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第一章
ぼくのいとしないふしぎなくうかん
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この物語の主人公の話をしよう。
彼には生まれつき、不思議なものが見える。
彼の生まれは2000年。しかも狙ったかのように1月1日の生まれだ。
生まれた頃の記憶はどうかと聞かれたら、彼にはそれを答えることができない。幼い頃の記憶は曖昧で、確実にそうかと聞かれれば、そうだったと言い切る自信は彼にはない。
ただ少なくとも、今現在、そして彼が物心付いた頃からずっと、彼の目の前にあるそれは、いつもずっと変わらずにそこにあった。
そう。ずっとずっと、同じ場所にそれはあった。
具体的に言えば、彼の顔の前40センチほどを、彼の動きにぴったりと合わせて、それはいつもそこにあった。
彼の中では、それはそこにあるのが当たり前のもので、そこになくてはいけない――正確には、ない現実など考えられない――ものだ。
例えるならば、薄い、平たい透明な箱。
厚さは1センチほど。横幅7センチ、縦幅15センチほどの形をしている。
――一度図ったことがあるから、たぶん間違いはない。絶対にと言えないのが辛いところではあるが、厚さに関しては、奥行きが彼にはわからないので、たまたま触れる時触った時の指の幅を計ったら、そのくらいだったというだけに過ぎない。
……読者様方の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるのがちらほら見えるが、申し訳ない、もう少し読み進めてもらえれば、きっと理解してもらえると信じて話を先に進めよう。
彼はこの薄い平たいものが、他の人にはまるで見えていないのだということに、6歳の春ごろに気が付いた。
気が付くまでは、さほど気にも留めなかったそれは、気が付いてしまうとすさまじく気になり始めた。
どうにかしてこれの謎を解いてやろうと、触れる時に触っていると、彼はそれの法則性に気付く。
まず、触れる時の法則。
彼がそれに気付いたのは、触れるものの正体が樹であることに気付いた時だ。
いや、触れるものが樹だけというわけではない。時々は獣の毛皮のようであったり、内臓のようにグロテスクなものであったりするのだが、少なくともそれは一定して同じところにあるわけでもなく、また彼が触ってしまうとそこからいなくなってしまうこともあるのだ。さすがにそれは彼がコントロールできるものではなかったが、樹であれは話は別だ。
触っても動かない対象が目の前にあるのだから、当然彼はそれを観察する。
木の皮から、彼が歩けばゆっくりと透過するように、あたかもそこには彼にしか見えない樹があって、それを通過するかのように樹の断面が見え始める。断面が見えているときは、目の前のそれはほとんどただの木の板だが、ひとつだけ違うのは、木目が勝手に浮き出ては消え、浮き出ては消え、と動くところだ。
それを見て彼は気付いた。
彼にも、そして他の誰にも見えない大きな樹がここにあり、彼の目の前に浮く「それ」は、そこにある樹を見ることのできる唯一のツールである、とようやく考えるに至るのだ。
そうなってしまえば、彼はそのツール――実際彼はこの時から、この何かを「ツール」と呼んだ――に興味を抱き、ひたすら、ただひたすらそれについてを調べ始めた。
ちなみに、彼が触れないと意識していれば、触れる時でも触らずに手を素通りさせることも可能だった。
とあるテレビ番組に投稿したこともある。
その番組は、お笑いタレントを派遣して色々なことを調べてくれる番組だった。
タレントの言うとおりに色々やってみた結果、彼はいくつかの事象を再び発見することになる。
「樹があるんやんな?だったらその樹の皮一枚剥いたらどうなるん?」
実際にやってみると、樹の皮は向けたが、ツールから外に持ち出そうとすると消えてしまった。
タレントにそれを伝えると、ひどく残念そうに、「マジかー」と叫んで次を考えた。
「樹に何か文字でも書き込んでみぃや」
彼にその発想はなかった。カッターで樹の皮に文字を書こうとすると、カッターの刃が折れた。
タレントは驚き、「ちょっと待って」と何度か連呼した上で、最終的に「嘘やん!?」と頭を抱えてしまったが、彼は冷静に、樹の方が固いからじゃないかと返すと、「いや確かにそうやねんけど」と苦笑いされてしまった。
彼はタレントから話を聞いてようやく理解した。そもそも樹はタレントには見えていないのだ。
タレントにしてみたら、何もない空間にカッターを押し当てたらカッターが折れた、という状況だ。驚くのも無理はない。
カッターではラチが明かなさそうなので、それより少しは丈夫な小刀で文字を掘った。
上手く掘れたのを確認してから、タレントの指示に従ってその樹から2歩ほど離れ、もう一度樹に近付くと、彼が掘ったその文字は再びそこに現れた。
「触る触れないを選べるんやったら、触れない状況の時にこのあたりで手を止めて、触れる状況にしたらどないなんの?」
実際やってみることにした。さすがに指でやるのは怖いので、カッターで試すことにした。
結果。
「アレ?カッターどこ行ったん?」
カッターは樹から抜けなくなり、タレントからカッターが見えなくなった。
「その空間ってな、何もないこともあるんやろ?」
次の提案はそんな言葉から始まった。そしてタレントはあるものを取り出した。
当時急速に普及し始めた、スマートフォンだ。
「これをその空間に合わせてみて」
結果は実は知っていた。だが自分の子供用携帯でしかやったことがないので、彼はそれに従った。
ツールに通信部分が触れると同時に、スマホは圏外になった。子供用携帯と同じだった。
タレントは「は!?」とつぶやくと、ちょっと自分もやってみていいかと提案し、自分でもやってみたが、タレントがやっても、ツールに入っているのに圏外にはならなかった。タレントが持っている携帯に彼が触れると、スマホは再び圏外になった。
「樹の皮は消えたけど、コレならどうや」
そう言ってタレントが差し出したのは、使いすぎて短くなった鉛筆だった。
要するに、ツールの中に鉛筆がある状態で手を離したらどうなるか、という実験だ。これも彼はやったことはなかった。
試してみると、ツールの下で差し出して待っていたタレントの手に、鉛筆は落ちてこなかった。
「は?え、何が起こっとるんやこれ!」
結論。鉛筆が消えた。
当然ではあるが、タレントが同じことをやっても、鉛筆は地面に落ちるだけだった。
何度かそんな実験を繰り返してから、タレントは「正直言おか、正直な」と前フリをして、こう結論付けた。
「俺にはその空間は見えん。けどカッターが折れるってことはホンマにそこに何かがあるんやとは思う」
タレントは、カッターが折れたことでツールの存在を認めてくれた。
「ほんで、その掘った文字がもし明日も見えるんやったら、その樹はそこにあるってことやねん」
一度離れて文字が消えるのであれば、タレントの意見も違っただろう。
「正直わからん。わからんけど、その空間には夢があるな」
テレビ番組の収録はここで終わった。理由は単純なタイムアップ。時間切れだ。タレントが局長と呼ばれる別のタレントに「ホンマですねん。アレホンマビビりまっせ」と視聴者に笑いを振りまいたところで番組はCMとなった。
そしてあの収録のあと、それが影響したのかたまたまなのか、彼の周りは劇的に変化することとなる。
彼には生まれつき、不思議なものが見える。
彼の生まれは2000年。しかも狙ったかのように1月1日の生まれだ。
生まれた頃の記憶はどうかと聞かれたら、彼にはそれを答えることができない。幼い頃の記憶は曖昧で、確実にそうかと聞かれれば、そうだったと言い切る自信は彼にはない。
ただ少なくとも、今現在、そして彼が物心付いた頃からずっと、彼の目の前にあるそれは、いつもずっと変わらずにそこにあった。
そう。ずっとずっと、同じ場所にそれはあった。
具体的に言えば、彼の顔の前40センチほどを、彼の動きにぴったりと合わせて、それはいつもそこにあった。
彼の中では、それはそこにあるのが当たり前のもので、そこになくてはいけない――正確には、ない現実など考えられない――ものだ。
例えるならば、薄い、平たい透明な箱。
厚さは1センチほど。横幅7センチ、縦幅15センチほどの形をしている。
――一度図ったことがあるから、たぶん間違いはない。絶対にと言えないのが辛いところではあるが、厚さに関しては、奥行きが彼にはわからないので、たまたま触れる時触った時の指の幅を計ったら、そのくらいだったというだけに過ぎない。
……読者様方の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるのがちらほら見えるが、申し訳ない、もう少し読み進めてもらえれば、きっと理解してもらえると信じて話を先に進めよう。
彼はこの薄い平たいものが、他の人にはまるで見えていないのだということに、6歳の春ごろに気が付いた。
気が付くまでは、さほど気にも留めなかったそれは、気が付いてしまうとすさまじく気になり始めた。
どうにかしてこれの謎を解いてやろうと、触れる時に触っていると、彼はそれの法則性に気付く。
まず、触れる時の法則。
彼がそれに気付いたのは、触れるものの正体が樹であることに気付いた時だ。
いや、触れるものが樹だけというわけではない。時々は獣の毛皮のようであったり、内臓のようにグロテスクなものであったりするのだが、少なくともそれは一定して同じところにあるわけでもなく、また彼が触ってしまうとそこからいなくなってしまうこともあるのだ。さすがにそれは彼がコントロールできるものではなかったが、樹であれは話は別だ。
触っても動かない対象が目の前にあるのだから、当然彼はそれを観察する。
木の皮から、彼が歩けばゆっくりと透過するように、あたかもそこには彼にしか見えない樹があって、それを通過するかのように樹の断面が見え始める。断面が見えているときは、目の前のそれはほとんどただの木の板だが、ひとつだけ違うのは、木目が勝手に浮き出ては消え、浮き出ては消え、と動くところだ。
それを見て彼は気付いた。
彼にも、そして他の誰にも見えない大きな樹がここにあり、彼の目の前に浮く「それ」は、そこにある樹を見ることのできる唯一のツールである、とようやく考えるに至るのだ。
そうなってしまえば、彼はそのツール――実際彼はこの時から、この何かを「ツール」と呼んだ――に興味を抱き、ひたすら、ただひたすらそれについてを調べ始めた。
ちなみに、彼が触れないと意識していれば、触れる時でも触らずに手を素通りさせることも可能だった。
とあるテレビ番組に投稿したこともある。
その番組は、お笑いタレントを派遣して色々なことを調べてくれる番組だった。
タレントの言うとおりに色々やってみた結果、彼はいくつかの事象を再び発見することになる。
「樹があるんやんな?だったらその樹の皮一枚剥いたらどうなるん?」
実際にやってみると、樹の皮は向けたが、ツールから外に持ち出そうとすると消えてしまった。
タレントにそれを伝えると、ひどく残念そうに、「マジかー」と叫んで次を考えた。
「樹に何か文字でも書き込んでみぃや」
彼にその発想はなかった。カッターで樹の皮に文字を書こうとすると、カッターの刃が折れた。
タレントは驚き、「ちょっと待って」と何度か連呼した上で、最終的に「嘘やん!?」と頭を抱えてしまったが、彼は冷静に、樹の方が固いからじゃないかと返すと、「いや確かにそうやねんけど」と苦笑いされてしまった。
彼はタレントから話を聞いてようやく理解した。そもそも樹はタレントには見えていないのだ。
タレントにしてみたら、何もない空間にカッターを押し当てたらカッターが折れた、という状況だ。驚くのも無理はない。
カッターではラチが明かなさそうなので、それより少しは丈夫な小刀で文字を掘った。
上手く掘れたのを確認してから、タレントの指示に従ってその樹から2歩ほど離れ、もう一度樹に近付くと、彼が掘ったその文字は再びそこに現れた。
「触る触れないを選べるんやったら、触れない状況の時にこのあたりで手を止めて、触れる状況にしたらどないなんの?」
実際やってみることにした。さすがに指でやるのは怖いので、カッターで試すことにした。
結果。
「アレ?カッターどこ行ったん?」
カッターは樹から抜けなくなり、タレントからカッターが見えなくなった。
「その空間ってな、何もないこともあるんやろ?」
次の提案はそんな言葉から始まった。そしてタレントはあるものを取り出した。
当時急速に普及し始めた、スマートフォンだ。
「これをその空間に合わせてみて」
結果は実は知っていた。だが自分の子供用携帯でしかやったことがないので、彼はそれに従った。
ツールに通信部分が触れると同時に、スマホは圏外になった。子供用携帯と同じだった。
タレントは「は!?」とつぶやくと、ちょっと自分もやってみていいかと提案し、自分でもやってみたが、タレントがやっても、ツールに入っているのに圏外にはならなかった。タレントが持っている携帯に彼が触れると、スマホは再び圏外になった。
「樹の皮は消えたけど、コレならどうや」
そう言ってタレントが差し出したのは、使いすぎて短くなった鉛筆だった。
要するに、ツールの中に鉛筆がある状態で手を離したらどうなるか、という実験だ。これも彼はやったことはなかった。
試してみると、ツールの下で差し出して待っていたタレントの手に、鉛筆は落ちてこなかった。
「は?え、何が起こっとるんやこれ!」
結論。鉛筆が消えた。
当然ではあるが、タレントが同じことをやっても、鉛筆は地面に落ちるだけだった。
何度かそんな実験を繰り返してから、タレントは「正直言おか、正直な」と前フリをして、こう結論付けた。
「俺にはその空間は見えん。けどカッターが折れるってことはホンマにそこに何かがあるんやとは思う」
タレントは、カッターが折れたことでツールの存在を認めてくれた。
「ほんで、その掘った文字がもし明日も見えるんやったら、その樹はそこにあるってことやねん」
一度離れて文字が消えるのであれば、タレントの意見も違っただろう。
「正直わからん。わからんけど、その空間には夢があるな」
テレビ番組の収録はここで終わった。理由は単純なタイムアップ。時間切れだ。タレントが局長と呼ばれる別のタレントに「ホンマですねん。アレホンマビビりまっせ」と視聴者に笑いを振りまいたところで番組はCMとなった。
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