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4.希望の在り処
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女の人が一人、地面に座っていた。
近くに車椅子がある。そっか、あのタイヤの跡は彼女の。
でも、転んだとかではないみたいでほっとする。
「……さ、帰ろうか……タウラス」
そう言って車椅子に手を触れたところで、その人と私の目が合った。
気まずい雰囲気になると思ったんだけど、
「こんにちは」
にっこりと笑って話しかけられた。
「こ……んにちは」
彼女はくすくすと笑う。
そして、器用に車椅子に自力で這い登った。
「こんな森に何か御用でも?」
笑いながら、車椅子を動かして器用にこっちまでやって来た。
「あ、いえ、その」
言い淀む私に、女性はもう一度笑って見せた。
「まさか自殺しに来たわけじゃないでしょうね?」
笑顔を崩さず、でもその声には真剣さが混じってた。
「……いえ、知り合いの絵の場所を探しに来ただけです」
少しむっとしながら言ってやると、女性の顔が、ふっと驚きに変わる。
そして、女性の唇と声が、彼の名前を呟いた。
「え」
びっくりして声も出ない私に、女性はやっぱり、と笑顔に戻る。
「じゃあ、貴女が」
くすくすと楽しそうに笑う彼女。
彼から何か聞いてたのかな、と尋ねてみたら、
「ええ、よーく聞いてますよ」
女性は、新しい友達を見つけた子供のように、嬉しそうな笑顔で手を差し伸べ、自分の名を言った。
「……そう。亡くなったの」
残念ね、と呟いて、彼女は首から下げたそれを撫でた。
「それ何?」
聞くと、一瞬躊躇った表情を向け、でも彼女は手を開けてそれを見せてくれた。
「……兎の足?」
言った途端、彼女は吹き出した。
「彼と同じ事を言うのね」
言われて気が付いた。
そう、私は彼ならそう言うだろうと思った言葉を言っただけ。
幸運と言われる兎の足。
彼に何度か聞いたことがあるし、女性ならそんなお守りを持っててもおかしくない、って思っただけ。
「違うわ。これは……私の、愛のひと欠片よ」
言って、女性はそれを撫でた。
聞いたら、自分を死から護ってくれた愛犬の、唯一の遺骸だと教えてくれた。
「不思議ね」
女性は呟いて私を見つめた。
「皆、これを見ただけで気味悪がったりするのに」
くすくすと嬉しそうに笑う。
「貴女たちは真っ先に兎の足、ですもの」
言いつつ、それを撫でる。
「彼から、兎の足のことは聞いてたんですよ」
「でも、だからって真っ先に思い出すのが兎の足って」
どう見ても兎じゃないでしょうに、と彼女はそれを見つめ、くすくすと笑った。
そんなに可笑しかったかな。
確かに大きさが全然違うけど。
「……絵の場所、案内しましょうか?」
「え、知ってるの?」
不意に出た彼女の言葉に、思わず食い付いた。
「ええ。だって、私が彼と会ったのは、その絵を描く前でしたから」
一度しか会ってないですけれど、と続けながら車椅子を動かす彼女。
私は、せめてと思って車椅子のハンドルを握った。
「あら、有難う。でも大丈夫」
言って、彼女は私にハンドルを離すように言った。
親切の押し売りも嫌だし、と、私はその手をあっさり離した。
それを見た瞬間、私は彼のその時の気持ちがほぼわかってしまった。
「どう?」
絶景のパノラマだ。
絵に全てを伝え切れなかった彼の無念さが伝わるくらいに。
返事をするのも忘れて、私はただその光景に見入っていた。
言葉にすることも、言葉を出すことも忘れていた。
樹海と呼ばれる理由が良くわかる、樹の風景。
そこに、絵とは少し角度が違う光が差し込み、そして申し訳程度に流れる水。
全て、彼の絵を上回り、雄大で優美。
そうだ、彼はこの風景をキャンパスに納めたかったんだ。
絵を…いや、命すら捨てる覚悟でここまで来て、この風景に圧倒されて。
そしてこの風景を目にした瞬間、彼は死ぬことなんかどうでもよくなったんだ。
そう、魅了されたなんて生優しいもんじゃない。
表現が思いつかない。
ふと名前を呼ばれ、振り返る。
「……あ」
すっかり忘れてた。
私の様子がよっぽどツボだったのか、彼女は笑いをこらえようと必死だった。
「あ、貴女たちって、ぷっ、あはははは」
あ、こらえきれずに大爆笑し始めた。
ひとしきり笑って満足したのか、彼女は笑い過ぎて涙まで出て来た目を擦りながら言った。
「貴女たちってそんなところまで同じなのね」
一言で、その時の彼の様子がわかった。
多分彼女は、彼がこの景色に出くわした瞬間に立ち合ったのだろう。
ううん、もしかしたらここに彼を連れて来たのも彼女なのかもしれない。
「捨てた画材道具を拾ってくる、って引き返して、それから4時間くらいここで描いてたわ」
4時間。
4時間であの絵が描けるとは思えない。
きっとここにいたのは4時間でも、目に焼き付けたこの風景に、部屋で何度も色を重ねたんだろう。
「そっか」
手に持ったバッグから、私はそれを取り出した。
「砂時計?」
「うん、あの人からもらったクリスマスプレゼント」
正確にはクリスマスに縁日でやっていた屋台で買ってもらっただけだけど。
そう、あの日見せようと……あれからバッグに入れっぱなしだった砂時計だ。
結局見せることも忘れてたけど。
「結局、あの人は私より絵の方が大事だったみたいだけどね」
あはは、と空笑いをしてみた。
最期まで伝えることも出来なかったキモチ。
それを彼はわかっていたんだろうけど。
「……」
それでも彼は私を求めずここに来て、絵にしたい風景を目にして、そして命を踏み止まった。
「絵を描きたくなって死ぬのを止めるなんて、」
何かが私の頬を伝う。
「……あの人らしいよ」
あはは、と空笑いをした。
「本当に、そう思うの?」
彼女がぽつりと呟いた。
振り向くと、彼女は少し寂しそうに微笑んだ。
「貴女は、彼の何を見ていたの?」
理解出来ずに彼女を見つめていると、彼女の手が私の手を取った。
「貴女は、彼のことをそんな人間だと思ってたの?」
違う。
本当はわかってる。
そんな人じゃなかったことくらい。
「わかってなかったのね」
彼女は、私の手を両手で包み込んだ。
「私は、自分が最も美しいと感じた場所に、彼を連れて行ったの」
死に場所を求めてここに来たと言った彼を。
「死ぬつもりで絵描き道具を捨てて来た、ってことも聞いたわ」
お節介かとも思ったけれど、と呟いて、彼女は苦笑した。
「この風景を見て、少しでも思い直してくれるなら、私の生きた意味もあると思ったから」
そう、それが彼女が樹海に来る理由なのだろう。
一人でも多く死を思い止まってくれればと、自殺志願者をここに連れて来ているのだろう。
「……連れて来た彼は、貴女と同じようにこの風景に見惚れて、」
言って、彼女の目が私を見た。
「この風景を見せたい人がいる、って言ったのよ」
その言葉に、私の目から涙が溢れた。
「彼が思い止まったのは、この風景を描きたかったからじゃ、ない」
彼が絵を描いていたのは、
「彼は、貴女に見せたい風景を、貴女に見せるためだけに、」
そう、ただそれだけのために。
「そのために、命を棄てるのを思い止まったのよ」
そう。
わかってたんだ。
だから私が強引に連れ出す先には、文句も言わずに付いてきた。
だから私が遊びに行けば、どんな時でも、あの歪な笑顔で迎えてくれた。
そう、全て私のために。
「愛されて、たのね」
彼女は、泣きじゃくる私を抱き締めてくれた。
「ありがとう」
「いいえ、貴女に会えて良かったわ」
くすり、と笑って彼女は手を差し伸べた。
その手を見ながら、私は首を振った。
「それ、もう会わないみたいじゃない?」
そして、くるりと後ろを向く。
「また、会いましょ」
彼女がどんな顔をしてるのか、見なくてもわかるから。
だからもう振り向かなくていい。
「……そうね」
彼女の声が背後から聞こえた。
「じゃ、また会いましょうね」
振り向かなくても手を上げて挨拶すれば良かったんだけど、私はどうしてももう一度、今、彼女を見たくなり、くるりと振り向いた。
「……じゃあね!」
手を上げて軽く振り、彼女の笑顔を見つめながら、私は帰ったら彼女の笑顔を絵にしようと決めていた。
――それを、彼女に見せるために。
近くに車椅子がある。そっか、あのタイヤの跡は彼女の。
でも、転んだとかではないみたいでほっとする。
「……さ、帰ろうか……タウラス」
そう言って車椅子に手を触れたところで、その人と私の目が合った。
気まずい雰囲気になると思ったんだけど、
「こんにちは」
にっこりと笑って話しかけられた。
「こ……んにちは」
彼女はくすくすと笑う。
そして、器用に車椅子に自力で這い登った。
「こんな森に何か御用でも?」
笑いながら、車椅子を動かして器用にこっちまでやって来た。
「あ、いえ、その」
言い淀む私に、女性はもう一度笑って見せた。
「まさか自殺しに来たわけじゃないでしょうね?」
笑顔を崩さず、でもその声には真剣さが混じってた。
「……いえ、知り合いの絵の場所を探しに来ただけです」
少しむっとしながら言ってやると、女性の顔が、ふっと驚きに変わる。
そして、女性の唇と声が、彼の名前を呟いた。
「え」
びっくりして声も出ない私に、女性はやっぱり、と笑顔に戻る。
「じゃあ、貴女が」
くすくすと楽しそうに笑う彼女。
彼から何か聞いてたのかな、と尋ねてみたら、
「ええ、よーく聞いてますよ」
女性は、新しい友達を見つけた子供のように、嬉しそうな笑顔で手を差し伸べ、自分の名を言った。
「……そう。亡くなったの」
残念ね、と呟いて、彼女は首から下げたそれを撫でた。
「それ何?」
聞くと、一瞬躊躇った表情を向け、でも彼女は手を開けてそれを見せてくれた。
「……兎の足?」
言った途端、彼女は吹き出した。
「彼と同じ事を言うのね」
言われて気が付いた。
そう、私は彼ならそう言うだろうと思った言葉を言っただけ。
幸運と言われる兎の足。
彼に何度か聞いたことがあるし、女性ならそんなお守りを持っててもおかしくない、って思っただけ。
「違うわ。これは……私の、愛のひと欠片よ」
言って、女性はそれを撫でた。
聞いたら、自分を死から護ってくれた愛犬の、唯一の遺骸だと教えてくれた。
「不思議ね」
女性は呟いて私を見つめた。
「皆、これを見ただけで気味悪がったりするのに」
くすくすと嬉しそうに笑う。
「貴女たちは真っ先に兎の足、ですもの」
言いつつ、それを撫でる。
「彼から、兎の足のことは聞いてたんですよ」
「でも、だからって真っ先に思い出すのが兎の足って」
どう見ても兎じゃないでしょうに、と彼女はそれを見つめ、くすくすと笑った。
そんなに可笑しかったかな。
確かに大きさが全然違うけど。
「……絵の場所、案内しましょうか?」
「え、知ってるの?」
不意に出た彼女の言葉に、思わず食い付いた。
「ええ。だって、私が彼と会ったのは、その絵を描く前でしたから」
一度しか会ってないですけれど、と続けながら車椅子を動かす彼女。
私は、せめてと思って車椅子のハンドルを握った。
「あら、有難う。でも大丈夫」
言って、彼女は私にハンドルを離すように言った。
親切の押し売りも嫌だし、と、私はその手をあっさり離した。
それを見た瞬間、私は彼のその時の気持ちがほぼわかってしまった。
「どう?」
絶景のパノラマだ。
絵に全てを伝え切れなかった彼の無念さが伝わるくらいに。
返事をするのも忘れて、私はただその光景に見入っていた。
言葉にすることも、言葉を出すことも忘れていた。
樹海と呼ばれる理由が良くわかる、樹の風景。
そこに、絵とは少し角度が違う光が差し込み、そして申し訳程度に流れる水。
全て、彼の絵を上回り、雄大で優美。
そうだ、彼はこの風景をキャンパスに納めたかったんだ。
絵を…いや、命すら捨てる覚悟でここまで来て、この風景に圧倒されて。
そしてこの風景を目にした瞬間、彼は死ぬことなんかどうでもよくなったんだ。
そう、魅了されたなんて生優しいもんじゃない。
表現が思いつかない。
ふと名前を呼ばれ、振り返る。
「……あ」
すっかり忘れてた。
私の様子がよっぽどツボだったのか、彼女は笑いをこらえようと必死だった。
「あ、貴女たちって、ぷっ、あはははは」
あ、こらえきれずに大爆笑し始めた。
ひとしきり笑って満足したのか、彼女は笑い過ぎて涙まで出て来た目を擦りながら言った。
「貴女たちってそんなところまで同じなのね」
一言で、その時の彼の様子がわかった。
多分彼女は、彼がこの景色に出くわした瞬間に立ち合ったのだろう。
ううん、もしかしたらここに彼を連れて来たのも彼女なのかもしれない。
「捨てた画材道具を拾ってくる、って引き返して、それから4時間くらいここで描いてたわ」
4時間。
4時間であの絵が描けるとは思えない。
きっとここにいたのは4時間でも、目に焼き付けたこの風景に、部屋で何度も色を重ねたんだろう。
「そっか」
手に持ったバッグから、私はそれを取り出した。
「砂時計?」
「うん、あの人からもらったクリスマスプレゼント」
正確にはクリスマスに縁日でやっていた屋台で買ってもらっただけだけど。
そう、あの日見せようと……あれからバッグに入れっぱなしだった砂時計だ。
結局見せることも忘れてたけど。
「結局、あの人は私より絵の方が大事だったみたいだけどね」
あはは、と空笑いをしてみた。
最期まで伝えることも出来なかったキモチ。
それを彼はわかっていたんだろうけど。
「……」
それでも彼は私を求めずここに来て、絵にしたい風景を目にして、そして命を踏み止まった。
「絵を描きたくなって死ぬのを止めるなんて、」
何かが私の頬を伝う。
「……あの人らしいよ」
あはは、と空笑いをした。
「本当に、そう思うの?」
彼女がぽつりと呟いた。
振り向くと、彼女は少し寂しそうに微笑んだ。
「貴女は、彼の何を見ていたの?」
理解出来ずに彼女を見つめていると、彼女の手が私の手を取った。
「貴女は、彼のことをそんな人間だと思ってたの?」
違う。
本当はわかってる。
そんな人じゃなかったことくらい。
「わかってなかったのね」
彼女は、私の手を両手で包み込んだ。
「私は、自分が最も美しいと感じた場所に、彼を連れて行ったの」
死に場所を求めてここに来たと言った彼を。
「死ぬつもりで絵描き道具を捨てて来た、ってことも聞いたわ」
お節介かとも思ったけれど、と呟いて、彼女は苦笑した。
「この風景を見て、少しでも思い直してくれるなら、私の生きた意味もあると思ったから」
そう、それが彼女が樹海に来る理由なのだろう。
一人でも多く死を思い止まってくれればと、自殺志願者をここに連れて来ているのだろう。
「……連れて来た彼は、貴女と同じようにこの風景に見惚れて、」
言って、彼女の目が私を見た。
「この風景を見せたい人がいる、って言ったのよ」
その言葉に、私の目から涙が溢れた。
「彼が思い止まったのは、この風景を描きたかったからじゃ、ない」
彼が絵を描いていたのは、
「彼は、貴女に見せたい風景を、貴女に見せるためだけに、」
そう、ただそれだけのために。
「そのために、命を棄てるのを思い止まったのよ」
そう。
わかってたんだ。
だから私が強引に連れ出す先には、文句も言わずに付いてきた。
だから私が遊びに行けば、どんな時でも、あの歪な笑顔で迎えてくれた。
そう、全て私のために。
「愛されて、たのね」
彼女は、泣きじゃくる私を抱き締めてくれた。
「ありがとう」
「いいえ、貴女に会えて良かったわ」
くすり、と笑って彼女は手を差し伸べた。
その手を見ながら、私は首を振った。
「それ、もう会わないみたいじゃない?」
そして、くるりと後ろを向く。
「また、会いましょ」
彼女がどんな顔をしてるのか、見なくてもわかるから。
だからもう振り向かなくていい。
「……そうね」
彼女の声が背後から聞こえた。
「じゃ、また会いましょうね」
振り向かなくても手を上げて挨拶すれば良かったんだけど、私はどうしてももう一度、今、彼女を見たくなり、くるりと振り向いた。
「……じゃあね!」
手を上げて軽く振り、彼女の笑顔を見つめながら、私は帰ったら彼女の笑顔を絵にしようと決めていた。
――それを、彼女に見せるために。
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