【完結】気がつけば推しと婚姻済みでかつ既に妊娠中だったけど前世腐男子だったので傍観者になりたい

愛早さくら

文字の大きさ
20 / 141

05-4

しおりを挟む

 自業自得。間違いない。俺自身、自分でそう思う。
 ラティが俺を丸2日も苛んだ、それが他でもない俺の発言がきっかけなのはわかっているのだ。
 もっとも、そうでなくとも普段とあまり状況は変わっていないのでは? と、ちらと思うのはさておいて。
 いや、だってたったの一晩と丸2日だと大きく違うだろう、多分。いくら内容が大差なくても、長さというのは要因として大きい。こと、ああいう行為においては、長時間であればあるほど、どうしても負担も大きくなってしまう。
 ただ、これでもかと魔力を注がれたので、それだけを取って判断すると決して悪いことではなかった。
 なにせ今、俺のお腹の中には子供が成っていて、その子供の成長の為にも、魔力が必要だからである。ちなみに、今の時期だと別に毎日はいらないし、ましてや丸2日分これでもかと注ぐ必要など何処にもない。
 おそらくこれだと、この子は多くの魔力を持って生まれてくることだろう。
 なにせ人の生まれつき持つ魔力量と言えばいいのか、魔力の容量のようなものは、母親の体内に成ってからのおよそ十か月と、生まれてから一年の授乳・・期間に摂取した魔力量の影響をまぬがないからだ。
 つまり、魔力量の多い人間というのは、すべからく両親の仲のいい・・・・証拠と言えて、ただ、王族や高位貴族は、元々の魔力量が多い傾向にあるので、必然、仲の良さ・・・・がたとえ必要最低限であったとしても、子供の魔力量は多くなった。
 魔力量が多いことはこの世界では歓迎される。
 だから、どれだけ魔力を注がれたってそういう意味では問題とはならないのだけれど。

(そういう問題じゃないんだよなぁ~~)

 結局は限度があるという話である。

「あの……ルニア様は、記憶はおありになるんですよね?」

 やはりおずおずと、確かめるようにそう話しかけてきたシェラに、

「んー」

 なんて、相槌とも取れないような生返事を返す。
 記憶はある。
 ありはする、のだ、けれど。

「でしたら、お分かりですよね? 殿下がどれほどルニア様をご寵愛なさっておられるかぐらい」
「んー……」

 俺の反応を首肯と捕らえたシェラが続けた言葉に、またしても生返事を返しながら、俺は改めてルニアとしての記憶を思い返していた。
 そもそもの話。この世界は、俺が前世で好きだった、学園モノ異世界BL小説の世界にとてもよく似ているけれども、おそらくは同じではない、ということぐらいは、俺にだってわかっているのである。
 例えば小説の中でルニアは、もちろんラティのことなんて好きではなかったし、それはラティも同じだった。
 だけどルニアの記憶を紐解くと、そういった諸々はまったく一致しない。
 俺の故国となるイバティエイザと、今いるこの国、ランティエイザは、隣り合っている国である。
 二つで一つの国と言ってもいいほど、密に関係を築いてきた国でもあった。
 数代置きに互いの王族が嫁ぎ合っているのは勿論のこと、それは貴族間でも同じような有り様で、かつ、首都同士も、それなりに近しい場所に位置している。
 そんな中での俺とラティとの婚約は、政略的な意図をもってなされたものだった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!

華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

処理中です...