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第一章
ぼくのこれからのこうどうししん
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ユウキは鍛冶屋の主人と別れた後、歩きながらステータスを確認した。
見るべきはスキル。
スキル
創作の心得 Lv.1
生産/鍛冶の基礎 Lv.1
果たしてスキルに生産が付いている。どうやら、教わったのは基礎技術のようだ。
わざわざ鍛冶、と付いているのだから、きっと鍛冶以外にも種類があるのだろう。
続けて、歩きながらスキルの詳細を確認する。
スキル
生産/鍛冶の基礎 Lv.1
金属を使った鍛冶技術全般の基礎。
鍛冶技能に対しての成功修正に+1%。
なるほど、じゃあレベルを上げたら成功修正も大きくなるのか、とユウキは想像する。
歩きながら、とりあえず1つだけレベルを上げてみることにした。
生産/鍛冶の基礎 Lv.1▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.2▲(1000)
魔力収集とは違い、必要コストが上がらない。
効果はどうだろう。
生産/鍛冶の基礎 Lv.2
金属を使った鍛冶技術全般の基礎。
鍛冶技能に対しての成功修正に+1.5%。
悪くない上昇率かな、とユウキは判断する。
もうちょっと上げようかな、とさらに上げる。
生産/鍛冶の基礎 Lv.3▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.4▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.5▲(1500)
少し必要コストが多くなったが、まだいける気がする。
一応効果を確認。
上昇率は3%。なかなかいい感じだ。ならばともっと上げてみることにする。
生産/鍛冶の基礎 Lv.6▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.7▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.8▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.9▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.10▲(2000)
上昇率は6%か、……と思ったところで、一旦冷静になって考えることにする。
今の残りコストはいくつだろう。
結構あったはずだが、残りは……101500か。結構まだあるなぁ。
慎重に使わなければいけないのは確かだが、とりあえず鍛冶技術は欲しい。種族的に。あとスキル的に。何なら鍛冶を基本に育ててしまってもいいかもしれない。
歩きながら、もう一度ステータスを確かめる。
キャラクターステータス
為我井 勇樹
キャラクターLv.37
未振りコスト101500
【体力 :12】
【器用度:16】
【知力 :10】
【生命力:10】
【HP:200/200】
【MP:240/240】
種族:ドワーフ
スキル
創作の心得 Lv.1
生産/鍛冶の基礎 Lv.10
生産/鍛冶技術(未) Lv.1
魔法
魔力収集 Lv.10
「あれ?」
よく見れば、鍛冶技術。明らかにスキルが増えていた。
「……まさかの発展系スキル?」
ユウキが考えた通り、鍛冶技術は発展スキルだ。
本来なら鍛冶の基礎を覚えて行く経験によって習得していくものだが、ユウキはその経験であるところの「コスト」を費やした。それによってスキルが発展したというわけだ。
まぁ、発展したからと言って、習ってもいないことをできるはずもない。(未)というのはそういうことだろう、とユウキはスキル詳細を開く。
生産/鍛冶技術(未) Lv.1
金属を使った鍛冶技術全般。
習熟することで、作れるものの幅が広がるだろう。
これもスキルレベルを上げることはできるのかな、と考えたユウキは、レベルを上げようと試みるが、レベルは上がらなかった。
他の技能と同じようにやっているはずなのに、と不思議に思いつつ、まぁきっと(未)だからできないんだろうな、と断念する。そうなると、別のところに迂闊にコストを振り分けるのは失策な気がする。とりあえず(未)が取れるまで、コストの振り分けは中断することにした。
ニーナの家に帰り着くと、玄関の前にニーナが立っていた。
少し慌ててニーナに駆け寄るユウキに、ニーナは微笑んで頭を下げた。
「お帰りなさいませ、ユウキ様」
「……ごめん、待っててくれたの?」
「少し暗くなっていましたので」
正確には暗くなる前から待っていたのだが、ニーナは涼しい顔でさらりと言う。
「そっか。ありがとう」
「いいえ、すでに夕飯の支度はできているようです、行きましょう」
思ったよりもご馳走が並んでいた、というのがニーナの感想だった。
ユウキにしてみれば貴族の食事ってこんなに豪華なのか、という程度の感想でしかないが、母親が作ったと知っているニーナにとっては、自分の母親がこれを作ったというのは、誇らしくさえ思えるほどだ。
「さぁ、食べようか」
上座に位置する父親の声でニーナもユウキも我に返り、そして二人同時に「いただきます」と手を合わせた。
一拍遅れて父親が「いただきます」と手を合わせ、母親がさらに一拍遅れて同じように手を合わせた。
夕食は、父親によるニーナの母親の紹介とユウキの自己紹介から始まった。
母親の名前はコラ・フェルグムス。この家はもともと母親の方の生家で、ドゥランテはフェルグムス家に婿入りした形となるらしい。
ニーナはドゥランテとコラのふたり目の子に当たるらしく、上には兄がいるのだという。
その後は子沢山になって愛情が分散されてしまわないようにと子を儲けるのはやめたらしく、ニーナの下に弟や妹は恐らくできないだろうと語る。
――そこまで赤裸々に語る必要は本来ないのであるが、父親が調子に乗ってペラペラと話してしまったので、まぁ仕方ないことだろう。
ユウキの方は名前だけだ。語るべきこともないので、「元学生です」とだけ言うと、学生というとどんな勉強をしていたのか、とか、この年齢まで学生をするほど裕福な生まれなのか、とか思いの外食いつきが良く、それらにできるだけ丁寧に答えてやると、最終的には「大事に育てられたんだね」とドゥランテとコラは意見を一致させた。
大切に育てられたことに関しては否定はしない。
ただ、少し認識にズレはあるようだ。どうやら修正は難しそうだが、まぁ異世界から来ました、などと軽く言えるはずもなく――言おうとしたがニーナに無言で止められた――苦笑するだけに留めたのは言うまでもない。
ニーナと母親のふたりは、食べ終わると早々に母親の部屋へと戻ってしまった。
ユウキはドゥランテとの酒の付き合いの約束があったため、その場に残る。
とりあえず用意された酒は、焙煎した豆と砂糖黍を蒸留した酒。なんだかコーヒーの匂いがすると思ったら、さらにドゥランテはそこにミルクを大量に投入し、カクテルを作って出してくれた。
「ニーナの兄が好きなカクテルでね。そんなに強くないはずだよ」
「……いただきます」
酒飲みのいう「強くない」とはどの程度なのかわからないが、少なくともニーナの兄が好きな、と言われれば飲まないわけにもいかない。というかどの道、一杯だけという約束なのだからとりあえず飲まないという選択肢はないのだが。
「……あ、意外と甘いんですね。カフェオレみたい」
「ふふ、そうだろう」
嬉しそうに呟きながら、ドゥランテは大きな氷の入ったグラスを傾ける。
この後、大した話はしなかったが、ニーナの子供の頃の話だとかのドゥランテによる娘自慢は、スマホの時計が午後9時を過ぎるまで続いたのだった。
見るべきはスキル。
スキル
創作の心得 Lv.1
生産/鍛冶の基礎 Lv.1
果たしてスキルに生産が付いている。どうやら、教わったのは基礎技術のようだ。
わざわざ鍛冶、と付いているのだから、きっと鍛冶以外にも種類があるのだろう。
続けて、歩きながらスキルの詳細を確認する。
スキル
生産/鍛冶の基礎 Lv.1
金属を使った鍛冶技術全般の基礎。
鍛冶技能に対しての成功修正に+1%。
なるほど、じゃあレベルを上げたら成功修正も大きくなるのか、とユウキは想像する。
歩きながら、とりあえず1つだけレベルを上げてみることにした。
生産/鍛冶の基礎 Lv.1▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.2▲(1000)
魔力収集とは違い、必要コストが上がらない。
効果はどうだろう。
生産/鍛冶の基礎 Lv.2
金属を使った鍛冶技術全般の基礎。
鍛冶技能に対しての成功修正に+1.5%。
悪くない上昇率かな、とユウキは判断する。
もうちょっと上げようかな、とさらに上げる。
生産/鍛冶の基礎 Lv.3▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.4▲(1000)
生産/鍛冶の基礎 Lv.5▲(1500)
少し必要コストが多くなったが、まだいける気がする。
一応効果を確認。
上昇率は3%。なかなかいい感じだ。ならばともっと上げてみることにする。
生産/鍛冶の基礎 Lv.6▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.7▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.8▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.9▲(1500)
生産/鍛冶の基礎 Lv.10▲(2000)
上昇率は6%か、……と思ったところで、一旦冷静になって考えることにする。
今の残りコストはいくつだろう。
結構あったはずだが、残りは……101500か。結構まだあるなぁ。
慎重に使わなければいけないのは確かだが、とりあえず鍛冶技術は欲しい。種族的に。あとスキル的に。何なら鍛冶を基本に育ててしまってもいいかもしれない。
歩きながら、もう一度ステータスを確かめる。
キャラクターステータス
為我井 勇樹
キャラクターLv.37
未振りコスト101500
【体力 :12】
【器用度:16】
【知力 :10】
【生命力:10】
【HP:200/200】
【MP:240/240】
種族:ドワーフ
スキル
創作の心得 Lv.1
生産/鍛冶の基礎 Lv.10
生産/鍛冶技術(未) Lv.1
魔法
魔力収集 Lv.10
「あれ?」
よく見れば、鍛冶技術。明らかにスキルが増えていた。
「……まさかの発展系スキル?」
ユウキが考えた通り、鍛冶技術は発展スキルだ。
本来なら鍛冶の基礎を覚えて行く経験によって習得していくものだが、ユウキはその経験であるところの「コスト」を費やした。それによってスキルが発展したというわけだ。
まぁ、発展したからと言って、習ってもいないことをできるはずもない。(未)というのはそういうことだろう、とユウキはスキル詳細を開く。
生産/鍛冶技術(未) Lv.1
金属を使った鍛冶技術全般。
習熟することで、作れるものの幅が広がるだろう。
これもスキルレベルを上げることはできるのかな、と考えたユウキは、レベルを上げようと試みるが、レベルは上がらなかった。
他の技能と同じようにやっているはずなのに、と不思議に思いつつ、まぁきっと(未)だからできないんだろうな、と断念する。そうなると、別のところに迂闊にコストを振り分けるのは失策な気がする。とりあえず(未)が取れるまで、コストの振り分けは中断することにした。
ニーナの家に帰り着くと、玄関の前にニーナが立っていた。
少し慌ててニーナに駆け寄るユウキに、ニーナは微笑んで頭を下げた。
「お帰りなさいませ、ユウキ様」
「……ごめん、待っててくれたの?」
「少し暗くなっていましたので」
正確には暗くなる前から待っていたのだが、ニーナは涼しい顔でさらりと言う。
「そっか。ありがとう」
「いいえ、すでに夕飯の支度はできているようです、行きましょう」
思ったよりもご馳走が並んでいた、というのがニーナの感想だった。
ユウキにしてみれば貴族の食事ってこんなに豪華なのか、という程度の感想でしかないが、母親が作ったと知っているニーナにとっては、自分の母親がこれを作ったというのは、誇らしくさえ思えるほどだ。
「さぁ、食べようか」
上座に位置する父親の声でニーナもユウキも我に返り、そして二人同時に「いただきます」と手を合わせた。
一拍遅れて父親が「いただきます」と手を合わせ、母親がさらに一拍遅れて同じように手を合わせた。
夕食は、父親によるニーナの母親の紹介とユウキの自己紹介から始まった。
母親の名前はコラ・フェルグムス。この家はもともと母親の方の生家で、ドゥランテはフェルグムス家に婿入りした形となるらしい。
ニーナはドゥランテとコラのふたり目の子に当たるらしく、上には兄がいるのだという。
その後は子沢山になって愛情が分散されてしまわないようにと子を儲けるのはやめたらしく、ニーナの下に弟や妹は恐らくできないだろうと語る。
――そこまで赤裸々に語る必要は本来ないのであるが、父親が調子に乗ってペラペラと話してしまったので、まぁ仕方ないことだろう。
ユウキの方は名前だけだ。語るべきこともないので、「元学生です」とだけ言うと、学生というとどんな勉強をしていたのか、とか、この年齢まで学生をするほど裕福な生まれなのか、とか思いの外食いつきが良く、それらにできるだけ丁寧に答えてやると、最終的には「大事に育てられたんだね」とドゥランテとコラは意見を一致させた。
大切に育てられたことに関しては否定はしない。
ただ、少し認識にズレはあるようだ。どうやら修正は難しそうだが、まぁ異世界から来ました、などと軽く言えるはずもなく――言おうとしたがニーナに無言で止められた――苦笑するだけに留めたのは言うまでもない。
ニーナと母親のふたりは、食べ終わると早々に母親の部屋へと戻ってしまった。
ユウキはドゥランテとの酒の付き合いの約束があったため、その場に残る。
とりあえず用意された酒は、焙煎した豆と砂糖黍を蒸留した酒。なんだかコーヒーの匂いがすると思ったら、さらにドゥランテはそこにミルクを大量に投入し、カクテルを作って出してくれた。
「ニーナの兄が好きなカクテルでね。そんなに強くないはずだよ」
「……いただきます」
酒飲みのいう「強くない」とはどの程度なのかわからないが、少なくともニーナの兄が好きな、と言われれば飲まないわけにもいかない。というかどの道、一杯だけという約束なのだからとりあえず飲まないという選択肢はないのだが。
「……あ、意外と甘いんですね。カフェオレみたい」
「ふふ、そうだろう」
嬉しそうに呟きながら、ドゥランテは大きな氷の入ったグラスを傾ける。
この後、大した話はしなかったが、ニーナの子供の頃の話だとかのドゥランテによる娘自慢は、スマホの時計が午後9時を過ぎるまで続いたのだった。
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