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7.新しい生活
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「…アリシャナの意外な一面を見た気がする」
店を出るなりテオが言う
「本当よね。あんな流れになるなんて初めてのことだわ」
オードリーも驚いたわという
「そういえばイライザ様とはどういう関係なんだ?」
「10歳で魔術師団に入った時に帝王が付けてくださった教師の一人なんです」
「教師?」
「ええ。一応、帝王管轄の機関で働くということで、最低限のマナーや様々な知識を教えて下さる先生方をつけていただけたんです。もっとも、私には先代の知識があるのでほとんど必要なかったんですけど」
アリシャナは苦笑しながらそう言った
「全然、じゃなく?」
テオは変わったところに引っ掛かりを覚えたようだ
「ええ。時代と共に変わることもたくさんあるから、その情報のすり合わせには役立ったわ」
「そっか。確かに時と状況で変わることもあるもんね」
なるほど~と妙に感心している
「教師ってだけじゃなさそうだったのは気のせいか?」
エイドリアンの言葉にアリシャナが出会った驚いた顔をする
「リアン様は流石に鋭いですね。イライザ様は母のことをご存知だったようで、いつもとても気にかけてくれてたんです。出会った頃は、私の目を見て話をしてくれるただ一人の方でした」
「出会った頃は?」
「魔術師団に入ってしばらくすると元父の側近の方たちが娘のように気にかけてくださったので」
「そうか…」
エイドリアンはどこかやりきれない顔をする
「次はこのお店よ」
少し沈んだ空気を換えるようにオードリーがそう言いながら店はいる
「オードリー様、ようこそいらっしゃいました」
店主が笑顔で迎えてくれる
「エイドリアン様もテオさまも随分大きくなられましたね?」
「そうでしょう?今日はエイドリアンの元に嫁いできてくれたアリシャナを連れてきたの」
「アリシャナ様…まさか月の女神の異名を持つお方でしょうか?」
「そのアリシャナよ」
店主と楽し気に話すオードリーにエイドリアンとアリシャナは顔を見合わせる
「今日はアリシャナの宝飾品を揃えに来たのよ。エイドリアンの色…ゴールドとエメラルドの入ったものを見せてもらえる?」
「承知しました」
店主は指定された色の宝飾品をケースから出し並べていく
その様子を見ながらアリシャナが一瞬顔を顰めたのを気付く者はいない
「この辺りになりますが…」
店主は一通り出してそう言った
「そうねぇ…」
オードリーが食い入るようにそれぞれの品を見る
「あ、これは?シンプルだけどアリシャナに似合いそう」
テオが繊細なデザインの首飾りを指さした
「流石お目が高い。そちらは限定品で3本しか作られていないものでございます」
「まぁ、それは素敵ね。アリシャナはどう思う?」
そう尋ねられたアリシャナはしばらく何かを考えるそぶりを見せていた
店を出るなりテオが言う
「本当よね。あんな流れになるなんて初めてのことだわ」
オードリーも驚いたわという
「そういえばイライザ様とはどういう関係なんだ?」
「10歳で魔術師団に入った時に帝王が付けてくださった教師の一人なんです」
「教師?」
「ええ。一応、帝王管轄の機関で働くということで、最低限のマナーや様々な知識を教えて下さる先生方をつけていただけたんです。もっとも、私には先代の知識があるのでほとんど必要なかったんですけど」
アリシャナは苦笑しながらそう言った
「全然、じゃなく?」
テオは変わったところに引っ掛かりを覚えたようだ
「ええ。時代と共に変わることもたくさんあるから、その情報のすり合わせには役立ったわ」
「そっか。確かに時と状況で変わることもあるもんね」
なるほど~と妙に感心している
「教師ってだけじゃなさそうだったのは気のせいか?」
エイドリアンの言葉にアリシャナが出会った驚いた顔をする
「リアン様は流石に鋭いですね。イライザ様は母のことをご存知だったようで、いつもとても気にかけてくれてたんです。出会った頃は、私の目を見て話をしてくれるただ一人の方でした」
「出会った頃は?」
「魔術師団に入ってしばらくすると元父の側近の方たちが娘のように気にかけてくださったので」
「そうか…」
エイドリアンはどこかやりきれない顔をする
「次はこのお店よ」
少し沈んだ空気を換えるようにオードリーがそう言いながら店はいる
「オードリー様、ようこそいらっしゃいました」
店主が笑顔で迎えてくれる
「エイドリアン様もテオさまも随分大きくなられましたね?」
「そうでしょう?今日はエイドリアンの元に嫁いできてくれたアリシャナを連れてきたの」
「アリシャナ様…まさか月の女神の異名を持つお方でしょうか?」
「そのアリシャナよ」
店主と楽し気に話すオードリーにエイドリアンとアリシャナは顔を見合わせる
「今日はアリシャナの宝飾品を揃えに来たのよ。エイドリアンの色…ゴールドとエメラルドの入ったものを見せてもらえる?」
「承知しました」
店主は指定された色の宝飾品をケースから出し並べていく
その様子を見ながらアリシャナが一瞬顔を顰めたのを気付く者はいない
「この辺りになりますが…」
店主は一通り出してそう言った
「そうねぇ…」
オードリーが食い入るようにそれぞれの品を見る
「あ、これは?シンプルだけどアリシャナに似合いそう」
テオが繊細なデザインの首飾りを指さした
「流石お目が高い。そちらは限定品で3本しか作られていないものでございます」
「まぁ、それは素敵ね。アリシャナはどう思う?」
そう尋ねられたアリシャナはしばらく何かを考えるそぶりを見せていた
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