お前の取り柄は顔以外

愛早さくら

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 俺からの問いかけに、和凪はへなと眉尻を下げる。
 でかい図体を妙に縮めて、まるで大型犬が情けなく、尻尾と耳を下げてでもいるかのように見えた。
 おれはそんな和凪に思わず吹き出して、

「は、ははっ……いや、悪い、いやだってわけじゃないんだ。いいよ、行こう」

 元より断るつもりなんてなかった。
 ただ、和凪の家からだと、少し遠いんじゃないかと言う部分が気になっただけで。
 何より、友人同士で誘い合って夏祭りに行く、なんてことは、きっと取り立てて珍しいことではないはずだ。
 今まではそこまで親しい男友達がいないのもあって、家族や彼女、そうでなくともカナたちとしかいったことは無い。
 男友達と行く夏祭りってのは、どんな感じになるのか。少しばかり好奇心も刺激されていた。
 和凪は笑う俺に一瞬、きょとんと眼を丸くして、次いで憮然と、どこか不機嫌そうに視線を逸らしてくる。
 そんな和凪を見ていると、申し訳ない感情と共に、このままからかってみたらどうなるのだろう、なんて気持ちまで湧いてきたのだけれど、それは流石に自重した。
 だからと言って、別に、和凪の機嫌を取る、つもりがあるわけではないのだけれど。

「補講、明後日までだっけ」

 明後日の、木曜日まで。
 そこからは一週間と少し、補講も休みになる。

「ああ」

 頷く和凪に、携帯を取り出してスケジュールを確認した。

「ん~、バイトが……あぁ」

 バイトのシフトは、補講があってもなくてもあまり変わらない。お盆だからと言ってまとまった休みがあるわけでもなかった。多分、店が閉まったりなんてしないからなんだろう。
 明日の水曜と、金、土。その次は火曜日。それで、その次は。
 補講の再開は月曜日からだった。
 お盆の日は流石に、家族で墓参りに行く予定だし、家族で出かける予定もあるのだけれど、それでも、空いてる日は何日かある。
 予定が合えばいい、思いながら、今度は俺の方から誘いをかけた。

「なぁ、和凪、休みの日にさ。お前も、もし空いてたら、」

 夏祭り以外でも、遊びに行こうぜ、と。
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