チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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3-137.念願のスライム

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微妖精のおかげで探し出した本を片っ端から読みあさってから、魔法のスキル上げはすこぶる順調だった
暇さえあれば反対属性魔法をぶつけ合って相殺してる俺を父さんがじっと見ていた
「父さんなんか言いたいことあるんだったら言ってくれた方がすっきりするんだけど?」
どうも居心地が悪くて魔法を発動する手を止める

「悪い。別に何でもないんだ。ただ…」
「ただ?」
「懐かしいと思ってな」
「懐かしい?」
俺自身には懐かしがられることに心当たりがない
記憶をたどりながら首をかしげていると別の声がした
「確かに懐かしいな」
「カルムさんまで…」
一体何なんだ?
「サラサがよくそうやってレベル上げしてたんだよ」
「母さんが?」
「ああ。暇さえあれば反対属性の魔法ぶつけて相殺してたな」
「時々ミスってこっちに飛んで来た時は焦った」
「そんなこともあったな」
2人で懐かしそうに当時あった出来事を引っ張り出しては笑ってるのを俺はただ見ていた

「魔法を使いたくて仕方ない、そんなシアに丁度いい依頼が来てるぞ」
「俺に?」
突然話題を変えたカルムさんを思わずガン見した
「お前にという指定はない」
「へ?」
疑問符が大量いに浮かんだ
「コーラルからだ。研究目的で繁殖させてたスライムが突然変異をしたらしい」
「スライムの突然変異?」
「与える餌で違う進化を遂げるってとこまでは良かったらしいが爆発的に増殖して手に負えないとさ」
「…」
与える餌で違う進化をって…どんな研究してんだよ?
「しかも爆発的に繁殖してるのはステータスが異常に高いやつらしい」
「げ…でも所詮スライムだろ?」
「そうなんだがな、属性が様々で困ってるらしいぞ」
属性が様々…
その言葉に俺は無意識のうちに反応していたらしい
「どうする?」
「…行く」
即答するとカルムさんは爆笑しながら詳細を書いた手紙を渡してくれた
スライムが大量にいるならレティの望む色も1体くらいいるかもしれない
「ルークとシャノンは既に出たあとだからレティと行ってくる。その場の個体は好きにしていいってことは契約獣にしても問題ないってことであってる?」
「ああ、いいんじゃないか?」
「そうか…色んな進化させてるなら面白そうだな」
「確かに…俺らも行くか」
何か最強の討伐隊になりそう?
ちょっと引きそうになりながらレティとリアン達を呼んだ

「どこか行くの?」
「ああ、コーラルさん案件でスライム退治」
「スライム?」
レティはスライム程度で何で?とでも言いたげな顔をする
「研究してるスライムが増殖してるらしい。色んな進化しててステータスが高いのもいるってさ」
「色んな進化…」
レティの目に期待が浮かぶ
「リアンには俺達と父さん、あとカルムさんを運んで欲しい」
『承知した』
リアンは答えるなり庭に出て本来のサイズに戻った
「リトスとクロムはどうする?チビ達と遊んでてもいいけど」
『いくー』
『ボクも行く』
2人共答えながらポーチに飛び込んだ
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