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第2章
2-23・海へ向かう、旅路⑦
しおりを挟む程なくして夕食を手にルーシーが帰ってきて、それぞれ普段通り、部屋に辛うじて設置されていた二人掛けのテーブルで向かい合って夕食を摂り、寝支度を整え、隣り合った別々のベッドに横になった。
少し前、家を借りていた時は寝台も共にしていたので、少し落ち着かない。
だが、もしかしたら今は一緒に眠る方が落ち着かないかもしれない、そうも思った。
だってルーシーはこの海へ向かう度を始めてから、なんだか以前よりかっこよくなった気がするのだ。
今更、同じ寝台で眠ったりしたら、きっとドキドキしてしまう。
それが俺にはやはり怖くて。
でも。
ベッドは二つ並んでいる。
ベッドとベットの間だって、それほど離れているわけではない。
そもそも、部屋自体が広くなく、どちらかと言わずとも狭いのだ。
ルーシーのことを身近に感じられることに違いはなかった。
それでも、慣れた体温がいつもより遠くて。それがどうしてか今夜に限って。俺にはとても寂しく思えたのだった。
とは言え、眠れないというわけでもなく、とくに何事もなく朝になった。
目が覚めても一人。
当たり前である。
勿論、同じ室内から出ていったわけでもないルーシーがいることはわかっている。
気配は寝る前と同じ隣のベッド。
まだ眠っているのか、それとももおう目が覚めているのだろうか。
いずれにせよ起き出して、身支度を整えだしているというわけではないらしい。
俺はそれ以上特にルーシーの様子をうかがうこともなく、むくり、ベッドの上に起き上がった。
時間を確認するともうすっかり朝で、でも起きるにはまだ少し早いだろうかとほんの僅か、迷うぐらいの時間だった。
一応備え付けられている粗末な窓、申し訳程度にかかっている薄いカーテンの向こう、陽はすでに明るく、もう起きてしまおう、そう思う。
まだ時間までは決めていないけれども、今日は国家間転移施設に向かう。
国家間転移施設は利用料などはほとんどかからない。
精々が施設維持に使用されているのだろう、庶民が支払うのに支障がない程度。ただし、起動する為の魔力は自らで用意しなければならなかった。
そこが一番の難点であり、魔力の少ない庶民は魔石などを利用する。
だが、魔力の籠められた魔石は高価だ。
自然、どうしても利用には金がかかった。魔石代が高いのだ。
なので庶民が国家間転移施設を利用するのはそれなりに珍しく難しい。
どうしてもの場合は、お金を貯めるか、何人かで出し合って利用するのが一般的であるようだった。
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