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05-2
しおりを挟むずっと入れられっぱなしだったお尻の穴なんて、今も何かが挟まっているようにすら感じられる。
もしかして閉じ切っていないんじゃ、なんて思いだすと恐ろしい。
勿論、慎重に意識し直してみると、ちゃんと閉じているし、何も挟まっていないことはわかるのだけれども。とは言え、なんだか感覚が鈍っていることは否めなかった。
シェラの手を借りながら、そろそろとベッドから足を下ろす。
「っ、ルニア様っ!」
途端、とさっと、その場にへたり込みそうになったのは、間違いなく腰が抜けていて、下半身に上手く力が入らないくなっているからなのだろう。
もし、シェラが気を付けて支えようとしてくれていなければ間違いなくそうなっていた。
「大丈夫ですか? はやりまだお休みになられていた方が……」
起き上がらない方がいいと重ねて窘められ、だけどそんなもの頷けるわけがない。と、言うかなどうしてだろう、ベッドの上にいたくないのだ。
だってここで起き上がりもせずじっとしていると、ラティのことばかり考えてしまいそうで。ラティに、長時間苛まされた記憶が、あまりに色濃くて。
出来れば早急に、気分転換がしたかった。
それにはやはり一度、起きて移動した方がいいだろう。
ふるふると首を横に振り、今度は慎重に足に力を入れていく俺を、変わらずしっかりと支えてくれながら、シェラが小さく溜め息を吐いた。
一歩進むごとに砕けそうになる足を、シェラに支えてもらいながらゆっくりと動かして、そろそろと隣の部屋へと移動する。
こういう時に、おそらくラティなら俺なんてすぐに抱え上げてしまうのだろうけど、俺より小柄なシェラでは、支えることぐらいしかできないのだ。
実は近くに他にも護衛や侍従が控えてはいるのだけれど、彼らの手なんて借りたら、それこそラティがどんな行動に出ることか。
シェラはなんだかんだ、俺に一番近しい侍従であり、またラティが渋々ながら、俺に触れることを許している数少ない存在だった。
前世の記憶を思い出す前のルニアは、そう言ったことを、全く何も気にしていなかったようだけれど、今の俺はどうしてもそれが異常だと思ってしまう。
流石に今回のように、丸二日放してもらえないだなんて、それこそ初夜以来なかったように記憶しているが、夜通し、明け方近くまで苛まれること自体は、むしろそうされないことの方が少なくて。
寵愛深いとか愛されているとか。もはやそれどころではないだろうとしか思えない。
いやだというわけではない。
ラティはやっぱりいつだってかっこいいし、昨夜、否、今朝? までのように体を重ねることそのものに嫌悪があるわけでもなかった。
(とは言え、限度があるだろ……)
そう、思わずにはいられないだけで。
嫌ではなくても辛いのだ。皮膚が擦り切れてるんじゃないかって怖くなるぐらい、お腹の中をかき回されるのも、感じているはずの痛みさえ快感に紛れてしまうのも。
そんなもの、怖く思わないわけがないだろう、むしろ今までよくルニアは受け入れ続けていたものだとすら思う。
否、思い返すとルニアだって、辛くて怖いとは感じていた。
だけどそれをもたらすのが他でもないラティだからと、ラティへと寄せる好意ゆえ、受け入れていたに過ぎないのだけれど。
少なくとも今の俺は、前世を思い出す前までのルニアほど、ラティを受け入れられそうもなかった。
ラティは推しだ。
凄くかっこいいし、好きなことは変わらない。
近くにいるだけでドキドキする。
だけど、前世の意識が強い俺は、そんなラティからのあふれんばかりの愛を、自分に向けて欲しいとは思えなくて。むしろ自分以外に向けている様子を近くで見たい、そう思っていて。なのに、同時にそれが嫌だと思う自分もいた。
多分それこそがルニアの意識なのだろう。
ラティから比べるとあまりにかわいらしい独占欲だ。
ちゃんとそういうことを自覚できはしても、結局俺は、丸2日にも及ぶラティの行為を受け入れられそうもないのである。
もやもやする気持ちを持て余しながら、俺はシェラに支えられ、のろのろと足を進め、ようやく隣室の応接スペースへと腰を落ち着けることが出来たのだった。
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