【完結】酔った勢いで子供が出来た?!しかも相手は嫌いなアイツ?!

愛早さくら

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68・極限(ロディス視点)

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※この話では、主になぜ?の疑問を潰していくために言葉を尽くしている所があり、あまりちょっと想像しない方がいいようなことがたくさん書かれているので、気になることがたくさんある方は最後の一文まで飛ばされることをおすすめします。お話の内容としては、最後の一文のみがあればよいかと……。気にならない方は気にせずにどうぞ。



+++++



 他者に魔力を注ぐなら、結局は性行為が一番早い。
 否、体液を体内に注ぐのなら性行為には限らないのだけれど、他となると、血液や他の体液などを飲ませるだとかいう手段となってしまう。
 なお、体内に直接入れられればいいので、摂取場所は口でなくともよいのだが、それでは結局何も変わらないことだろう。
 しかし、それらの他の手段を踏まえても、結局一番効率的なのは性行為となった。
 それというのも、魔力が一番多く含まれるのが体液なのは勿論のこと、更に『吐き出す』あるいは『注ぐ』という意識が需要で、それには射精が最適なのだ。
 元々吐き出し、注ぐための行為なので。
 性行為とはすなわち、体内へと体液と共に魔力を注ぎ、子を成すための行為。
 子を成すためには魔力が必要で、必然的に相手へと魔力を注ぐには一番適した行為となるのである。
 魔力が欠乏した際の治療法として最適なのもまた性行為であることに間違いはないのだが、それでも通常の魔力欠乏であれば、そこまでの行為は必要とはならなかった。
 治癒魔術の得意な者が欠乏した魔力を手などで触れることによって補充する。
 それで充分に生命の危機は脱することが出来た。
 勿論、負傷した際などはより多く魔力が必要とはなったが、それでも治癒魔術で事足りる。
 魔力はそもそも数日も充分に休養を取ることが出来れば、自然と回復するものであるからだ。
 生きていくのに必要な分だけならば。
 余程生まれつき不具合のある者でもなければ、自身が必要とする魔力と、生成できる魔力とでは、生成できる魔力の方が多少なり多いのが通常だった。
 だからこそ数日休むだけでよく、休む日数などは、そもそもどれぐらい、生成できる魔力が多いのかによって左右された。
 私はそういう魔力は多い方なので、一日も休めば動くのに支障はなくなることだろう。
 流石に複雑な魔法や魔術を使用できるまでにはならないだろうけれども。
 リティも同じはずだ。
 特に元々魔力量の多いリティは、生成できる魔力も私の比ではない。ただし生きていくために必要となる魔力も私より断然多いのだけれども。
 そしてそういった事情などだけではどうにもならなくなるのが、子を成すということだった。
 子を成すとそれだけで、必要な魔力が自身と子供との二人分となってしまうのである。
 それは多くの場合、自身の生成する魔力だけでは足りなくなってしまうほどで、加えて子供は多くの場合、母体の魔力をそのまま受け取ることが出来ず、よりたくさんの魔力が必要となるのが常だった。なお、何故か母体の魔力より、母体以外の魔力の方が直接的に子供へと届くのである。
 これが子を宿したリティに、他者の魔力を触れさせたくない理由。
 子供は母体以外の他者の魔力の影響を、非常に受けやすいのである。
 もし、リティへと魔力を流してしまっては、リティが自身の魔力へ馴染ませ、変換する前に、子供へと魔力が届いてしまう。
 それはとても私には許容できないことでしかなく。そしてそれらは相愛の者の間に子を成した場合、当たり前に発生する忌避感。
 相手以外の魔力を受け付けない。それだけで母体の、相手への感情が反映されているようなものだった。
 さて、今回のように私とリティ、両方の魔力が不足したならば、取れる手段は限られてくる。
 リティへと魔力を注ぐのは私だ。他なんて許容できないのだから、そうするしかない。
 そして子を宿しているわけではない私ならば、他者から受け取った魔力を馴染ませ、自身の魔力へと変換する余裕を持つことが可能だった。
 究極の話をするならば、私が誰かから直接魔力を注いでもらい、それを今度は私が直接リティへと注ぐというのが一番効率のいい方法となってしまうのだが、流石にそのような手段が取れるはずがない。
 そもそも、リティへと魔力を注いでいるその場に、自分以外がいること自体、私には到底許容できるようなものではなかった。
 母はそれを踏まえて、私の方から部屋を出て来いと言っていたのである。
 私の、このリティのあられもない姿を、自分以外に見せたくないだとかいう感情はごくごく当たり前の衝動だったので。
 余程に特殊な嗜好を持つ者でもなければ、皆そうであることだろう。
 向かう先を医療師のいる隊舎ではなく、自宅にした理由の大部分でもあった。
 自宅であれば両親もいれば、医療師も呼び寄せられるという理由もある。
 伯爵位というのは伊達ではない。
 一般と同じ扱いとなる隊舎より、色々と優遇をより受けやすいのだ。
 そんな風に私はリティを放さず魔力を注ぎ続け、限界を感じたらよろよろと部屋を出、医療師からの魔力の補充を受け、更にはその間に魔力を溜めた魔石をいくつも受け取り、部屋に戻ってまたリティへと魔力を注ぎ続けた。
 どうしてこんなことになったのだろう。
 わからない、わからないけれど、考えたところでわかることなど何もない。そんなことを考える余裕もない。
 今、私の出来ることをするだけで精一杯で。
 私はただリティのことを思い続けている。
 魔力の不足しているリティに、少しでも多くの魔力を注ぎ続けることだけを。
 そうしてようやくリティの状態が、意識が回復するまでに改善されたのは、そんな風に過ごして丸3日ほどが経った頃のことだった。
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