14 / 21
13
しおりを挟む俺からの問いかけに、和凪はへなと眉尻を下げる。
でかい図体を妙に縮めて、まるで大型犬が情けなく、尻尾と耳を下げてでもいるかのように見えた。
おれはそんな和凪に思わず吹き出して、
「は、ははっ……いや、悪い、いやだってわけじゃないんだ。いいよ、行こう」
元より断るつもりなんてなかった。
ただ、和凪の家からだと、少し遠いんじゃないかと言う部分が気になっただけで。
何より、友人同士で誘い合って夏祭りに行く、なんてことは、きっと取り立てて珍しいことではないはずだ。
今まではそこまで親しい男友達がいないのもあって、家族や彼女、そうでなくともカナたちとしかいったことは無い。
男友達と行く夏祭りってのは、どんな感じになるのか。少しばかり好奇心も刺激されていた。
和凪は笑う俺に一瞬、きょとんと眼を丸くして、次いで憮然と、どこか不機嫌そうに視線を逸らしてくる。
そんな和凪を見ていると、申し訳ない感情と共に、このままからかってみたらどうなるのだろう、なんて気持ちまで湧いてきたのだけれど、それは流石に自重した。
だからと言って、別に、和凪の機嫌を取る、つもりがあるわけではないのだけれど。
「補講、明後日までだっけ」
明後日の、木曜日まで。
そこからは一週間と少し、補講も休みになる。
「ああ」
頷く和凪に、携帯を取り出してスケジュールを確認した。
「ん~、バイトが……あぁ」
バイトのシフトは、補講があってもなくてもあまり変わらない。お盆だからと言ってまとまった休みがあるわけでもなかった。多分、店が閉まったりなんてしないからなんだろう。
明日の水曜と、金、土。その次は火曜日。それで、その次は。
補講の再開は月曜日からだった。
お盆の日は流石に、家族で墓参りに行く予定だし、家族で出かける予定もあるのだけれど、それでも、空いてる日は何日かある。
予定が合えばいい、思いながら、今度は俺の方から誘いをかけた。
「なぁ、和凪、休みの日にさ。お前も、もし空いてたら、」
夏祭り以外でも、遊びに行こうぜ、と。
0
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ある新緑の日に。
立樹
BL
高校からの友人の瑛に彼女ができてから、晴臣は彼のことが好きなのだと認識した。
けれど、会えば辛くなる。でも、会いたい。
そんなジレンマを抱えていたが、ある日、瑛から
「肉が食べたい」と、メールが入り、久しぶりに彼に会うことになった。
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる