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*17・想定外の反応
しおりを挟むどうして、そんなアーディの提案に乗ったのかわからない。
どうせ途中で上手く行かなくなるだろう。そんな風に思った部分もあった。
だが。
「僕に、触れれるのは嫌?」
躊躇いがちに、だけどしっかりと、俺の股間に手を伸ばしたアーディにそう聞かれて、別に嫌悪も抱かなかったので首を横に振った。
「嫌じゃない」
「そう。よかった。なら、ちょっと、直接触ってみるね」
ほっと安堵の息を吐いたアーディは、いちいちそう断りを入れながら、俺の下肢をカチャカチャと、ぎこちない手つきで寛げていった。
そして俺の股間に直接、触れる。
「あれ?」
不思議そうにするアーディと共に、俺自身も驚いていた。何故ならいつもならあまり仕事をしない俺の股間は、ほんの僅か、アーディが其処に触れただけだというのに、すでに少しばかり、芯を持ち始めていたのだから。
「もしかして結構溜まってた?」
訊ねられ首を横に振る。
「いや」
そもそも俺はそこまで性欲が強くない。溜まる、という状態も、記憶にある限り自覚したことなどなかった。むしろ性的に昂ったことこそほとんどないと言ってもいい。
しごけば勃つし出せたので、機能としては問題ないと把握しているのだが。だから、これに関して何か悩んだり困ったりしたこともなかった。
にもかかわらず、そんな俺の股間が、さっきほんの僅かな刺激だけで兆し始めている。
「ふぅん? じゃあ、もしかして僕に興奮してくれてたりする?」
そんなわけないか。と続けそうな軽さでアーディが言って、俺の股間をきゅっと柔く握りしめた。
「んっ」
直接的な刺激に、流石に俺の性感も高まってくる。
アーディの手つきは、どう考えても慣れているという風ではなかった。だけど俺は、そのたどたどしくさえあるアーディの手に、どうしてか、股間を熱く漲らせてしまっていて。
言葉を飾らずに言ってしまうと、気持ちよかった。
技巧、ではないと思う。
アーディの触れ方がよいだとか、そういうわけではない。では何なのかというと、おそらくは、アーディが触れているからなのだろう。
なにせアーディはキレイなのだ。
俺がこれまで生きてきた中で、一番だと思う美しさだ。そんなキレイで美しい存在が、俺の股間に触れているのだ。
多分きっと興奮したのは、その事実にであったのだろう。
「あは。自分以外のこういう場所なんて初めて触ったけど、なんだかこう反応されると面白いものだね」
「あー、でぃ……」
アーディの声にも、何処か、興奮が滲んでいるように思えた。だが、俺はすでにそれどころではないほど昂り始めていて。
「ふふ。なんだかかわいいなぁ。一度出す? 構わないよ」
そう、少し照れが混じった声で促され、俺は頷いて、そのまま。気付くと、決して慣れているわけでもなかったアーディの手に扱かれて、彼の手を白濁で汚していたのだった。
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