見た目詐欺の処女ビッチは甘々純愛じゃ満足できないっ!

愛早さくら

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15・婚姻式までの話①

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 僕の返事にラセア殿下がまたきょときょとと視線を逸らし、

「そ、そう? ならよかった。じゃ、じゃあ、さっそく……ね?」
「え、ええ」

 そんな風に頷き合って摂った朝食は案の定、味などほとんどわからなかったけれど、きっと多分美味しかったはずだ。
 朝食の後はそれぞれ分かれて、また改めて身支度を整えた。
 ラセア殿下が気にして下さっていた通り、今日はたくさん予定がある。
 昨日はついてからラセア殿下が屋敷の主だった部分を案内してくれて、まだ全部は案内されていないけれど、主だった部分は把握できたと思う。少なくとも、僕の私室として案内された、ラセア殿下の私室の隣の部屋……――勿論、ラセア殿下の伴侶の為の部屋だよ! それぞれの寝室同士がつながっている、ごくありふれた部屋の配置だ。
 ともあれ、そこや、先程食事を摂った食堂、応接室や、執務室など。
 庭のガゼボも、見るだけだったけど連れて行って下さった。
 とても素敵なお庭で、今度そこでゆっくり過ごそうとお誘い頂いて、僕はとっても嬉しかったのだけれど、多分実現するのは婚姻式が終わって、落ち着いてからとなるのだろう。
 婚姻式までは、実はあまり日数がない。
 だいたい一月ほどだろうか。
 この大公爵領邸での予定を熟せば、早々に王都まで行かなければならない予定となっていた。
 ティミーリス大公爵家をすでにお継ぎになられたとはいえ、ラセア殿下が王弟であることに違いはない。
 実のところ、王位継承権などもなくなってなどおらず、必然、婚姻式自体は、王都で行われるのである。
 王都には国家間転移施設ポータルがあるので、ルティル王国僕の国の首都からなら、そちらに直接赴いた方が早いのだが、嫁入り道具などはこちらへ運ぶ必要があったので、そういった関係もあり、ティミーリス大公爵領へと立ち寄った形となっていた。
 なお、大公爵夫人となる為の教育のような物の大部分は僕がすでに今まで習っていたことでまかなえると聞いているので、その為の時間を取る必要がほとんどないことだけはありがたい。
 一応僕はこれでも王族だからね。
 知識だとかそういうのはそこまで不足はしていないのだ。
 後は衣装の最終的な手直しだとか、婚姻式の後のお披露目を兼ねた王都での夜会や、こちらでのそれ、それぞれの招待客の確認や把握など細々としたことが多く、慌ただしいことだけは確かで。
 今日の予定はなんだったろうか。
 大部分はラセア殿下とご一緒できると聞いているのだけれど。
 確か衣装の最終調整だったはずだ。
 書類関連は事前のやり取りである程度なんとかなっても、こればかりは僕本人がいないとならないと言われていた。
 サイズ感だとかも大事だしね。
 ちなみに衣装もラセア殿下たってのご希望で、殿下ご自身が随分心を砕いて下さったと聞いている。
 費用はルティル王国うちとの折半だったらしいけど。
 花嫁・・衣裳ぐらい持たせたいというルティル王国の国王お父様と随分と調整に時間がかかっただとか何とか。
 僕は僕自身の衣装などにはあまり興味が持てないので、大変だなぁと何処か他人事だった。
 勿論、ラセア殿下のご衣装は別だけどね!
 でも、僕が逸れに口を出せるはずもなく……とても楽しみにはしていたりする。
 ともあれ、そんな風にして慌ただしく数日を過ごして、早々に王都に向けて出発する日となってしまった。
 ここからは馬車で、魔の森も超えることとなる。

「フィーヴィ。不安かもしれないが、私が必ず守るから安心して欲しい」

 出発前に、ラセア殿下に心配そうにそう告げられたが、実のところ、僕は全く何も不安になんてなんていなかった。
 だが、そんなこと言えるわけもなく。

「は、はい、ラセア殿下……でも、どうぞご無理はなさらないでくださいね?」

 控えめにそう告げておくにとどめた。

「フィーヴィっ!」

 僕の頬が赤くなってしまったのは、そんな風、感極まったように僕の名を呼ぶラセア殿下が真っ赤な顔をなさっていらっしゃったから。ただ、釣られただけと言える部分があったのだけれど。

(それにしても……いくら忙しかったとはいえ、この数日何もなさすぎ・・・・・・だったのは残念だった……)

 そんな独り言は、絶対に口に出せないな、思いながら僕の視線は相変わらず、時折ちらと、ラセア殿下の股間に向いてしまって、僕は自分でそれを止めることが出来ないでいるのだった。
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