』
何とか肩の上にたどり着きそこに落ち着いたらしい
「じゃぁ行くな」
『ありがとーシア』
『また遊びに行くねー』
『レティシアナもまた来てねー』
口々にささやく妖精に見送られて俺達は家に戻った
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