369 / 439
4-145.連れ去られた
3
しおりを挟む
「ここだ…」
ひときわ大きな屋敷の前でリアンから降りる
『シアー2かいのひだりのかどのへやがへん』
リトスが首を出してそう言った
「そこだ」
俺は飛び上がると窓に向かって突っ込んだ
『爆発(物質の拡散)』
窓にぶつかる直前物質自体を破壊する
「リトス」
リトスはこの部屋の結界を解除した
『わかったー』
何も言わなくても理解してくれるのは助かる
その瞬間目に飛び込んできたのは上半身の服をはぎ取られたレティの姿だった
男の様子を見れば最悪の事態にはまだ陥っていない
でも…
「クソ!」
吐き捨ててそのまま怒りと共に男を殴り飛ばした
「な…?!」
何が起きたのか理解できないまま壁に激突してそのまま床まで落ちていく
「レティ!」
「シア…ごめ…なさ…」
謝る必要なんてないのに…
『爆発』
全ての錠を破壊してガタガタと震えるレティを強く抱きしめる
「血を抜かれただけか?」
「ん…」
「…間に合ってよかった」
「シア…!!」
しがみ付いて泣き出したレティに取り出した上着をかけてやる
「もう大丈夫だから」
そのままレティを抱き上げて男の前に立った
「何なんだお前は…ここは結界が…」
「覚悟は出来てるんだろうな?」
「覚悟だと?貴様俺を誰だと思ってる?この国の公爵だぞ!?」
「だから何だ?」
身を乗り出してきた男の肩を蹴って壁に押し付ける
男の体は簡単に壁にめり込んだ
「ぐ…」
変な音がしたから骨まで行ったか?
関係ないけど
「とりあえずこんな下種なことが二度とできないようにしないとな」
そう言いながら男の一物を踏み潰す
魔物の断末魔のような悲鳴が上がった
『フル―フ(呪い)』
「な…にを…」
浜に打ち上げられた魚みたいな男は必至で聞いてくる
「神殿でもポーションでも再生できないようにしただけだ」
俺の呪いをとける光魔法の使い手は数えるほどしかいない
そのうちの一人は母さんだし、他の使い手がこのくずの望みを叶える可能性は低い
「レティは龍神族である以前に『無限』のメンバーだ。コーラルさん以外の貴族が関わるのは許されていないはずだが?」
「無…げん?」
男がガタガタと震えだす
「とりあえずこんなふざけた屋敷は潰させてもらう」
多分結界はこの部屋だけじゃないだろう
それ以外にも色々魔道具が仕掛けられてる気がする
それを一つ一つ探すより屋敷ごと破壊した方が早い
「な…?!待て!屋敷は…!」
『けっかいはったよ』
リトスが言った
「ありがとな」
あとで果物を好きなだけ食わせてやろう
『爆発』
この敷地内のすべてを対象にして念動力を発動させると物質だったものは全て消え去った
一瞬で更地に戻ったその場所の一角に放り出された使用人たちが集まり震えているのが分かる
アイツらも無関係とは言わせない
「リトス、あいつらが逃げれないように結界を頼む」
『わかったー』
リトスがすでに逃げようとしていた者の行く手を遮るかのように結界を張った
見えない壁に阻まれて、その見えない壁を叩いている男の姿が見える
「誰が逃がすか」
逃げて終わりになんて絶対にさせない
そう吐き捨てた時大きな魔力が向かってきた
ひときわ大きな屋敷の前でリアンから降りる
『シアー2かいのひだりのかどのへやがへん』
リトスが首を出してそう言った
「そこだ」
俺は飛び上がると窓に向かって突っ込んだ
『爆発(物質の拡散)』
窓にぶつかる直前物質自体を破壊する
「リトス」
リトスはこの部屋の結界を解除した
『わかったー』
何も言わなくても理解してくれるのは助かる
その瞬間目に飛び込んできたのは上半身の服をはぎ取られたレティの姿だった
男の様子を見れば最悪の事態にはまだ陥っていない
でも…
「クソ!」
吐き捨ててそのまま怒りと共に男を殴り飛ばした
「な…?!」
何が起きたのか理解できないまま壁に激突してそのまま床まで落ちていく
「レティ!」
「シア…ごめ…なさ…」
謝る必要なんてないのに…
『爆発』
全ての錠を破壊してガタガタと震えるレティを強く抱きしめる
「血を抜かれただけか?」
「ん…」
「…間に合ってよかった」
「シア…!!」
しがみ付いて泣き出したレティに取り出した上着をかけてやる
「もう大丈夫だから」
そのままレティを抱き上げて男の前に立った
「何なんだお前は…ここは結界が…」
「覚悟は出来てるんだろうな?」
「覚悟だと?貴様俺を誰だと思ってる?この国の公爵だぞ!?」
「だから何だ?」
身を乗り出してきた男の肩を蹴って壁に押し付ける
男の体は簡単に壁にめり込んだ
「ぐ…」
変な音がしたから骨まで行ったか?
関係ないけど
「とりあえずこんな下種なことが二度とできないようにしないとな」
そう言いながら男の一物を踏み潰す
魔物の断末魔のような悲鳴が上がった
『フル―フ(呪い)』
「な…にを…」
浜に打ち上げられた魚みたいな男は必至で聞いてくる
「神殿でもポーションでも再生できないようにしただけだ」
俺の呪いをとける光魔法の使い手は数えるほどしかいない
そのうちの一人は母さんだし、他の使い手がこのくずの望みを叶える可能性は低い
「レティは龍神族である以前に『無限』のメンバーだ。コーラルさん以外の貴族が関わるのは許されていないはずだが?」
「無…げん?」
男がガタガタと震えだす
「とりあえずこんなふざけた屋敷は潰させてもらう」
多分結界はこの部屋だけじゃないだろう
それ以外にも色々魔道具が仕掛けられてる気がする
それを一つ一つ探すより屋敷ごと破壊した方が早い
「な…?!待て!屋敷は…!」
『けっかいはったよ』
リトスが言った
「ありがとな」
あとで果物を好きなだけ食わせてやろう
『爆発』
この敷地内のすべてを対象にして念動力を発動させると物質だったものは全て消え去った
一瞬で更地に戻ったその場所の一角に放り出された使用人たちが集まり震えているのが分かる
アイツらも無関係とは言わせない
「リトス、あいつらが逃げれないように結界を頼む」
『わかったー』
リトスがすでに逃げようとしていた者の行く手を遮るかのように結界を張った
見えない壁に阻まれて、その見えない壁を叩いている男の姿が見える
「誰が逃がすか」
逃げて終わりになんて絶対にさせない
そう吐き捨てた時大きな魔力が向かってきた
135
あなたにおすすめの小説
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、そして政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に行動する勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、そして試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私が、
魔王討伐の旅路の中で、“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
社畜をクビになった俺のスキルは「根回し」だけど、異世界では世界最強の裏方でした
cotonoha garden
ファンタジー
派手な攻撃魔法も、伝説級のチートもない。
社畜生活で身につけたのは、会議前の根回しと、空気を読みながら人と人をつなぐ段取り力――そして異世界で手に入れたスキルもまた、「根回し」だけだった。
『社畜の俺がもらったスキルは「根回し」だけど、なぜか世界最強らしい』は、
・追放・異世界転移ものが好き
・けれどただのざまぁで終わる話では物足りない
・裏方の仕事や調整役のしんどさに心当たりがある
そんな読者に向けた、“裏方最強”系ファンタジーです。
主人公は最初から最強ではありません。
「自分なんて代わりがきく」と思い込み、表舞台に立つ勇気を持てないままクビになった男が、異世界で「人と人をつなぐこと」の価値に向き合い、自分の仕事と存在を肯定していく物語です。
ギルド、ステータス、各国の思惑――テンプレ的な異世界要素の裏側で、
一言の声かけや、さりげない段取りが誰かの人生と戦争の行方を変えていく。
最後には、主人公が「もう誰かの歯車ではなく、自分で選んだ居場所」に立つ姿を、少しじんわりしながら見届けられるはずです。
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる