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第1章
1-93・告白。さきへ君と①(ルスフォル視点)
しおりを挟むティーシャはかわいい。それにキレイだ。
毎日毎日、俺はそんなことを思っている。
大切にしたい。それは本当だった。この国の王妃、俺の妃。俺の伴侶。
なのに大事にさせてくれない。
最近の俺は、そんなジレンマに陥るようになっていた。
仕事が忙しいのは本当だった。
毎朝毎朝執務室に行く度に、これが減ることは本当にあるのだろうかと疑問に思うほど山積みになった書類。
それを熟して、熟して、熟して、そうしていつの間にか一日が過ぎていく。
俺は周囲に言われるがままに一つ一つを処理し続けた。
俺の仕事は概ね書類を確認してサインすることだ。逆に言ってしまえばそれのみ。
意味なんて分からない。否、内容には目を通すように言われているので、自分がいったいどんな書類にサインをしているのか、それは理解しているのだ。
だが、わかっていても、細かい一つ一つがなぜなのか、そういうことがわからなかった。
なお、内容に対して意見することは全く求められてはいないようで、むしろ何か言ってもうるさがられるだけなので何も言わなくなった。
時折同じではないだろうか? というような案件が別々で存在していることもあり、だが、別の書類となっているということは、同じに見えても違うのだろうとそのままサインする。
後々それは実際には同じことに関する書類で二重になっていたりしたことがわかるのだが、その時々の俺はそんなこと知らず、ただ、周囲に促されるままに仕事を処理していく日々。
内容を把握はしても、それ以上がわからないまま10年。誰も教えてはくれず、意見どころか、いつしか俺は誰かに教えを乞うことさえしなくなっていた。
何故か、どうしてなのか。訊ねても納得いくような答えが返ってきたことはなく、諦めてしまった結果だ。
それが変わってきたのがわかる。
それがいったい、いつからなのか。
あの二人が来てからだった。
否、ティーシャが来てからだけでも、少しずつ変わってきてはいた。だが、劇的に周囲の様子に変化があったのは、あの二人が来てから。
ナウラティスからの客人。
王妃に就くことになった、まだ慣れないだろうティーシャの補助をするためにと後から追ってこの国へと訪れた、ティーシャの従兄弟と、親戚という二人。
二人はよく似ていて、だが、ティーシャとはあまり似ていなかった。
聞けばティーシャと似ているという母親は母親似、ティーシャの伯父だという彼らの母親、あるいは曾祖母は父親似だそうで、元々似ていない兄弟なのだとか。
だからティーシャと彼ら二人はあまり似ていないのだと聞いた。
だが、親戚であるのは間違いないらしい。
いずれにせよ立場ある王族である。
本来なら、このような小国に、如何に親戚を助けるためとはいえ二人も来るようなものではない。
だが二人はここにきて大鉈を振るった。
それはあまりに劇的な変化だった。
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