11 / 39
同じ部屋
しおりを挟む
「実家の部屋に似ているね。」
「そうですね。」
布団を引くために隅に避けた座布団にお座りになる大御神。肩には移動の際に渡した巫女装束がまだかけられている。かなりご機嫌がいいようだ。私は自分の布団を出口側に寄せ、もう一式出した布団を敷いた。
「湯浴みに行かれますか?社殿のものよりかなり手狭ですが、」
「うん。」
念を入れて余分に持ってきた大御神の浴衣と肌着が役に立った。手拭いと着替え一式を渡して風呂場へ案内し、使い方をお教えした。寝具を整え、明日、と言うか今日着る衣装も吊るし、巫女装束もたたみ、寝る準備を万全にする。
間も無く大御神がお戻りになる。大御神の髪を乾かして梳き、癖がつかないように軽くまとめた。
「ありがとう。」
「いえ、私もさせていただいたおかげで落ち着きました。」
「そうか。私の世話もいらないからゆっくり休めると思ったけど。」
「今の時間が一番の休息です。一人でいても心休まることはありませんから。」
「そう…」
「早くお休みになってください。明日も忙しいですよ。」
うん、とうなずき、大御神は布団に入られた。部屋の照明を消すと、間も無く寝息が聞こえてきた。それを聞いてやっと私も眠くなってきた。
「おやすみなさい、天月様。」
小さく、そう呟いて布団に入った。
「そうですね。」
布団を引くために隅に避けた座布団にお座りになる大御神。肩には移動の際に渡した巫女装束がまだかけられている。かなりご機嫌がいいようだ。私は自分の布団を出口側に寄せ、もう一式出した布団を敷いた。
「湯浴みに行かれますか?社殿のものよりかなり手狭ですが、」
「うん。」
念を入れて余分に持ってきた大御神の浴衣と肌着が役に立った。手拭いと着替え一式を渡して風呂場へ案内し、使い方をお教えした。寝具を整え、明日、と言うか今日着る衣装も吊るし、巫女装束もたたみ、寝る準備を万全にする。
間も無く大御神がお戻りになる。大御神の髪を乾かして梳き、癖がつかないように軽くまとめた。
「ありがとう。」
「いえ、私もさせていただいたおかげで落ち着きました。」
「そうか。私の世話もいらないからゆっくり休めると思ったけど。」
「今の時間が一番の休息です。一人でいても心休まることはありませんから。」
「そう…」
「早くお休みになってください。明日も忙しいですよ。」
うん、とうなずき、大御神は布団に入られた。部屋の照明を消すと、間も無く寝息が聞こえてきた。それを聞いてやっと私も眠くなってきた。
「おやすみなさい、天月様。」
小さく、そう呟いて布団に入った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
俺様御曹司に飼われました
馬村 はくあ
恋愛
新入社員の心海が、与えられた社宅に行くと先住民が!?
「俺に飼われてみる?」
自分の家だと言い張る先住民に出された条件は、カノジョになること。
しぶしぶ受け入れてみるけど、俺様だけど優しいそんな彼にいつしか惹かれていって……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる