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第一章
ぼくのどれいのおかあさま
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ユウキと通った道を、少し戻って立ち止まると、開けたくて仕方なかったドアの前に立つ。
ひと呼吸、深呼吸。息を整えて、……よし、とニーナは破顔一笑した。
中から聞こえる声は、玄関で耳を澄ませた時から聞こえていた。
父親の咳払いの声を優先したが、本当なら、一人なら、奴隷じゃなければ、こっちを優先して開けていたはずの扉。
少しだけ躊躇した後、ニーナはこんこん、と扉を叩く。
「はぁい?」
「あら、どなたかしら」
母親の声と、もう一人は聞き覚えがある。近所の小母さんの声か。
子供の頃から母親と仲が良く、何度も顔を合わせている間柄なので、遠慮する必要はないか、と判断し、ひと呼吸置いて、ニーナは声を出した。
「お母様、……ニーナです」
中から、「えっ」という声とともに、パタパタと走り来る音がしたので、ドアにぶつからないように2歩ほど後ろへ。
ばたん!と案の定扉が勢いよく開け放たれ、今にも泣きそうな顔の母親の顔が見えた。
「ニーナ、……あぁニーナ」
「近くを寄りましたので、近況報告がてら寄りました」
「そう、……そう。お父様には?」
ぺたぺたと心配そうに顔や体に触る母親の手が気持ちいい。
すでに父親には会ったことを告げると、母親はようやく、ニーナの小さい体をぎゅっと抱き締め、「お帰りなさい」と呟いた。
ルイジールのこと、ユウキのこと。そしてカリナのこと。とりあえず言わなければいけないことをいくつか話すと、母親はニーナに合わせるように一喜一憂し、「辛かったわね」「そう、良かった」などと逐一言葉をかけてくれる。
「今、そのユウキ様は?」
「……お父様とお話されてます」
そうして、母親とニーナの話が終わると、近所の小母さんを交えた女3人の女子トークが始まった。女子トークと言っても二人はいい年をした大人なので、どちらかというと井戸端会議的なものだったり、あそこの奥様と誰々が不倫しているんじゃないかだのという恋愛トークだったりするのだが。
久し振りに話すとは思えない母親との距離感。
父親がユウキに言った通り、ニーナは母親っ子なのだ。
そうして、話はそろそろ夕飯を作るのでと母親がお開きを宣言するまで、長い間続いた。ちなみに、ニーナが奴隷に行ってから、雇っていたコックに暇を出し、夕食は常に母親が作っている。メイドたちは、いなくなると日常が差し支えるほどなので解雇できなかったようだが、少なくとも両親は節約して、ニーナが万一奴隷を辞めたいと言い出したら買い戻せるよう努力しているようだ。
まぁ、会話した限りではその必要はなさそうでほっとしている母親だが、それと夕食を作ることには何の関連もない。コックがいないのだから、結局夕食は母親が作るのだ。
ニーナがユウキの元――というか父親のところ――に戻ると、ユウキは町に出かけたと父親は告げた。
「呼んでくれれば良かったのに」
「ふふ。ユウキ君もたまにはお前と離れて羽を伸ばしたいだろうと思ってな」
「――ふぅん」
父親しかいないので、会話は親子モードだ。
少し残念そうなニーナを見て、父親はくすりと笑うと、意地悪を思い付いた。
「ところで、――彼はいい男だね」
「え?」
「ルイジール君といいユウキ君といい、ニーナは男を見る目があるね」
さすがにそこまで言われては、揶揄われていることに気付かないわけもなく。
「ちょっと、ユウキ様はともかく、ルイージに対してはちょっとそれは失礼じゃない」
「ユウキ君はいいんだね」
「え、ちょっ、そうじゃなくて!?」
慌てて否定はするものの、ルイジールの死を看取ったという、同じ境遇の仲間として、特別な目で見てしまっていることは否めない。だがそれだけだ。境遇が同じだから、共感意識に仲間意識が芽生えてしまっているだけなのだ。
しかし、そんなニーナに父親は追い打ちをかける。
「そうか、ニーナもいい年頃だからね」
「だから、……お父さん!」
ははは、と楽しそうに笑う父親に、思わずぱしぱしと父親の足を叩いて抗議するニーナであった。「痛い痛い」などと言っているが、そもそも痛がるほど力を込めていないニーナの叩き方が痛いはずもなく、満面の楽しそうな笑顔を見ると、久し振りの娘弄りはとても楽しいものなのだろう。
夕方になっても、ユウキは帰って来なかった。
少しだけ心配になりつつも、ニーナは玄関の前に出て、ひとりユウキの帰りを待つ。
「……遅いなぁ」
思わずぽつりと呟いてから、はっとしたように口元を引き締める。
ユウキは父親と話をした後、どうやらこの街の鍛冶屋に行って来ると出かけたらしい。
騒動に巻き込まれる、……などということは、北方街に限っては滅多に起きないだろうし、いざとなったらフェルグムス家の名前を出せば、騒動から抜け出すことも、ここまで辿り着くことも簡単だろうとは思う。落ち魄れたと言っても貴族は貴族。その程度にはフェルグムスの家の名は有名だし、とそこまで考えてから、ニーナははたと気が付いた。
もしかして、町中であのすまほとかいうのを出していないだろうか。
あれはちょっと特殊すぎる。使い方を知らなければただの何かの板にしか見えないが、一度見せてもらった、パネルとかいうものに映し出されるものを見たら、あれがどれだけ優れた魔法具――だとニーナは思っている――なのかを理解するには十分だろう。
計算機能を試してもらったが、ニーナが3分かけて計算したものを、一瞬で算出して見せてくれた。しかも一度も間違えることなく、正確にだ。むしろニーナの計算の方が間違えてしまい、「計算しなおして」と当たり前のように言ったユウキの言葉通り、すまほのほうが計算は正しかった。
しかも、すまほの機能はそれだけではないと言う。
ひとつの機能しか見せてもらっていないとはいえ、さすがにすまほの機能性の良さについては議論の余地はない。計算ツールというだけでも、買う行商人などは大枚を惜しまないだろう。
この街に入る前にも何かをしていたし、ひょっとしたら危機感というものがないのではないだろうか、などとユウキを心配してしまう。どことなく、何となく、ユウキは放っておけない危うさがあるように見えるのだ。
――彼はいい男だね。
父親の言葉が頭を掠め、思わず顔が熱くなるのを感じた。
違う違う違う。父さんは何を勘違いしているのか。彼に付いているのは、ルイージが彼に自分を譲ったからであって、――
――ニーナもいい年頃だからね。
……違う。違う違う違う、そうじゃないそうじゃない。確かに悪い男ではないだろうけど、まだ出会ったばかりのユウキに対して、特別な感情を抱いたりはしていない。
あぁもう、父さんが変なことを言うから、それにユウキの帰りが遅いから、きっと余計なことを考えてしまうんだ。
思考に覗く呼称から、様が抜け落ちていることになど、ニーナは気付いていなかった。
ひと呼吸、深呼吸。息を整えて、……よし、とニーナは破顔一笑した。
中から聞こえる声は、玄関で耳を澄ませた時から聞こえていた。
父親の咳払いの声を優先したが、本当なら、一人なら、奴隷じゃなければ、こっちを優先して開けていたはずの扉。
少しだけ躊躇した後、ニーナはこんこん、と扉を叩く。
「はぁい?」
「あら、どなたかしら」
母親の声と、もう一人は聞き覚えがある。近所の小母さんの声か。
子供の頃から母親と仲が良く、何度も顔を合わせている間柄なので、遠慮する必要はないか、と判断し、ひと呼吸置いて、ニーナは声を出した。
「お母様、……ニーナです」
中から、「えっ」という声とともに、パタパタと走り来る音がしたので、ドアにぶつからないように2歩ほど後ろへ。
ばたん!と案の定扉が勢いよく開け放たれ、今にも泣きそうな顔の母親の顔が見えた。
「ニーナ、……あぁニーナ」
「近くを寄りましたので、近況報告がてら寄りました」
「そう、……そう。お父様には?」
ぺたぺたと心配そうに顔や体に触る母親の手が気持ちいい。
すでに父親には会ったことを告げると、母親はようやく、ニーナの小さい体をぎゅっと抱き締め、「お帰りなさい」と呟いた。
ルイジールのこと、ユウキのこと。そしてカリナのこと。とりあえず言わなければいけないことをいくつか話すと、母親はニーナに合わせるように一喜一憂し、「辛かったわね」「そう、良かった」などと逐一言葉をかけてくれる。
「今、そのユウキ様は?」
「……お父様とお話されてます」
そうして、母親とニーナの話が終わると、近所の小母さんを交えた女3人の女子トークが始まった。女子トークと言っても二人はいい年をした大人なので、どちらかというと井戸端会議的なものだったり、あそこの奥様と誰々が不倫しているんじゃないかだのという恋愛トークだったりするのだが。
久し振りに話すとは思えない母親との距離感。
父親がユウキに言った通り、ニーナは母親っ子なのだ。
そうして、話はそろそろ夕飯を作るのでと母親がお開きを宣言するまで、長い間続いた。ちなみに、ニーナが奴隷に行ってから、雇っていたコックに暇を出し、夕食は常に母親が作っている。メイドたちは、いなくなると日常が差し支えるほどなので解雇できなかったようだが、少なくとも両親は節約して、ニーナが万一奴隷を辞めたいと言い出したら買い戻せるよう努力しているようだ。
まぁ、会話した限りではその必要はなさそうでほっとしている母親だが、それと夕食を作ることには何の関連もない。コックがいないのだから、結局夕食は母親が作るのだ。
ニーナがユウキの元――というか父親のところ――に戻ると、ユウキは町に出かけたと父親は告げた。
「呼んでくれれば良かったのに」
「ふふ。ユウキ君もたまにはお前と離れて羽を伸ばしたいだろうと思ってな」
「――ふぅん」
父親しかいないので、会話は親子モードだ。
少し残念そうなニーナを見て、父親はくすりと笑うと、意地悪を思い付いた。
「ところで、――彼はいい男だね」
「え?」
「ルイジール君といいユウキ君といい、ニーナは男を見る目があるね」
さすがにそこまで言われては、揶揄われていることに気付かないわけもなく。
「ちょっと、ユウキ様はともかく、ルイージに対してはちょっとそれは失礼じゃない」
「ユウキ君はいいんだね」
「え、ちょっ、そうじゃなくて!?」
慌てて否定はするものの、ルイジールの死を看取ったという、同じ境遇の仲間として、特別な目で見てしまっていることは否めない。だがそれだけだ。境遇が同じだから、共感意識に仲間意識が芽生えてしまっているだけなのだ。
しかし、そんなニーナに父親は追い打ちをかける。
「そうか、ニーナもいい年頃だからね」
「だから、……お父さん!」
ははは、と楽しそうに笑う父親に、思わずぱしぱしと父親の足を叩いて抗議するニーナであった。「痛い痛い」などと言っているが、そもそも痛がるほど力を込めていないニーナの叩き方が痛いはずもなく、満面の楽しそうな笑顔を見ると、久し振りの娘弄りはとても楽しいものなのだろう。
夕方になっても、ユウキは帰って来なかった。
少しだけ心配になりつつも、ニーナは玄関の前に出て、ひとりユウキの帰りを待つ。
「……遅いなぁ」
思わずぽつりと呟いてから、はっとしたように口元を引き締める。
ユウキは父親と話をした後、どうやらこの街の鍛冶屋に行って来ると出かけたらしい。
騒動に巻き込まれる、……などということは、北方街に限っては滅多に起きないだろうし、いざとなったらフェルグムス家の名前を出せば、騒動から抜け出すことも、ここまで辿り着くことも簡単だろうとは思う。落ち魄れたと言っても貴族は貴族。その程度にはフェルグムスの家の名は有名だし、とそこまで考えてから、ニーナははたと気が付いた。
もしかして、町中であのすまほとかいうのを出していないだろうか。
あれはちょっと特殊すぎる。使い方を知らなければただの何かの板にしか見えないが、一度見せてもらった、パネルとかいうものに映し出されるものを見たら、あれがどれだけ優れた魔法具――だとニーナは思っている――なのかを理解するには十分だろう。
計算機能を試してもらったが、ニーナが3分かけて計算したものを、一瞬で算出して見せてくれた。しかも一度も間違えることなく、正確にだ。むしろニーナの計算の方が間違えてしまい、「計算しなおして」と当たり前のように言ったユウキの言葉通り、すまほのほうが計算は正しかった。
しかも、すまほの機能はそれだけではないと言う。
ひとつの機能しか見せてもらっていないとはいえ、さすがにすまほの機能性の良さについては議論の余地はない。計算ツールというだけでも、買う行商人などは大枚を惜しまないだろう。
この街に入る前にも何かをしていたし、ひょっとしたら危機感というものがないのではないだろうか、などとユウキを心配してしまう。どことなく、何となく、ユウキは放っておけない危うさがあるように見えるのだ。
――彼はいい男だね。
父親の言葉が頭を掠め、思わず顔が熱くなるのを感じた。
違う違う違う。父さんは何を勘違いしているのか。彼に付いているのは、ルイージが彼に自分を譲ったからであって、――
――ニーナもいい年頃だからね。
……違う。違う違う違う、そうじゃないそうじゃない。確かに悪い男ではないだろうけど、まだ出会ったばかりのユウキに対して、特別な感情を抱いたりはしていない。
あぁもう、父さんが変なことを言うから、それにユウキの帰りが遅いから、きっと余計なことを考えてしまうんだ。
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