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戦い方5
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雪音は明け方、帰路についた。
「ただいま。」
玄関からはリビングに灯りが灯っているのがわかる。リビングへのドアを開けた。
「おかえり。・・・元気になったね?」
ソファで酒を飲み寛いでいた紅雷は、雪音の表情を見て笑った。
「そうかも。」
「案外、頭脳戦より肉弾戦の方が好きなんじゃない?」
「どうかな。」
雪音は真顔でその言葉を交わす。
紅雷は雪音の暗器を用いた戦い方が好きで、雪音がハッキングなどを学び出したときはやたらと邪魔をしていた。
一方で雪音も久しぶりの血が騒ぐ感覚にハマり、2つ目の任務も情報網への攻撃は一切行わず肉弾戦を繰り広げた。雪音も体を動かすほうが性に合っていることは薄々感じている。
雪音は荷物を椅子に置くと、グラスを持って紅雷の隣に座った。
「それ、私が買って置いといたやつ。」
「うん。おいしい。雪音の酒選びはほんとに外れないね。」
「ちょうだい。」
雪音が半年ほど前に買って飲むタイミングを逃していたロゼ。程よく冷えたピンクの炭酸は仕事終わりの雪音の体を癒してくれた。
「またイタリア行きたい。あそこは仕事も酒も充実してた。」
2年前、半年ほどの間、ボスの命令で雪音と紅雷はヨーロッパ圏で任務に当たっていた。それまでは特にこだわりなく酒を飲んでいた雪音がワインに目覚めたのはその頃である。
幹部になれば長期間日本を離れることは難しくなる。
「ボスに頼んでみよっか。」
紅雷は2本目のボトルを開けながらそう言った。次は赤ワインだ。
「無理でしょう。」
「取引すればいいんだよ。」
「取引?どういう?」
「来週ボスに会うとき、俺から持ちかけてみる。」
雪音はグラスに注がれた真っ赤な液体を見ながら首を傾げた。
「ただいま。」
玄関からはリビングに灯りが灯っているのがわかる。リビングへのドアを開けた。
「おかえり。・・・元気になったね?」
ソファで酒を飲み寛いでいた紅雷は、雪音の表情を見て笑った。
「そうかも。」
「案外、頭脳戦より肉弾戦の方が好きなんじゃない?」
「どうかな。」
雪音は真顔でその言葉を交わす。
紅雷は雪音の暗器を用いた戦い方が好きで、雪音がハッキングなどを学び出したときはやたらと邪魔をしていた。
一方で雪音も久しぶりの血が騒ぐ感覚にハマり、2つ目の任務も情報網への攻撃は一切行わず肉弾戦を繰り広げた。雪音も体を動かすほうが性に合っていることは薄々感じている。
雪音は荷物を椅子に置くと、グラスを持って紅雷の隣に座った。
「それ、私が買って置いといたやつ。」
「うん。おいしい。雪音の酒選びはほんとに外れないね。」
「ちょうだい。」
雪音が半年ほど前に買って飲むタイミングを逃していたロゼ。程よく冷えたピンクの炭酸は仕事終わりの雪音の体を癒してくれた。
「またイタリア行きたい。あそこは仕事も酒も充実してた。」
2年前、半年ほどの間、ボスの命令で雪音と紅雷はヨーロッパ圏で任務に当たっていた。それまでは特にこだわりなく酒を飲んでいた雪音がワインに目覚めたのはその頃である。
幹部になれば長期間日本を離れることは難しくなる。
「ボスに頼んでみよっか。」
紅雷は2本目のボトルを開けながらそう言った。次は赤ワインだ。
「無理でしょう。」
「取引すればいいんだよ。」
「取引?どういう?」
「来週ボスに会うとき、俺から持ちかけてみる。」
雪音はグラスに注がれた真っ赤な液体を見ながら首を傾げた。
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