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しおりを挟むはじめ俺は、やはりよくわかっていなかった。
ただ、そう強く望まれているというのなら、応えるのもやぶさかではないと、ふんわり考えていただけで、おまけに、映像媒体などで確かめたレウラードは、特に嫌悪を抱く容姿をしていたりなどもせず、それどころか好感を抱くほど。集めた情報を確認しても、能力や性格にも問題はないようだった。
年齢も3歳差とそれなりに近い。
もし、気になることがあるとすれば、ルティル王国自体の仕組みと言えたことだろう。
彼の国は後宮制度があり、レウラード自身は王妃の子供であるそうなのだが、異母弟や異母妹が複数存在しているらしい。
実のところ、ナウラティス自体、王族の婚姻相手は一名のみと決まっているわけではないのだが、半面、複数人の伴侶を持つことは大変に珍しく、ここ数代、発生していないとも聞いている。また俺自身にも、同父母ではない姉弟は数人いて、けれど、ルティルの後宮は決まりなども何点かあるらしく、そんな慣習の違う国へなんて、と、母の懸念材料の一つともなっていた。
母は結局、俺が嫁ぎ先で大事にされないのではないかと、それが気になって仕方ないのだ。
ちなみに、では父はどうなのかというと、この件に関しては特に何か思うようなことはないらしい。
心配ではない、というわけではないが、俺の好きにすればいいと。
勿論俺も、色々と考えた。
前世の知識もあるし、母の危惧もわかる。けれど、改めて寄越されたルティルからの書状を確かめると、俺を妃に、と強く望んでいながら、けれど必ずしも妃になるとは決まっていないらしい。
曰く、まず、即位時に後宮が開かれ、国内外から妃候補が集められる。その後、集められた候補の中から王妃と数人の側室が決定されるのだとか。
つまり、ルティルに赴いたとしてもあくまでも初めは候補。
勿論、国力差もある、向こうの意向としては是非王妃に、ということではあるようだったのだが、実際には新国王との相性なども加味され、最終的な判断が下されることとなっているのだそうだ。勿論、途中で辞退することも可能だと記されていた。
いわゆる、お試し、ということかな、と俺は思った。
ならば実際に行って、レウラードと会って、それから考えてもいいのではないかと。何より、起こってもいないことを危惧してばかりなのもおかしい。
とは言え、本当に王妃となる気持ちがあるのかと言えばそうでもなく、俺を求める打診は再三に及び、しつこいほどだとも聞いていたので、なら、招待に応じた上で、あちらで俺が直接断ってくるなりなんなりすればいいと、そんな風にも考えたのだ。
そうして出立は今日、この後すぐと迫っていた。
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