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紅雷と雪音2
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普段なら自分の仕事がキャンセルになったからと言って、紅雷が雪音の仕事を手伝うことはない。他に理由があって今回はついてきたはずだ。そしてその理由は、雪音に容易に想像できるもので、それが正解である。
5日ほどお預けをくらっていた紅雷は、雪音が玄関の鍵を閉めた直後、後ろから抱きしめて求めた。雪音は肘鉄でそれを交わす。
「流石にシャワーくらいは行かせてよ。」
「返り血でも浴びた?」
「そうそう、だからスーツ吊るしてシャツはカゴに入れてね。」
雪音は実際返り血など浴びていないが、汗をかいたと言うと紅雷が信じられない行動に出る可能性があるので、適当に嘘をついてシャワーを浴びる権利を手にいれる。
雪音は追っ手を警戒して手早くシャワーを済ませて風呂を出る。バスローブに身を包み寝室に行くと、きちんと二人分のスーツがクローゼットに吊るされていて、パンツにワイシャツという格好の紅雷がベッドに腰掛けてタバコを吸っていた。
雪音は開きっぱなしのクローゼットを閉めて、サイドテーブルに置かれていた飲みかけのグラスワインを飲み干した。
「まだ飲む?持ってこようか?」
「いらない。私の分までスーツありがとう。シャワー行ってくれば?」
「いらない。いつまで俺を焦らすの?」
紅雷は立ち上がって、雪音を抱きしめた。雪音も今回は抵抗しない。
身長差が20センチほどある雪音の首元に、紅雷は顔を埋めた。
「まだ噛まないでよ。」
雪音の声にふふ、と紅雷は笑う。まだ、ということはいずれ噛んでいいということ。雪音がこんなこと言うのは初めてで、紅雷は久しぶりに雪音を抱ける喜びと相まって、思わず雪音をサイドテーブルに押し倒した。
5日ほどお預けをくらっていた紅雷は、雪音が玄関の鍵を閉めた直後、後ろから抱きしめて求めた。雪音は肘鉄でそれを交わす。
「流石にシャワーくらいは行かせてよ。」
「返り血でも浴びた?」
「そうそう、だからスーツ吊るしてシャツはカゴに入れてね。」
雪音は実際返り血など浴びていないが、汗をかいたと言うと紅雷が信じられない行動に出る可能性があるので、適当に嘘をついてシャワーを浴びる権利を手にいれる。
雪音は追っ手を警戒して手早くシャワーを済ませて風呂を出る。バスローブに身を包み寝室に行くと、きちんと二人分のスーツがクローゼットに吊るされていて、パンツにワイシャツという格好の紅雷がベッドに腰掛けてタバコを吸っていた。
雪音は開きっぱなしのクローゼットを閉めて、サイドテーブルに置かれていた飲みかけのグラスワインを飲み干した。
「まだ飲む?持ってこようか?」
「いらない。私の分までスーツありがとう。シャワー行ってくれば?」
「いらない。いつまで俺を焦らすの?」
紅雷は立ち上がって、雪音を抱きしめた。雪音も今回は抵抗しない。
身長差が20センチほどある雪音の首元に、紅雷は顔を埋めた。
「まだ噛まないでよ。」
雪音の声にふふ、と紅雷は笑う。まだ、ということはいずれ噛んでいいということ。雪音がこんなこと言うのは初めてで、紅雷は久しぶりに雪音を抱ける喜びと相まって、思わず雪音をサイドテーブルに押し倒した。
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