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第2章・まるで夢のような日々(リュディ視点)
33・伝わる気持ち、交わす心①
しおりを挟むルナス様はあの後、僕を抱えて塔へと向かって、そしてたくさん魔力を注いで下さった。
会いに来られなかった数日間を取り戻すかのように、これでもかと言うぐらいにたっぷりと。
僕はルナス様の魔力に満たされて幸せで。やっぱりぐずぐずといつも通り泣くばかり。
でも、ルナス様はもう、あんまり戸惑っていらっしゃらないように感じられた。
仕方がないなぁってちょっと呆れて。
でも、かわいい。そう、言って下さったのだ。
嬉しかった。嬉しくて僕はやっぱり泣いた。
そしてルナス様は、泣くばかりの僕から、出来るだけゆっくり、話を引き出そうとなさるようになった。
夜、少しだけ早く来て下さるようになって、寝所に籠る前、泣いている僕を膝の上に抱え上げ、ゆっくりと宥めるように僕に触れながら、色々なことを質問なさるのだ。
僕はだいたいいつもしゃくり上げていたり、して、なかなかお応えできないのだけれど、ルナス様はとてもとてもお優しくて。
「大丈夫、大丈夫だよリュディ。泣き顔も可愛いね。ゆっくり。ゆっくりでいいからね」
そんな風に、幼い子供を宥めるように、ゆっくりゆっくり、時間をかけて僕から言葉を引き出していく。
そうして、ルナス様の気遣いにより分かったのは、どうやらルナス様はいつだか、僕とユセアナの他愛ないおしゃべりを聞いたことがあって、その時に僕が言葉にした、軽率なユセアナへの好意をどうやら恋心ゆえのものだと勘違いしていて、だったら、僕はユセアナと共にあった方が良いのではないかと思い、僕と出来るだけ距離を置こうとなさったということだった。
否、実はとても信じられないことなのだけれど、なんでもルナス様は僕のことを、好いてくださっていたのだそうだ。それも、ちゃんとしっかり恋心を、抱いてくださっていたのだとか。
だからこそ余計に辛かったのだと教えて頂いて、僕は申し訳なくて情けなくて。結局わんわんと泣いてしまった。
同時にとても、嬉しかった。
こんな幸せなことはない。
そう思った。
だって僕はルナス様に好かれていないと思っていたのだ。ルナス様はただお優しいから、僕に触れて下さっているだけなのだとばかり。
それが僕を。好いてくださっていたからだったなんて。
なんて素晴らしいことなんだろう。
僕は結局泣いてばかりいる。
だけどルナス様はそんな僕に、だんだんと慣れて来て下さっているみたいで、今では僕を宥めることも楽しく思うようになって来たのだと、そうおっしゃっていらした。
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