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キオクノカケラ
第4話
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「李砂」
「・・・拓弥は?」
予期せぬ言葉に3人は顔を見合わせる
記憶を失ってから李砂が拓弥を呼び捨てにする事は無かった
「拓弥泣いてる・・・」
「李砂あなた・・・」
母が手を握り締める
「・・・亜紀・・・」
その言葉に3人の顔が引きつる
「亜紀はどうしてるの?」
「・・・」
「私が悪かったの・・・私が亜紀を傷つけた・・・」
「李砂?」
「亜紀に拓弥が好きだから協力してって言われた時私本当の事が言えなかった。協力する振りして誤魔化してた。それが亜紀にばれて・・・」
李砂の目から涙が零れた
「俊お願い。拓弥と亜紀呼んで?」
「・・・わかった」
俊は頷くと病室を飛び出して行った
長い沈黙が続いていた
「お父さん、お母さんも亜紀を責めないで?亜紀にあんな事させたのは私・・・」
「李砂・・・」
「そんな自分が嫌ですべて忘れてしまいたかった・・・」
「・・・その思いが強すぎて事件の関係者だけ忘れたって?」
ドアが開いて責めるような声がした
「拓弥・・・」
「・・・俺がわかるか?俺はお前とずっと一緒にいた。間違っても高校が出会いじゃない」
拓弥の言葉にうなづく
「ごめんね拓弥・・・」
「バカヤロウ・・・」
拓弥は李砂を抱き起こすと強く抱きしめた
「ありがとう。拓弥の事忘れた私をずっと守ってくれて」
「お前が俺の事忘れても俺の中のお前の存在が消えるわけじゃ・・・」
拓弥の震える声に李砂は拓弥の背中に手を回す
「このまま聞いてくれる?」
「?」
「あの日の事。多分皆勘違いしてると思う」
「勘違いも何も4人で寄ってたかってお前を痛めつけた。4人ともそれを警察で認めてそれなりの処分も・・・」
「違うの。悪いのは私なの・・・」
「李砂?」
母親が不安そうに季砂を見る
「・・・あの日亜紀に問い正されたの。拓弥と付き合ってるって本当かって。でもその時ですら私本当の事を言えなかった。亜紀に協力するって言ったあの日から数え切れないくらいの嘘をついて亜紀を傷つけてた」
「・・・」
「あの日だって亜紀は本当の言葉聞きたくて問いただしたんだって分かってたのに・・・。なのに私は逃げて亜紀を裏切った。怒った亜紀に突き飛ばされてたまたま窓ガラスにぶつかって頭からその破片をかぶったの」
「でもあいつらはそんなお前をよってたかって・・・」
「違う。4人は私の体に刺さったガラスの破片を取ってくれてた」
「え?」
その場にいた4人は顔を見合わせる
「亜紀が何度も謝りながら震える手でガラス取ってくれるの見て自分が情けなくて・・・そんな自分が嫌で逃げ出したくなった。その場にいるのが怖かった・・・」
季砂は話続けた
「4人はその場から逃げ出そうとした私を止めてくれてただけなの。動けばガラスが食い込むからって・・・」
季砂の口から解き明かされる真実に驚きをかくせない
「私・・・そんな自分が惨めで・・・皆を傷つけて取り返しつかない事して・・・本当にごめんなさい・・・」
最後はもう声になっていなかった
李砂は拓弥から離れて拓弥の目を見た
「こんな最低な私拓弥に大事にされる資格ないよね・・・思い続けてもらえるなんて思ってないから・・・拓弥の思った通りにしてくれていいから・・・」
「季砂・・・」
「馬鹿じゃないの?」
突然の声にみんなが声のした方を見る
「あ・・・き・・・?」
「そんな嘘つかれても嬉しくない」
「嘘?」
俊がたずねる
「今季砂が言ったことの後半部分は嘘だもん。私たちは季砂を・・・」
「・・・」
「悔しかった。季砂が拓弥と付き合ってた事よりも嘘つかれた事が。信じてたから余計にショックだった」
「亜紀・・・」
「確かに季砂がガラスかぶったのは偶然だった。でも一瞬いい気味だって思っちゃったんだもん。だけど止まらない血を見てどうしていいか分からなくて・・・ずっと後悔してた」
「ごめ・・・亜紀・・・」
「謝るのは私。まさか忘れられちゃうくらい傷つけてたなんて・・・本当にごめんなさい」
亜紀の目から涙がこぼれていた
「・・・もういいじゃない」
「お母さん?」
「2人とも傷つけたくてそうしたわけじゃないんだし・・・」
「そうだな。真実は二人の胸にしまっておきなさい」
「おじさん・・・」
「そうだよ季砂。俺はお前が笑ってたらそれでいい」
「拓弥・・・でも・・・」
李砂はためらう
「馬鹿季砂。肝心な時に素直になれなかったら今度こそ本当に大切なもの失っちゃうよ?」
「亜紀・・・」
「私は拓弥に失恋した事より季砂に忘れられた事の方が辛かった。だから私に気を使う事なんてないよ?」
「・・・ありがと亜紀・・・俊君もお父さんもお母さんも・・・拓弥も・・・皆ありがと・・・」
李砂は泣きながら頭を下げる
「季砂」
「?」
「これからも友達でいてくれる?」
亜紀がまっすぐ季砂の目を見てたずねた
「・・・私のほうこそ友達でいてくれる?」
李砂は同じようにたずね返した
「馬鹿・・・」
亜紀はそう言ってくしゃくしゃの笑顔を見せた
「・・・これでやっともとのお前らが見れる」
俊がつぶやくように言った
「俊」
「?」
「お前もこの辺で素直になっとけば?」
「な・・・んのことだよ?」
「俺知ってるぜ?お前があの事件があってから自分の想い閉じ込めてんの」
「・・・うるせぇ。いんだよそれは・・・もう少し後でさ・・・」
俊は苦笑した
「え~何?」
「な・・・何でもねぇよ。俺バイトあるから行くわ」
亜紀の言葉から逃げるようにして俊は病室を飛び出していった
「何あれ?」
「くっくっ・・・いんじゃねぇの?そのうちわかるだろうし」
拓弥が笑いながら言った
「季砂もあなた達ももう大丈夫そうね?」
「あ・・・」
「いいのよ亜紀ちゃん。あなたも沢山辛い思いをしたんでしょ?でももう終わりにしましょう」
母親は笑顔で言った
「おばさん・・・」
「季砂の事お願いね?」
亜紀はその言葉に大きくうなづいた
「拓弥君明日から季砂をお願いね」
「はい」
「季砂」
「?」
李砂は父親を見る
「私達が行く前に元気になってくれてよかった」
「お父さん・・・」
「拓弥君達を大切にしなさい」
「はい・・・」
李砂はうなずく
次の日両親は海外へ旅立った
「・・・拓弥は?」
予期せぬ言葉に3人は顔を見合わせる
記憶を失ってから李砂が拓弥を呼び捨てにする事は無かった
「拓弥泣いてる・・・」
「李砂あなた・・・」
母が手を握り締める
「・・・亜紀・・・」
その言葉に3人の顔が引きつる
「亜紀はどうしてるの?」
「・・・」
「私が悪かったの・・・私が亜紀を傷つけた・・・」
「李砂?」
「亜紀に拓弥が好きだから協力してって言われた時私本当の事が言えなかった。協力する振りして誤魔化してた。それが亜紀にばれて・・・」
李砂の目から涙が零れた
「俊お願い。拓弥と亜紀呼んで?」
「・・・わかった」
俊は頷くと病室を飛び出して行った
長い沈黙が続いていた
「お父さん、お母さんも亜紀を責めないで?亜紀にあんな事させたのは私・・・」
「李砂・・・」
「そんな自分が嫌ですべて忘れてしまいたかった・・・」
「・・・その思いが強すぎて事件の関係者だけ忘れたって?」
ドアが開いて責めるような声がした
「拓弥・・・」
「・・・俺がわかるか?俺はお前とずっと一緒にいた。間違っても高校が出会いじゃない」
拓弥の言葉にうなづく
「ごめんね拓弥・・・」
「バカヤロウ・・・」
拓弥は李砂を抱き起こすと強く抱きしめた
「ありがとう。拓弥の事忘れた私をずっと守ってくれて」
「お前が俺の事忘れても俺の中のお前の存在が消えるわけじゃ・・・」
拓弥の震える声に李砂は拓弥の背中に手を回す
「このまま聞いてくれる?」
「?」
「あの日の事。多分皆勘違いしてると思う」
「勘違いも何も4人で寄ってたかってお前を痛めつけた。4人ともそれを警察で認めてそれなりの処分も・・・」
「違うの。悪いのは私なの・・・」
「李砂?」
母親が不安そうに季砂を見る
「・・・あの日亜紀に問い正されたの。拓弥と付き合ってるって本当かって。でもその時ですら私本当の事を言えなかった。亜紀に協力するって言ったあの日から数え切れないくらいの嘘をついて亜紀を傷つけてた」
「・・・」
「あの日だって亜紀は本当の言葉聞きたくて問いただしたんだって分かってたのに・・・。なのに私は逃げて亜紀を裏切った。怒った亜紀に突き飛ばされてたまたま窓ガラスにぶつかって頭からその破片をかぶったの」
「でもあいつらはそんなお前をよってたかって・・・」
「違う。4人は私の体に刺さったガラスの破片を取ってくれてた」
「え?」
その場にいた4人は顔を見合わせる
「亜紀が何度も謝りながら震える手でガラス取ってくれるの見て自分が情けなくて・・・そんな自分が嫌で逃げ出したくなった。その場にいるのが怖かった・・・」
季砂は話続けた
「4人はその場から逃げ出そうとした私を止めてくれてただけなの。動けばガラスが食い込むからって・・・」
季砂の口から解き明かされる真実に驚きをかくせない
「私・・・そんな自分が惨めで・・・皆を傷つけて取り返しつかない事して・・・本当にごめんなさい・・・」
最後はもう声になっていなかった
李砂は拓弥から離れて拓弥の目を見た
「こんな最低な私拓弥に大事にされる資格ないよね・・・思い続けてもらえるなんて思ってないから・・・拓弥の思った通りにしてくれていいから・・・」
「季砂・・・」
「馬鹿じゃないの?」
突然の声にみんなが声のした方を見る
「あ・・・き・・・?」
「そんな嘘つかれても嬉しくない」
「嘘?」
俊がたずねる
「今季砂が言ったことの後半部分は嘘だもん。私たちは季砂を・・・」
「・・・」
「悔しかった。季砂が拓弥と付き合ってた事よりも嘘つかれた事が。信じてたから余計にショックだった」
「亜紀・・・」
「確かに季砂がガラスかぶったのは偶然だった。でも一瞬いい気味だって思っちゃったんだもん。だけど止まらない血を見てどうしていいか分からなくて・・・ずっと後悔してた」
「ごめ・・・亜紀・・・」
「謝るのは私。まさか忘れられちゃうくらい傷つけてたなんて・・・本当にごめんなさい」
亜紀の目から涙がこぼれていた
「・・・もういいじゃない」
「お母さん?」
「2人とも傷つけたくてそうしたわけじゃないんだし・・・」
「そうだな。真実は二人の胸にしまっておきなさい」
「おじさん・・・」
「そうだよ季砂。俺はお前が笑ってたらそれでいい」
「拓弥・・・でも・・・」
李砂はためらう
「馬鹿季砂。肝心な時に素直になれなかったら今度こそ本当に大切なもの失っちゃうよ?」
「亜紀・・・」
「私は拓弥に失恋した事より季砂に忘れられた事の方が辛かった。だから私に気を使う事なんてないよ?」
「・・・ありがと亜紀・・・俊君もお父さんもお母さんも・・・拓弥も・・・皆ありがと・・・」
李砂は泣きながら頭を下げる
「季砂」
「?」
「これからも友達でいてくれる?」
亜紀がまっすぐ季砂の目を見てたずねた
「・・・私のほうこそ友達でいてくれる?」
李砂は同じようにたずね返した
「馬鹿・・・」
亜紀はそう言ってくしゃくしゃの笑顔を見せた
「・・・これでやっともとのお前らが見れる」
俊がつぶやくように言った
「俊」
「?」
「お前もこの辺で素直になっとけば?」
「な・・・んのことだよ?」
「俺知ってるぜ?お前があの事件があってから自分の想い閉じ込めてんの」
「・・・うるせぇ。いんだよそれは・・・もう少し後でさ・・・」
俊は苦笑した
「え~何?」
「な・・・何でもねぇよ。俺バイトあるから行くわ」
亜紀の言葉から逃げるようにして俊は病室を飛び出していった
「何あれ?」
「くっくっ・・・いんじゃねぇの?そのうちわかるだろうし」
拓弥が笑いながら言った
「季砂もあなた達ももう大丈夫そうね?」
「あ・・・」
「いいのよ亜紀ちゃん。あなたも沢山辛い思いをしたんでしょ?でももう終わりにしましょう」
母親は笑顔で言った
「おばさん・・・」
「季砂の事お願いね?」
亜紀はその言葉に大きくうなづいた
「拓弥君明日から季砂をお願いね」
「はい」
「季砂」
「?」
李砂は父親を見る
「私達が行く前に元気になってくれてよかった」
「お父さん・・・」
「拓弥君達を大切にしなさい」
「はい・・・」
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