Angel☆Doll

隣の大橋さん

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高校デビュー☆俺グレてやる

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生まれた時から俺は獣のような尖った歯、生きてるのに瞳孔開いたような鋭くて細い目

例えるなら昔の作画の水木し○るの描いたゲ○ゲの鬼太郎の猫娘みたいな
戦闘体制でシャーってなるちょっと手前みたいな
あんなに鼻の下はのびてないけど……

今の作画の猫娘ではない

水○しげるの作画の猫娘の鼻の下が伸びてない顔。

俺はそんな顔で生まれてきた

小学校にあがるとまず、クラスメイトに顔を見られただけで大泣きされ人より成長の早かった俺は小学4年生のころには180センチの身長でそこら辺の大人より大きく、その体型での小学校の夏制服のワイシャツ、短パンと白い靴下。学帽それにランドセルを背負うという、小学校のアルバムを開くとその不釣り合いな体型と服装、そして担任の先生より大きい姿で今とあまり変わらない怖い顔の俺が写っていたり。

中等部に上がればこれ以上伸びることはないと思っていた身長はまだ伸び続け中1の夏休みも終わる頃には195センチの体重67キロ。
そこで俺の肉体的成長は止まり、声変わりもすれば『はい』と返事しただけで恐れられる自分でもびっくりするほど低音な声になり、顔どころか声も聞かれれば怖がられるようになった俺はあまり話さなくなり、勉強に打ち込むようになり気づいたら全国模試1位とか2位とかわりと頭がいい方になっていた。

そんなずっと大人しく過ごしていたはずの中等部最後の、それこそ中等部の卒業式終わり帰宅道であの事件が起きたんだ。

俺は特注で作ったサイズの学ランを着て中学最後の下校をしていたその時だ。
時計を見ると今日最終回の毎週見ていた恋愛ドラマ『新宿ラブストーリー』の放送時刻が迫っていることに気付きふと、しまった、今日録画セットするのを忘れてきたということに気づく。

今日は近道をして帰ろう!といつもとは違う人気のない道に進んだ時だ。

『なあ桜木学園のお坊ちゃんよ、さぞかしパパとママからお小遣いもらってるんだろうな?』

『俺たち庶民に分けてくれてもいいんじゃねーのか?ああん?』


俺は咄嗟にその時電柱に隠れた。正直あのとき隠れたつもりだったが今思うと
195センチの身長が実際隠れていたかは定かでないけど、同じ中等部の桜木学園の生徒が有名な不良の多い学校の市立不動高校のいかにもな不良グループと顔に描いた連中にカツアゲにあっていた。

ど、ど、ど、どうしようどうしようそうだ!通報!通報しなきゃ!

俺はカバンからスマホを取り出すがこんなときに充電が切れている。


『ぼ、ぼく本当に今お金ないんです~!』

『なら親に連絡してもってこさせろや!』

不動高校の生徒は今にも中学生桜木学園の生徒を殴りそうな勢いだ。
だめだ。もし助けを呼びに走ったとしてもその間にあの生徒がリンチにあったら…!

俺は恐怖にかられながらなけなしの勇気を振り絞った。


『こ、こら~!』

俺は思わず飛び出した。見過ごすことは、やはり出来ない。
普段は無口な俺。めったに出すことない大声と恐怖で思わず情けない感じに声が裏返ってしまった。
でもやっぱりだめだ。やっぱり、むり。はじめての本物の不良を目の前にして俺は恐怖でなさけないくらいにガタガタ震えた。


『よ、弱いものイジメは~だめです~~よっっ!』

ほんとはガツンと言いたかったけど、怖くて語尾がおかしくなったんだ。皆こっちを見ていて固まっている、ずっとみてる。
ああ、これが本物のメンチを切るってやつなのかな?
怖いよ~俺も恐怖で固まった。顔も強ばった。するとその静寂を破るように不良生徒たちの悲鳴が響いたのだ。


『で、で、でたーーーー!化け物だ!』

『ご、ごめんなさい!祟らないでくださいヒイイイイイ!』

『鬼だ!悪魔だ!うわあああ!』

『恐ろしい形相だ!何人も殺してきたに違いない!』


不良生徒たちは俺の顔を見てそう叫ぶなり脱兎のごとく散って逃げていった。
なんか、すごく傷ついたけど、まあ結果オーライなのかな?
俺はへなへなと座り込んでカタカタと震える桜木学園の生徒に手をのばして『大丈夫?』と聞いた。その時だ。


『こ、怖い!ごめんなさい!お母さーーーん!』


その生徒にまで恐れられ、逃げられてしまった。

中学生最後の夕暮れ、思春期真っ只中の俺。ナイーブな俺の心がそこで何か崩れるのが分かった。



俺はその足で薬局に向かいありったけのブリーチを買った。そのせいで『新宿ラブストーリー』の最終回を見逃してしまった。

でもそんなことどうでもいい。
もうどうでもいい。

俺は黒かった髪を金髪染めた



桜木学園高等部、入学及び進級式日。


桜木学園高等部の制服はワインレッドのブレザーに白のワイシャツネクタイは緑でスラックスが黒。

でも俺はワインレッドのブレザーを羽織るだけでボタンは閉めずワイシャツもボタン前回でなかには黒いTシャツ。メタリカのバンドTシャツを着てネクタイなんて締めない。
スラックスは腰パン、黒のカチューシャで染めた金髪をかきあげて
赤い丸ピアス(ネジ式のやつ。耳に穴を開けるのは怖い)
シルバーのじゃらじゃらしたーネックレスとブレスレッド


もう、いい。

もうどうでもいい。どうせ俺なんか……

こうなったら本当にグレてやる!

桜木学園高等部1年、桜木学(サクラギガク)16歳の春
俺は不良(自称)になった。


登校中だって、不良っぽく歩いてやる!
俺はテレビで見たヤクザが歩くようながに股で腕を振って歩いた。
するといつも渡る横断歩道までくる


あ、赤信号だ止まらなきゃ

俺は赤信号できっちり止まるのだった。






    
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