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戦い方4
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ビルの3階は社長室だった。もうすでにこの部屋の主はいない。
雪音はデスクの引き出しから組織の情報を取り出した。PCも開き、持ってきていたタブレットと繋いでセキュリティを抜けると、情報を全てタブレットに移し、小型爆弾でPCを破壊した。ビルごと飛ばせればな、と思いつつ、雪音はチマチマとあらゆるファイルや引き出しを確認して情報をかき集めた。
社長室のみならず、一階、二階のPCや資料を削除し、ビルから出る。
雪音はすでに興奮状態から覚めていた。興奮状態での記憶はほとんど残っていない。あの状態は理性らしい理性が全く働かないため、なるべく冷静にいるよう努めている。が、空気感に煽られてしまうともう自分ではコントロールできない。
戦っている時間はわずかだったが、情報を集めるのに時間を要した。車に乗り込んで時計を見ると日付が変わっている。
コートを脱ぎ、ジャマーをオフにして本部に任務終了の連絡を入れた。ボスから報告は後日との返信があったので、役付きではなく一般の任務に移ることにした。移動中、紅雷から電話がきた。
「お疲れ、大丈夫だった?」
「うん、なんで?」
「今日、顔色酷かったから。」
「久しぶりに体動かした。」
「そっか。怪我してない?」
「してない。」
「わかった。この後任務行くんでしょ?」
「うん。今期任務当たれてなくて。」
「そうかな。先週ノルマ達成してるから後は適当でいいよ。」
「わかった。5時には帰ると思う。」
「了解。俺も同じくらいになりそうだから、ゆっくり帰ってきて。」
「うん。じゃあね。」
「気をつけてね。」
電話を切る。頭痛はなくなり、体調は良くなっている気がした。
雪音はデスクの引き出しから組織の情報を取り出した。PCも開き、持ってきていたタブレットと繋いでセキュリティを抜けると、情報を全てタブレットに移し、小型爆弾でPCを破壊した。ビルごと飛ばせればな、と思いつつ、雪音はチマチマとあらゆるファイルや引き出しを確認して情報をかき集めた。
社長室のみならず、一階、二階のPCや資料を削除し、ビルから出る。
雪音はすでに興奮状態から覚めていた。興奮状態での記憶はほとんど残っていない。あの状態は理性らしい理性が全く働かないため、なるべく冷静にいるよう努めている。が、空気感に煽られてしまうともう自分ではコントロールできない。
戦っている時間はわずかだったが、情報を集めるのに時間を要した。車に乗り込んで時計を見ると日付が変わっている。
コートを脱ぎ、ジャマーをオフにして本部に任務終了の連絡を入れた。ボスから報告は後日との返信があったので、役付きではなく一般の任務に移ることにした。移動中、紅雷から電話がきた。
「お疲れ、大丈夫だった?」
「うん、なんで?」
「今日、顔色酷かったから。」
「久しぶりに体動かした。」
「そっか。怪我してない?」
「してない。」
「わかった。この後任務行くんでしょ?」
「うん。今期任務当たれてなくて。」
「そうかな。先週ノルマ達成してるから後は適当でいいよ。」
「わかった。5時には帰ると思う。」
「了解。俺も同じくらいになりそうだから、ゆっくり帰ってきて。」
「うん。じゃあね。」
「気をつけてね。」
電話を切る。頭痛はなくなり、体調は良くなっている気がした。
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