119 / 385
ラジン国編
171.にゃろ
しおりを挟む
「お前さあ、ユキノちゃんの召喚獣だから大目に見てやってるけど、ちゃんとご主人様をうや」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「……にゃろ」
ノムルの額に、青筋が浮かんだ。
雪乃は擦り寄ってくるランタを、優しく撫でてやる。
「寂しかったですか? すみません」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「そうですか」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「なんで会話が? いや、なんでこの騒音が平気なの?」
ノムルは額を押さえて、がくりと肩を落とした。
と、そこへ第二弾がやってくる。
「ぴーっ?!」
ライバルが現れたと思ったのか、ぴー助は一直線に飛んでくると、雪乃にひしと抱きついた。
「ぴー! ぴー!」
「寂しかったですか? よくお留守番をしてくれましたね」
「ぴー!」
褒められたと気付いたぴー助は、嬉しそうに頬を摺り寄せてくる。
「あ、てめえ、ぴー助! 何どさくさに紛れてやってるんだ! ユキノちゃんとのほっぺすりすりは、おとーさんの特権なんだぞ?!」
「ぴー!」
ぴー助とは反対側から抱き締めたノムルが、雪乃に頬を摺り寄せてくる。もちろん、雪乃は枝を突っ張って、ノムルの頬から身を守った。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「ぴー」
「お前ら、ユキノちゃんから離れろ!」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「ぴー」
いつもは静かな魔法ギルドの裏手にある森林。今日はとても賑やかだった。いや、騒々しかった。
「……ノムル様? え? どういう状況なんですか?」
ぴー助をつれてきたディランの脳ミソは、目の前の光景を処理することができず、今にも煙が立ち昇りそうだ。
そして騒ぎの中心となっている雪乃はと言えば……。
俯いてふるふると震えていた。
「ノムルさん! ぴー助! ランタ! 落ち着きなさい!」
一人と二匹は、小さな樹人からのお説教を食らったのだった。
「ユキノちゃん、おとーさんはただ、嫉妬の炎に焼かれていただけなんだよ?」
「そんな理由、言い訳になりません!」
「えー?」
「ぴー!」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
ギルドにいた魔法使い達も、何事かと森の様子を窺う。
だがそこで展開されていた偉大なる魔法使いの残念な姿に、ある者は硬直し、ある者は目を逸らし、ある者は記憶を抹消した。
そんな長閑な昼下がりのお話。
「ノムル様……」
部屋に戻ったノムルと雪乃は、ソファに並んで座っていた。もちろんぴー助も雪乃の隣にいる。
午前中、一緒にいられなかったことが寂しかったらしく、不機嫌そうに尻尾でソファを叩き続けていた。
そして対面には、ディランが座っている。
ディランは笑顔だが、とても怖い。氷点下の笑顔というやつだ。彼の背後には、アイス国で見た吹雪が見える。
「何怒ってるのさ?」
「……。お分かりになりませんか?」
「わかんないから聞いて」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「うん、分かった気がする」
「ご理解いただけましたこと、感謝いたしま」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
窓の外から、ランタの声が聞こえる。
ディランの前で吸収するわけにもいかず、森に残して来たのだが、屋内にいても彼の声はよく届く。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「「……」」」
「えーっと、ごめんなさい」
とりあえず、雪乃は幹を曲げて謝罪した。
あれは人里で召喚してはいけない生き物だった。
「いえ、ユキノ様のせいでは」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「……」」
ディランは目元を覆って項垂れる。
雪乃は真っ赤に紅葉した。
ぴー助は相変わらずソファを叩いているし、ノムルは怒られることに飽きて、後ろ向きに座る。背もたれに乗せた腕にあごを乗せて、まったく聞く耳を持たぬようだ。
「なぜヤギがいるのでしょうか? あれはいったい、どういう」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「えっと、途中で拾いまして」
「今までいませんでしたよね? 空間魔法には生体は入れられないはずで」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「えーっと……」
雪乃は視線をさ迷わせる。プランタ・タルタリカ・バロメッツだと答えても良いものなのだろうか? 判別しかねた。
「ヤギの一匹や二匹で騒ぐなよ。別に迷惑かけてないだ」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「「……」」」
迷惑はしっかりかけているようだ。
ノムルは杖を指で弾き、ランタの周囲に防音魔法をかける。
「ご迷惑をおかけしました。あまり大声を出さないように、ランタにはしっかりお願いしておきます」
「そこは躾で良いと思うけど?」
「え?」
「ん?」
雪乃とノムルは見つめあう。見詰め合う。
「ユキノちゃーん」
「セクハラ禁止です」
枝を突っ張って、親ばかの頬を何とか遠ざけた。
「そういえば、俺とユキノちゃんの養子縁組の書類、どうなってるのさ? 何でまだ手元に来てないの?」
雪乃の枝先が頬に食い込みながらも、ノムルはディランに問う。もはや恒例過ぎて、痛みは無いようだ。
ぎくりとディランの目が泳ぐが、すぐに笑顔を作る。
「申し訳ありません。ユキノ様のご両親が不明ですので、書類の作成に手間取っていまして」
「ユキノちゃんは孤児だって説明しただろう?」
一応、雪乃は人間ということにしているため、分かりやすい孤児という設定を使うことにしたのだ。
「そう申されましても、ノムル様の養子となられたとなれば、どこから嗅ぎつけたか分からぬ者が、親族として名乗りを挙げる可能性が高いのです。きちんと精査しませんと」
「そんなの蹴散らせばいいじゃん! 全部偽者だから」
「そういうわけには。偽証だと立証するだけの証拠が無ければ、ノムル様に誘拐の冤罪が掛けられる危険もあるのですよ?」
ディランはなおも説明を続けようとしているが、ノムルは唇を尖らせて不満を募らせる。
実際の所、雪乃の親族だと名乗る人間が現れても、間違いなく偽者であるのだが、それをディランに説明するには、雪乃の正体を明かす必要がある。
「私の親戚ですか……」
雪乃は考える。ぽわんぽわんと浮かんできたのは、グレーム森林に棲む、古老の樹人だった。
「いや、あれは無しだから」
ノムルも同じ相手を想像したらしく、雪乃が口を開く前に却下した。
彼は樹人である以上に、キャラが濃すぎる。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「……にゃろ」
ノムルの額に、青筋が浮かんだ。
雪乃は擦り寄ってくるランタを、優しく撫でてやる。
「寂しかったですか? すみません」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「そうですか」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「なんで会話が? いや、なんでこの騒音が平気なの?」
ノムルは額を押さえて、がくりと肩を落とした。
と、そこへ第二弾がやってくる。
「ぴーっ?!」
ライバルが現れたと思ったのか、ぴー助は一直線に飛んでくると、雪乃にひしと抱きついた。
「ぴー! ぴー!」
「寂しかったですか? よくお留守番をしてくれましたね」
「ぴー!」
褒められたと気付いたぴー助は、嬉しそうに頬を摺り寄せてくる。
「あ、てめえ、ぴー助! 何どさくさに紛れてやってるんだ! ユキノちゃんとのほっぺすりすりは、おとーさんの特権なんだぞ?!」
「ぴー!」
ぴー助とは反対側から抱き締めたノムルが、雪乃に頬を摺り寄せてくる。もちろん、雪乃は枝を突っ張って、ノムルの頬から身を守った。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「ぴー」
「お前ら、ユキノちゃんから離れろ!」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「ぴー」
いつもは静かな魔法ギルドの裏手にある森林。今日はとても賑やかだった。いや、騒々しかった。
「……ノムル様? え? どういう状況なんですか?」
ぴー助をつれてきたディランの脳ミソは、目の前の光景を処理することができず、今にも煙が立ち昇りそうだ。
そして騒ぎの中心となっている雪乃はと言えば……。
俯いてふるふると震えていた。
「ノムルさん! ぴー助! ランタ! 落ち着きなさい!」
一人と二匹は、小さな樹人からのお説教を食らったのだった。
「ユキノちゃん、おとーさんはただ、嫉妬の炎に焼かれていただけなんだよ?」
「そんな理由、言い訳になりません!」
「えー?」
「ぴー!」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
ギルドにいた魔法使い達も、何事かと森の様子を窺う。
だがそこで展開されていた偉大なる魔法使いの残念な姿に、ある者は硬直し、ある者は目を逸らし、ある者は記憶を抹消した。
そんな長閑な昼下がりのお話。
「ノムル様……」
部屋に戻ったノムルと雪乃は、ソファに並んで座っていた。もちろんぴー助も雪乃の隣にいる。
午前中、一緒にいられなかったことが寂しかったらしく、不機嫌そうに尻尾でソファを叩き続けていた。
そして対面には、ディランが座っている。
ディランは笑顔だが、とても怖い。氷点下の笑顔というやつだ。彼の背後には、アイス国で見た吹雪が見える。
「何怒ってるのさ?」
「……。お分かりになりませんか?」
「わかんないから聞いて」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「うん、分かった気がする」
「ご理解いただけましたこと、感謝いたしま」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
窓の外から、ランタの声が聞こえる。
ディランの前で吸収するわけにもいかず、森に残して来たのだが、屋内にいても彼の声はよく届く。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「「……」」」
「えーっと、ごめんなさい」
とりあえず、雪乃は幹を曲げて謝罪した。
あれは人里で召喚してはいけない生き物だった。
「いえ、ユキノ様のせいでは」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「……」」
ディランは目元を覆って項垂れる。
雪乃は真っ赤に紅葉した。
ぴー助は相変わらずソファを叩いているし、ノムルは怒られることに飽きて、後ろ向きに座る。背もたれに乗せた腕にあごを乗せて、まったく聞く耳を持たぬようだ。
「なぜヤギがいるのでしょうか? あれはいったい、どういう」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「えっと、途中で拾いまして」
「今までいませんでしたよね? 空間魔法には生体は入れられないはずで」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「えーっと……」
雪乃は視線をさ迷わせる。プランタ・タルタリカ・バロメッツだと答えても良いものなのだろうか? 判別しかねた。
「ヤギの一匹や二匹で騒ぐなよ。別に迷惑かけてないだ」
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「「「……」」」
迷惑はしっかりかけているようだ。
ノムルは杖を指で弾き、ランタの周囲に防音魔法をかける。
「ご迷惑をおかけしました。あまり大声を出さないように、ランタにはしっかりお願いしておきます」
「そこは躾で良いと思うけど?」
「え?」
「ん?」
雪乃とノムルは見つめあう。見詰め合う。
「ユキノちゃーん」
「セクハラ禁止です」
枝を突っ張って、親ばかの頬を何とか遠ざけた。
「そういえば、俺とユキノちゃんの養子縁組の書類、どうなってるのさ? 何でまだ手元に来てないの?」
雪乃の枝先が頬に食い込みながらも、ノムルはディランに問う。もはや恒例過ぎて、痛みは無いようだ。
ぎくりとディランの目が泳ぐが、すぐに笑顔を作る。
「申し訳ありません。ユキノ様のご両親が不明ですので、書類の作成に手間取っていまして」
「ユキノちゃんは孤児だって説明しただろう?」
一応、雪乃は人間ということにしているため、分かりやすい孤児という設定を使うことにしたのだ。
「そう申されましても、ノムル様の養子となられたとなれば、どこから嗅ぎつけたか分からぬ者が、親族として名乗りを挙げる可能性が高いのです。きちんと精査しませんと」
「そんなの蹴散らせばいいじゃん! 全部偽者だから」
「そういうわけには。偽証だと立証するだけの証拠が無ければ、ノムル様に誘拐の冤罪が掛けられる危険もあるのですよ?」
ディランはなおも説明を続けようとしているが、ノムルは唇を尖らせて不満を募らせる。
実際の所、雪乃の親族だと名乗る人間が現れても、間違いなく偽者であるのだが、それをディランに説明するには、雪乃の正体を明かす必要がある。
「私の親戚ですか……」
雪乃は考える。ぽわんぽわんと浮かんできたのは、グレーム森林に棲む、古老の樹人だった。
「いや、あれは無しだから」
ノムルも同じ相手を想像したらしく、雪乃が口を開く前に却下した。
彼は樹人である以上に、キャラが濃すぎる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる