チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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3-137.念願のスライム

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手紙で伝えられていた場所に行くととんでもなくでかい建物があった
「ここであってるんだよな?」
「国の研究施設だからな。この規模にもなるだろう」
国の研究施設でスライムの研究…
なんとも言えない残念さがある
「すごいことになってるけど…」
レティの言葉に俺達も同意する
建物の中ではひしめくように大量のスライムがうごめいていた
数は当然のことながらその大きさも色も多種多様で目がチカチカする
入り口付近で研究員たちが必至に出て来るスライムを倒しているのが見て取れる

「レティ、気に入ったのは契約獣にしてもいいってさ」
「本当?」
「ああ。父さんも面白そうなのがいたら契約するつもりで来てる。カルムさんは見に来ただけ?」
「まぁ俺は従魔契約出来ないからな。面白そうなのはレイに契約してもらうつもりではいるが」
「…分かったよ」
「けど倒しながら契約は骨が折れそう」
「時間遅延のないバッグに入れとくのが手っ取り早いが…」
「あ、なるほど」
時間遅延が無ければ生き物も入れられるんだっけ
インベントリは時間を止めることは出来ても亜空間だから生き物は入れられない
植物は何故か大丈夫だけど

たしか拡張機能だけのバックがいくつか…
「レティこれ使え。拡張機能だけのやつ」
「ありがと」
バッグを渡すとすぐ身につける
「何だよ、いいの持ってるじゃないか」
「カルムさんも使うなら」
「…もう一個あるか?」
カルムさんに渡していると父さんが聞いてきた
「あるよ。はい」
「受け取っといてなんだが何でこんなにあるんだ?」
「エンドレスで出たから?」
「「あー」」
父さんとカルムさんが遠い目をしたけど俺は悪くないはず
「あと5個あるけどトータさんたちのもいる?」
「…あったら何かと使えそうだな?」
「そうだな。時間遅延ナシは意外と出ないし」
そうだったっけ?ならシャノンとルークにも渡しとくか…
最後の一つはヘンリーかな?
時間遅延はともかくパーティーの中でヘンリーしかマジックバッグを持ってなかったはずだしな
『暁』はマリクとリアムの2人が持ってるから容量的にはマシなはずだ
そんなことを考えながら
2つを追加で父さんに渡した

「とりあえず、めぼしいのは片っ端から取っといて後でじっくり見ながら契約ってことで」
「そうだな。そろそろ奴らも限界だろうし」
カルムさんの目は研究員たちに向けられていた
俺達は示し合わせてから研究員たちの元に向かった

「コーラルの依頼で来た『弾丸』と『無限』のメンバーだ。ここからは俺達が引き受ける」
カルムさんがそう言うと研究員たちが力尽きたようにその場に崩れ落ちた
「全滅させていいと聞いてるが?」
「はい!全てのサンプル個体は別の場所に隔離してるので問題ありません」
「了解。あんたらは休んでな」
そう言うなり父さんは入り口付近のスライムを一気に片付けた
「リトスこの建物自体に結界張ってくれ。スライムが逃げ出さないように」
『わかった―』
リトスはポーチから出てきて嬉々として魔法を放つ
「結界をそういう使い方するか…」
「取り逃がしたらまずそうだしね」
増殖する個体が外に出れば俺達でも収集が付かなくなりそうだし
「俺達はこのフロアから下に向かう。お前らは上を頼む」
「はい」
「了解」
2手に分かれて駆除を開始する

「お、こいつ見るからに木じゃねぇか」
「こっちは皮だぞ?」
背後から父さん達の声がする
「俺達が楽しみながら駆除してると知ったら研究員はどんな反応するかな?」
「…それは知らない方が幸せってくらいの反応になりそう。あ、これ可愛い」
レティがそう言いながらバッグに入れたのは桜色
俺はあえて属性を変えながら一体ずつ駆除していく
その合間にレティの目と同じ色の個体を見つけるとすかさずバッグに入れた
運のいいことにステータスの高い個体だ
ついでにチビ達の目の色に合わせて確保することにした
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